ロボアドバイザーの種類とは|サービス内容や手数料体系、運用方法で種類分け

ロボアドバイザーの「サービス内容」の種類

種類①助言型ロボアドバイザー

  • 投資家のリスク許容度の診断や、
  • リスク許容度に見合った、主に現代ポートフォリオ理論に基づく、最適ポートフォリオの提案、
  • ポートフォリオを構築するための、具体的な投資信託銘柄の提案

まで行うのが、助言型(アドバイス型、と呼ばれることもある)ロボアドバイザーのサービス内容です。

投資信託の販売を行っている証券会社が、顧客獲得ツールとして提供しているケースが多く、提案された投資信託を「購入する」等のリンクをクリックすると、その証券会社への投資家登録などへと誘導されることが一般的です。

助言型ロボアドバイザー活用のメリット

  • ロボアドバイザー・サービス部分の利用にあたっては、手数料が生じない(リスク許容度診断や、ポートフォリオ提案、投資信託提案、といった部分までは、無料で利用することが出来る)。
    ただし、提案された投資信託を実際に購入する場合、証券会社に対して買い付け手数料を支払ったり、投資信託の運用会社に対して信託報酬を支払う必要が生じることがある。
  • ロボアドバイザーの診断内容や提案内容は、あくまでも参考情報として受け取り、最終的な判断は投資家自身が下すこととなる。このため、投資は必然的に情報収集などを熱心に行うこととなり、投資に関する知識・ノウハウが投資家に蓄積されやすい。
  • iDeCo口座やNISA口座が利用できる:
    助言型(アドバイス型)ロボアドバイザーの場合、投資家が実際にどの証券口座を利用して投資信託やETFを購入するかは、あくまでも投資家の判断に任されています。
    助言型ロボアドバイザーによって提案された投資信託を、自分のiDeCo口座やニーサ口座で取得することも可能ですから、投資家にとっては自由度の高いサービスだといえます。

助言型ロボアドバイザーのデメリット

  • 投資信託の実際の買い付けやリバランスについては、投資家自身で執行する必要があるため、一定の手間暇がかかる
  • トレードそのものは投資家が行うため、投資のプロセスの中に、どうしても、投資家の個人的な感情や、主観的な予測が入り込む余地がある。
  • あくまでも証券会社・金融機関の見込み客獲得ツールとして無料提供されているため、その運営企業が取り扱っている投資信託等のみが、取得推奨銘柄として提案されるケースがある。

参考:
ロボアドバイザーのメリット・デメリットとは|投資一任型・助言型ロボアドバイザーのリスク・仕組みから徹底解説

種類②投資一任型ロボアドバイザー

前述の助言型ロボアドバイザーサービスが提供しているようなサービスに加えて、

  • ポートフォリオを実際に構築するための投資信託(ETFを含む)の買い付けや、
  • その後の定期的なリバランスまで、

およそ、インデックス投資に関わる、ほぼ全てのプロセスを、全自動的に提供してくれるのが、投資一任型ロボアドバイザーサービスと言われるサービスです。

投資一任型ロボアドバイザーのメリット

投資一任型ロボアドバイザーのメリット
リバランスも含めて、インデックス投資に関する諸作業を自動化出来る等、投資一任型のロボアドバイザーには、様々なメリットがあります。
※画像はイメージです。

  • 投資対象がETFとされている場合でも、ETFからの分配金を、ロボアドバイザーが自動的に再投資(ETFの取得原資にあてる)してくれる。
  • 資産クラスごとにETFを取得することで、複数の資産クラスにまたがった、マルチアセット・ポートフォリオを、インデックス投資初心者でも、容易に構築・運用することが出来る。
  • ETFの少額買い付けサービスを提供しているロボアドバイザーの場合、本来は株数単位での買い付けが必要な上場投資信託(ETF)についても、より少額から買い付けることが出来る。また、ETFの買い付けにあたり、その買い付け手数料は、ロボアドバイザー側が負担することが一般的。
  • 同じ投資一任型のサービスにあたる、証券会社・金融機関提供のファンドラップ・サービスと比較すれば、運用手数料が廉価であると言える(ファンドラップ・サービスの場合、預かり資産残高に対して年率2パーセント程度が相場だが、ロボアドバイザーの場合、年率の手数料料率は1パーセント程度)。また、ファンドラップ・サービスよりも、最低投資額が小さい(ファンドラップ・サービスの場合、最低でも数百万円程度の最低投資額が必要だが、ロボアドバイザーの場合、1万円~10万円程度の少額から投資できる)。
  • 投資に纏わる、ほぼすべての手続きを、ロボアドバイザーに一任できるため、トレードに投資家の感情・予測の入り込む余地がない。相場の急落が生じたときも、狼狽売りしてしまうようなリスクが軽減されるため、結果的に、インデックス投資成功の王道と言われる「長期投資」が実現しやすい。
  • インデックス投資において最も手間のかかる作業の一つと言われる「リバランス」についても、ロボアドバイザーに一任することが出来る。また、リバランスにおいて、含み益の実現による課税関係が生じる場合、含み損の実現によってこれを相殺しようと試みる、税金最適化機能が提供されているロボアドバイザーもある。

投資一任型ロボアドバイザーのデメリット

  • 投資家は、投資対象となる投資信託(ETFを含む)の運用会社に対する信託報酬と、ロボアドバイザー運営会社への「ロボアドバイザー利用手数料」とを、二重で負担する必要がある。トータルでの年率は1パーセント強程度となり、実質、アクティブ・ファンド並みの手数料が必要となる。
  • ロボアドバイザーは、投資家のポートフォリオに債券を組み入れる。しかし、目下、債券利回りは極めて低く、今後は利回りが上がる余地の方が大きい。新規発行債券の利回りが向上する場合、相対的に利回りの低い既発債は価格が低下する(値下がりの可能性が高い)。
  • ロボアドバイザーの行う、現代ポートフォリオ理論に基づくマルチアセット・ポートフォリオ運用によるリスク低減効果には、昨今、その効能を疑問視する声もある。
  • iDeCoやつみたてNISA口座を利用したトレードが不可。
  • リバランスによって(含み益実現により)課税関係が生じるリスクがあるほか、株式系の資産クラスが運用途中で売却されることにより、ポートフォリオ全体の、将来的な期待利回りが引き下げられる恐れがある。
  • トレードは全てロボアドバイザーが行うため、投資家自身に、インデックス投資に纏わる知識・ノウハウが蓄積されることが無い。

参考:
ロボアドバイザーの問題点とは「下落相場で利益を出せない」「損失が生じても手数料がかかる」「投資家獲得競争が熾烈」等、投資家・運用会社が抱える問題点を分析

ロボアドバイザーの「手数料体系」の種類

いわゆる投資一任型のロボアドバイザーの場合、その手数料体系には、主に下記の2種類があります。

  • 「預かり資産残高」に連動した手数料体系
  • 「成果報酬」にのみ連動した手数料体系

それぞれの種類ごとに、詳しく見て参りましょう。

種類①預かり資産連動型のロボアドバイザー

ロボアドバイザーの実際の運用成績の如何を問わず、ロボアドバイザーに対して運用を任せている、「預かり資産残高」の金額に応じて、手数料が生じるロボアドバイザーです。
国内のロボアドバイザー業界においては、主流派と言われている種類であり、ウェルスナビやテオなどといったロボアドバイザーは、こちらの手数料体系を採用しています。

預かり資産連動型の手数料体系を採用するロボアドバイザーのメリット

  • 分かりやすい・計算しやすい:
    預かり資産残高に連動した手数料体系については、投資家としても、自分が実際にロボアドバイザーで運用している資産額に応じて、簡単に計算することができる、わかりやすい、と言うメリットがあります。
    例えば、ロボアドバイザーで100万円を運用している投資家であれば、そのロボアドバイザーの手数料率が、預かり資産残高の1%なのであれば1万円、預かり資産残高の1.5%であれば年額15,000円、などと、比較的簡単に、自身が支払うこととなるロボアドバイザー手数料を把握することができます
  • 基本的には、ロボ運営会社側に有利な仕組み:
    預かり資産残高連動型の手数料体系によって、最もメリットを享受できるのは、投資家と言うよりは、そのロボアドバイザーの運営会社といえます。
    ロボアドバイザーの運営会社としては、相場がレンジ相場や、下落相場等にあり、投資家の運用成績を伸ばしづらいような時期でも、投資家からの月額の積み立て投資による資金増や、マーケティングによって新たな投資家を獲得することで預かり資産残高を積み増せば、比較的容易に、手数料の計算対象となる預かり資産残高を拡充することができます。

預かり資産連動型の手数料体系を採用するロボアドバイザーのデメリット

預かり資産連動型の手数料体系を採用するロボアドバイザーのデメリット
たとえ運用成績がマイナスでも、預かり資産残高に比例した手数料が生じ続ける、ロボアドバイザー独自の手数料構成に対しては、デメリットを感じる投資家もいるようです。
※画像はイメージです。

預かり資産残高に連動した手数料体系でデメリットを被るのは、基本的には投資家サイドであるといえます。

ロボアドバイザーは、実際にはインデックス投資ツールですので、利益が出るかどうかは、インデックス指数の伸びに依存しています。

相場がレンジ相場にあるときや、下落相場にあるときなど、インデックス指数が伸び辛い時期においては、ロボアドバイザーに投資したとしても、利益を出す事は難しいのですが、こうした時期においても、投資成績の良し悪しに関わらず、投資家は、ロバアドバイザー運用会社に対して、預かり資産残高に応じた手数料を支払い続ける必要があります。

極論すれば、ロボアドバイザーの運用によって、投資家の資産が減ってしまったとしても、投資家としては、そのロボアドバイザーに対して、利用手数料を支払う必要がある、と言うことです。


参考:
ロボアドバイザーと手数料|投資家にとって、ロボアドバイザーの手数料は、高いのか

種類②完全成果報酬型のロボアドバイザー

預かり資産残高連動型の手数料体系を嫌気する投資家が少なく無い事を背景に、新興のロボアドバイザー事業者の中には、預かり資産残高連動性の手数料体系を採用せず、運用の「成果」に応じた、成果報酬型の手数料体系を採用しているケースがあります。

完全成果報酬型のロボアドバイザーのメリット

  • 資産評価額が過去最高値を更新しない限り、手数料が生じない:
    完全成果報酬型のロボアドバイザーの場合は、投資家の資産評価額が、そのロボアドバイザーによる資産運用を始めて以来の過去最高値を更新しない限り、成果報酬手数料が生じる事はありません。
    預かり資産残高連動型のロボアドバイザーのように、「投資成績がマイナスでも手数料が生じてしまう」などといった事態が生じないと言うのは、投資家にとってはメリットといえます。
  • 利益相反が生じづらい:
    ロボアドバイザーの運営会社と投資家とのあいだで、利益相反が生じづらいと言うのも、この手数料体系の種類を採用しているロボアドバイザーを利用するメリットといえます。
    ロボアドバイザーの運営会社も、投資家も、資産残高が運用によって増えない限り、一切利益が生じませんから、その点において、両者の利益の方向性は、一定程度一致しているといえます。

完全成果報酬型のロボアドバイザーのデメリット

  • 成果報酬に対する手数料率が高い:
    完全成果報酬型のロボアドバイザーの場合、そもそも、成果報酬そのものに対する手数料率が、やや高いと言う難点があります。
    同じく投資一任型サービスとして得られる「ヘッジファンド」の場合、預かり資産残高に応じた手数料の他に、成果報酬の20%程度の手数料を請求することが相場であるため、それと比べれば安いですが、基本的には、成果報酬型ロボアドバイザーの場合、成果報酬分に対して、10%程度の手数料を請求されることが一般的です。
  • 単なるインデックス指数改善による最高値更新でも、手数料が生じる:
    成果報酬型のロボアドバイザーといえども、その基本的な運用方法は、成果報酬連動型ロボアドバイザーと変わらず、インデックス投資を基本としていることが一般的です。
    投資家の目線から見ると、インデックス指数が向上したから利益が出ただけであるにもかかわらず、ヘッジファンド的なアクティブ運用をしているわけでもないロボアドバイザーに対して、高率の成果報酬を支払う事は納得できない、と考える人も、一定程度、存在します。
  • 運営会社としては、レンジ相場の時期や下落局面では収益が生じない:
    成果報酬連動型の手数料体系を採用している場合、ロボアドバイザー運営会社としては、相場の低迷期や、相場が一定の範囲内で上下動を繰り返す、いわゆるレンジ相場の場合、そもそも、成果報酬そのものが生じないと言う、大きな難点があります。
    事業において収益が生じない期間が一定程度想定されるため、事前にかなり周到なシミュレーションを実施しない限り、キャッシュフローのショートなどにより、事業が立ち行かなくなるリスクもあります。

参考:
完全成果報酬型ロボアドバイザー「SUSTEN」(サステン)とは|投資の仕組み、メリット&デメリットまで検証

ロボアドバイザーの「運用方法」の種類

種類①投資信託の販売仲介型

ロボアドバイザー自体は投資信託を運用せず、あくまでも他の運用会社が運用する投資信託の販売を仲介するタイプのロボアドバイザー。
国内では、ウェルスナビなどの提供するロボアドバイザーが該当します。

「投信販売仲介型」ロボアドバイザーのメリット

  • 投資家としては、投資信託選びの手間暇を削減できる
  • ETFの少額買い付けサービスを利用できる場合もある
  • ETFの再投資を自動化できるメリットもある

「投信販売仲介型」ロボアドバイザーのデメリット

  • ロボアドバイザー利用料のほかに、投資信託そのもののコストがかかる
  • 自分で投資信託を直接買ったほうが、主にコスト面からは得策

種類②投資信託の直接販売型

ロボアドバイザー運営会社自身が、投資信託を運用。
投資家は、リスク許容度に応じて、ロボアドバイザー運営会社の運用する投資信託を自動的に選択したり、その組み合わせを取得することとなります。
国内のロボアドバイザー業界では、サステンなどが該当します。

「投信直接販売型」ロボアドバイザーのメリット

  • ロボアドバイザー専用ファンドが提供されていることもある。
  • 他のロボアドバイザーでは実現できない、独自の運用結果が期待できる場合がある。

「投信直接販売型」ロボアドバイザーのデメリット

  • 結局、ファミリーファンド方式のベビーファンドを購入しているだけ、というケースもある(この場合、マザーファンドを直接買ったほうが、ランニングコストが廉価となるケースもある)。
  • ロボアドバイザー運営会社による投資信託運用が稚拙である場合、リターンが市場平均すら下回ることがある。

Author Info

ロボアドバイザー検証チーム
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ロボアドバイザー情報専門の検証チームでは、日本国内、並びにアメリカを中心とした海外国にて展開されているロボアドバイザー(RA)サービスに関する最新情報を提供するほか、ロボアドバイザー業界の市場調査、各社の新サービスの検証などを実施する。

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