ゲームで遊んで仮想通貨を稼ぐ「NFTゲーム」の始め方とは-独自のメリットやリスク、稼げるNFTゲームの選び方などを検証
NFTゲームの始め方
一般的に、NFTゲームを始める場合、下記のようなステップを辿る必要があります。
- 国内の暗号資産取引所の口座開設
- 海外暗号資産取引所のアカウント作成
- メタマスク等のウォレット管理ツールの導入
- プレイするNFTゲームの選択
- NFTゲームと、メタマスクの接続
- NFT購入に必要な暗号資産(トークン)の入手
- NFTの購入
- 実際のNFTゲームのプレイ
- ゲームからの出金
下記、それぞれ細かく見て参りましょう。
NFTゲームを選ぶ前に、国内の暗号資産取引所の口座開設を行う
NFTゲームを始めるにあたっては、まず、国内の暗号資産取引所に口座開設を行うことが、第1ステップとなります。
画像引用元:ビットポイント
一般的に、NFTゲームをプレイするためには、そのゲーム内のキャラクターやアイテムとして、NFTを事前に購入する必要があります。
※例えば、Move to Earn型のNFTゲームとして知られるSTEPNの場合であれば、スニーカーNFTの購入が必要です。
そして、各NFTゲームのNFTは、一般的に、日本円等の法定通貨で購入することは出来ません。
※一部のNFTプロジェクトの中には、クレジットカードを利用してNFTを購入できるケースもあるようですが、例外的な存在と言えます。
基本的に、NFTを購入するためには、何らかの暗号資産をが必要となりますので、それに先立ち、何はともあれ、国内の暗号資産取引所で、口座開設を済ませておく必要があります。
NFTゲームからの収益を最終的に日本円に換えるときにも、暗号資産取引所口座は必要
NFTゲームを始めるときに、何らかの暗号資産が必要となることは、前述の通りです。
一方で、NFTゲームで収益をあげ、その収益を、最終的に日本円に交換する(=すなわち、暗号資産を売却する)時にも、暗号資産取引所の口座は不可欠です。
一般的に、NFTゲームをプレイして得られる収益(=NFTゲームから得られるリワード・報酬)は、そのNFTゲームの独自トークン(ネイティブ・トークン)として作成されている、一種の暗号資産によって支払われます。
※例えば、STEPNの場合、GSTやGMT、といったトークンで、収益が支払われます。
一般的に、そうしたトークンを、日本国内での日常生活に利用することは、不可能です。
※なお、一部の著名なNFTゲームの場合、ゲーム内で得られるリワード・トークンを利用して、一部のリアル店舗で買い物が出来る、等と言ったケースも散見されますが、同じく、ごく例外的なケースです。
このため、NFTゲームで得た収益を、日本国内での一般生活に活かすためには、ゲームで得た暗号資産を日本円に交換する、という行為が必要となります。
そのためにも、(暗号資産を日本円に交換できる、)国内暗号資産取引所の存在は、不可欠です。
NFTゲームに適した、国内暗号資産取引所の選び方
「国内暗号資産取引所に口座開設を」と言われても、日本国内には、いろいろな取引所が存在しますから、迷うところでしょう。
基本的な選び方は人それぞれですが、いくつか、ポイントを挙げるとすれば、下記の通りです。
送金速度の速い暗号資産を取り扱っているか
詳しくは後述しますが、一般的なNFTゲームをプレイする場合、必要となる暗号資産は「BNB」や「SOL」など、日本国内の暗号資産取引所では、なかなか取り扱っていないものが、多く存在します(※SOLについては、一部の国内暗号資産取引所でも、売買されています)。
このため、実際のNFTゲームをプレイするためには、
- 国内の暗号資産取引所で、何らかの暗号資産を購入し、
- その暗号資産を、一旦、バイナンスやバイビット、といった、海外の暗号資産取引所に送金し、
- 海外暗号資産取引所で、NFTゲームに利用できる別トークンに、交換する
というステップを踏む必要があります。
そして、各暗号資産(トークン)の送金処理速度は、その暗号資産が稼働しているブロックチェーンの処理速度に依存しています。
送金処理速度の遅いブロックチェーン上で稼働しているトークンを購入し、それを海外の暗号資産取引所に送金しようとしても、実際に着金するまでには、(混雑具合によっては)相当長い時間、待たなければなりません。
その点、XRP(リップル)など、送金速度が速い事で知られている暗号資産を利用すれば、その「待ち時間」を大幅に短縮できます。
こうした点を考慮に入れると、NFTゲームのプレイを目的に、国内の暗号資産取引所に口座開設をする場合、まずは、「送金スピードの速い暗号資産を、きちんと取り扱っているか」という点に、注意する必要があります。
「販売所」だけなく、「取引所」もきちんと整備されているか
いささか、ややこしいのですが、国内の暗号資産取引所の基本的なサービスは、「販売所」と「取引所」という、2つの機能で表現されます。
- 「販売所」としての機能
- 各暗号資産取引所の「販売所」では、その暗号資産取引所から、暗号資産を直接購入することが出来ます。
基本的に、各暗号資産取引所は、- ユーザーから、出来るだけ安く、暗号資産を購入し、
- その暗号資産を、別のユーザーに、出来るだけ高く売却することで、
利益を得ています。
このため、「販売所」機能を利用して暗号資産を購入する場合、後述する「取引所」を利用する場合と比較して、割高な値段で暗号資産を買い付けることとなります。 - 「取引所」としての機能
- 大半の国内の暗号資産取引所では、上記の「販売所」機能のほかに、暗号資産の「取引所」としての機能を提供しています。
「販売所」とは異なり、基本的にはその暗号資産取引所のユーザー同士が、互いの暗号資産(及び法定通貨)を交換・売買している「場」のようなものをイメージして下さい。
自分の好きな価格で暗号資産に対して買い注文・売り注文を出せる「指値」機能や、スピーディーな売買を優先する「成行」取引機能が提供されていることが多く、前述の「販売所」と比較し、基本的には廉価に、暗号資産を取得することが可能です。
一部の国内の暗号資産取引所の中には、「取引所」機能が提供されず、「販売所」サービスのみが提供されているケースもあるようですので、注意が必要です。
暗号資産の出金手数料、及び入金手数料(そして、日本円の入出金手数料)
続いて、注意したいのが、暗号資産や法定通貨(すなわち、日本円)の、入出金時の手数料です。
※もっとも、日本円の入金時の手数料については、大半の暗号資産取引所が「無料」としています。
一部の国内暗号資産取引所の場合、
- 購入した暗号資産を、別の取引所や口座(例:海外の暗号資産取引所や、NFTゲームのアプリ内ウォレット等)に対して送金する時に、「出金手数料」「送金手数料」がかかったり、
- NFTゲームで得た収益を日本円に交換し、その日本円を、自身の銀行口座などに対して出金するときに「出金手数料」がかかる、
というケースもありますので、注意してください。
トラベルルールへの対応状況(海外の暗号資産取引所に、送金できるか、どうか)
昨今、国内の各暗号資産取引所に向けて「トラベルルール」という規制が導入され、自身の顧客(投資家など)が、暗号資産を外部へと送金する際に、
- その送金先(出金先)暗号資産の口座名義が、本人か、どうか
- そもそも、出金先の暗号資産取引所は、どのような取引所なのか
といった情報を収集・保管することが義務付けられるようになりました。
一方で、NFTゲームをプレイするためには、国内の暗号資産取引所で入手した暗号資産を、
- 海外の暗号資産取引所や、
- 「メタマスク」等のウォレット、
- NFTゲームのアプリ内ウォレット、等に対して、
出金・送金する必要があります。
一部の国内暗号資産取引所の中には、トラベルルールの施行後、
「海外の暗号資産取引所へは、送金不可」としているケースもありますので、十分な事前確認が必要です。
NFTゲーム用のトークン交換に必須-海外仮想通貨取引所のアカウント開設
NFTゲームを始めるにあたっては、
- 当該NFTゲーム内で用いるキャラクターや、
- アイテム、といった、
「NFT」の事前購入が必要、というケースが少なくありません。
そして、そうしたゲーム用NFTの購入には、原則として、日本円や、クレジットカードを用いることは出来ません。
また、ビットコインやイーサリアムなど、国内の仮想通貨取引所で入手できる仮想通貨では、NFTを買えない、というケースも少なくありません。
一般的に、NFTゲームをプレイするためにNFTを購入するにあたっては、
- そのNFTゲームがローンチされているブロックチェーンのネイティブ・トークンか、
- BUSDやUSDTなどの、いわゆる「ステーブル・コイン」が
必要になります。
これらの仮想通貨の多くは、国内の仮想通貨取引所では入手できない関係上、必然的に、こうしたトークンが取り扱われている、海外暗号資産取引所にも、アカウント開設が必要となる、というわけです。
NFTゲームを始めるために必要となることの多い仮想通貨の例
実際にNFTゲームをプレイするにあたり、必要となるケースの多い暗号資産としては、下記のようなものがあります。
旧バイナンス・スマートチェーン上で動作するトークン「BNB」
NFTゲームを始めるにあたり、NFT購入のために用いることとなる仮想通貨の代表例としては、BNBチェーン上で動作するネイティブ・トークン「BNB」の存在が挙げられましょう。
NFTゲーマーの間で人気を博しているゲームの多くが、BNBチェーン(旧:バイナンス・スマートチェーン)上で動作しているため、
- NFTの購入や、
- ゲーム内の様々なトランザクション処理のための「ガス代」として、
BNBを用立てる必要は、極めて多く生じます。
なお、BNBは、バイナンスやバイビット、等と言った、海外の主要仮想通貨取引所で入手することが出来ます。
Avalanche(アバランチ)ブロックチェーン上のトークン「AVAX」
ZOZOタウンの創業者として知られる前澤友作氏からの出資でも有名になった、Move to Earnアプリ「Runblox」(ランブロックス)など、Avalanche(アバランチ)ブロックチェーン上でローンチされているNFTゲームも、昨今、数多く誕生しています。
そうしたNFTゲームをプレイするにあたっては、同ブロックチェーン上のネイティブ・トークンにあたる「AVAX」の事前入手が必要となります。
なお、AVAXの場合も、前述のBNBと同様、バイナンスやバイビット等と言った、海外の主要暗号資産取引所で、比較的簡単に入手できます。
Solanaブロックチェーン上の仮想通貨「SOL」
2021年末から2022年にかけて、日本でも大ブームを引き起こしたMove to Earnアプリ「STEPN」は、ローンチ当初、Solanaブロックチェーン上で動作するNFTゲームでした。
※その後、BNBチェーン、及び、イーサリアム・ブロックチェーンにも展開しています。
STEPN以外にも、Solanaブロックチェーン上で動作するNFTゲームは少なくなく、日本人の間で人気の高いGuild Saga(ギルド・サーガ)なども、ソラナ・チェーンにローンチされています。
こうした、Solanaブロックチェーン上で動作しているNFTゲームを始めるにあたっては、事前に、同ブロックチェーンのネイティブ・トークンにあたる「SOL」を入手しておく必要があります。
例えば、前述のSTEPNの場合も、専用のNFTシューズを購入するためには、当初、SOL(ソル)の事前購入が必要でした。
その他、米ドル連動型のステーブル・コイン
ステーブル・コインとは、対象法定通貨に連動するように設計された仮想通貨(トークン)のことです。
代表的なものとしては、米ドル(USD)に連動するように設計されている、
- USDT
- USDC
- BUSD
などが挙げられます。
NFTゲームの中には、ゲームを始めるにあたり、当該ゲームのネイティブ・トークンでも、そのゲームがローンチされているブロックチェーンの基軸通貨(例:BNBチェーンにとってのBNBトークン)でもなく、上記したようなステーブル・コインで、NFTを購入するように、求められるケースもあります。
※当該NFTゲームの運営元が、米ドル建てで収益計算をしたがっているケースなどに、よく散見されるようです。
なお、上記したようなステーブル・コインは、日本国内の仮想通貨取引所では入手出来ませんが、後述するような海外暗号資産取引所では、簡単に入手できます。
NFTゲーム初心者の間で人気の高い海外暗号資産取引所
前述したBNBやAVAX、SOL、さらにはUSDTなどのステーブル・コインを入手するにあたっては、日本国内の暗号資産取引所では不十分であり、海外暗号資産取引所にも、新規のアカウント開設が必要となります。
目下、国内NFTゲームプレイヤーの間で知名度の高い、海外の仮想通貨取引所としては、
- バイナンス
- バイビット
- Gate.io
などが挙げられましょう。
特に、バイナンス、及びバイビットについては、NFTゲーム初心者の間でも、比較的人気の高い海外暗号資産取引所と言えます。
現状、前述したような、NFTゲームをプレイするために必要な暗号資産の多くは、日本国内の暗号資産取引所に上場していません(※ただし、SOLに関してはFTXジャパンに上場している、等、一部の例外はあります)。
このため、実際にNFTゲームをプレイするにあたっては、これらの海外暗号資産取引所にも、アカウント開設が原則として必要となってくる、という点には、留意をしておきましょう。
NFTゲームに接続するためのメタマスク等ウォレット管理ツールの導入
NFTゲームをプレイするにあたり、メタマスク(Metamask)などのウォレット管理ツールの導入は基本的に必須となります。
記事執筆本日現在の現状では、NFTゲームをプレイするためには、
- 当該NFTゲームのホームページにアクセスして、
- メタマスク(Metamask)などのウォレット管理ツールと接続する
という手続きを取ることが一般的であるため、です。
メタマスク不要でプレイできるNFTゲームも多いが…
NFTゲームによっては、アプリ内にウォレット機能が提供されており、メタマスク等のウォレット管理ツールを導入せずとも、NFTの購入や、ゲームプレイが可能、というケースもあります。
特に、
「暗号資産・仮想通貨に慣れていない人でも、気軽にNFTゲームに取り組んで欲しい」
と考えているディベロッパーの場合、上記のような機能を自身のゲームに搭載するケースが多くあります。
例えば、Move To Earn型のNFTゲームとして大人気を博したSTEPN(ステップン)の場合も、アプリ内にウォレット機能が提供されており、ユーザーとしては、中央集権型取引所(例えば、バイナンス等)から、アプリ内で指定されるウォレット・アドレスに対して資金を送金すれば、NFTシューズの購入が可能です。
海外系のNFTゲームの場合は、まだメタマスク接続が主流
一方で、海外のNFTゲーム・ディベロッパーから提供されているゲーム(※NFTゲームの場合、まだまだ、こちらのほうが主流です)の場合、ゲームのアカウント作成において、
「お持ちのメタマスクにて接続を承認してください」
と求められるケースが多くあります。
せっかくNFTゲームをきっかけに仮想通貨・暗号資産の勉強を進めるのであれば、ウォレット管理ツールとして「世界標準」とされるメタマスクは、是非、試してみたいところです。
「NFTゲーム1つにつき、メタマスク1つ」が基本
なお、既にOpenSeaなどでNFTを購入した経験のあるユーザーなどは、
「NFTアート購入用に利用しているメタマスクがあるから、そのメタマスクを使って、NFTゲームも楽しんでみよう」
と考えるかもしれませんが、その考え方は、些か危険です。
NFTゲームのためにメタマスクを使用すると、基本的には、そのNFTゲームの提供するスマート・コントラクトに対して、いわゆる「承認」処理をすることとなります。
仮に、そのスマート・コントラクトが、悪意ある内容(例えば、プレイヤーのウォレットに対してハッキングを仕掛けることを目的とした内容)であった場合、そのNFTゲーム(のスマート・コントラクト)に接続したメタマスクで管理されているウォレット・アドレス上の全ての資産(NFTは勿論のこと、ファンジブル・トークン、すなわち、仮想通貨も含む)が、ごっそりと抜き取られてしまう危険があります。
些か手間ではありますが、基本的には、
- NFTゲーム1つに対して、専用のウォレット・アドレスを1つ用意する(≒メタマスクを新たに1つ用意する)
- そのメタマスクには、あくまでも、当該NFTゲームに関連する資産しか入れない
- 仮想通貨は、ガス代等、最低限の金額しか入れない
というのは、必要最低限の自衛策、と言えます。
※それでもなお、NFTゲーム界隈では、報酬付きのテストプレイ用ソフトウェアのダウンロード等を契機としたハッキング被害が後を絶ちません。
NFTゲームで稼ぐメリット
NFTゲームへの取り組みが、暗号資産やNFTについて学ぶきっかけになる
NFTゲームをプレイするためには、暗号資産・仮想通貨業界に関する、幅広い知識が必要となります。
そうした勉強に契機になる、という点は、NFTゲームのひとつの利点と言えます。
引用元:コインマーケットキャップ
NFTゲームを通じて得られる報酬は、日本円等の法定通貨ではなく、基本的に、仮想通貨・暗号資産建てです。
また、「暗号資産」といっても、イーサリアムやビットコインのような主要通貨ではなく、もっともマイナーな、いわゆる「草コイン」と呼ばれる、取引ボリュームの小さいトークンとなります。
効率的にNFTゲームをプレイするためには、当然のことながら、
- NFTゲームのプレイによって得たトークンを、いつ、どのようにして、ビットコインやイーサリアムなどの主要暗号資産や、USDTやUSDC、BUSDのようなステーブル・コインに交換するのか、
- 交換によって入手した暗号資産を、どのようにして、日本円に交換するのか(=暗号資産を売却するのか)、
といった点について、詳しく勉強・把握していくことが必要となります。
自然と、各暗号資産のチャート・値動きなどをチェックする習慣も付きますから、暗号資産業界そのものに、知らぬ間に、少しずつ、詳しくなっていきます。
そうした「知見」や「情報収集能力」は、今後、NFTゲーム以外でも、活用できるようになるでしょう。
スカラーシップ制度が導入されているNFTゲームならば、様々なメリットがある
スカラーシップ制度が提供されているNFTゲームの場合、資金量の少ないプレイヤーは、投資家からNFTを借りて、ゲームをプレイすることもできるようになります。
画像引用元:STEPNホワイトペーパー
NFTゲームの中には、「スカラーシップ制度」と呼ばれる、一種の「奨学金制度」のようなものが導入されているケースがあります。
スカラーシップ制度が機能として盛り込まれているNFTゲームの場合、
- NFTゲームをプレイしたいが、ゲーム参加に必要なNFTを購入する資金の確保が難しい人
- 資金力はあるのだが、NFTゲームを実際にプレイするための時間のねん出が難しい人
それぞれにとって、主に下記のようなメリットがあります。
スカラーシップ制度を利用すれば、NFTを借りて、無料でNFTゲームをスタート出来る
一般的に、NFTゲームをプレイするためには、そのゲームの中でキャラクターやアイテムとして利用する「NFT」を数点、事前に購入する必要があります。
しかしながら、各NFTの価格は、NFTゲームによってまちまちであり、特に人気のNFTゲームの場合、ゲーム参加に必要なNFTの価格が、数万円~10万円以上にも及ぶケースがあります。
「NFTゲームに興味はあるけれど、たかだかゲームに、十数万円もの資金を出すことは出来ない」
という人が多いのは、自然なことです。
その点、もしもそのNFTゲームに、スカラーシップ制度が導入されていれば、
- 自分自身でNFTを購入するのではなく、
- 投資家やギルドから、NFTを借りることによって、
実質無料で、NFTゲームをスタートすることが出来るようになります。
時間がない投資家でも、「NFTを貸し出す」ことで、NFTゲームから利益を得ることが出来る
一方で、この「スカラーシップ制度」という仕組みには、投資家目線からも、一定のメリットがあります。
NFTゲームの収益性には興味を持っていながら、
「日々の仕事などが忙しく、なかなか、実際にNFTゲームをプレイするための時間を捻出できない」
という投資家の場合、
- 自分でNFTゲームをプレイするのではなく、
- 自分は、ゲームプレイに必要なNFTに対して投資するのみ、とし、そのNFTを他のプレイヤーに貸し出すことによって、
NFTのオーナーとして、レンタル収入を得られることとなります。
無料で始めることのできるNFTゲームも存在する
国内外で提供されている、数々のNFTゲームの中には、「Free to Play」、すなわち、無料からプレイを開始することの出来るNFTゲームも、少なからず存在します。
こうした「無料から始められる」NFTゲームの場合、
- まずは無料から、お試し感覚で、NFTゲームのプレイを始めてみて、
- ゲームが面白いかどうか、等の諸要素を、自分自身で確かめてから、
有料でのプレイ(=基本的には、ゲーム内で利用できるNFTの購入)に切り替えるか、どうか、を、判断することが出来る、というメリットがあります。
「Free to Play」と、「Free to Earn」の違いには、注意が必要
一方で、こうした「無料で始められる」NFTゲームの場合、
- 単なる「Free to Play」なのか、それとも、
- 無料スタートであっても、多少の暗号資産を稼ぐことが出来る「Free to Earn」なのか、
の違いには、注意が必要です。
実際、「無料で始められる」と謳っているNFTゲームの大半は、単なる「Free to Play」ゲームであり、
- 確かに、プレイを始めること自体には、お金は必要ありませんが、
- 無料プレイを続けている限りは、暗号資産を稼ぐことは出来ず、
- 何らかのトークンを稼ぎたい場合は、結局、投資をする、すなわち、NFTを購入する必要がある、
というケースが大半です。
一方で、無料でスタートとして、いくばくかの暗号資産を稼ぐことが出来る、いわゆる「Free to Earn」ゲームの場合も、良い事ばかりではありません。
基本的に、無料でプレイしている、すなわち、そのNFTゲームに対して一切の課金をしていないプレイヤーに対して、ゲームから支払われるトークン報酬の原資は(※あくまでも、一般論として考えれば、)、そのNFTゲームに対して課金し、有料プレイをしているプレイヤーたちの投資資金、です。
「Free to Earn」型のNFTゲームを展開している事業者としては、
- NFTを購入してくれるプレイヤーから、NFTの代金を受け取り、
- その代金を、一種の広告宣伝費のような扱いにして、フリープレイ(無料でのプレイ)のユーザーたちに、小額のトークン報酬を分配し、
- 「もっと稼いでみたい」と、プレイヤーの興味・関心を高めることによって、
- NFTを実際に購入してくれる、(NFTゲーム事業者にとって)優良な顧客を、更に増やす、
という事業戦略を採っているわけです。
こうしたNFTゲームに対して、実際に課金を行うにあたっては、当然、そうした事業モデルについて、プレイヤー側で十分に理解をしておく必要があります。
NFTゲームは稼げない?NFTゲームのリスク・デメリット
NFTゲームで稼いだトークンの出金に、時間や手数料がかかるケースもある
NFTゲームの中には、プレイを通じて稼いだトークンの出金時に、一定の手数料が発生するケースも少なくありません。
画像引用元:Chain of Legends
NFTゲームで実際にゲーム内トークンを稼いだ場合、そのトークンは、一旦、ゲーム内アカウントに留め置かれることが一般的です(=ゲーム内ウォレットが整備されているNFTゲームも少なくありません)。
そして、そうして稼いだトークンを、実際に日本円として利用するためには、
- ゲーム内アカウントから、稼いだトークンを「出金」(=引き出し)したうえで、
- 出金したトークンを、ステーブルコインや、その他メジャーな暗号資産に交換し、
- その暗号資産を、国内の暗号資産取引所で売却(=日本円に交換)する、
という工程を踏む必要があります。
トークンの「出金」「引き出し」にコストがかかるNFTゲームは少なくない
NFTゲームの運営側の目線から見れば、ユーザーが稼いだゲーム内トークンを、自由に(時に、大量に)出金・売却させていると、ゲームのネイティブ・トークンの価格が、どんどん下がってしまうリスクがあります。
そのため、NFTゲームの運営サイドは、ゲームプレイでプレイヤーが入手したトークンについて、
「出来るだけ、出金(そして、売却)させないようにする」
という仕組みを、盛り込んでいることが一般的です。
ゲーム内アカウントからの出金を制限する仕組みとしては、主に、以下のようなものがあります。
- クールダウン(出金と出金の間に、待ち時間を設定)
- NFTゲームの中には、「一度、トークンの出金を行うと、その後、次の出金までの間に、48時間のクールダウンが必要」といったゲームが多々あります。
なお、この待ち時間(クールダウン・タイム)の長短は、NFTゲームによって様々です。
一両日中程度、というものもあれば、中には、1週間程度の待ち時間を要するケースもあります。 - 出金の際に、NFTゲーム運営側が、手数料を徴収する
- 「出金手数料」の仕組みを導入しているNFTゲームも、少なくありません。
一般的に、一度の出金の量が少なければ少ないほど、高い料率の手数料が徴収されます。
こうした仕組みを導入すれば、プレイヤー側に、
「出来るだけトークンを貯めてから、出金したほうが、手数料が割安になる」
というインセンティブが働くため、です。
また、NFTゲームによっては、そもそも、全ての出金申請に対して、運営側が、(スマートコントラクトで自動するのではなく、)手動で対応している、というケースもあります。
この場合、当然のことながら、スマートコントラクトで自動的に出金が処理されるNFTゲームと比較し、出金完了までに、長い時間がかかることとなります。
NFTゲームからトークンを出金したあとも、その交換時に、高率な手数料が生じることがある
さらに、NFTゲームの中には、
- プレイヤーへの出金用のプール(=トークンが大量に貯められている、貯金箱のようなものをイメージしてください)の中に、そもそも、出金用のトークンが十分に入っておらず、
- NFTゲームの運営側による定期的な補充を待たないと、そもそも、出金申請が通らない、
というケースもあります。
※この場合、NFTゲームの運営側が出金用プールにトークンを補充した瞬間、大量のプレイヤーが出金申請を行い、その後トークンを売却、結果としてトークン価格が急落する、等という事態も、現実的に発生し得ます。
また、無事にトークンをプレイヤー自身のメタマスク等に出金できたとしても、パンケーキスワップ(PancakeSwap。BNBチェーン上で動作する、トークンの交換プラットフォームです)などで、そのトークンを他の暗号資産(ステーブルコインなど)に交換する際に、10パーセントを超えるような、高い料率の手数料が控除されてしまう、というケースも存在します。
この場合、パンケーキスワップでの交換手続きの際に、スリッページを高率に手動設定しないと、そもそも、トークンのスワップ(交換)が通りません。
このように、NFTゲームの運営側としては、「あの手この手」で、
- プレイヤーが、なかなかトークンを出金しないように(≒出金できないように)
- そして、出金した後も、なかなか、そのトークンが売却されないように、
ゲーム設計、及びトークン設計を行っているケースがあるため、注意が必要です。
※なお、こうしたトークン設計が、必ずしも「悪」だというわけではありません。
トークンを出来るだけゲーム・エコノミーの中に留める仕組みを設置しておくことは、各NFTゲームのトークンの需給バランスを安定させ、トークン価格の急落を防ぐためには、ある程度、必要な施策である、と言えます。
NFTゲーム内にマーケットプレイスが整備されていないと、迅速な撤退が難しい
プレイヤー同士でゲーム内資産を売買できるマーケットプレイスの有無は、NFTゲームへの参入検討にあたり、重要なポイントとなります。
画像引用元:Chain of Legends
現在提供されているNFTゲームの大半は、ゲームの開始にあたり、そのゲーム内でキャラクターやアイテムとして使用する「NFT」を事前に購入する必要があります。
その一方で、一旦購入したNFTを「売却」するためのマーケットプレイスの整備状況は、NFTゲームによって、まちまちです。
- ゲームの開始当初から、プレイヤー同士の間で自由なNFT売買を後押しするべく、マーケットプレイスが整備されているNFTゲームがある一方で、
- ゲームの提供開始から、相当の長い期間が経過した後も、マーケットプレイスが整備されていない、というNFTゲームもまた、存在します。
NFTゲームから撤退する場合、原資回収のためには、NFTの売却が欠かせない
一般的なNFTゲームの場合、トークンやNFTそのものの値動きを一切無視すると、原資回収(=最初にNFTを購入するために投資した資金の回収)のために必要な日数は、概ね、1か月間~半年程度でゲームシステムが設計されていることが大半です。
原資回収を済ませた後、ならまだしも、ゲームを始めた当初の期間、
「やはり、このゲームは、自分には合わないようだ」
と判断し、そのNFTゲームから撤退する場合、原資回収を完了するためには、ひとまず、事前に購入したNFTを売却しなければならないことが一般的です(=ゲーム開始から稼いだトークンだけで、原資回収を全て終えるためには、相当長い期間が必要です)。
もしも、そのNFTゲームのアプリ内などに、既にマーケットプレイスが整備されていれば、これからNFTゲームに参入しようと考えているプレイヤー等に対して、そのNFTを売却することが可能です。
しかしながら、もしもそのNFTゲームに、マーケットプレイスが整備されていない場合、NFTを売却しようにも、「売る場所」が無く、スムースに処分が出来ない、という事態が生じてしまうこととなります。
仮にマーケットプレイスが存在しても、NFTゲームとしての人気が低迷し、流動性が低ければ意味がない
もしも、NFTゲームにマーケットプレイスが存在したとしても、そのゲームの人気が低迷しており、そもそも、
「これから、そのNFTゲームを始めようと考えている人が、少ない」
という状況の場合、購入した当初と同程度の値段でNFTを売却しようとしても、なかなか買い手が見つからない、という事態が考えられます。
結局、
- 数万円~10万円強の値段で購入したNFTを、
- 数百円程度~という、極めて安い値段で、
手放すこととなる、という事態も、十分に考えられます。
既存のNFTゲームの中には、「ポンジスキーム」が疑われるものも少なくない
既存の大半のNFTゲームは、ゲームの外部からの収入(例:外部企業から提供される広告収入など)は獲得できておらず、ゲーム運営側の主な収入源は、
- ゲーム内で運営側が売却する、NFTの販売代金と、
- 諸々の手数料(出金手数料や、NFTマーケットプレイスの売買手数料等)
となっています。
プレイヤー人数がある程度に成長しない限り、ゲーム内で発生する手数料収入は限度がありますから、やはり、ゲーム運営側の主な収入源は、「NFTの販売売り上げ」ととなります。
一方で、NFTゲームの運営サイドとしては、プレイヤーに対して、ゲーム内報酬として、トークンを常に提供し続けなければなりません。
すなわち、NFTゲームの運営者としては、
- 新たにNFTゲームに参入するプリンターがもたらしてくれた、NFTの販売益を元手にして、
- 既存のプレイヤーに対して、Play to Earnの報酬を提供する、
という必要が生じることとなります。
これは、遅れて参入したプレイヤーの投資資金が、初期参入者の収益源とされてしまう、いわゆる「ポンジスキーム」とも似通っており、問題視される傾向にあります。
NFTゲームによっては、BOTや複数アカウント(複垢)を利用した不正行為・チート行為が横行しているケースもある
ゲームの場合、一部のプレイヤーによるチート行為は付き物ですが、特にNFTゲームの場合、一般的なゲームと違い「稼げる」「Play to Earn」という側面があるだけに、不正行為を行う側の本気度、そして規模感は、通常のゲームとは段違いとなります。
例えば、「Move to Earn」ゲームとして人気を博してきたSTEPNの場合、一部の悪質なプレイヤーが、
- 大量のスマートフォンに、STEPNアプリをインストールし、同時起動させて、トークンを荒稼ぎしたり、
- いわゆる「ミント工場」と呼ばれる場所が存在し、大量のスマートフォンが稼働し、同時に大量のスニーカーNFTがミント・売却されていたり、
といったように、様々な(かつ、大規模な)不正行為に悩まされてきました。
例えば、前者の不正行為をそのまま放置してしまえば、一部のプレイヤーが大量にトークンを採掘し、そうしてマイニングしたトークンを一斉に売却することで、ゲームのネイティブ・トークンの価格が、大幅に下落してしまう恐れがあります。
また、後者のチート行為を放置すれば、ゲーム内のマーケットプレイスに、NFTが大量に出品され、需給のバランスが崩れ、NFTのフロア価格が大きく値下がりしてしまうような事態も想定されます。
現在出回っているNFTゲームの多くで、KYCプロセス(=Know Your Customer。要は、プレイヤーの本人確認のことです)は導入されていません。
すなわち、ひとりのプレイヤーが、大量のウォレット(メタマスク等)を作成し、数十から、場合によっては数千単位の複数アカウント(=複垢)を利用することも、現実的には、十分に可能です。
そうした不正行為・チート行為が横行すれば、善意でプレイしている一般プレイヤーが割を食い、大きな損失を被ってしまう可能性があります。
運営側のさじ加減ひとつで、急に「稼げないNFTゲーム」になり果ててしまうこともある
まず、大原則として、特定のNFTゲームのプレイによって「いくら稼げるか」は、そのNFTゲームの運営元の「さじ加減ひとつ」です。
NFTゲームの運営元としては、主に、そのゲームのネイティブ・トークン(主に、リワード・トークン)の価格の値動きに応じて、主に以下のような対応を取ってくることが一般的です。
NFTゲームのリワード・トークンの価格が、上昇傾向にある場合
そのNFTゲームに対する関心が高まり、多くのユーザーが、「そのNFTゲームをプレイしてみたい」と考え、行動するようになると、ごく自然と、そのNFTゲームのネイティブ・トークン(主に、リワード・トークン)の価格は、高まる傾向にあります。
この場合、当該NFTゲームの運営元としては、
- 同一ゲーム内に、複数のトークンを用意し(=デュアル・トークン)、ひとつのトークンの価値を、相対的に下げるような施策を取ったり、
- リワード・トークンの供給量が一時的に増加するようなキャンペーン施策を打つことによって、
一定程度、トークンの価格が下がるように、調整を図るケースがあります。
※なお、リワード・トークンの値上がりを放置すれば、そのトークンを獲得するための「設備」にあたるNFTの価格も高騰します。
そして、NFT価格の高騰を放置すれば、新規参入者が参入を躊躇するようになり、結果として流入量が先細りし、ゲームのエコシステム拡大が難しくなる、という問題が生じます。
このため、リワード・トークン(並びに、その獲得設備としてのNFT)の価格高騰を放置しない、というのは、NFTゲーム運営者にとっては、必要な施策のひとつです。
NFTゲームのリワード・トークンの価格が、下落傾向にある場合
ライバルゲームの出現等により、当該NFTゲームの人気が低下し始めると、それに応じて、そのゲームのネイティブ・トークンの価格も、下がり始めます。
この場合、NFTゲームの運営元としては、主に下記のような施策を打つことに拠り、トークン価格の下落を食い止めようとします。
- そのトークンに、追加のユーティリティ(使用用途)を付与し、トークンがより一層ゲーム内でバーンされるように仕向ける(=その分、売却・利確に回るトークンが減り、トークンが下がりにくくなる)
- (よち直截的な手法として)NFTゲームの運営元が、自己資金で、トークンのバイバック(買戻し)、及びバーンを行う(=市中のトークン供給量を減らすことで、価格の維持を図る)
- ゲームを通常にプレイした場合に入手できるリワード・トークンの量を、単純に減らす
なお、前述の「トークン価格の高騰を放置しない」ことと同様、トークン価格の下落を看過しない、というのも、トーケノミクス維持の観点から、NFTゲーム運営者の重要な仕事のひとつです。
結局のところ、「稼ぐこと」を目的に、NFTゲームへの参加を検討するプレイヤーの多くは、自分が日常的に生活に使用している通貨(例えば、日本人であれば、日本円)と、そのNFTゲームのトークンとの、交換レートを重視します。
- 「1日1時間、NFTゲームをプレイするだけで、10トークン稼げる。そして、1トークンは、1,000円に交換できる」という場合、新規参入者は急増するでしょうが、
- 「1日1時間、NFTゲームをプレイすると、1,000トークンを稼ぐことが出来る。しかし、1トークンは、0.01円の価値しかない」という場合、(どれだけ多量のトークンを入手できたとしても)そのNFTゲームを積極的にプレイしようと考える人は、少ないでしょう。
NFTゲームへの新規参加者の数を維持するためにも、トークン価格を一定程度に(少なくとも、魅力的な程度に)保つ、というのは、重要なポイントです。
既存プレイヤーの収益の状況は、運営の施策の方向性で、大きく上下することとなる
NFTゲームの運営者が、上記したような施策の間で、右往左往している間、そのNFTゲームを実際にプレイしている既存プレイヤーの収益状況(=法定通貨建てでの、実質の収益状況)は、大きく変動します。
「昨日までは、1日あたり1万円を稼ぐことが出来たNFTゲームが、今日からは、終日、一所懸命にプレイしても、1,000円程度にしか、ならない。しかも、トークン価格は、見る見るうちに下がっていく」
等という事態も、珍しい光景ではありません。
特に、トークン価格が下落傾向にある場合、運営側の施策によって、価格が回復し、その後、高い水準を維持できれば、良いですが、現実問題として、そこまでうまくいくケースは、そう多くありません。
事実上の運営側の失策によって、
- 「大きく稼げる、魅力的なNFTゲーム」と目され、称賛されていたゲームが、
- 全く稼げない、つまらないNFTゲーム
になり果ててしまう、というのは、決して、非現実的な話ではありません。
NFTゲームの運営元等によるラグプル・スキャム、といった事例も多発している
昨今、NFTゲームの運営元や、その関係者等が関与した、ラグプルやスキャム、といった詐欺的な事案が、相次いで報告されています。
2022年中に、NFTゲーム界隈で発生・発覚した、主なラグプル事案としては、下記のようなものがあります。
NFTゲーム「マインズ・コンクエスト」の場合
NFTキャラクターを入手して、そのキャラクターで、敵モンスターを討伐することにより、トークン報酬を得ることが出来る、という体裁のNFTゲームとして人気を博した、「マインズ・コンクエスト」。
敵モンスターとのバトル以外にも、NFTキャラクターをゲーム・アプリの中でステーキングしておくだけで、仮想通貨を稼ぐこともできる、として、一時期、大きな話題となりました。
比較的早期に、ゲーム内のマーケットプレイスも整備され、日本人ユーザーの間でも知名度が高まりつつあったのですが、突如として、マーケットプレイスが閉鎖。
NFTキャラクターを入手済のプレイヤーたちが、NFTの売却をすることが出来ず、戸惑っている間に、今度は、ゲームの関連SNSなどが、相次いで情報発信を停止。
結局、ゲーム自体も、その後閉鎖されてしまい、NFTキャラクターを購入したが原資回収が出来ていない、というプレイヤーにおいては、損失を被る事態となってしまいました。
ロボットキャラクターにマイニングをさせるNFTゲーム「メタボッツ」の場合
マイニング用のロボットを購入し、ゲーム内で採掘作業をさせておくことで、トークン報酬(仮想通貨)を得ることが出来る、いわゆる「放置型」のNFTゲームとして話題を呼んだ、メタボッツ。
サービス開始当初から、
- ログインが出来ない
- メタマスクと上手く接続できない
- PCからはプレイできるが、モバイル環境からアクセスすると、画面の一部が見切れて表示されない
等と言ったトラブルが相次ぎました。
当初は、開発元も、サーバー増強などに取り組む姿勢を見せていたものの、ある日突然、コミュニティ用のDiscord(ディスコード)で、ユーザー側が一切発言できないように設定が変更。
「ラグプルでは」と、プレイヤーたちが懸念しているうちに、実際に運営元が姿をくらましてしまい、結局、ゲーム自体も復旧することなく、閉鎖されてしまいました。
前述の「マインズ・コンクエスト」の場合と同様、ロボット・キャラクターを購入し、その後、原資回収が出来ていないプレイヤーにおいては、当然、損失を被る事態となってしまいました。
NFTゲーム界隈で、ラグプルなどの詐欺被害が多い要因
NFTゲーム業界で、これだけ頻繁に、ラグプルなどに代表される詐欺事案が発生してしまっている、大きな理由としては、下記のようなものが考えられます。
NFTゲームの運営元の大半は、海外のグループであること
2022年時点では、日本人の間で話題になったNFTゲームの大半において、その開発・運営元は、海外の個人やグループ、企業でした。
日本に拠点を持つ日本企業が運営しているゲームとは根本的に異なり、
「何かあっても、日本から簡単にアクセスできる窓口がない」
という点は、多くの日本人ユーザーにとっては、悩ましいポイントのひとつです。
NFTゲームの実際の開発者等については、匿名とされていることが多い
NFTゲームの運営元や開発者、チームメンバーの情報が、匿名化されていることが多い、という点もまた、NFTゲームが詐欺被害の温床になりやすい原因のひとつと言えましょう。
なお、
- 中央集権型取引所に、トークンを上場したり、
- 分散型取引所で、「KYC済プロジェクト」として、資金調達を行う場合には、
運営元について、KYC(本人確認)が為されるケースがあります。
しかし、上記のような資金調達手法を採らず、自身のウェブサイトにて、ICOのような形で資金調達を行ったり、NFT販売を直接販売している場合、どこの機関によるKYCも経ることなく、資金調達が出来てしまう、という環境が、NFTゲーム界隈には実際に存在します。
比較的可処分所得の大きい日本人は、ラグプル前提のNFTゲーム開発元にとって、ターゲットとされやすい
一時期ほどの圧倒的な存在感は無いと言えども、世界的に見れば、日本人はまだまだ、可処分所得が比較的大きい国民である、と言えます。
ラグプル案件となってしまったNFTゲームの大半で、必要な初期投資額は、概ね数千円~数万円程度、とされていました。
こうした金額は、発展途上国に暮らす人々からすれば高額ですが、日本人の目線から見ると、
「出せない金額では無い」
というのが実情です。
こうした背景事情もまた、日本人が、悪意のあるNFTゲーム開発元から、ターゲットとして目されやすい、要因のひとつと言えましょう。
日本語では遊べないNFTゲームが多い
本記事執筆本日現在、日本人プレイヤーの間で人気の高いNFTゲームの大半は、海外の運営チームによって開発されたものです。
そもそも、国産のNFTゲーム自体がまだまだ少ないため、当然のことながら、ゲーム内の言語(チュートリアルなども含む)も、英語で構成されているケースが大半です。
NFTゲームの情報共有に使われるコミュニティの主言語も、原則として英語
ディスコードやテレグラム、Twitterなどのコミュニティ・SNSでも、基本的には、英語が第一言語とされています。
※中には、日本人のモデレーター等を採用し、日本語での発信を強化しているNFTゲームもありますが、稀です。
一般的に、NFTゲームの場合、通常の家庭用ゲーム機等向けに配信されているゲームと比較し、アップデートの頻度が高い、という特徴があり、常に最新情報にキャッチアップしていないと、原資回収などに支障が生じる可能性があります。
このため、コミュニティ内でやり取りされている情報の理解・活用は必須なのですが、そのためには、ある程度英語を読み書きできるスキルが必要となります(※ただし、オンラインで提供されている自動翻訳機能等を使うことも可能です)。
ホワイトペーパー等の説明資料も英語で公開されているケースが多い
実際にNFTゲームをプレイするにあたっては、そのNFTゲームの「取扱説明書」のようなものに相当する、ホワイトペーパーに関して、精読しておく必要があります。
- ゲームの始め方や、
- 遊び方、
- 様々なゲーム内キャラクターやアイテムの性質、役割、
といった情報はもとより、NFTゲームのプレイによって入手できるトークンの発行上限数や、獲得の仕方、トークンのバーンの仕組み、といった情報も、ホワイトペーパーにて網羅されていることが一般的です。
一方で、そのホワイトペーパーについても、基本的には、英語で公開されていることが多く、日本語で説明を読むことに慣れている日本人ユーザーにとっては、その精読・把握は、些かハードルが高い、というのが実情です。
今後、日本語で遊べるNFTゲームが増えていくことに期待
一方で、昨今では、
- エルフマスターズ
- クッキンバーガー
- 麺屋ドラゴンラーメン
など、日本人が中核を占める開発陣によって運営されるNFTゲームも増えてきています。
こうしたNFTゲームの場合、ゲーム内の言語は「日本語・英語」の選択が出来るようになっているケースが多いほか、ホワイトペーパーについても、日本語で公開されていることが一般的です。
また、必然的に、コミュニティ内における日本人の数も多く、日本語を中心に、活発なコミュニケーションが成立しているケースが多く見られます。
今後、こうした「日本語ベース」のNFTゲームが増えてくれば、日本人の間で、NFTゲームへの取り組みも、多少ハードルが下がっていくことが期待できます。
稼げるNFTゲームの選び方
いざという時に早期に撤退できるよう、NFTゲーム内にマーケットプレイスが整備されており、流動性があること
前述の通り、もしも、NFTゲーム自体にマーケットプレイスが整備されていない場合、万が一、そのNFTゲームから撤退しよう、と考えた際に、自身が事前取得したNFTをうまく他のプレイヤーに売却することが出来ず、スムースな原資回収&撤退が実現しづらくなります。
また、仮にマーケットプレイスが整備されていたとしても、参加しているプレイヤーの数が少なく、出品されているNFTに流動性が無い場合、自身がNFTを売却するときも、
- 自分の希望している価格では、なかなかNFTが売れず、
- 取得価格を大幅に下回る安値まで値段を下げないと、NFTが売れない、
という事態が想定されます。
実際にNFTゲームに参入する前に、
- そのNFTゲームでは、プレイヤーが自分のNFTを売却するためのマーケットプレイスが整備されているか、どうか、
- マーケットプレイスが提供されている場合、日々の流動性はどうか(=せめて、フロア価格で出品した場合、NFTはスムースに購入されているか、どうか)
といった点について、念入りな事前確認が必要です。
NFTゲームの運営元が、コミュニティに対してどのように接しているか
NFTゲームの運営元が、
- Discord(ディスコード)や
- Telegram(テレグラム)、等と言った、
オンライン・コミュニティの中で、ゲームプレイヤーに対して、どのように接しているか、も、重要なチェックポイントのひとつです。
例えば、当該NFTゲームの初心者は、プレイ開始当初(もしくは、実際にプレイを開始する前に)、NFTゲームの運営元やコミュニティに対して、NFTの購入方法や実際のプレイの始め方等について、質問することが多々あります。
そうした際に、そのNFTゲームの運営元や、開発チームからコミュニティ管理を委託されたモデレーターたちが、どのようにリアクションしているか(丁寧に回答しているか、それとも、各対応がおざなりになっているか)、は、大切なポイントです。
気になる場合は、実際に当該NFTゲームのDiscordコミュニティに入って、「チケット」と呼ばれるDiscord独自の機能を使い、運営元(及びモデレーター)に対して、質問を発してみると良いでしょう。
丁寧に質問を投げかけているにも関わらず、待てど暮らせど、回答が返ってこない、という場合、そのNFTゲームは、困っているプレイヤーの存在を軽視しているのか知れません。
NFTゲームのFAQ・よくある質問
ここからは、NFTゲームに関する「よくある質問」FAQについてまとめていきます。
無料で出来るNFTゲームはありますか
無料で始めることの出来るNFTゲームは、昨今、多数存在します。
例えば、以下のようなNFTゲームは、初期投資の必要なく、無料で始めることが可能です。
※ただし、一部、トークンが取引所に上場していないNFTゲームが含まれます。
- LOOTaDOG(LAD・ルートアドッグ)
- ゲーム内の犬(ペット)を連れてお散歩に出かけることで、ゲーム内トークンを稼ぐことが出来ます。
- GGRYPTO(エグリプト)
- モンスターを集めて、強化し、ステージをクリアしていくゲーム。
一部の「レアモン」と呼ばれるモンスターは、NFTとして提供されています。 - WalkMining(ウォークマイニング)
- 歩数に応じて、ゲーム内のトークンを入手することが出来るマイニング・ゲーム。
- 麺屋ドラゴンラーメン(メンドラ)
- ダンジョンを攻略することで、食材・素材を入手し、ラーメンを作り、ゲーム内トークンを稼ぐゲーム。
- TwitFi(ツイートファイ)
- Twitterで、特定のハッシュタグを付けてツイートすることで、仮想通貨を稼ぐことが出来るNFTゲーム。
ゲームの基本的な仕組みを体験できるよう、無料で取得できる「エッグ」が提供されています。 - ELF Masters(エルフマスターズ・エルマス)
- 「マスターズ」と呼ばれるメイン・キャラクター、及び、「エルフ」と呼ばれる補助キャラクターでパーティーを組み、ダンジョンをクリアしていくNFTゲーム。
ゲームアカウントを作成すると、ゲームの流れを体験するためのマスターズ・キャラクターが3体、無料で提供されます。 - Sweatcoin(スウェットコイン)
- 歩数に応じて、仮想通貨「SWEAT」を稼ぐことが出来るゲーム。
- 元素騎士オンライン(Gensokishi)
- 多人数参加型のRPG。ブラウザやアプリを通じてプレイし、ゲーム内でアイテムを獲得、獲得したアイテムを同じくゲーム内のショップで売却することで、仮想通貨を獲得することが出来ます。
- ev.io
- ブラウザからすぐにプレイできる、FPSゲーム(一人称シューティング・ゲーム)。
マーケットプレイスでNFTを購入すれば、倒した敵の数などに応じて、仮想通貨を稼げるようになります。 - トレサカJリーグ
- Jリーグから公式ライセンスを受けているNFTゲーム。
プレイヤーはサッカークラブのマネージャーとして、クラブの経営に携わります。
将来的に、選手カードがNFT化できるようになる予定で、NFTの売買により、仮想通貨を稼ぐことが出来る場合があります。 - Chain of Legends(チェインオブレジェンズ)
- 土地(LAND)を入手し、マイニングを行うことで、トークンを稼ぐことが出来るゲーム。
無料で入手できる「Desert」(砂漠)と呼ばれる土地を取得すれば、無料でゲームを始めることが可能です。 - Cookin’ Burger(クッキングバーガー)
- ハンバーガー・ショップの経営ゲーム(調理ゲーム)。
本格的に稼ぐためには、ショップ(露店など)のNFTを購入する必要がありますが、ゲームアカウント作成時に貰える無料のショップで、ゲームの流れを一通り体験することが可能です。 - TEKKON(鉄コン)
- 「マンホール」や「電柱」といった公共インフラの写真を撮影して投稿することで、その報酬として、トークンを稼ぐことの出来るNFTゲーム。
初期費用無し、無料でゲームプレイを始めることが可能です。 - MEEET(ミート)
- 農場経営シミュレーション・ゲーム。
育てた作物や、食品などの生産物を出荷することで、トークンを稼ぐことが出来ます。
実際に仮想通貨を稼ぐためには、「ファーマー」(農民)と呼ばれるNFTを購入する必要がありますが、無料でも、ゲームをプレイすること自体は可能です。 - LuckyFarmer(ラッキーファーマー)
- ゲームセンターなどでお馴染みのコイン・プッシャー・ゲーム。
報酬として仮想通貨を稼ぐためには、「農地」などのNFTをマケプレで購入する必要がありますが、初期プレイ自体は無料で可能です。 - Walken(ウォーケン)
- 歩数に応じてポイントを稼ぎ、そのポイントで、ゲーム内キャラクターを強化。
他のプレイヤーと戦わせ、勝利することで、トークンを稼ぐことが出来るNFTゲーム。
なお、このように、無料で始めることのできるNFTゲームは多々、存在しますが、基本的に、それらのNFTゲームを本格的にプレイし、仮想通貨を稼いでいくためには、別途、NFTを購入することが求められます。
※無料でプレイできる部分は、ゲームの仕組みを理解してもらうための「体験版」のような位置づけとなっていることが一般的です。
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