ロボアドバイザーは「やめとけ」?ベテラン投資家が警鐘を鳴らす、ロボアドバイザーの決定的な弱点とは

ロボアドバイザーとは

投資家が、ロボアドバイザーの発する10点前後の質問に回答することで、ロボアドバイザーが、回答者のリスク許容度を診断し、そのリスク許容度に見合った投資ポートフォリオを提示してくれるのが、「助言型(アドバイス型)ロボアドバイザー」と呼ばれるサービス。

一方、「投資一任型ロボアドバイザー」と呼ばれるサービスの場合、ポートフォリオの構築に必要な具体的な銘柄の取得や、運用開始後の値上がり・値下がりに応じたリバランスまで、ロボアドバイザー側に一任(おまかせ)することが出来ます。

ロボアドバイザー投資の流れ

投資家をロボアドバイザー(ここでは、投資一任型)を利用して投資をする場合、概ね、下記のようなステップを踏むこととなります。

①ロボアドバイザーの質問に回答

ロボアドバイザーは、投資家に対し、投資家の年齢や年収、資産残高、投資経験・目的、目安としている予定運用期間に関する質問を行います。
これらの情報は、後述する(各投資家の)「リスク許容度」を診断するために必要となります。

②ロボアドバイザーが、各投資家のリスク許容度を診断

ロボアドバイザーは、前段で投資家へと投げかけた質問内容への、各投資家の回答内容に応じて、それぞれの投資家の「リスク許容度」を算出します。
なお、各質問への回答と、「リスク許容度」への相関関係としては、概ね、下図の通りです。

リスク許容度「高」 リスク許容度「低い」
年齢 年齢が若いほど、リスク許容度は高い。 年配になればなるほど、リスク許容度は低い。
年収 年収が大きいほど、リスク許容度は高い。 年収が低いと、リスク許容度は低い。
金融資産 金融資産残高が多い投資家は、リスク許容度が高い。 金融資産の少ない投資家は、リスク許容度が低い。
投資経験 投資経験が豊富な投資家は、リスク許容度が高い。 投資経験が少ない投資家は、(一時的な相場下落で動揺する可能性が高いため、)リスク許容度が低い。
投資目的 投資目的が「余裕資金運用」等の場合、リスク許容度が高い。 「年金運用」や「退職金運用」を目的としている場合、リスク許容度は低い。

参考:
ロボアドバイザーの診断する「リスク許容度」とは|リスク許容度診断の仕組み、プログラムによる自動診断の限界まで徹底検証

③ロボアドバイザーが、リスク許容度に応じた最適ポートフォリオを提案

国内の主要ロボアドバイザーは、現代ポートフォリオ理論に立脚しており、平均・分散法に基づき、各リスク許容度に応じた最適ポートフォリオ(リスクを同程度とした場合に、リターンが最大化される、資産クラスの組み合わせ=有効フロンティア上のポートフォリオ)を自動算出します。

ロボアドバイザーのポートフォリオに組み込まれることの多い資産クラスとしては、下記のような物があります。

資産クラス 概要
米国株 米国上場企業の株式。アップル社やフェイスブック社、アルファベット社(Google親会社)など、米国の大企業等を投資対象となります。ポートフォリオ全体のリターンの牽引役となります。
先進国株 米国を除いた経済先進国の株式。日本企業やヨーロッパ企業の株式が含まれます。米国株と相関係数が大きいため、分散による標準偏差(リスク)低減効果はさほどありませんが、地理的な分散が期待されます。
新興国株 中国や台湾、ブラジル、ロシアなどの企業株式。期待リターンは大きいですが、その分、ボラティリティも大きい(=ハイリスク・ハイリターン)という特質があります。
先進国債券 米国財務省の発行する債券などが投資対象となります。株式系の資産クラスとの逆相関(=相関係数が小さい)が期待されてきましたが、昨今、さほどの分散効果(標準偏差の低減効果)は実現されにくくなりつつあります。また、先進国では低金利が常態化しており、今後は金利の上昇余地が大きい、すなわち、債券の値下がり余地が極めて大きい、ということで、保有の意義を疑問視する向きもあります。
新興国債券 先進国債券よりは利回りが高い(ハイ・イールド)であることが一般的です。今後、利回りが下がれば、それに応じて、既発債券の価格も上昇することが期待できます。ただし、新興国政府が発行している債券には、当然、カントリーリスクがあるほか、通貨切り下げ等が生じれば、大きな為替リスクにさらされることとなります。

参考:
ロボアドバイザーのポートフォリオ運用の仕組み・メリット&デメリットを考える

④ロボアドバイザーが、投資対象銘柄を取得

投資家が、前段のポートフォリオ内容に同意し、かつ、ロボアドバイザーの定める最低投資金額を入金すれば、ロボアドバイザーは、ポートフォリオを構築するために必要な、具体的な投資対象銘柄取得を進めます。

ウェルスナビやテオ(THEO)といった、国内の主要ロボアドバイザーの場合、上場投資信託(ETF)、特に、米国市場に上場しているETFを投資対象とすることが一般的です。

  • 投資信託を活用することで、少額から、幅広い銘柄へと分散投資を行うことが出来る。
  • 上場投資信託の場合、非上場投資信託と比較して、信託報酬等の経費率が低い。
  • ETFの場合、非上場投資信託よりも、純資産が大きく、繰上償還リスクが小さい(とはいえ、上場投資信託には、「上場廃止」となるリスクがあります)。
  • 上場投資信託ならば、取引所が開いている時間中であれば、いつでも取引が行える。また、購入・売却の価格(=需給に基づく「市場価格」)が、売買時にはっきりしている(=反面、非上場投資信託の場合、いくらで売買できたか、という点は、売買時点でははっきりしません)。

などといった特質があるため、です。


参考:
ロボアドバイザーの投資対象は|資産クラス別の投資対象銘柄の確認、ロボアドバイザーによる投資対象選定のポイントまで解説

⑤値上がり・値下がりに応じて、ロボアドバイザーがリバランスを実施

最適ポートフォリオ通りの内訳で資産運用を始めたとしても、その後、各銘柄の値上がり・値下がりに応じて、ポートフォリオ内のバランスが、理想的なものと比較して、崩れてきてしまう(=乖離してしまう)ことがままあります。
この乖離を放置すると、

  • 本来はリスクを取るべきではない投資家が、株式系の資産クラスの割合が大きい、「ハイリスク・ハイリターン」なポートフォリオを運用してしまうことになったり、
  • 逆に、リスク許容度が大きく、積極的にリスクをとっていくべき投資家が、債券系の資産クラスが大きなシェアを占める「ローリスク・ローリターン」なポートフォリオを運用してしまう、

などといった、不具合が生じることとなります(特に、自分が許容できるリスクを超えた、「リスクを取りすぎ」な資産運用は、危険です)。

ロボアドバイザーがリバランスを実行するタイミングとしては、主に下記の数点があります。

定期リバランス 「半年に1度」「1年に1度」など、ロボアドバイザーが定期的に実施するリバランス。資産売却を伴う場合、課税関係が生じることがある。
積立リバランス 投資家が積立投資を行う際に、最適ポートフォリオの割合そのままに追加取得を行うのではなく、追加取得「後」のポートフォリオが、最適ポートフォリオに近づくように、銘柄買い付けを行う。資産売却が生じないため、課税関係への配慮が不要。
臨時リバランス 市況が急変した時に行われるリバランス。例えば、株式市場が急落した場合、債券系の資産クラスを売却し、株式系の資産クラスを買い足すことがある。逆に、株式市場が急騰すると、株式系の資産クラスの占めるシェアが大きくなるため、これを売却することもあり得る。いずれにせよ、値上がり資産の売却を伴う場合は、含み益の実現による課税関係が生じる。
出金リバランス 投資家が、一部資金の出金を行う際、最適ポートフォリオの割合のまま、資産売却を行うのではなく、出金のための売却「後」のポートフォリオが、最適ポートフォリオに近づくよう、売却銘柄をコントロールする。この際、含み益のある銘柄が売却されると、課税関係が生じる。

参考:
ロボアドバイザーの行うリバランスとは|リバランスの仕組み、メリット・デメリット、課税関係まで検証

ロボアドバイザー投資のメリット

投資家がロボアドバイザー投資に取り組む場合、主に下記のようなメリットに期待することとなります。

①主に上場投資信託(ETF)を活用し、複数の資産クラスの多数の銘柄に分散投資が出来る

ロボアドバイザーの場合、上記したように、株式や債券など、複数の資産クラスに、資産を分散投資することはもとより、各資産クラスの投資対象としては上場投資信託(ETF)を積極活用することによって、場合によっては数千を超える銘柄に対し、資金を小口・分散投資します。

例えば、国内ロボアドバイザー業界においては大手と言われるウェルスナビの場合、米国株へと投資するにあたり、バンガード社が運用するインデックスETF「VTI」(Vanguard Total Stock Market ETF)を活用しますが、VTIの場合、「CRSP US Total Market Index」というインデックス指標に追随すべく、全米の3,900を超える株式銘柄に対し、資産を時価総額加重で分散投資しています。

個人で数千を超える企業株式へと分散投資する場合、単純な手間暇も莫大ですし、1株ごとに取得したとしても、かなりの投資資金が必要となります。
例えば、VTIの組み入れ銘柄上位にあるアルファベット社(検索サービス大手Googleの親会社)の株価は、2021年9月10日の終値で、2,800ドル(日本円で約30万円)を超えています。
反面、VTI自体は、1株あたり230ドル(2万5千円程度)で購入できます。

このように、ロボアドバイザーの場合、主にETFを投資対象とすることで、様々な銘柄への幅広い分散投資を果たしていることが分かります。
※もっとも、わざわざロボアドバイザーを利用せず、投資家が自分で投資信託やETFを取得したとしても、同じ効果を実現できます。

②投資家自身が売買する必要が無く、機械的な長期投資が実現しやすい

株式系の資産クラスへと主に投資するインデックス投資においては、「長期投資」こそが、投資の成功の鍵である、と言われています。

投資家自身が売買する必要が無く、機械的な長期投資が実現しやすいのは、ロボアドバイザーの利点
S&P500指数の遷移。1990年代以降、複数回に渡る大幅な下落時期を乗り越え、過去最高値を更新してきたことが分かります。
画像引用元:TradingView

上図にあるように、米国の主要企業株価指数であるS&P500は、1990年代以降、

  • ドットコム・バブルの崩壊
  • 米国同時多発テロの発生
  • サブプライム・ローン問題の発覚
  • リーマン・ショックの到来
  • コロナ・ショック

など、複数回に渡る大幅な下落ショックを、都度、吸収したうえで、(長期的に見れば)長年にわたり、過去最高値の更新を続けてきたことが分かります。

1990年代に投資を始めた投資家が、上記のいずれかのタイミングで、長期投資を断念してしまっていれば、近年の大幅な上昇に拠る資産価値向上を享受することは出来ませんでした。

こうした歴史上の事実を踏まえ、特に、経済全体へと投資を行うインデックス投資においては、「短期的な売買を繰り返すのではなく、バイ&ホールドを徹底する(=長期投資に徹する)ことこそが肝要」と言われているのですが、実際に投資家自身が手動で取引を行う場合、その実現は容易ではありません。

例えば、上記のS&P500の例でいえば、投資家が長期投資を頓挫してしまい得る(=長期投資を中止する可能性が極めて高い)シーンとして、下記数点があります。

  1. ドットコム・バブル崩壊直後、利確を急ぎ(ないしは、損失を最小限に抑えるために)、バブル崩壊前に取得したリスク資産を投げ売りする。
  2. 2004年頃、ドットコム・バブル崩壊から数年たち、少し相場が上向いたところで、「また急落する前に、少しで市況が回復したタイミングで売ってしまおう」として、資産運用を中止する。
  3. リーマン・ショック発生直前、株価が、ドットコム・バブル崩壊前の水準程度まで回復したところで「長い塩漬け期間はこれで終わり。損益ゼロになったところで、売ってしまおう」として、市場から退却。
  4. リーマン・ショック発生後、資産の投げ売り(ドットコム・バブル崩壊直後と同様)。
  5. 2013年頃、株価が、リーマン・ショック前の水準を回復したところ、損益ゼロで売却。
  6. その後、コロナ・ショック到来までの間のいずれかの期間中に、「もうそろそろ、株価は天井だろう」と判断して、利確(運用終了)。
  7. コロナ・ショック直後、焦って投げ売り(ドットコム・バブル崩壊直後、及び、リーマン・ショック直後と同様)。
  8. コロナ・ショック前の水準を回復したところで、市場から撤退。

上記8回にも及ぶ「絶対に売ってしまうべきだ」という誘惑に打ち勝ち、長期投資を実現できた投資家だけが、1990年代から起算して10倍程度にも及ぶ、猛烈な資産価値向上の成果を享受できたわけです。

投資家が自分自身で(手動で)インデックス投資を行っている場合、基本的には途中で売却してしまうでしょうし、どれだけ勇敢な投資家であったとしても、10年以上に及ぶ市場低迷期、及び、複数回に及ぶ大幅下落の中で、淡々と、積立投資を行う、などという芸当は、到底、難しかったでしょう。

しかしながら、ロボアドバイザーを用いてトレードを自動化してしまえば(=投資していることを、投資家自身が放念することが出来れば)、そうした長期投資も、実現可能であった、と言えます。


参考:
ロボアドバイザーのメリット・デメリットとは|投資一任型・助言型ロボアドバイザーのリスク・仕組みから徹底解説

ロボアドバイザーが「やめとけ」と言われる10の理由

上記したようなメリットのある、ロボアドバイザーではありますが、特に長期的にインデックス投資に取り組んできたベテラン投資家からは、「ロボアドバイザーは無意味。やめとけ」という意見が出てくることが多くあります。
インデックス投資の酸いも甘いも噛み分けてきたベテラン投資家が、ロボアドバイザーについて「やめとけ」と断言する背景には、主に下記のような理由があるとされます。

「手数料が高い」から、ロボアドバイザーはやめとけ

投資一任型のロボアドバイザーを利用する場合、預かり資産残高に応じて、年率で1パーセント程度の手数料がかかることが一般的です。
国内の主要ロボアドバイザー事業者の手数料体系を図表にすると、下記のようになります。

ウェルスナビ 投資家の、現金部分を除いた資産評価額に対して、年率で1パーセント(税込1.1パーマネント)。
なお、3,000万円を超える部分に対しては、年率は0.5パーセント(税込0.55パーセント)。
運用資産残高、及び、運用期間に応じて、手数料を割り引く、「長期割」サービスも提供している。
テオ(THEO) 投資家の運用資産額に対して、年率で、0.715パーセント〜1.10パーセント(いずれも税込)。
投資家の利用状況によって、手数料を割り引く、「THEO Color Palette(テオ カラーパレット)」制度が導入されている。
楽ラップ
  • 固定報酬型:
    運用資産残高に対して、最大で0.715パーセント。なお、その内訳としては、投資顧問料が年率0.165パーセント。加えて、運用資産の時価評価額に応じて連動する、運用管理手数料率(0.385パーセント~0.550パーセント)が加算される。
    ただし、別途、ファンド費用(楽ラップの投資対象となる投資信託の、信託報酬。最大年率0.255パーセント)が必要となる。
  • 成功報酬併用型:
    固定報酬部分は、最大で年率0.605パーセントまで(投資顧問料が年率0.0055パーセント、と抑制されている。運用管理手数料率については、固定報酬型の場合と同様)、とされており、その代わりに、運用益の5.5パーセント相当の、成功報酬が加算される。
    なお、別途、ファンド費用(楽ラップの投資対象となる投資信託の、信託報酬)が生じる点は、固定報酬型と同様。
SUSTEN(サステン) 国内のロボアドバイザー業界では初めて、完全成果報酬型の手数料体系を採用。
実際の手数料率は、投資評価額によって異なる。

  • 80万円未満:1/6(税別)
  • 80万円以上200万円未満:1/7(税別)
  • 200万円以上500万円未満:1/8(税別)
  • 500万円以上:1/9(税別)


引用元:ロボアドバイザーと手数料|投資家にとって、ロボアドバイザーの手数料は、高いのか

上記の「ロボアドバイザー利用料」のほかに、投資家は、ロボアドバイザーが取得するETF・投資信託の、信託報酬等のコストを、間接的に負担する必要があります。

これに対して、もしも投資家が、ロボアドバイザーが取得するのと同じETF・投資信託(ないしは、同じインデックスに連動する投資信託・ETF)を、自分の証券口座で、ロボアドバイザーを介さずに取得する場合、当然、ロボアドバイザーに対して手数料を支払う必要ななく、あくまでも、投資信託・ETFの運用会社へと、信託報酬を支払えばよい、ということとなります。

ロボアドバイザー(ウェルスナビ)が投資対象とするETFの、一般的な経費率は、下記の通りです。

銘柄 資産クラス 経費率
VTI 米国株 0.03%
VEA 日欧株 0.05%
VWO 新興国株 0.10%
AGG 米国債券 0.05%
TIP 物価連動債 0.19%
GLD 金(きん) 0.40%
IYR 不動産 0.41%


引用元:各運用会社HPより引用。2021年9月12日。

ETFの特質を活かし、極めて経費率の低い銘柄を選んで投資していることが分かりますが、問題は、「ロボアドバイザーを利用して上記ETFを取得すると、別途、ロボアドバイザーの手数料を負担する必要がある」ということです。

確かに、ロボアドバイザーを利用してETFを取得することにより、

  • ETFの1株当たり価格を下回る少額から、ETFに小口投資できる(ウェルスナビの「ミリトレ」機能など)
  • ETFの購入手数料がかからない

等というメリットはありますが、ETFの場合「株価が高い」といっても、数万円程度(例えば、VTIの場合、2万5千円程度)ですし、上記したETFの中には、楽天証券やSBI証券といった、ネット証券会社で、「フリーETF」(=購入手数料無料で買い付け出来るETF)に指定されているものもあります。

意地の悪い言い方をしてしまえば、ロボアドバイザーを利用すると、(経費率の安い)インデックス・ファンドに投資しているだけなのに、(一般的に信託報酬の高い)アクティブ・ファンド並みの手数料がかかってしまう、とも換言出来ます。

そのほかにも、ロボアドバイザーの手数料体系については、インデックス投資に自力で取り組んできたベテラン投資家から、様々な問題提起が為されており、

  • 完全成果報酬型のロボアドバイザーに至っては、単に市場が高値を更新しただけ、という理由でHWM(ハイウォーターマーク)を更新しても、利益相当額に対して、10パーセント前後の手数料がかかってしまう
  • 預かり資産残高に応じて手数料を徴収するロボアドバイザーの場合、市場の低迷期(長い場合は、10年以上に及ぶこともあります)においても、投資信託・ETFを保有させているだけで、年率1パーセント前後の手数料が徴収され続ける

などといった問題点も指摘されています。


参考:
ロボアドバイザーの問題点とは「下落相場で利益を出せない」「損失が生じても手数料がかかる」「投資家獲得競争が熾烈」等、投資家・運用会社が抱える問題点を分析

「リスク資産としての債券投資は無意味」だから、ロボアドバイザーはやめとけ

ロボアドバイザーの場合、基本的には「複数の資産クラス」(=マルチアセット)に資産を分散投資し、その代表格は、「株式」と「債券」の分散です。
しかしながら、インデックス投資の経験者からは、主に下記の2点を理由として「ロボアドバイザーの債券投資は無意味だからやめとけ」という主張が為されます。

①逆相関が見込みづらい

ロボアドバイザーは、基本的に、「株式系の資産クラスとの、相関関係の小ささ」(=逆相関)に期待して、債券系の資産クラスへと資産を分散投資します。
相関係数の小さい資産クラスに資産を分散することで、ポートフォリオ全体のボラティリティ(標準偏差=リスク)を低位に保ちたい、という狙いがあるわけです。

しかしながら、今般、株式系の資産クラスと、債券系の資産クラスとの間には、かつてのような、明確な逆相関関係が、見出しづらくなりつつあります。

株式系の資産クラスと、債券系の資産クラスとの間では、逆相関が見出しづらくなっている
米国株連動ETF「VTI」と、米国債券連動ETF「AGG」の値動き、及び相関関係。逆相関が実現している期間もありますが、1.0に近い「正の相関」が生じている期間も長くあります。
画像引用元:TradingView

上図は、米国株式指数に連動した投資成果獲得を目指すVTI(ウェルスナビでも取得対象とされています)と、米国債券に連動するETF「AGG」(同左)の値動き、及び相関関係を表したものです。
分散投資の目論見通り、強い逆相関が生じている期間もありますが、ほぼ同じ値動き、すなわち、「正の相関関係」が継続的にみられている期間もあります(=まるで波を描くようにして、相関→逆相関→相関、という流れを繰り返している)。

そもそも、(期待リターンの高い)株式ではなく、(期待リターンの低い)債券に資産を一部投じている時点で、リターンの何割かは、犠牲にしています。
それでも尚(=リターンを犠牲にしてでも)、債券へと資金を投じる理由は、「強い逆相関に拠る、ボラティリティの低減効果」であるはずです。

しかしながら、上記したように、株式と債券との間には、さほど強い逆相関が見いだせない(=むしろ、強い相関関係が生じている時期もある)、という問題があります。

②債券は、今後値下がりしてしまう可能性が高い

昨今、先進各国は、未曾有の低金利状態にあります。
このため、「今後、長期的に見て、債券利回りは、上がるか、下がるか」と問われると、大半のアナリストは、「債券利回りは上がるだろう」と答えます(そもそも、これ以上の下落余地があまりないので、当然です)。

債券利回りは、ここ数十年で大きく下がってきた。
アメリカの10年国債の利回り。1980年代には10パーセントを超えていましたが、今では、1パーセント程度の低利となっています。
画像引用元:TradingView

上図は、アメリカ財務省が発行する、満期10年国債の利回りです。
1980年代には、10パーセントを超えることもざらでしたが、昨今は、金融緩和政策の影響で、1パーセント~2パーセント程度の低利に留まっています。

そんなアメリカでは、昨今、「金融緩和政策の縮小」のうわさが絶えません。
S&P500等のインデックスも過去最高値更新を繰り返している中、そろそろ…という声が聞かれても、全く不思議ではありません。

仮に、金融緩和政策が縮小されると、金融引き締めに伴い、国債の利回りは上がります。
すると、既発債券(=金融引き締め前と比べると、金利が低い)の魅力は、当然、薄れることとなりますので、既発債の価格が下がります。

すなわち、ごく素直にみると、少なくとも先進国債券は、今後、値下がりしてしまうリスクが極めて高い資産クラスである、と換言出来ます。

実際に、債券価格が低下してしまうと、ポートフォリオ全体のリターンの足を引っ張ってしまうのは勿論のこと、金融引き締めによって誘発された株安と、(少なくとも短期的には)ダブルパンチとなってしまう可能性もあります。

「iDeCoやつみたてNISAが優先」なので、ロボアドバイザーはやめとけ

インデックス投資経験者の中には、「ロボアドバイザーなどを活用する前に、iDeCoやつみたてNISAにしっかり取り組み、そのうえで、余裕資金が余れば、自力でインデックス投資をするべき」と考える方が多くいます。

iDeCoの活用メリット

インデックス投資にiDeCoを活用する場合、拠出期間中の掛金全額が、所得控除の対象となる(=所得税と住民税が軽減される)、という、大きなメリットがあります。
※当然、ロボアドバイザー投資に、そのようなメリットはありません。

運用期間中の利益は繰り延べ(=受け取り時まで課税留保)となりますし、実際の受け取り時にも、受け取り方に応じて、「退職所得控除」ないしは「公的年金控除」が活用できます(ロボアドバイザーの場合、いずれの控除も利用できません)。

あくまでも年金制度の一部であるため、「60歳まで解約できない」というデメリットこそありますが、そもそも、長期投資を目的としてインデックス投資に取り組む場合、この点はさしたるデメリットとは目されないでしょう。

なお、iDeCoで投資できる投資信託は、各証券会社によってある程度限定されていますが、

  • ロボアドバイザーの投資対象と同様、主要インデックスに連動する投資成果の獲得を目指し、
  • かつ、信託報酬が、0.5パーセント以下と、安いもの

が、複数、取り揃えられていることが一般的です。

つみたてNISAのメリット

つみたてNISAの場合、専用口座で取得した銘柄の値上がりが、最長で20年間、非課税となる、というメリットがあります。
iDeCoと違い、途中いつでも資産を換金できる、という流動性上のメリットもありますし、一般NISAと比較しても、非課税期間が長い(一般NISAの場合は5年。ロールオーバーを利用したとして最長10年)、という利点があります。

非課税投資枠が小さい(年間40万円まで)、というデメリットがありますが、「まずは少額から、インデックス投資を始めてみよう」と考えている投資家にとっては、前述のiDeCoと並び、そのスタート方法の最有力候補のひとつです。

iDeCo枠、つみたてNISA枠、それぞれの消化が終わってから、追加投資の検討を

税制に詳しいインデックス投資家の多くは、
「インデックス投資を始めるにあたっては、まず、掛金の所得控除、及び受取時の控除が明文化されている、iDeCo枠での投資を最優先するべき。そのうえで、なお積立余力のある投資家は、非課税メリットのある”つみたてNISA”を活用するべき。両者の活用を進める過程で、投資信託選びにも詳しくなっているはずだから、”まだまだ投資余力があるぞ”という投資家は、それまでの経験を活かして、課税口座でのインデックス投資を、自力で行ってみると良い」
と主張します。

すなわち、”ロボアドバイザー投資”云々は、あくまでも、iDeCoとつみたてNISAの活用を最大限行った「後」の話、であり、かつ、その頃には、既にインデックス投資の主なコスト構造・投資信託選びに関する知識も蓄積されているだろうから、わざわざ高コストなロボアドバイザーを活用せずとも、自分で低コストなETFないしは投資信託を積立で取得すればよろしい、というのが、ベテラン・インデックス投資家の主張の、基本的なところです。


参考:
ロボアドバイザーと、つみたてNISA|つみたてNISAのメリット&デメリット、ロボアドバイザーとの併用・比較について検証

「リバランスで将来リターンが収縮してしまう」から、ロボアドバイザーはやめとけ

投資家の最新ポートフォリオが、当該投資家のリスク許容度に見合った「最適ポートフォリオ」から乖離した場合、ロボアドバイザーは、自動的に「リバランス」を執行する場合があります。
そして、ロボアドバイザーの執行するリバランスは、下記の2つの作用によって、結果的に、投資家の資産ポートフォリオの価値を低減させてしまう場合があります。

①株式系の資産クラスの売却により、ポートフォリオの期待リターンが下がる

仮に、株式系の資産クラスが値上がりすると、投資家のポートフォリオにおける、株式のシェアが大きく膨らみます。
その場合、ロボアドバイザーは、値上がりした株式系ETFを売却することによって、ポートフォリオに占める株式のシェアを下げ、最適ポートフォリオを再現しようとする場合があります。

マルチアセットのインデックス投資において、ポートフォリオのリターンのけん引役は、債券でも不動産でもなく、あくまでも「株式」です。

期間 1年 3年 5年 10年
VTI(米国株) 33.25% 17.89% 17.99% 16.20%
VEA(日欧株) 28.63% 9.73% 10.29% 7.77%
VWO(新興国株) 20.82% 10.48% 9.79% 4.53%
AGG(米国債) -0.37% 5.29% 2.97% 3.33%
TIP(物価連動債) 6.11% 6.33% 4.02% 3.26%
GLD(金) -7.65% 14.24% 6.32% -0.39%
IYR(不動産) 32.23% 11.35% 7.85% 9.24%


各運用会社HPから引用。2021年9月12日。

上図は、各資産クラス別のETFの、直近1年、3年、5年、10年の実績リターンを簡易的に表したものです。
こうしてみると、

  • 米国株式が、ポートフォリオ全体の収益の牽引役であったこと
  • 及び、債券(米国債及び物価連動債)が、(ボラティリティを低位に保つ効果は、一定程度、あったかもしれないが)いかに、ポートフォリオのリターンの足を引っ張ってきたか、

が、よく分かります。

ロボアドバイザーの実行するリバランスによって、株式系の資産クラスが売却されてしまえば(さらに、その分、債券系の資産クラスが買い足される、とすれば)、ポートフォリオの期待リターンは、自ずと、下がってしまうこととなります。

特に、純然たる余裕資金をインデックス投資に投下しており、「ボラティリティは全く気にならない。リスクを低位に保ちたいモチベーションが無い」という、いわゆる「リスク愛好型」の投資家にとっては、「(長期的なリターンの源泉である)株式ETFを、途中で売却するなど、もってのほか」であると解されます。

②含み益の実現により課税関係が生じ、運用の効率が下がる

リバランスによって、含み益の生じていた資産を売却すると、含み益が実現し、課税の対象となります。
税率はおおよそ2割ですから、

  • 例えば、4万円でロボアドバイザー投資を始め、株式ETF1株2万円、債券ETF1株2万円、と、50:50の資産割合でポートフォリオ運用を開始した投資家がいた、と仮定します。
  • その後、1株2万円で取得したETFが、2万5千円まで値上がりし(=このとき、債券ETFを合わせた資産評価は、4万5千円)、
  • 5,000円の含み益を抱えている状態で、リバランスのために、この株式ETFを売却すると、
  • 5,000円のキャピタルゲインに対し、20パーセントの課税が生じ、税引き後の利益は4,000円となるため、
  • ETF売却後の資産評価額は、債券と合わせて、4万4,000円となり、
  • これは、リバランス売却前の資産評価額に対し、2パーセント強程度、資産評価が下落したことと同義、

となります。

勿論、運用した資産をいつか活用する場合、その時点で、資産売却に伴う課税関係は生じてしまうわけですが、仮に、つみたてNISAや一般NISA口座で、こうしたインデックス投資を行っていれば、こうした課税関係についても、配慮の必要が無い、ということとなります。

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ロボアドバイザー検証チーム
ソーシャルレンディング・ラボは、国内の融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)、及び、不動産クラウドファンディング業界情報の検証メディア。
ロボアドバイザー情報専門の検証チームでは、日本国内、並びにアメリカを中心とした海外国にて展開されているロボアドバイザー(RA)サービスに関する最新情報を提供するほか、ロボアドバイザー業界の市場調査、各社の新サービスの検証などを実施する。

メディア掲載歴(一部・順不同)
・朝日新聞デジタル&m
・財経新聞
・SankeiBiz
・RBBTODAY
・楽天Infoseekニュース
・excite.ニュース
・BIGLOBEニュース
・@nifty ビジネス
・Mapionニュース
・NewsPicks
・ビズハック
・MONEY ZONE
・Resemom
・SANSPO.COM
・Trend Times
・zakzak
・とれまがニュース
・徳島新聞

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