【2021年7月更新】不動産クラウドファンディングとは?|不動産クラウドファンディングのメリット・デメリット・リスクから徹底解説。上場企業運営サービスも

寄稿者紹介

個人投資家Y.K氏。
2018年初旬からクラウドファンディング投資(主に融資型)を始め、約3年が経過。
合計20社以上のクラウドファンディング投資事業者に投資口座を開設し、累計投資額は400万円以上。
30代男性会社員・首都圏在住。

昨今、国内の個人投資家の間で人気が過熱しているのが、不動産クラウドファンディング。
1万円程度の少額から不動産投資が行えるうえに、サービス運営会社による投資元本の保護(※優先劣後スキーム。詳しくは後述)が為され、かつ、期待利回りも高い、ということで、情報収集の早い投資家を中心に、特にここ最近、大きな話題となっています。

国内では、既に数十社の不動産事業者が、必要な許可(不動産特定共同事業法に基づく許可・登録。詳しくは後述)を取得し、不動産クラウドファンディング領域に参入済。
国内証券市場の上場企業が、直接、サービス運営にあたっているケースや、累計調達額が、早くも100億円を突破しているようなサービスもある一方、サービス開始したものの、ファンドの募集が途絶え、「開店休業」状態となっているサイトも存在します。

今回、融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)を中心に、累計20社以上のクラウドファンディング・サービスに投資口座解説、400万円以上の投資をしてきた私が考える、おすすめの不動産クラウドファンディング事業者を7社、ご紹介させて頂きます。

  • Rimple(公式)
    東証一部上場企業である、プロパティエージェント株式会社が直接運営。セゾンポイントや、ポイ活サイト大手「ハピタス」や「モッピー」で貯めたポイントを投資に活用できる。
  • CREAL(公式)
    国内不動産クラウドファンディング業界最大手。累計調達額は100億円を突破済。
  • ジョイントアルファ(公式)
    香川県高松市の東証一部上場企業、穴吹興産株式会社が運営。半年~1年程度の短期運用ファンドが多数。
  • WARASHIBE(公式)
    投資対象は、首都圏・東京都内の物件が中心。これまでに募集された全てのファンドが、満額の資金調達を達成中。
  • アセクリ(公式)
    予定利回り5パーセント以上の高利回りファンドが多数。運営会社は、一棟収益不動産(マンション・アパート・商業ビル)を中心に、創業以来1,000件以上の取引実績を有する。
  • ぽちぽちFUNDING(公式)
    既募集ファンドの全て、募集額以上の投資応募を確保。運用期間3か月~半年程度の短期運用ファンドを複数取り扱い。ファンド運用期間中の中途解約可。
  • 大家ドットコム(公式)
    1口1万円から少額投資可。区分所有マンションや中古アパート1棟、IOT新築アパートなど、幅広いレジデンス不動産へと分散投資可。

本記事では、不動産クラウドファンディング全般について、しっかりと解説・検証して参りますが、上記各社の詳しいサービス内容については、是非、各社公式サイトをご参照下さい。

不動産投資型クラウドファンディングとは

不動産投資型クラウドファンディングは、

  • 事業のために、新たに不動産を取得するための費用を、クラウドファンディング形式(インターネット活用)に拠って調達したい、と考えている不動産事業者と、
  • 「比較的高い期待利回りで、余裕資金を運用したい」「数万円程度の小口から、不動産投資を始めてみたい」と考えている個人投資家との間の、

マッチングサービスである、といえます。

不動産クラウドファンディングの基本的な仕組み

不動産クラウドファンディングにおける、資金・資産の流れをフロー上に表すと、下記のようになります。

  1. 不動産事業者(宅地建物取引業者)が、不動産特定共同事業法に基づく、許可(小規模不動産特定共同事業の場合は、登録)を取得
  2. 不動産クラウドファンディング用のサービスサイト(WEBサイト、並びに、システム)を構築
  3. 自身のサービスサイト上で、ファンドを公開・募集
  4. 投資家は、不動産クラウドファンディング事業者のサービスサイト上で、ファンドに対して、出資手続きを行う(=匿名組合契約のオンライン締結)
  5. 投資家が、不動産事業者に対して、出資金を送金する(※デポジット制採用の不動産クラウドファンディング事業者の場合、事前の預託が必要)
  6. 不動産事業者は、調達した資金を用いて、不動産の取得や、リノベーション等を実施
  7. ファンドの運用期間中に生じた賃料収入(インカムゲイン)を原資に、出資者に対する利益分配を実施
  8. 最終的には、不動産を売却し、その売却代金を元手に、出資者に対する元本償還を実施
  9. 元本償還が完了次第、ファンドが運用終了

不動産特定共同事業の許可とは

前述した通り、不動産事業者(宅地建物取引業者)が、不動産取得のための資金をクラウドファンディング形式で調達したい場合、不動産特定共同事業法に基づく許可を取得する必要があります。
そして、不動産特定共同事業の許可事業としては、下記の4事業があります。

第1号事業

不動産特定共同事業契約を締結し、当該不動産特定共同事業契約に基づき営まれる不動産取引から生ずる収益、又は利益の分配を行う行為。
資本金要件は「1億円」とされています。

第2号事業

上記の不動産特定共同事業契約の締結の代理、又は媒介をする行為が、第2号事業に該当します。
資本金要件は「1千万円」です。

目下、国内で営業・展開されている、クラウドファンディング形式の不動産特定共同事業(=不動産クラウドファンディング)の大半は、この「第1号事業」と「第2号事業」の合わせ技、として運営されています。

第3号事業

特例事業者(SPC)から、実物不動産の運用を委託され、当事者としてこれを行う事業。
SPCを用いた、特例事業スキームの不動産クラウドファンディング以外では、活用されません。
資本金要件は、「5千万円」です。

第4号事業

特例事業者(SPC)が当事者となる不動産特定共同事業契約の締結の代理、または媒介を行うこと。
資本金要件は「1千万円」ですが、別途、許可要件として、「第二種金融商品取引業」の登録が必要です。
上述の「第3号事業」と同様、SPC(特別目的会社)を活用した特例事業スキーム以外では、利用されません。

特例事業とは

不動産クラウドファンディングに関して勉強を進めている人は、(不動産特定共同事業の)「特例事業」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
元々、不動産特定共同事業法が制定されてから暫くの間は、「不動産特定共同事業」=「(上述の)第1号事業」という考え方が一般的でした。

そして、「第1号事業」スキームの場合、運営事業者の内部で投資ファンドが組成される関係上、ファンドが取得する不動産も当然、運営会社自身の貸借対照表に計上されるため、万が一、事業者が経営破綻等した場合、投資家の出資持分が「倒産隔離」されない、という、大きなデメリットがありました。
また、運営事業者にとっても、「保有している不動産をオフバランス(貸借対照表から外すこと)したいのに、結局自社物件として評価され続けてしまう」という難点がありました。

こうした課題を解決すべく、2013年の不動産特定共同事業法改正で新設されたのが、不動産特定共同事業のみを目的としたSPC(特別目的会社。合同会社などで組成されることが一般的です)を立ち上げ、このSPCに投資対象不動産を保有させる、「特例事業」という制度です。
制度立ち上げ当初は、特例事業へは、いわゆる「特例投資家」(機関投資家などのプロ投資家)のみ投資可能、という状態だったのですが、2017年の不動産特定共同事業法改正で、所与の条件を満たした案件であれば、一般投資家でも、投資をが行えるように、制度が改変されました。

SPCを用いた特例事業スキームの場合、上記の通り、投資対象不動産は、あくまでもSPCが保有することになりますから、不動産事業者自体が経営破綻したとしても、その破産手続きからは隔離される、「倒産隔離」が実現することとなるほか、不動産事業者にとっても、自社で保有していた不動産をSPCに保有してもらうことにより、固定資産のオフバランスを実現し、ROA(純資産利益率)を高めたり、固定資産価格の変動リスクから解放される、などといったメリットを享受できることとなります。

しかしながら、特例事業スキームを利用するためには、上述の「第3号事業」及び「第4号事業」の許可取得が必要となり、このうち「第4号事業」の許可取得のためには、第二種金融商品取引業の登録が要件とされていることから、実現のハードルは依然として、決して低くはありません。
また、SPC(合同会社)の設立・維持コストがかかるほか、不動産事業者からSPCに対して不動産を譲渡する際に、不動産取得税や登録免許税が生じる(ただし、所定の条件を満たせば、軽減措置がある)、など、デメリットも少なくない関係上、国内のオンライン型の不動産クラウドファンディング・サービスで、特例事業スキーム(SPC活用スキーム)が採用されているのは、トーセイ社運営のTREC Fundingのみ、というのが実情です。

不動産特定共同事業契約の3類型

不動産特定共同事業契約の主たる類型としては、下記の3形態が挙げられます。

匿名組合型

不動産特定共同事業者と投資家との間で、「匿名組合契約」が締結されるタイプです。
投資家の負う責任は、出資額全額を最大とする「有限責任」とされるため、投資家としては、自身のリスクをある程度限定してファンドに参画できますが、相続財産評価においては、出資持分は「金銭債権」として考慮される関係上、相続税を圧縮する効果は見込めません。
不動産特定共同事業者側においては、株式会社等の場合と異なり、出資者に議決権が付与されませんから、投資家の意向に配慮することなく、自身の裁量で、ファンドの運営を行うことが出来る、というメリットがあります。

目下、国内で展開されている、オンラインの不動産クラウドファンディング・サービスにおいては、この「匿名組合型」スキームが主流です。

任意組合型

不動産特定共同事業者と投資家とは、互いに一種の平等な立場で、ファンドに出資・参画することとなります。
投資家においては、ファンドの運営に自身の意向を反映させやすい、というメリットがありますが、その分、ファンドが外部に為した行為等に関して、「無限責任」を負うこととなります。
なお、組合への出資持分は、相続財産評価時には、「不動産(の持分)」として評価されますから、不動産の時価等によっては、相続税の圧縮効果が見込める場合があります。

賃貸型

投資家が共同で所有する不動産を、不動産特定共同事業者に対して賃貸し、不動産特定共同事業者がこれを運用(別の第三者へと転貸して、賃料収入を得る、等)する、というスキームです。
「任意組合型」及び「匿名組合型」では、不動産特定共同事業者と投資家との間で「組合契約」が締結されるのに対して、「賃貸型」の場合、投資家は不動産特定共同事業者との間で「賃貸借契約」(ないしは、賃貸委託契約)を締結します。
相続財産評価時には、当然、「不動産」としての評価が為されますので、相続税の圧縮効果が期待されますが、基本的には対面取引等を前提としたスキームであり、目下、国内のオンライン型の不動産特定共同事業(不動産クラウドファンディング)にて、この「賃貸型」が採用されているケースはありません。

不動産事業者、並びに、投資家から見た、不動産クラウドファンディングのメリット

昨今隆盛を誇っている不動産クラウドファンディング。
不動産事業者、そして、投資を行う投資家、双方にとって、下記のようなメリットが指摘されています。

不動産事業者にとってのメリット

まず、不動産特定共同事業法に基づく許可・登録を取得し、不動産クラウドファンディングを展開している、不動産事業者にとっては、下記のようなメリット・アドバンテージがあります。

  • 自身のリスクを限定したうえで、新たな不動産投資に取り組める
  • 匿名組合スキームにより、投資家の意向に無関係で、自身の裁量でプロジェクトに取り組める
  • ノンリコースで資金調達を行うことが出来る
  • 投資家のコミットメントを高め、投資家を、事業の「ファン」にすることが出来る
  • 将来的な不動産投資家層に、早めにアプローチできる
  • 自社の資産流動性を高めることができる
  • 固定資産のオフバランスが出来る(ただし、特例事業の場合)
  • 手数料収入を得ることが出来る
  • 上場時バリュエーション等において効果的な「テック感」を演出できる

それぞれ、詳しく見て参りましょう。

自身の投資リスクの軽減

不動産事業者としては、不動産クラウドファンディングの活用により、銀行からのデット(借り入れ。間接金融、とも言います)や、市場からの直接金融、ないしは、自己資金によって、不動産を新たに取得するのではなく、外部の個人投資家から募った投資資金を活用して(=自社のリスクを限定的なものにして)、不動産投資を行うことが出来る、というメリットがあります。
勿論、不動産クラウドファンディングを活用して集めた資金については、自己の資金とは分別管理し、適正に扱う必要がありますが、適法にこれを運用している限りにおいては、万が一、不動産プロジェクトが不調に終わったとしても、不動産クラウドファンディング事業者自身のリスクは限定的(=後述する、劣後出資分のみ)です。
この点は、100パーセント自己資金や借入資金で不動産プロジェクトを実施する場合と比較して、不動産事業者にとっては、大きなメリットと言えます。

また、クラウドファンディング形式で調達した資金で不動産投資を行える分、銀行融資の付きづらいような案件(築年数が大幅に経過してしまっている物件や、現状収益を生んでいない物件のリノベーションプロジェクトなど)に対しても積極的に取り組みやすくなり、結果的に、業容を大きく拡大しやすい、というメリットもあります。

匿名組合スキームにより、投資家の意向に無関係で、自身の裁量でプロジェクトに取り組める

不動産ファンドで用いられるビークル(不動産等の資産を保有させる「器」)は様々ですが、国内の不動産クラウドファンディング・サービスの場合は、上述した通り、「匿名組合」が用いられています。
仮に、私募リートなどで良く活用される「投資法人」というビークルを採用した場合、各投資家に、経営参画の権利が付与されることとなります。
投資家が経営参画の権限を持つ場合、各投資家のコミットメントを得やすい、というメリットがある一方で、多量の投資家が一丸となって運営内容に異議を申し立ててきた場合、不動産事業者側の判断・裁量で運用を進めづらくなる、というデメリットがあります。

この点、匿名組合スキームを利用すれば、投資家に経営関与権は無くなり、計算書類の閲覧を請求する、「計算書類閲覧請求権」を持つのみ、となります。
不動産事業者側としては、投資家の意向や、逐次の反対を恐れることなく、自身の裁量・判断で、ファンドを運営することが出来るようになる、というメリットがあります。

ノンリコースによる資金調達の実現

不動産事業者が、担保価値1億円の物件を担保に、金融機関から7,000万円の借り入れを行い、当該不動産の売却を行う場合、当該不動産の売却の奏功・不調の一切に関わらず、不動産事業者としては、金融機関に対し、7,000万円(+利息)の返済を行う義務を負います(リコース・ローン)。
これに対して、不動産事業者が、不動産特定共同事業者として、投資家から9,000万円分の優先出資を集め、1,000万円の劣後出資を加え、1億円の物件を購入する場合、たとえ、不動産の売却が奏功しなかったとしても、不動産事業者側の損失は、劣後出資額(1,000万円)のみに留まり、事業者のその他資産には、リスクが及びません(ノンリコース)。
逆に、もしも不動産が高値で売却出来た場合、劣後出資をしている不動産事業者は、大きなキャピタルゲインを収受できる可能性があります。

投資を通じてコミットメントを高めたユーザーを、「ファン」として取り組むことが出来る

例えば、不動産事業者が、待機児童の増加が問題となっている地域で、築50年の木造古民家を取得・リノベーションして、認可型の保育所を開設する、というプロジェクトを起案したとします。
物件そのものは、築年数が経過している関係で、建物に資産価値は無く、ひいては、銀行から多額の資金調達を行う(融資を受ける)ことは、困難です。

こうした場合、地域の住民や、待機児童問題に関心を持っている投資家などを対象として、ファンドの募集を行えば、

  • 「共感」をきっかけとして、投資を募ることが出来るのみならず、
  • 出資をしてくれた投資家を、その後、利用者・ユーザーとして惹きつけることによって、

事業の「ファンづくり」を同時展開できる、というメリットがあります。

潜在的な顧客層に対するアプローチ

「不動産投資には興味があり、始めてみたいが、不動産投資家に必要とされるほどには、時間を取ることができない。まとまった投資資金の用意も難しいし、投資のために銀行から借り入れを行うようなことはしたくない」
そのように考えている投資家層は、実は、少なくありません。

不動産事業者としては、不動産クラウドファンディングを通して、不動産に対する投資意欲をもった投資家全般に対して、自身の知名度向上・ブランディングを図ることが出来る、という点も、不動産事業者がクラウドファンディングサービスを展開する理由のひとつです。

不動産クラウドファンディングという接点によって、投資家に対して信頼を築くことが出来れば、いつか、そうした投資家層が成長し、アパート投資やマンション投資など、実物不動産投資に取り組むようになったとき、他の不動産投資会社に先立って、優位な立場を得ることが出来る可能性があります。

自社物件をファンドに売却し、資産の流動性を高める

不動産クラウドファンディング事業者の中には、ファンドの投資対象不動産に、自身が保有している不動産を設定しているケースがあります。

  1. ファンドに資金を募り、
  2. 自身が保有している不動産を、そのファンドに対して売却し、
  3. 自分は、固定資産(=不動産)の代わりに、現金(=流動資産)を手にする、

ということです。

特に昨今、コロナ禍によって、東京都心からの人口流出や、従来大きな人気を集めていたオフィス物件の空室率上昇など、不動産投資にとっては、極めて難しい時期が続いています。
また、スマートデイズ問題や、スルガ銀行の不正融資問題、TATERUの融資資料改ざん問題等が原因で、銀行からのアパートローン調達も、以前とは比較にならないほど、困難になりました。
投資用マンションの開発・販売などを手掛ける不動産事業者としては、これまで通りの手法では、開発物件を顧客に売却することが難しくなってきているケースもあります。

また、経営環境が急激に変化する昨今、流動性の低い不動産をいつまでも所有するのではなく、より流動性の高い現金へとこれを転化し、フレキシブルに経営資金を振り分けられる体制作りも求められています。

こうした中、不動産投資会社(≒不動産クラウドファンディング事業者)としては、敢えて、自社保有物件を投資対象とし、資産の流動性を高めておきたい、という狙いもありましょう。

また、不動産クラウドファンディング事業者としては、自社物件をファンドに売却することにより、投資用不動産の販売実績を高めたり、(銀行からの借入金などを繰り上げ返済することで)有利子負債を圧縮できる、などといったメリットも期待できます。

さらに、不動産をファンドに対して売却する場合、(小口化して販売される関係で)通常価格よりも低い利回り(=高い価格)で売りやすい、という利点もあります。

固定資産のオフバランス(特例事業の場合)

国内の不動産クラウドファンディング・サービスの大半で採用されている「第1号&第2号事業スキーム」の場合、ファンドは、あくまでも、事業者の「内側」に組成されることとなり、ファンドが取得する不動産もまた、事業者の貸借対照表に計上され続けることとなります。

しかし、不動産事業が、不動産特定共同事業第3号事業及び第4号事業の許可を取得すれば、別途SPC(特別目的会社。合同会社であるケースが多い)を組成し、そのSPCに不動産を保有させる「特例事業」スキームを採ることが出来ます。

この場合、(上述の通り)不動産をSPCに保有させることによって、事業者自身の貸借対照表から不動産をオフバランスし、ROA(総資産利益率)等を高める契機とすることが出来ます。

手数料収入(アセットマネジメント報酬や、プロパティマネジメント報酬等)の確保

不動産クラウドファンディング事業者が提示している、ファンド概要を、よくよく読み込んでみると、

  • ファンドが、投資対象不動産を取得する時、及び、
  • ファンドが、運用期間満期にあたり、投資対象不動産を、外部の買い手に対して売却する時に、

不動産クラウドファンディング・サービスの運営会社が、「手数料」を収受することを予定しているファンドが、散見されます。

不動産クラウドファンディング事業者としては、投資対象不動産から上がってくる賃料収入(インカムゲイン)や売却益(キャピタルゲイン)等を原資とする配当(劣後出資者向けの分配)のほかにも、ファンドの不動産投資にまつわる様々なプロセスで、手数料収入を確保できる、という利点もあります。

また、ファンドのアセットマネジメント報酬(AM報酬)や、物件のプロパティマネジメント報酬(PM報酬)を徴収・収受できるケースもあり、不動産事業者にとっては、ストック型収入の積み上げに資することとなります。

上場時バリュエーションにおいて有利な「テック感」の演出

企業が上場準備をするときは、いかに、自社の企業価値(バリュエーション)を高めておくか、ということが、重要な課題となります。
既に1万株を発行している企業が、上場する場合、その企業のバリュエーションが1億円ならば、1株当たりの価値は、1万円です。
これに対して、主幹事証券会社などとも協力して、自社のバリュエーションを高め、「企業価値100億円」として上場することが出来れば、1株あたりの価値は、100万円にまで跳ね上がります。

一般的に、上場時には、その会社の創業者や出資者が、自身の保有している株式を市場で売却し、いわゆる「創業者利得」を得ることが前提とされています。
創業者の売り出す持ち株が、全1万株のうち1千株である場合、1株あたりの価値が1万円ならば、創業者が手に出来る金額は、1,000万円です。
しかし、もしも1株あたりの価値が100万円であれば、税引き前の創業者利得は、10億円に上ります。

このように、特に「上場」を視野に入れたとき、企業にとって、自社の「バリュエーション」は、極めて重要な要素となります。

基本的に、これだけ国土が狭く、人口も減少傾向にある、日本国において、「不動産会社」のバリュエーションは、さほど高くありません。
しかし、そこに、「クラウドファンディングによる資金調達」「フィンテックの活用」という、”テック感”を、エッセンスとして加えることによって、「ただの不動産屋さんではなく、テクノロジー・カンパニーである」として、自社のバリュエーションを一気に高めることが出来る場合があります。

投資家にとってのメリット

不動産クラウドファンディングに投資する「投資家」の立場からは、不動産クラウドファンディングには、下記のようなメリットがあります。

  • 高い期待利回り
  • 少額投資可
  • ほったらかし投資が可
  • 情報の透明性が高い
  • 優先劣後スキームによる投資家保護
  • 上場企業が直接運営するサービスもある
  • 様々なファンドから、自分にあった案件を選ぶことが出来る
  • 株式投資やFX、投資信託、REITのような、いわゆる「値動き」がない
  • クーリングオフが利用できる
  • 毎月分配型のサービスもある
  • 投資家の責任が「有限責任」とされている
  • 売却リスクが低減された「ブリッジ型案件」(つなぎ資金案件)も存在する
  • SPCを用いた倒産隔離機能を提供しているサービサーもある
  • 複数のアセットクラスへの分散投資が簡単に実現できる

それぞれ、確認して参りましょう。

高い期待利回り
投資家にとっての不動産クラウドファンディングのメリット:高い期待利回り
不動産クラウドファンディング・サービス「えんfunding」にて掲載されているファンド概要。年率換算で9パーセントという、極めて高い予定利回りが提示されていることが分かります。
画像引用元:えんfunding

実際に提示されている想定利回り(期待利回り)は、不動産クラウドファンディング事業者、及び、個別のファンドによって、千差万別ですが、概ね、年利換算数パーセント前後~10パーセント弱程度の、高い利回りが提示されていることが一般的です。

こうした利回り(特に、表面利回り)は、定期預金・銀行預金などを比較した際、極めて高い利回りであると同時に、アパート経営やマンション投資、といった、実物不動産と比較しても、遜色がありません。

少額投資が出来る

基本的に、実物不動産に投資をする場合、少なくとも数百万円程度、場合によっては数千万~数億円の投資資金が必要となります。
しかし、不動産クラウドファンディングの場合であれば、ほとんどの事業者で、1万円程度の少額から、小口投資をスタートすることが出来ます。
「不動産投資に興味はあるが、すぐに多額の投資資金を用意することは難しい」という投資家層にとって、この点は、大きなメリットとなります。

ほったらかし投資(実物不動産投資と比較して、手間暇がかからない)

不動産クラウドファンディングの場合、一旦ファンドへと出資をすれば、その後の実務(不動産の取得や、その管理、入居者の募集は賃料収受等々)については、全て、不動産事業者側へと一任することが可能です。
本業が忙しい会社員や、主夫・主婦の方であったとしても、「ほったらかし投資」の一種として、気軽に取り組むことができるというメリットがあります。

情報透明性の高さ

不動産クラウドファンディングの場合、投資対象となるのは「不動産」と限定されており、各不動産の具体的な情報(立地や、構造、築年数等々)については、不動産クラウドファンディング事業者のホームページにて公開されていることが一般的です。
同じく投資型のクラウドファンディング・サービスとして人気のソーシャルレンディングでは、一部の事業者において、融資先の情報が匿名化されているなど、情報透明性の課題が指摘されています。
この点、不動産クラウドファンディングにおいては、比較的、情報の透明性が高く確保されていると言えましょう。

優先劣後方式による投資家保護

国内で展開されている不動産クラウドファンディング・サービスの多くで、運営会社によるセイムボート方式出資で投資家の優先出資元本を保護する「優先劣後方式」が採用されています。
たとえ、ファンドの運用に損失が生じたとしても、その損失が、運営会社の劣後出資額までで収まれば、投資家の優先出資分が毀損せずに保護される、というスキームであると同時に、「運営会社&投資家」の間での利益相反防止にも期待できるという特性があり、投資家にとっては一定のメリットがあります。

上場企業運営のサービスも

詳しくは本稿で後述致しますが、不動産クラウドファンディングの場合、国内の証券市場(東証一部やジャスダック、マザーズ市場など)に上場している企業が、直接(子会社経由ではなく)サービス運営にあたっているケースが、多数、存在します。
この点は、上述のソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)や、株式投資型クラウドファンディング、購入型クラウドファンディング(CAMPFIREやREADYFORなど)では見られない特性のひとつと言えます。

ファンド選択の自由

不動産クラウドファンディング事業者各社が募集しているファンドの中には、数ヶ月程度の短い運用期間を予定しているものもあれば、数年単位の運用を見込んでいるケースもあります。
また、アパート・マンションなどの、レジデンス物件(居住用物件)を投資対象としているファンドもあれば、ホテルやオフィスなど、商業系の物件を投資対象としている案件もあります。
このように、様々な種類・タイプのファンドが募集されており、その中から、投資家自身のリスク性向や考え方にあったファンドを選択できる、という点は、投資家にとって、不動産クラウドファンディングならではのメリットと言えます。

値動きが無く、心理的負担が少ない

上場企業の株式投資や、FXなどに投資する場合、どうしても、「日々の値動き」に気を取られ、精神的に疲弊することがままあります。
この点、不動産クラウドファンディングであれば、そもそも、ファンドへの「出資持分」そのものに、(他者と取引できる)値段は付いていないため、上記のような「値動き」に対して気を配る必要はありません。
デイトレーダーのように、パソコンのディスプレイと睨めっこをする必要もありませんし、米国雇用統計発表など、外国為替市場の値動きに注意する必要もありません。

クーリングオフによる解約が出来る

不動産特定共同事業法第26条(書面による解除)により、投資家は、不動産特定共同事業法第25条第1項の書面、すなわち、「契約成立時書面」の電子交付を受けた日から起算して8日間、書面提出による契約の解除(クーリングオフ)を行うことが認められています。

毎月分配を予定しているファンド・事業者も存在する

不動産クラウドファンディングへと投資する場合、投資家が受け取ることとなるのは、

  • (出資の利益を示す)分配金と、
  • 元本償還

の2点です。

このうち、元本償還については、ファンド運用満期時点での一括償還が基本ですが、利益分配に関しては、期末の一括分配、としている事業者と、運用期間中の定期分配(毎月分配等)を基本としている事業者があります。
また、同一事業者の中でも、

  • 定期分配を行うファンドと、
  • 満期一括分配を行うファンドを、

並行募集するケースも想定されます。

投資家の責任は「有限責任」とされている

国内の不動産クラウドファンディング・サービスで一般的な、匿名組合を用いた不動産特定共同事業の場合、投資家側の責任は、出資した全額を上限とする「有限責任」とされています。

同じ不動産特定共同事業でも、契約スキームとして「任意組合」を採用しているケース等においては、投資家が出資額以上の損失を被り得る「無限責任」とされていますので、投資家の損失上限が規定されている匿名組合スキームには、投資家が想定以上の損失を被るリスクが軽減されている、というメリットがあります。

売却リスクが軽減された「ブリッジ型案件」も募集されている

詳しくは後述しますが、投資家が不動産クラウドファンディングに投資するにあたって、最大のリスクのひとつが、(不動産の)「売却が奏功しないリスク」です。
不動産特定共同事業者としては、ファンドの運用期間中に、取得した不動産を売却することによって、投資家への元本償還原資を確保します。
逆に言えば、ファンド運用期間中に不動産を売却・換金することが出来なければ、不動産クラウドファンディング事業者としては、投資家への元本償還を実施できません。

この点、取得する不動産について、既に第三者への売却が決定している(=売買契約締結済の)案件、いわゆる「ブリッジ型案件」の場合、上述の「売却リスク」がある程度軽減されていることが期待できるため、投資家としては、比較的安心して(※)投資に取り組むことが出来ます。


(※)ただし、相手方の都合によって、売買契約が破棄されたり、相手方のキャッシュフローの問題で、売却代金の決済が遅れる、といったリスクは残ります。

SPCを活用した倒産隔離機能が提供されている事業者もある

不動産クラウドファンディングの一般的なスキーム(不動産特定共同事業法第1号事業&第2号事業の許可にて運営されているケース)の場合、ファンドが取得する不動産を保有するのは「不動産事業者」自身であり、もしも当該事業者が他事業で失敗して経営破綻した場合、当該不動産もまた、破産財団に含まれる(事業者の破産手続きの中で処理される)こととなります。

その反面、不動産特定共同事業法第3号事業&第4号事業の許可を活用した特例事業スキーム(SPC活用)の場合、不動産の所有権は、事業者から独立したSPC(特別目的会社)となるため、事業者の破産リスクから隔離される(倒産隔離される)こととなります。

現在、当該スキーム(特例事業スキーム)を活用している不動産クラウドファンディング・サービスは限られますが、東証一部上場の不動産事業者、トーセイが運営にあたっている、TREC Fundingの場合、SPCスキームを用いて倒産隔離を図っている、数少ない不動産クラウドファンディング・サービスのひとつです。

様々なアセットクラスの不動産へと、簡単に分散投資が出来る

不動産クラウドファンディング事業者が投資対象としている不動産には、

  • レジデンス物件(マンション・戸建て・アパートなどの、住居不動産)や、
  • オフィス物件、
  • リゾート物件(ホテル、旅館など)、
  • 大型商業施設(郊外の大型デパートなど)、
  • 倉庫などの物流施設
  • 介護施設や老人ホームなどの、ヘルスケア関連施設など、

様々なアセットクラスが存在します。

通常、一般個人投資家が、これだけ多岐にわたるアセットクラスの不動産へと分散投資を行うことは困難ですが、不動産クラウドファンディング・サービスを活用すれば、数万円程度の少額から、多数のアセットクラスへと、簡単に分散投資を行うことが出来る、というメリットがあります。

不動産クラウドファンディングの注意点・リスク・デメリット

このように、不動産事業者、並びに、個人投資家、双方にとって、メリットが多い、不動産投資型クラウドファンディングではありますが、下記のように、いくつか、留意を要する注意点があります。

不動産クラウドファンディング事業者から見たデメリット

まず、不動産クラウドファンディングに参入する不動産事業者にとっては、不動産クラウドファンディングには、下記のようなデメリットがあります。

  • イニシャルコスト(初期費用)がかかる
  • (自己資金投資と比較して)利益高が小さい
  • 長期の資金調達には、クラウドファンディングは不向き
  • 投資家保護にも留意を要する
  • 特例事業スキームを利用しない限り、不動産のオフバランスは実現しない

下記にて、詳しく見ていきます。

不動産クラウドファンディング参入のためのイニシャルコストが高い

不動産事業者(宅地建物取引業者)が、不動産クラウドファンディングを行うにあたっては、事前に、

  • 都道府県知事、ないしは、国道交通省から、不動産特定共同事業法に基づく許可・登録を取得し、
  • かつ、必要なシステム開発を、事前に行う必要があります。

これらに必要なイニシャルコストは一般的に高額であり、不動産事業者側にとっては負担となります。

自己勘定投資と比較すると、利幅が小さい

不動産クラウドファンディングで募った資金で不動産取得を行う場合、当然、出資者に対する利益分配が必要となります。
このため、不動産事業者自身が、100パーセント自己資金で不動産取得をする場合と単純比較すると、利益幅が小さくなる可能性があります。

また、不動産事業者が不動産特定共同事業を展開する場合、ファンドからアセットマネジメント報酬(AM報酬)を収受できるケースがありますが、数億円規模のファンド運用では、とてもではありませんが、イニシャルコストやランニングコストをペイすることが出来ません。

  • 単純なAM報酬やPM報酬(ポートフォリオ・マネジメント報酬)だけを目的とするのではなく、
  • 劣後出資を原資とするキャピタルゲインや、その他、事業者の本業との間でのしっかりとしたシナジー効果が無い限り、

不動産事業者としては、不動産特定共同事業への参入メリットを確保しづらい、という事情があります。

長期の資金調達には向かない

出資の中途解約が不可(※詳しくは後述)であることから、投資家は、基本的に、短期~中期未満の運用期間を予定するファンドを好む傾向があります。
このため、数年以上の長期間運用を予定するファンドでは、なかなか募集が行いづらく、結果として、クラウドファンディング経由で調達できるのは、短期的な資金(数ヶ月~1年未満程度)のみ、となりがちです。

逆に、長期の資金調達をするために、出資の中途解約を「可」としてしまうと、大規模な経済変動・社会変動が生じた際、大勢の投資家から、一斉に、出資の中途解約申請が寄せられ、これに逐一応じていると、不動産クラウドファンディング事業者自身のキャッシュフローがショートしてしまうリスクがあります。

投資家保護にも留意する必要がある

自己資金(不動産事業者自身の資金。銀行からの借入金も含む)で投資をしている場合、不動産投資に損失が生じたとしても、その迷惑を被るのは、自社だけです。
しかし、不動産クラウドファンディングのスキームを通じて、全国の個人投資家から投資資金を募る場合、不動産クラウドファンディング事業者としては、それまでは全く気にしたことのなかった、「投資家保護」の原則にも、十分に留意する必要があります。

特例事業スキームを利用しない限り、本質的なオフバランスは実現しない

上場企業の中には、ROA(総資産利益率)等を重視し、自身が目下保有している不動産のオフバランスを目的に、不動産クラウドファンディング事業への参入を検討するケースも少なくありません。

ただし、一般的な不動産クラウドファンディング・スキーム、すなわち、不動産特定共同事業法第1号事業&第2号事業に基づく事業の場合、ファンドは事業者の内側に組成されることとなり、投資対象不動産も引き続き事業者の貸借対照表に計上され続け、オフバランスが実現しないこととなります。

事業者が保有中不動産のオフバランスを実現したい場合、不動産特定共同事業法第3号&第4号事業の許可に基づく「特例事業スキーム」に利用し、SPC(特別目的会社)を自社の外側に別途組成し、そのSPCに不動産を保有させ、自身は、そのSPCから委託を受けて、不動産の運用や、契約の媒介を行う、という体裁を整える必要があります。
しかしながら、SPC(合同会社の利用が一般的)の設立・維持にはコストがかかるうえ、スキームに必要な第4号事業許可取得のためには、第二種金融商品取引業の登録が要件とされており、ハードルが高い、とう難点があります。

結局、現在の国内不動産クラウドファンディング業界では、SPCを用いた特例事業スキームの活用を諦め、第1号事業&第2号事業の形態で不動産クラウドファンディングを展開しているケースが大半であり、この場合、投資家目線から見ても、事業者の倒産リスクから隔離されていない(倒産隔離が機能していない)というデメリットがあります。

投資家側にとってのリスク・注意点

上記の通り、不動産クラウドファンディング事業者側にも、様々なデメリット・注意点がある一方、不動産クラウドファンディング事業者の募集するファンドに投資する「投資家」にとっても、下記のように、様々なリスク・デメリットが存在します。

  • 元本割れの可能性
  • 不動産クラウドファンディング事業者の経営破綻リスク
  • 出資の中途解約が出来ない
  • 税制上の優遇措置が講じられていない
  • ファンドの運用期間が延長となる場合がある
  • レバレッジの活用が出来ない
  • 短期的に大きな利益を上げるには不向き
  • (これまで確定申告をしたことが無い人でも)確定申告の義務が生じることがある
  • 不動産事業者との利益相反
  • (海外案件の場合)為替リスクや、カントリーリスクの存在

それぞれ、詳しく見て参りましょう。

元本割れの可能性

不動産クラウドファンディングの場合、不動産事業者は、ファンドの運用期間中に、投資対象不動産から生じた賃料収入(インカムゲイン)、及び、対象不動産の売却時に生じた売却益(キャピタルゲイン)を元手にして、投資家に対する利益分配を行います。
また、最終的には、投資対象不動産を第三者に売却することによって、投資家への元本償還原資を確保することとなります。

このため、投資対象となる不動産の運営がうまくいかなければ、元本割れが生じる可能性があります。
より具体的には、ファンドの運用期間中のリーシングが不調に終わる等し、賃料収入(インカムゲイン)が想定通りに収受できなかった場合や、不動産の適当な価格での売却が失敗した場合、まず、ファンドの損益に、赤字(マイナス)が生じる可能性があります。
そして、その赤字幅が、運営会社による劣後出資幅(※)を超過してしまえば、投資家の優先出資元本についても、毀損してしまうこととなります。

「不動産クラウドファンディングは、あくまでも投資であり、元本保証は為されていない」という点を、投資家は重々承知しておく必要があります。


(※)劣後出資の具体的な幅(割合)は、不動産クラウドファンディング事業者、及び、ファンドによって、千差万別ですし、中には、優先劣後スキーム自体を不採用としているファンド・事業者も存在します。

不動産クラウドファンディング事業者の経営破綻リスク

不動産クラウドファンディングを展開している不動産事業者そのものが破綻してしまえば、ファンドの運用が不調に終わり、出資元本が大きく毀損する恐れがあるほか、投資家の未預託資金(デポジット資金)についても、分別管理の仕様(※)によっては、不動産事業者の破産手続きの中で、処分・毀損されてしまうリスクがあります。

国内の不動産クラウドファンディング事業者の中には、東証一部上場企業などの大企業もありますが、同時に、未上場の中小企業や、設立からさほど年数が経過していない、零細企業も含まれます。
投資家としては、運営会社の破綻リスクには、十分、注意する必要があります。


(※)国内の不動産クラウドファンディング事業者の大半が、投資家の未投資資金(デポジット資金)について、(自社内での)分別管理を施しているのみで、信託銀行を用いた、本質的な倒産隔離は施していません。このため、万が一、不動産クラウドファンディング事業者が経営破綻した場合、投資家のデポジット資金についても、事業者の破産財団に組み入れられ、通常の破産手続きの中で、処分されることとなります。
また、デポジット資金について信託銀行を用いた分別管理スキームを採用しているクリアル(CREAL)のような事業者であっても、不動産特定共同事業法第1号事業&第2号事業スキームで不動産クラウドファンディングを展開している以上、ファンド・不動産は、事業者の内側に存在し、本質的には倒産隔離されません。

SPCを用いた倒産隔離(第3号事業&第4号事業許可を取得した、特例事業スキームによる物)を施して不動産クラウドファンディングヲ展開しているのは、目下、トーセイ運営のTREC Fundingのみ、というのが実情です。

出資の中途解約が不可

不動産クラウドファンディングの場合、一般的に、ファンドの運用期間中の、出資の中途解約は、「不可」とされています。また、ファンドへの出資持分のセカンダリ取引(投資家間の譲渡)機能が提供されているサービスも、限られます。このため、ファンドの運用期間中に、投資家において、急な現金ニーズが生じたとしても、出資持分を換金することは、原則として、出来ません。
※ただし、一部の不動産クラウドファンディング・サービスにおいては、出資の中途解約が認められているケースもあります。

税務上の優遇が無い

実物不動産投資(アパート経営や、マンション投資等)の場合、建物の減価償却費を活用して損金を計上し、その損失で、給与への課税額を節税する、「損益通算」や、相殺しきれなかった損失の「翌年以降への繰越控除」が認められており、こうした節税メリットは、投資家にとって大きな利点となっています。
しかしながら、不動産クラウドファンディングの場合、こうした税制上の優遇措置は一切講じられていません。
不動産クラウドファンディング事業者から送金される分配金は、「雑所得」と見做され、総合課税の対象となり、申告分離課税は利用できないほか、上述の損益通算や繰越控除についても、認められていません。

ファンドの運用期間延長リスク

不動産クラウドファンディング事業者は、取得した不動産をファンド運用期間中に売却することによって、出資者向けの元本償還原資を確保することとなります。
すなわち、不動産の売却が奏功しなければ、不動産事業者は、投資家の元本償還を行うことが出来ません。
そして、実際に不動産の売却活動が不調である場合、不動産クラウドファンディング事業者は、自身の判断により、ファンドの運用期間を延長するケースがあります。

(融資による)レバレッジが活用できない

実物不動産投資の場合は、投資家の自己資金だけではなく、銀行等の金融機関から融資(アパートローン等)を活用し、「レバレッジ」(=てこ)の原理を生かした投資を行うことが一般的です。
また、FX投資の場合でも、「証拠金取引」の仕組みを活用して、デポジット資金以上の通貨高のトレードを行うことが、ままあります。

しかしながら、不動産クラウドファンディング投資の場合、そのような「レバレッジ」を活用した投資は、一般的に、行えません。
銀行等に対して、「不動産クラウドファンディングに投資をしたいから、投資用資金を融資してほしい」と頼んでも、融資を断られることが一般的です。

短期的に大きな利益を上げることは難しい

不動産クラウドファンディングの場合、いくら想定利回りが高い、といっても、年率換算で数パーセント~5パーセント強程度が相場です。
FX投資や株式投資のように、短期間で大きな利益を上げることは難しく、あくまでも、長い時間をかけて、コツコツと、分配による利益を積み重ねていく、という投資スタイルとなります。

年末調整がある会社員でも、確定申告を行う必要が生じるケースがある

会社員の方であれば、「これまで、会社の年末調整に任せきりで、自分では確定申告をしたことがない」という場合が殆どでしょう。
しかし、不動産クラウドファンディングに投資する場合、不動産クラウドファンディング事業者側から送金される分配金の額によっては、サラリーマンの方でも、確定申告を行う必要が生じるケースがあります。

不動産クラウドファンディングの投資収益にあたる「分配金」は雑所得であり、年間20万円を超える場合は、確定申告義務が生じるため、です。
※なお、住民税に関しては、不動産クラウドファンディングの分配金額に関わらず、確定申告が必要となるケースがあります。

また、確定申告の結果、住民税の特別徴収額が変わり、これが契機となって、会社側に、不動産クラウドファンディング投資をしていることがばれる、という可能性もあります。
副業規定等で投資活動に制限がある場合、あらかじめ、勤務先などに確認をしておくことが無難でしょう。

不動産クラウドファンディング事業者側との利益相反

不動産クラウドファンディングの場合、サービス運営会社が同一案件に共同出資する「優先劣後スキーム」が採用されているケースが多いため、一見すると、運営会社と投資家との間には、利益相反が生じづらいように思えます。
しかしながら、

  • 不動産クラウドファンディング・サービスの運営会社が、投資用不動産の開発・販売業者で、
  • ファンドの投資対象不動産が、当該不動産事業者の自社開発物件となっており、
  • かつ、運営会社の劣後出資割合が、数パーセント程度、と、低く、
  • さらに、ファンドによる物件の取得価額が、通常相場よりも割高になっている、

等、投資家と不動産クラウドファンディング事業者との間で、利益が真に一致しているか、どうか、判断が難しいケースも想定されます。
不動産クラウドファンディングへの投資にあたっては、注意が必要でしょう。

海外案件の場合、為替リスクや地政学リスクにも配慮が必要

不動産クラウドファンディング事業者の中には、日本国外、すなわち、海外の不動産案件を中心にファンド化している事業者もあります。
こうした事業者のファンドに出資する場合、(特に、事業者側が、為替ヘッジを設定していない場合)為替変動などに起因する、いわゆる「為替リスク」にも、配慮する必要があります。

また、日本とは異なる法規・法令のもとで不動産開発・投資が行われる以上、地政学リスク(カントリーリスク)にも、十分に留意する必要があります。

現物不動産投資を異なり、相続税の圧縮効果が無く、担保に供することも出来ない

現物不動産投資の場合、不動産を所有・保有するのは、投資家本人であるため、

  • 不動産の時価によっては、(現金で資産を相続する場合と比較し)相続税の圧縮効果が享受できる場合がありますし、
  • 取得した不動産を担保に供して、銀行等の金融機関から融資受けることも可能です。

しかしながら、不動産クラウドファンディングに投資する場合、投資家が所有することとなるのは、あくまでも、(不動産を投資対象とする投資プロジェクト・ファンドの)出資持分に過ぎません。
相続の際も、単なる金銭債権として評価されますから、相続税の圧縮効果は得られませんし(※匿名組合スキームの場合。任意組合スキームの場合は別段)、自身の出資持分を担保に供して、銀行等から融資を受けようにも、引き受けてくれる銀行は(原則、)ありません。

投資家が経営参画できない

国内で展開されている不動産クラウドファンディングの大半で、事業者と投資家との間での契約スキームとしては「匿名組合」が利用されています。
この場合、投資家は、ファンドの行う事業について無限責任を負わない、というメリットと引き換えに、ファンドの行う事業に対して口出しが出来ない(=経営参画出来ない)というデメリットを受忍する必要があります。

ファンドの不動産投資事業については、不動産特定共同事業者(ないしは、不動産特定共同事業者から委託を受けた第3号事業者)が専任で行う関係で、投資家は、自身が持分を保有しているファンドの不動産事業について、異議申し立て等を行うことが出来ません。

例えば、不動産クラウドファンディング事業者が、
「目下、不動産市況は厳しい。ひいては、(投資家の出資元本が大幅に毀損することとなるが、)ファンドが保有している不動産を、取得価額よりも大幅に廉価に売却する」
ことを決定した場合、投資家側から、「いや、もっと高値で売却し、元本償還原資を十分に確保することが出来るではないか」等と、異議を申し立てることが出来ません。

不動産事業について一定以上の知見を有している投資家にとっては、この点は歯がゆく、デメリットとなる恐れがあります。

投資家同士の出資競争(クリック合戦)の存在

目下、投資家から不動産クラウドファンディングへの関心・注目は高まる一方で、一部の人気業者が新ファンドを組成・募集開始すると、投資家の出資応募が殺到する、いわゆる「クリック合戦」が発生しているケースも散見されます。

不動産クラウドファンディング事業者側から見れば、「ファンドを公開すれば、売れる」という状態はメリットですが、投資家目線から見れば、「せっかく投資家登録したのに、いつまでたっても、投資できない(=未投資資金が寝る形となり、資金効率が悪い)」というデメリットに繋がります。
また、「売り手市場」状態があまりにも長引くと、不動産クラウドファンディング事業者側に、心理的な牽制(=しっかりとしたファンド組成をしないと、投資家から出資してもらえない、というプレッシャー)が働きづらくなり、ファンドのリスク管理がいい加減になったり、最悪の場合、事業者側の不正リスクを高めるような結果ともなりかねず、注意が必要です。

不動産クラウドファンディング隆興の背景事情

ここ数年、不動産クラウドファンディング市場は、急速な拡大を続けています。
数年前までは、ごくマイナーな投資分野の一つに過ぎなった不動産クラウドファンディングが、昨今、ここまで注目を集めている理由としては、主に、下記のような事情が挙げられます。

  • ソーシャルレンディング投資家層からの資金流入
  • 不動産投資業界で相次いだ不祥事を原因とする、銀行のアパートローン締め付け
  • 老後2,000万円問題や、空き家問題や、老人ホーム等のヘルスケア施設への需要拡大

それぞれ、詳しく見て参りましょう。

不正が続出したソーシャルレンディング業界からの資金逃避

2008年から、国内でのサービス展開が開始されたのが、「融資型クラウドファンディング」とも呼ばれる、ソーシャルレンディングです。
金融商品取引業(主に、第二種金融商品取引業)の登録と、貸金業の登録を併せ持つ「ソーシャルレンディング事業者」が、融資先への貸付債権を投資対象とするファンドを募集し、投資家との間で匿名組合契約を締結、ファンドに募った資金を融資先への貸し付け、その後回収した利息・元金を元手にして、投資家への利益分配・元本償還を実施する、というのが基本スキームです。

maneo(マネオ)やSBIソーシャルレンディングといった大手事業者が現れ、業界内でシェアの大きい事業者の場合、累計での融資実績が1,000億円を突破していることも珍しくなく、一時には、国内のクラウドファンディング市場の約9割が、ソーシャルレンディングによって占められている、と言われていました。

しかしながら、2018年には、往時の業界最大手「maneoマーケット」が、そして、2021年には、maneoから業界首位の座を奪ったSBIソーシャルレンディングが、監督官庁にあたる関東財務局から、不適切な業務内容を問題視され、行政をを受ける事態となりました。

業界への不信感から、ソーシャルレンディング事業者の募集ファンドへの出資を躊躇する投資家も増えはじめ、そうした「旧ソーシャルレンディング投資家層」からの投資資金が、

  • ソーシャルレンディングと比較して、投資対象に関する情報の透明性が高く、
  • サービス運営会社による劣後出資によって、投資家の優先出資元本を保護する、「優先劣後スキーム」が採用されている等の特徴を持つ、

不動産クラウドファンディングへと流入してきている、という事情は、昨今の不動産クラウドファンディング隆興の一因となっています。

不動産投資業界で相次いだ不祥事を原因とする、銀行のアパートローン締め付け

数年前までは、会社員等が都心の区分所有マンションを投資目的で保有する、「マンション投資」等が流行しており、銀行等の金融機関も、サラリーマン等が副業として不動産投資に取り組むあたり、積極に融資資金を提供していました(アパートローン)。
しかしながら、

  • 女性専用シェアハウス「「かぼちゃの馬車」を運営していた「スマートデイズ」の問題や、
  • それをきっかけに浮上してきた、個人投資家向けのアパートローン大手「スルガ銀行」の不正融資問題、
  • さらに、東証一部上場の投資用不動産開発・販売業者「TATERU」の、融資資料改ざん問題等、

個人投資家による不動産投資(及び、その投資資金の融資)をめぐっては、ここ数年の間に、大きな問題が立て続けに発生しました。

こうした事態を受け、各銀行は、投資家の不動産投資向けの融資への締め付けを強化。
「不動産投資をするなら、(銀行が簡単に融資をしてくれるから)アパートローンを使えばいい」
という時代は、終わりを告げました。

こうした状況を受け、最も困ったのが、それまで投資用不動産を開発・販売してきた、不動産事業者たち。
投資用不動産を販売しようにも、肝心の個人投資家が銀行から融資を受けられないため、思うように物件が売れません。

このような事態を打破するために、

  • これまでは、(アパートローン等を裏付けとして)主に個人投資家向けに、投資用不動産を販売してきた、不動産事業者が、
  • 個人投資家ではなく「ファンド」に不動産を売却し、そのファンドへの出資持分を、小口で(融資が不要)投資家に販売する、

「不動産特定共同事業」に乗り出して来ている、という事情があります。

老後2,000万円問題や、空き家問題等の社会課題

金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」が、「老後の30年間で、毎月の赤字が積み重なり、総額では、約2,000万円ほどが不足する」と発表したことを契機に、一気に社会課題として認知されることとなった、「老後2,000万円問題」。
往時、政府の「貯蓄から投資へ」との旗振りも相まって、主にこれまで投資に関わったことのない個人を中心に、一気に、(預金等に代わる)投資への関心が高まることとなりました。

さらに、全国で増え続ける「空き家」の問題や、老人ホーム等のヘルスケア関連施設の不足・需要拡大等の事情を受け、

  • 銀行の定期預金利率等では満足できない、個人投資家の投資資金が、
  • 空き家問題等の社会課題を、投資で解決しようと試みる、
  • 「不動産クラウドファンディング」へと、集まりつつある、

という背景事情もまた、昨今の不動産クラウドファンディング隆興の一因と言えます。

不動産クラウドファンディングと、他のクラウドファンディングとの違い

国内で展開されているクラウドファンディング・サービスには、不動産クラウドファンディングのほかに、

  • 融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)
  • 購入型クラウドファンディング
  • 寄付型クラウドファンディング
  • 株式投資型クラウドファンディング

など、様々な類型があります。

融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)

日本のクラウドファンディング市場の大部分を占めている、と言われているのが、融資型クラウドファンディング、すなわち、「ソーシャルレンディング」です。

融資型クラウドファンディングの基本スキーム

ソーシャルレンディングにおける投資の基本的な流れを記すと、下記のようになります。

  • 貸金業の登録を受けた「貸金業者」が、金融商品取引業(第二種金融商品取引業であることが多い)の資格を追加取得し、「ソーシャルレンディング事業者」となる。
  • ソーシャルレンディング事業者は、自身のホームページに、ファンドの情報を掲載し、投資家からの出資を募集する。
  • 投資家は、ソーシャルレンディング事業者のHPを通じ、ソーシャルレンディング事業者のファンドに出資。この際、投資家とソーシャルレンディング事業者との間では、匿名組合契約が締結される。
  • ソーシャルレンディング事業者は、投資家から集めた資金を元手にして、借り手企業(資金需要者。法人であることが一般的だが、個人事業主が借り手となることもある)に対し、融資を行う。
  • 借り手企業は、ソーシャルレンディング事業者に対し、利息・元金の返済を行う。
  • ソーシャルレンディング事業者は、借り手から回収した利息・元金を元手に、投資家に対する分配・償還を行う。
融資型クラウドファンディングのメリット
借り手企業のメリット 投資家のメリット
  • 銀行や株式市場とは異なる、新たな資金調達チャネルを獲得できる。
  • 銀行等の伝統的金融機関と比較し、融資審査が柔軟。
  • 元本については、借入期間中の分割返済を求められず、満期の一括返済が許容されるケースも多い。
  • ファンド募集を通じて、自社のサービスやブランドについて、知名度向上を図ることが出来る。
  • 提示されている期待利回りが高い。
  • 1万円程度の少額から投資を行うことが出来る。
  • (株式投資等と違い)値動きに左右されることがない。
  • 運用期間中の実務を、事業者側に一任できる。
  • 貸金業者の融資プロジェクトに、実質的に相乗り投資が出来る。
融資型クラウドファンディングのデメリット

一見する限り、メリットの多い、融資型クラウドファンディングではありますが、まず、借り手企業にとっては、ソーシャルレンディング事業者側の課す高い貸付金利が、大きなデメリットとなります。
また、投資家においては、下記のような、ソーシャルレンディングならではのリスク・注意点について、留意しておく必要があります。

  • 出資の中途解約が出来ない:
    融資型クラウドファンディング投資の場合、不動産クラウドファンディングの場合と同様、一旦ファンドへと出資すると、その後、出資の中途解約が、原則として、認められていません。
    この点は、流動性上のリスクとして、投資家サイドで把握しておく必要があります。
  • 延滞リスクがある:
    ソーシャルレンディング事業者は、あくまでも、借り手企業から回収に成功した利息、及び元金を原資にして、投資家に対する利益分配・元本償還を実施します。
    すなわち、もしも借り手企業からソーシャルレンディング事業者への元利金返済に遅延が生じれば、ソーシャルレンディング事業者から投資家への分配・償還にも、遅れが生じることとなります。
  • 元本割れ(貸し倒れ)リスクがある:
    借り手企業が経営破綻等した場合、ソーシャルレンディング事業者は、貸し付けた資金の一部しか、回収することが出来ない可能性ががあります(極論すれば、全額回収不能となるケースもあります)。
    その場合、投資家の出資元本は、毀損してしまう(=元本割れが生じる)こととなります。
  • 事業者の不正リスクがある:
    国内の融資型クラウドファンディング業界では、これまでに複数回にわたり、運営企業が監督官庁から行政処分を受けてきました。
    また、行政処分を受けたソーシャルレンディング事業者では、その後、ファンドの延滞・貸し倒れが生じやすい、というデメリットもあります。
    こうした「事業者リスク」の存在は、投資家において、充分に留意する必要があります。
  • 税制上の優遇措置がない:
    投資家がソーシャルレンディング事業者から受け取る分配金は、所得の分類上、「雑所得」となり、総合課税の対象とされています。
    上場企業株式投資のような「申告分離課税」は認められていないほか、「損益通算」や「繰越控除」といった仕組みも、ソーシャルレンディング投資については認められていません。

購入型クラウドファンディング

日本国内では、CAMPFIREやREADYFOR、MAKUAKEといったサービスが存在します。
支援者は、クラウドファンディング・プラットフォームを通じて資金支援をすることによって、プロジェクト起案者が提供する新製品等を、一般販売よりも早期に(場合によっては、割安に)入手できるメリットがあります。

購入型クラウドファンディング・サービスとしては最大手と言われているCAMPFIRE(キャンプファイア)の場合、

  • プロジェクト立ち上げ件数は5.2万件以上
  • 支援者数は累計520万人以上
  • 支援金額は累計440億円以上

と、急成長を遂げています。

寄付型クラウドファンディング

上掲の融資型クラウドファンディングや購入型クラウドファンディングと異なり、支援に対する見返り(返礼)を求めないのが、「寄付型クラウドファンディング」です。

上掲のCAMPFIREやREADYFORでも、寄付型クラウドファンディングを取り扱っており、寄付金額等によっては、支援者が税務上の優遇(寄付金控除)を受けることが出来る場合もあり、昨今、注目が高まっています。

株式投資型クラウドファンディング

投資家は、株式投資型クラウドファンディング・プラットフォームを通じ、未上場企業の株式に対し、投資をすることが出来ます。
その後、投資先企業が、

  • M&Aによって、大手企業に買収されたり、
  • 国内株式市場への上場を果たしたりすると、

大きなリターンを得ることが出来ます。

国内のプラットフォームとしては、ファンディーノ(FUNDINNO)が最大手とされており、

  • 累計成約金額は、55億円強
  • 累計成約件数は、169件
  • ユーザー数は、6万名強、と

昨今、急成長を遂げています。

不動産クラウドファンディングと「実物不動産投資」との違い

旧来、「不動産投資」と言えば、アパート経営やマンション投資等、実在する不動産に対し、投資家自身が直接投資する、いわゆる「実物不動産投資」が一般的でした。
そんな実物不動産投資と、昨今話題の「不動産クラウドファンディング」との間には、どのような違いあるのでしょうか。

不動産の「所有者」の違い

実物不動産投資の場合、投資家は、自分自身(ないしは、自分が管理する法人)で、直接、投資対象不動産を保有することとなります。
不動産に対してかかる固定資産税などの税金は、投資家自身が支払わなければならず、また、不動産に起因する事故・トラブルなどが発生した場合、投資家がその対処にあたらなければなりませんでした。

しかし、不動産クラウドファンディング投資の場合、投資家が保有することになるのは、不動産クラウドファンディング事業者が募集するファンドに対する「出資持分」だけであり、不動産を取得・保有することにはなりません。
不動産の直接的な所有者となるのは、不動産クラウドファンディング事業者(ないしは、不動産クラウドファンディング事業者が設立した、特別目的会社等のファンド・ビークル)です。

この点は、実物不動産投資と不動産クラウドファンディング投資との、大きな相違点の一つと言えます。

投資にかかる「手間暇」の違い

実物不動産投資の場合、物件の取得交渉や、売買契約の締結、さらには、物件の管理や、入居者募集、その賃料の回収まで、投資家の行う作業は、極めて多岐にわたります。
その反面、不動産クラウドファンディング投資であれば、ファンドの運用期間中の、不動産に纏わる様々な実務については、全て、不動産クラウドファンディング事業者側に一任することが可能です。

「不動産投資を始めてみたいが、本業が忙しいため、入居者募集や管理等、様々な実務に割ける時間がない」
と悩んでいる個人投資家にとっては、不動産投資の代替として、不動産クラウドファンディング投資が有力な選択肢となります。

投資にまつわる判断・スキルの向上

実物不動産投資の場合、

  • どのような物件を取得するか
  • 取得した物件に、リノベーションを施すか、どうか。施す場合、どのようなリノベーション・リフォームとするか
  • 物件を、どのような価格で賃貸するか(周辺の類似物件の賃料相場と比較し、高めの賃料設定とするか、安めの賃料設定とするか)
  • 入居者は、どのようにして集めるか。また、入居者の管理はどのように行うか
  • 入居中の修繕対応は、どの業者を利用して、どのように実施するか
  • 物件を売却するのであれば、いつ頃、どのような価格帯で売却するのか
  • 税務上の節税メリットを最大化するためには、どのような施策をとるか

などといった点について、投資家自身が、各専門家のアドバイスも仰ぎながら、決定・選択していく必要があります。
場合によっては、個人格ではなく、法人を設立し、法人格名義で不動産を保有することとなることも一般的ですから、その場合は、法人経営者としての知見も蓄積していくこととなります。

このように、実物不動産投資の場合、不動産経営にまつわる様々な知識・ノウハウが、投資家自身に(経験として)蓄積されていくのに対し、不動産クラウドファンディング投資の場合、投資家にそのようなスキル・ノウハウの蓄積が為されることは有りません。

税務面の取り扱いの違い

実物不動産投資の場合、建物部分の減価償却費を活用して、給与所得等について節税を図る「損益通算」や、単年で相殺しきれなかった損失の、翌年以降への「繰越控除」といった仕組みが整備されています。
このため、不動産からの賃料収入等、目に見える「収益」ではなく、不動産投資を行うことに起因する、様々な税務上のメリットを期待して、節税目的で、不動産投資を始めるオーナーも存在します。

その反面、不動産クラウドファンディング投資の場合、上掲の実物不動産投資のような、税務上のメリットは整備されていません。
不動産クラウドファンディング事業者からの分配金は「雑所得」に相当し、給与所得等とあわせて、総合課税の対象となります。
上場企業株式投資のような「申告分離課税」も、認められていません。

不動産クラウドファンディングと、リート(REIT)投資の違い

実物不動産投資と並んで人気の高い不動産投資方法として、リート(REIT。主に、国内証券市場に上場している、上場REIT=JREITのことを指します)投資があります。
リート(REIT)投資と不動産クラウドファンディング投資との間には、主に、下記のような違いがあります。

投資商品としての「流動性」の違い

REIT(国内の上場リート)の場合、証券市場を通じて、投資証券を、原則としていつでも、売買することが出来ます。
勿論、投資証券としての価値が、取得時と比べて大きく下落していれば、たとえ、「即座に換金できる」といっても、大幅な含み損の実現を受け入れなければなりませんが、それを厭わなければ、投資証券を、「現金」という流動性資産へと交換することは、極めて容易です。

これに対して、不動産クラウドファンディングの場合、ファンドへの出資持分を投資家同士で取引するような「セカンダリ取引市場」は、現状、未整備です。
また、ファンドへの出資契約は、ファンドの運用期間中、原則として、中途解約することが出来ません。

これらの事情から、少なくとも、投資商品としての「流動性」の観点からは、不動産クラウドファンディングは、リート投資と比べて、大きく見劣りするのが実情です。

「倒産隔離」の違い

本稿でも度々述べておりますように、不動産特定共同事業(不動産クラウドファンディング)の場合、

  • 不動産を、SPC(特別目的会社)に保有させる、特例事業スキーム(不動産特定共同事業法の定める3号事業及び4号事業)の場合は、不動産事業者の倒産リスクから、ファンドが倒産隔離されますが、
  • 国内の大半の不動産クラウドファンディング・サービスで利用されている、不動産特定共同事業法の第1号事業(不動産事業者自体が、勧誘及び運用を行う)の場合、ファンドは不動産事業者の内部に組成されるため、ファンドの投資対象となる不動産も、不動産事業者の資産として計上されることとなり、倒産隔離されません。

不動産クラウドファンディング・サービスとして人気のCREAL(クリアル)の場合、投資家の未投資資金(デポジット資金)について、信託銀行を用いた分別管理を導入し、一時期、話題となりましたが、信託銀行管理となるのは、あくまでも、投資家の未投資資金であり、ファンドの投資対象不動産ではありません。
CREAL(クリアル)も、他の一般的な不動産クラウドファンディング・サービス同様、不動産特定共同事業法の定める第1号事業にて、不動産クラウドファンディング・サービスを展開していますから、やはり、運営会社(クリアル社)の倒産リスクからは、実質的に、倒産隔離されていません。

これに対し、J-REIT(上場リート)の場合、投資対象不動産の所有者となるのは、リートの運用会社ではなく、リートの母体にあたる「投資法人」です。
このため、リートの運用会社が、万が一、他事業を契機に倒産等したとしても、リートが保有している不動産は、運用会社の破産財団に組み入れられることは有りません。

「利回り」の違い

不動産クラウドファンディングの場合、各事業者が募集しているファンドの期待利回りは、年率換算で、3パーセント前後~10パーセント前後、というのが相場です。
一般論として、投資対象となる不動産の運用リスクが大きければ大きいほど、ファンドの期待利回りは高くなる(=高い期待利回りを提示しないと、投資家からの出資を十分に集めることが出来ない)傾向があります。

これに対し、リート(REIT)の場合、分配利回りは、平均して、概ね、3パーセント~5パーセント弱程度に落ち着くことが多いようです。

このため、(あくまでも概論となりますが)不動産クラウドファンディングとREIT(リート)投資を、その期待利回りで比較すると、不動産クラウドファンディングに軍配があがる、と言えそうです。

「安全性」の違い

不動産クラウドファンディングの場合、ファンドに損失が生じたとしても、投資家の優先出資元本が(一定程度まで)保護される、運営会社による共同・劣後出資、すなわち、「優先劣後スキーム」が採用されているケースが多くあります。
しかしながら、ファンドが想定通りの収益(インカムゲイン、及び、キャピタルゲイン)を計上できなければ、投資家向けの利益分配原資が十分に確保されないことと合わせ、もしも、ファンドの運用期間中に、投資対象不動産の売却が奏功しなければ、不動産クラウドファンディング事業者としては、投資家への元本償還資金を確保することが不可能となります。
もしも、上記のような事態が生じた場合、ファンドの運用期間が従来予定よりも大幅に伸びることとなる可能性があるほか、不動産市況の悪化が長期化すれば、投資対象不動産を、取得価額よりも廉価に売却することを強いられ、結果として、投資家の優先出資元本が、毀損してしまう恐れ(元本割れの可能性)が生じることとなります。

リート(国内証券市場の上場REIT)の場合、需給の変化に応じた値動きで、証券価額が取得時を下回ってしまうリスクはあれども、その資金流動性の高さなどを勘案すれば、一般論としては、(少なくとも、不動産クラウドファンディング等の新興投資と比較すれば)安全性の面で、一日の長がある、と言えそうです。

「税務面」の比較

REIT投資の場合、譲渡益(投資証券を市場で売却したときの利益)も、分配金も、いずれも、「申告分離課税」を利用することが可能です(譲渡益については申告分離課税一択)。
これに対して、不動産クラウドファンディングの場合、不動産クラウドファンディング事業者側から送金された分配金については、一律「雑所得」に該当し、「総合課税」の対象とされてしまいます。

不動産クラウドファンディングとREIT(リート)投資を、税務面で比較すると、後者に、大きなアドバンテージがある、と言わざるを得ません。
特に、給与所得等の大きい「高所得者」が投資する場合、

  • REITで、年率4パーセントの表面利回りを得る場合、手取り分配率は、4パーセント×0.8(申告分離課税の20パーセントを控除)=3.2パーセントとなりますが、
  • 不動産クラウドファンディングで、REITを上回る、年率5パーセントの表面利回りを確保できたとしても、その投資家が高所得者で、分配金に対して40パーセントの実効税率が課せられる場合、手取り分配率は、5パーセント×0.6=3パーセント、となり、

結果的に、(たとえ、表面利回りは、不動産クラウドファンディングのほうが有利でも、)REITのほうが、手取りの分配率は高い、という結果となるケースも想定されます。

投資対象不動産の「数」と「規模」の違い

リートの場合、1つのREIT銘柄で、複数の不動産へと投資を行うことが一般的であり、かつ、その投資対象不動産は、一般的に大規模(数億円規模以上)です。
これに対して、不動産クラウドファンディングの場合、投資対象となる不動産は、あくまでも、「1ファンドあたり1物件」であることが普通です。
また、投資対象不動産についても、

  • 中古アパート1棟(数千万円前後)や、
  • 分譲型マンションの区分所有居室(数百万円~数千万万円程度)など、

小規模な物件であることが一般的です。

不動産クラウドファンディングの場合、投資家が、各ファンドの投資対象不動産を確認し、公益性等の外的要因も考慮したうえで、投資是非を(時に、楽しみながら)判断できる、という良さがありますが、REIT投資のように、(一般投資家では手が出ないような)大規模不動産に対して小口投資したり、これまで投資対象として検討したことがないようなアセットクラス不動産に投資できる、といったダイナミズムを体感することは難しいでしょう。

投資対象不動産を担保にした借り入れにレバレッジ効果の有無

不動産クラウドファンディングの場合、不動産特定共同事業者が投資対象不動産を担保にして借り入れを行い、ファンドの利回りを高める、という施策がとられることは稀です。
そもそも、不動産クラウドファンディングの場合、

  • 築年数が経過したレジデンス物件(アパートや、マンション区分所有等)や、
  • 現状、収益化が為されていない不動産(例:居住者のいない空き家等)等、

銀行融資の付きづらい不動産を投資対象としているケースが多いため、です。

これに対して、上場REITの場合、投資対象不動産が(銀行等の金融機関から見ても)不動産クラウドファンディングと違って良質ですから、投資対象不動産を担保にして、銀行等から借り入れを行うことが一般的です。

例えば、投資家から1億円を集め、(融資によるレバレッジを効かせずに、)1億円の物件を取得し、この物件を賃貸することで、年率5パーセントの利益を得る場合、投資収益は年額で500万円(1億円×5パーセント)で、これは当然、出資総額に対して5パーセントに相当します。
しかし、投資家から集める1億円とは別に、金融機関から2億円の借り入れを行い、総額3億円の不動産を取得し、同じく年率5パーセントの賃料収入(1,500万円)を得る場合、投資家の出資総額に対する利益率は、15パーセント(1,500万円÷1億円)にまで跳ね上がります。

上記はあくまでも極端(かつ、簡易)な例ですが、投資対象を良質な不動産に限定することで、銀行融資等を活用したレバレッジ効果を期待できる、という点は、不動産クラウドファンディングには無い、REITならではのメリットと言えます。

不動産クラウドファンディング投資の流れ

投資家の立場から、不動産クラウドファンディングに投資する場合、概ね、下記のような流れを踏むこととなります。

  1. 投資用口座を開設する不動産クラウドファンディング・サービスを選ぶ。
  2. 特定の不動産クラウドファンディング・サービスに、投資家登録(投資用口座の開設)を行う。
  3. 不動産クラウドファンディング事業者のホームページで、募集中ファンドの情報を閲覧する。
  4. 気に入ったファンドがあれば、不動産クラウドファンディング事業者のサイトを通じて、投資申込を行う。
  5. 投資申込が受理された場合(抽選方式募集の場合)、投資用資金を、不動産クラウドファンディング事業者側に送金する。
  6. ファンドが成立し、ファンドの運用がスタートすると、不動産クラウドファンディング事業者側から、定期的に、分配金が送金される(ファンド運用期間中の分配が実施されるファンドの場合)。
  7. ファンドの運用終了に伴い、出資元本が送金されてくる。
  8. 年間の受け取り分配金額等に応じて、適宜、確定申告等を行う。

いくつか、詳しく見て参りましょう。

不動産クラウドファンディング事業者の選定

不動産クラウドファンディング・サービスに投資家登録を進めるにあたっては、当然、どの不動産クラウドファンディング・サービス(不動産クラウドファンディング事業者)に投資家登録・口座開設を行うのか、投資家自身で、選定する必要があります。
不動産クラウドファンディング事業者の選定にあたっては、下記のような点がポイントとなります。

  • 不動産クラウドファンディング事業者の実績(ファンド募集実績・償還実績など)
  • 募集されているファンドのリスク・リターンのバランス
  • 不動産特定共同事業者登録番号など、必要な免許・登録情報が、サイトに適切に表示されているか、どうか
  • 投資対象となる不動産の情報が、サイト上で適切、かつ十分に表示されているか
  • (投資家の優先出資元本を、運営会社の劣後出資元本が保護する、)優先劣後スキームが採用されているか、否か
  • サービスを運営している不動産事業者の、会社・法人としての実績・信用力(上場企業か、どうか、等)
  • 当該不動産クラウドファンディング・サービスに関する、インターネット上の口コミ・評判等

投資用口座の開設(投資家登録)

気に入った不動産クラウドファンディング事業者があれば、その事業者のホームページを通じて、投資家登録を行います。
昨今の不動産クラウドファンディング業界では、投資家登録の手続きは、全て、オンラインで完結することが一般的です。
※ただし、投資家情報等を入力した後、不動産クラウドファンディング事業者側で審査が行われ、その審査を通過できなかった場合、投資家登録が受理されない場合も有ります。

また、不動産クラウドファンディング事業者側での審査を通過すると、その後、不動産クラウドファンディング事業者側から、本人確認のための手紙(ハガキであることが多い)が、自宅住所宛に郵送されてきます。
このハガキを受け取り、必要に応じてマイページから認証コード入力などを行えば、晴れて、投資家登録完了となります。

投資するファンド選び、及び出資手続き

投資家登録が済んだら、続いては、実際に投資するファンド選びです。
不動産クラウドファンディング投資におけるファンド選びのポイントとしては、下記のような点が挙げられます。

  • ファンドの期待利回り:
    不動産クラウドファンディング事業者のホームページでは、各ファンドの期待利回り(年率換算・税引き前)が閲覧できます。
    注意すべきなのは、提示されている利回りは、あくまでも「期待利回り」であること。
    投資対象不動産が、予定通りの賃料収入(インカムゲイン)を収受できなかったり、売却益(キャピタルゲイン)が想定通りに生じなかった場合、予定通りの分配が為されないばかりか、ファンドに損失が生じた場合、出資元本が毀損する恐れ(元本割れのリスク)があります。
  • 投資対象不動産の内容:
    不動産クラウドファンディングの場合、投資対象となるのは不動産であり、その不動産のスペックは、ファンドの良悪を判断するために、最も重要な要素のひとつとなります。
    築年数や、立地、賃貸物件の場合は想定賃料、最終的な売却見込み価格など、その投資用不動産が、真に、投資するに値する不動産か、どうか、慎重に検討・判断することが必要です(※)。
  • 劣後出資の割合:
    国内の不動産クラウドファンディング事業者の多くが、運営会社の劣後出資によって、投資家の優先出資元本を保護する「優先劣後スキーム」を採用していますが、中には、優先劣後スキームを不採用としているケース・ファンドも存在します。
    また、具体的な劣後出資割合について、何か法令で定めがあるわけではありませんから、実際の劣後出資割合は、ファンドや事業者によって、千差万別です。
    プロジェクト出資額全体の半額以上を、運営会社が劣後出資している事例もあれば、劣後出資割合が、全体の数パーセント~1割未満、というケースもあります。

(※)時折、「不動産クラウドファンディングは、プロの不動産事業者が選び抜いた不動産に対して、相乗り投資するのだから、安心だ」といった意味合いの表現を見かけることがありますが、過信は禁物です。
不動産事業者から見て、本当においしい(=投資妙味の大きい)物件であれば、わざわざ投資家に投資機会を提供するようなことはせず、不動産事業者自ら、100パーセント分の資金を投じて、運用しているはずです。それだけ良い物件ならば、銀行等の金融機関も、喜んで融資をするでしょう。

不動産クラウドファンディングと税金の関係

不動産クラウドファンディングに投資する場合、投資家においては、自身の税金に関して、下記のような点にあらかじめ留意しておく必要があります。

不動産クラウドファンディング事業者からの分配金は「雑所得」に該当する

現在の所得税法下では、所得は、下記の10種類に分類されています。

  • 利子所得:
    預貯金につく利子などの所得。
  • 配当所得:
    所有している株式からの配当や、投資信託からの配当金などの収入。
  • 不動産所得:
    所有する不動産からの賃料収入などのうち、事業所得や譲渡所得に該当しない物。
  • 事業所得:
    自らが営んでいる事業(商売・ビジネス)からの収益。
  • 給与所得:
    勤務先等から受け取る給料のこと。会社員の場合、給与所得が所得全体の大半を占めることが一般的です。
  • 退職所得:
    勤務先などから受け取る退職金などの所得。
  • 山林所得:
    山林を伐採して得た利益や、立木の譲渡などで得た収益のこと。
  • 譲渡所得:
    自身の所得を第三者に対して譲渡(売却など)することによって生じた利益のこと。
  • 一時所得:
    上記のいずれにも該当しない所得で、かつ、営利を目的とした継続的な事業行為などから生じたものではない収益。
  • 雑所得:
    副業に拠る所得等。

このうち、不動産クラウドファンディング事業者から送金されてくる分配金は、「雑所得」に該当することとなります。

課税方式は総合課税。損益通算や繰越控除は使えない

「雑所得」に該当する以上、上場企業株式投資等では認められている「申告分離課税」は、不動産クラウドファンディングにおいては、活用することが出来ません。
また、他の所得分野との間での「損益通算」や、単年で生じた損失を翌年以降に繰り越す「繰越控除」といった仕組みも、不動産クラウドファンディングに対しては、認められていません。

会社員でも、確定申告が必要となる場合がある

会社員の方の場合、「会社の年末調整があるので、個人での確定申告はしたことがない」という人が多いでしょう。
しかしながら、不動産クラウドファンディングを始める場合、不動産クラウドファンディング事業者から送金を受ける分配金の額によっては、これまで確定申告をしたことがない、という会社員の方でも、所得税の確定申告義務が生じる場合があります。

雑所得に関しては、年間で20万円を超える場合、確定申告義務が生じる、と規定されており、不動産クラウドファンディングの各案件の期待利回りは、概ね、年率換算5パーセント前後で設定されているため、年間で400万円以上程度を、不動産クラウドファンディングに投資する場合、確定申告が必要となる可能性がある、と踏まえておくべきでしょう。

所得税確定申告は不要でも、住民税は確定申告を要するケースも

年間で受け取る分配金の額が小さく、少なくとも所得税に関しては、確定申告が不要、となった場合でも、住民税については、確定申告が必要となるケースがあります。
正確には、実際に投資を行う前に、税務署や、税理士などの税務専門家に、あらかじめ、税務相談を行うことが無難です。

ソーシャルレンディングと同様、不動産クラウドファンディングの場合も、「事業者選び」が肝心

いわゆる「融資型クラウドファンディング」、すなわち、ソーシャルレンディング投資の場合、サービス運営事業者に求められるのは、「貸金業者」としての目利き力です(ソーシャルレンディング・サービスを運営している事業者は、金融商品取引業者であると同時に、貸金業の登録事業者です)。
これに対して、「不動産投資型クラウドファンディング」運営企業に求められるのは、宅建事業者、すなわち、不動産専門事業者としての力量・眼力、と言えます。

例えば、ファンドが取得した不動産が、従前想定通りの賃料収入を得ることが出来なければ、ファンドは、十分な利益分配原資を確保できなくなる場合があります。
また、物件の売却価格が、その物件の取得価格を下回ってしまえば、キャピタルゲイン(売却益)の獲得は不可能となり、場合によっては、投資家への元本償還原資も、確保できなくなるリスクがあります。
こうしたリスクを軽減するためには、不動産特定共同事業者の、宅地建物取引業者としての「目利き力」こそが、物を言うこととなります。

すなわち、私たち個人投資家としては、不動産投資型クラウドファンディングを始めるにあたっては、サービスを運営している不動産事業者の、”不動産屋さん”としてのレベル・力量について、しっかりと確認することが必要であり、ソーシャルレンディング投資等と同様、「事業者選び(運営会社選び)」が、極めて大切なプロセスとなります。
(=個別のファンドについて云々する以前に、ファンドを提供している”事業者”を、慎重に選定する必要がある)

現に、不動産投資型クラウドファンディングに対する規制法規にあたる「不動産特定共同事業法」は、1995年の初期制定以来、複数回の改定を行っており、
特に、2017年改正で、「小規模不動産特定共同事業」が創設されてからは、資本要件も緩和され、中小・零細の不動産事業者でも、不動産クラウドファンディング事業に参画しやすくなりました。

そうした中、いかにして、信頼できる不動産クラウドファンディング事業者を選別していくか、を考えた際、
「上場企業が運営している不動産クラウドファンディング・サービスを選ぶ」という視座には、(※完璧ではないものの、)いくつかのメリットがあります。

上場企業が運営している不動産クラウドファンディングサービスを選ぶメリット

上場企業が直接運営している不動産クラウドファンディング・サービスを選ぶ場合、下記のようなメリットが考えられます。

  • 上場企業の場合、不動産事業の実績が豊富
  • IR(株式投資家向けの情報)が簡単に確認できる
  • (非上場企業と端的に比較すれば)運営会社の経営破綻リスクが小さい

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

上場企業ならではの、不動産事業の実績

不動産事業者が公開しているファンドに対して出資応募する場合、私たち個人投資家としては、下記のような事項について、特に注意して読み込み・検討を行う必要があります。

  • 投資対象となる不動産の取得価額(購入価額)は、妥当なものか(市場相場から、かけ離れていないか)
  • (特に、売却益=キャピタルゲインに重きを置いている場合、)対象不動産の、将来の売却想定価格は、現実的なものか
  • (インカムゲイン=運用期間中の賃料収入に期待するファンドの場合、)運用期間中に想定されている賃料収入は、周辺相場と比較して、妥当なものといえるか
  • その他、マクロレベルでの市場変化や、地震等の天変地異に対するリスク管理は十分か(例:投資対象となる建物は、新耐震基準で建築されているか。新耐震以前の基準で建築されている場合、十分な耐震補強は為されているか、等)

これらの情報の精度を左右するのは、まさに、サービス運営会社の、「不動産事業者としての目利き力」にほかなりません。

不動産投資型クラウドファンディングは、「不動産事業者が展開する不動産ビジネスに、(個人投資家が、)少額から、相乗り投資をさせてもらう」サービスである、と換言することが出来ます。
そうした観点から見ると、いかに、不動産事業者の「目利き力」が問われているビジネスモデルであるか、は、一目瞭然です。

そして、運営会社が上場企業である場合(そして、その企業の主力事業が、まさに、不動産開発事業等の不動産事業である場合)、
その事業者は、少なくとも、不動産事業において、上場を実現するレベルの目利き力を有している、と考えることが可能です。

国内株式市場に上場する場合、各企業の「稼ぐ力」は、その上場時審査において、重要なポイントとなります。
上場を果たしている以上、少なくともその事業者の、「不動産事業を通して稼ぐ力=不動産における目利き力」は、上場時審査においてある程度精査はされている、と考えることが出来るわけです。

※逆に言えば、創業来、毎期のように赤字を垂れ流している不動産業者が、「新たに不動産投資をしたい。そこで、クラウドファンディングで資金調達をしたい」と言い出したとしても、そんな不動産事業者が組成するファンドに、相乗り投資をしたい、と考える投資家は、少数でしょう。

IR(=株式投資家向けの情報)が確認できる

サービス運営企業が上場企業である場合、その会社のIR情報(投資家向け情報)は、各社のホームページ等にて詳しく開示・公開されていることが一般的です。
そうしたIR情報を読み込めば、

  • 各社の、各期における損益や、売上高の多寡、貸借対照表の状態、といったデータや、
  • 事業全体の中で、セグメント分けした場合、クラウドファンディング事業は、どの程度期待されており、今後、どのくらい注力することが想定されている事業なのか、

といった点について、確認を行うことが可能です。

損益は勿論のこと、資産・負債・純資産の多寡などについても、情報が不透明な状態となっている、未上場企業と比較し、上場企業のこの透明性の高さは、私たち個人投資家にとって、大きなメリットとなります。


※なお、たとえ未上場企業であったとしても、HPを通した電子公告や、官報によって、決算情報(の一部)を確認できる場合も有ります。

未上場企業と比較し、経営破綻リスクが小さい

上場企業の場合、まず、IPO(株式公開)の時点で、自社株を市場に売り出すことによって、多額の資金調達を果たしていることが一般的です。
また、銀行等の伝統的金融機関からの信用も厚いため、間接金融による資金調達余力も大きいほか、
社債の発行等、非上場企業ではなかなか取り得ないような、様々なファイナス手法を持ち合わせています。

また、定期的に、外部の監査機関による監査を受けているほか、収益に直接貢献しないが、内部統制等を管理する、「管理部門」についても、非上場企業と比較すれば、圧倒的に充実していることが一般的です。

これらの事情を勘案すれば、上場企業の場合、非上場企業と比較すると、経営破綻リスクが(一般的には)小さいものと目されます。
サービス運営会社の経営破綻リスクは、不動産クラウドファンディング投資の最大のリスクの一つですから、そのリスクを軽減できる、という点は、
上場企業運営の不動産クラウドファンディング・サービスを選択する、ひとつのメリットと言えます。

上場企業ならではの資金力=不正があった場合も安心?

上場企業が運営している不動産クラウドファンディング・サービスを利用する、もう一つの利点として、
「万が一、事業者側に不正行為があった場合、未償還元本の償還など、投資家保護策を期待できる」
とする声もあります。

不動産クラウドファンディングとよく似た投資手法として知られるソーシャルレンディングの場合、これまでに、maneoやラッキーバンク、みんなのクレジット、トラストレンディング、などといった事業者・サービスが、投資家に対して損失を発生させていますが、いずれのケースでも、事業者による損失補填は為されていません。
証券取引等監視委員会から不正行為を指摘されたり、関東財務局から行政処分を受ける等しても尚、こうした企業は、損失の責任を自社によるものと認めてはいない、ということです。

反面、国内金融業界大手「SBIホールディングス」の傘下企業が運営していたSBIソーシャルレンディングの場合、2021年6月に、関東財務局から行政処分を受ける間の時点で、「未償還元本の償還」を発表。
問題の生じたファンドに出資していた投資家の出資元本を保護する姿勢を表明していました。
その際も、その「償還のための原資」については、「SBIソーシャルレンディング、ないしは、その親会社(=SBIホールディングス)」が負担するものとされています。

事業者に重大な不法行為があった場合、損失補填が特別に許容されるケースが(原則として、損失補填は禁止されている行為です)ありますが、実際に損失補填を行えるか、どうか、は、やはり、運営会社(ないしは、その100パーセント親会社)の資金力に左右されることとなる、ということです。

こうした事情を考えると、

  • 運営会社が、資金力に乏しい未上場企業の場合、万が一事業者の不正行為が原因で投資家に損失が生じたとしても、この補填をしてもらえない可能性が高い。
  • 反面、上場企業が運営しているサービスならば、「損失補填禁止の特例」に該当するような事案(=運営会社側の重大な不法行為)があった場合、投資家損失補填へと動く公算が高い。

と考えることは、あながち、的外れではないかもしれません。

※ただし、あくまでも、「損失補填は厳禁」であることが大前提であり、損失補填を期待して、上場企業運営サービスを利用する、という考え方には、個人的には、同調できません。

上場企業が、不動産クラウドファンディングを通じて資金調達を行う理由は?

そもそも資金が(非上場企業と端的に比較すれば)潤沢であり、資金調達手法も多様であるはずの、上場企業が、自身の不動産事業のための資金を、不動産クラウドファンディングを通じて調達する理由としては、下記のようなものが挙げられます。

知名度向上・ブランディングとしての価値

国内証券市場の上場企業、ましてや、東証一部等の上場企業であれば、投資家からの知名度には、高い物があります。
しかしながら、一般消費者にとっては、たとえ、上場企業といえども、まだまだ、知名度が低い事が一般的です。

不動産クラウドファンディングを通じて、広く日本中の個人投資家に、少額からの小口投資を募れば、ファンドや、サービスサイト上の情報を通じて、そうした投資家層に対し、自身の不動産事業等について、知名度向上・ブランディングを図ることが可能となります。

上場時のバリュエーションのためにも「テック感」を演出したい

一般的に、IT企業等、上場後の「大化け」が期待される銘柄と比較すると、不動産事業者の株式のバリュエーションは、あまり高くありません。
そこで、既存の不動産事業に加えて、「クラウドファンディング」「インターネット」などといった要素を合わせることにより、時流に乗った、「テック」関係の企業・銘柄である、という印象を、株式投資家に対してアピールしていきたい、という狙いもありましょう。

特に、上場を検討した不動産事業者が、上場時のバリュエーションを高めるための工夫として、不動産クラウドファンディング事業への参入を検討することがあると言われています。

株式市場での安易な資金調達にはリスクも

上場企業といえども、新株発行などの増資をすれば、株式の希薄化が生じることとなります。
また、自社株の売却をすれば、上掲事情と同じく、株価も下がりかねませんし、当然、外部株主による買収リスクも高まります。

「それでは、直接金融ではなく、間接金融で」と考えたとしても、銀行等から有利子で調達すると、当然、自己資本比率が下がり、有利子負債が増加、資本利益率なども低下しやすくなります。

これに対して、不動産クラウドファンディングの場合、あくまでもファンド(子会社などのビークル)への持分出資であり、借入ではなく、返済義務は勿論ありません。
また、運営会社自体の株式を取得させるわけではないので、経営権などへの影響は無く、これらの点を総合して勘案すれば、未上場企業のみならず、上場企業にとっても、不動産クラウドファンディングは、それなりに都合のいい資金調達手法であることが分かります。

上場企業が運営している不動産クラウドファンディング・サービスは

2021年3月現在、上場企業が直接運営している不動産クラウドファンディング・サービスには、下記のようなものがあります。

東証一部上場企業運営の不動産クラウドファンディング「Rimple」



引用元:Rimple

サービス名 Rimple(リンプル)
運営会社 プロパティエージェント株式会社
運営会社住所 東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー41階
運営会社設立 平成16年2月6日月
サービス開始 2020年2月
許認可 宅地建物取引業 [東京都知事(4)第83227号]
マンション管理業 [国土交通大臣(3)第033619号]
不動産特定共同事業 [金融庁長官・国土交通大臣第90号]
上場/非上場 東京証券取引所市場第一部 証券コード3464
運営会社資本金 6億935万円
運営会社役員構成 代表取締役社長 中西 聖
取締役 村田 貴志
取締役 岩瀬 晃二
取締役 井河 元広
取締役 黒田 恵吾
常勤監査役 長島 良一
監査役 髙橋 聡
監査役 中川 紘平
運営会社事業内容 不動産開発販売事業
プロパティマネジメント事業
賃貸管理サービス
建物管理サービス
不動産クラウドファンディング事業
運営会社加盟団体 一般社団法人 全国住宅産業協会
公益財団法人 東日本不動産流通機構
公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会
公益財団法人 全日本不動産協会
公益財団法人 首都圏不動産公正取引協議会
公益財団法人 不動産保証協会
一般社団法人 ブロックチェーン推進協会
首都圏中高層住宅協会
1口あたりの最低投資額 1万円
ファンドへの出資の中途解約 原則として不可
優先劣後スキーム 採用


情報引用日:2021年6月16日

不動産クラウドファンディング・サービス「Rimple」(リンプル)を運営しているプロパティエージェント株式会社(東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー41階。以下、プロパティエージェント社)は、東証一部の上場企業です(証券コード:3464)。
プロパティエージェント社のHPにて公開されている、2021年3月期第3四半期決算発表によれば、同期の売上高は15,186百万円。営業利益は742百万円。賃貸管理戸数は3,040戸、建物管理戸数は3,654戸。同期末時点での総資産は26,099百万円、純資産は6,337百万円、などといった情報が掲載されています。

Rimpleのおすすめポイント1:劣後出資の割合が高い

国内の大半の不動産クラウドファンディング事業者が、運営会社の劣後出資によって投資家の優先出資元本を(一定程度まで)保護する、「優先劣後スキーム」を採用しており、Rimpleもその例に漏れません。

ただし、一般的な不動産クラウドファンディング・サービスの場合、運営会社による劣後出資の具体的な「幅・割合」は、ファンドによって様々であり、案件によっては、出資総額の数パーセント相当額しか、運営会社は劣後出資しない、というプロジェクトも存在します。

この点、Rimpleの場合は、これまでに募集された全てのファンドにおいて、運営会社にあたるプロパティエージェント社が、出資総額全体の一律30パーセントを劣後出資している、という特徴があります。

Rimpleのおすすめポイント2:1ファンドへの投資で、複数の物件へと分散投資が図れる

日本の不動産クラウドファンディング・サービスの場合、1つのファンドが投資対象とする不動産は、原則として、1物件です。
この点は、1つの銘柄が複数の不動産保有を大前提とするリート(REIT)投資と比較し、資産の分散投資の観点からは、不動産クラウドファンディングの弱点の一つ、と言えます。

しかし、Rimpleの場合は、これまでに募集された複数のファンドにおいて、ファンドの投資対象不動産が2点以上(3物件等)とされていることが散見されます。
投資家においては、実質的に、単一のファンドに対して投資していながら、複数の投資対象不動産へと資金を分散投資できることとなります。

Rimpleのおすすめポイント3:Rimple会員同士であれば、互いの出資持分を譲渡することが出来る

国内の不動産クラウドファンディング・サービスの過半で、ファンドの運用期間中に出資の中途解約をすることは「原則として不可」とされており、Rimpleの場合も同様です。
ただし、Rimpleの場合は、Rimple会員同士の間であれば、互いの出資持分を譲渡出来るサービスを提供しています。
実際にRimpleのファンドに出資し、その後、急な資金用途が生じたため、出資持分を現金化したい場合、Rimpleに投資家登録を済ませた譲渡先ユーザーを見つけることが出来れば、Rimpleに依頼して、自身の出資持分を、当該ユーザーに売却することが可能です。

Rimpleのおすすめポイント4:クレジットカード利用等で貯めたポイントを投資に利用できる

Rimpleの最大の特徴のひとつが、プロパティエージェント社が運営するコインサービス「リアルエステートコイン」を、ファンドへの出資用資金として利用できること。
投資家は、

  • クレジットカード「セゾンカード」の利用で貯めた、「永久不滅ポイント」や、
  • 大手ポイ活サイト「ハピタス」や「モッピー」で貯めたポイントなどを、

一旦、リアルエステートコインへと交換したうえで、その後、Rimpleの募集ファンドへの出資に活用することが可能です。

現預金として保有している資金を投資に投じるのは「リスクがある」と考える投資家であっても、無意識のうちに貯めたポイントであれば、気軽に投資しやすい、というメリットがあります。

Rimpleのおすすめポイント5:これまでの全ファンドが、抽選方式による募集を行っている

不動産クラウドファンディング事業者の中には、ファンドへの出資募集を、「先着方式」のみによって行っているケースがあります。
この場合、本業が忙しいサラリーマン投資家や、家事の合間を縫った作業が難しい主夫・主婦投資家においては、ファンドの募集開始タイミングに間に合わず(ないしは、都合が合わず)、結果として、ファンドに出資が出来ない、という事態が想定されます。

この点、Rimpleの場合は、これまでに募集した全てのファンドで、(先着方式ではなく)抽選方式による募集を行っています。
投資家としては、抽選方式募集の締め切り時刻までの間に、自身のスケジュールに合わせて、余裕をもって投資申込を済ませることが出来るため、メリットとなります。

Rimpleのおすすめポイント6:マネーフォワードの自動連携に対応済

不動産クラウドファンディングの場合、各社への投資口座開設手続きが簡単で、かつ、出資の申し込みもインターネットで完結する関係で、どうしても、気づかぬ間に、出資先の事業者、及びファンドが増えてしまうケースがあります。
投資している不動産クラウドファンディング事業者、及びファンドが多量にある場合、各々の投資残高等を投資家が手動で(エクセル等を用いて)管理するのは煩雑であり、正確性にも限度があります。

この点、Rimpleの場合は、家計簿アプリ大手「マネーフォワード」の自動連携機能に対応しているため、便利です。
投資家は、自身のマネーフォワード・アカウントと、Rimpleの投資口座を紐づけ登録しておけば、あとはマネーフォワードが自動的にRimple内の投資残高情報等を取得してくれますので、自分の他の資産と合わせて、比較的簡単に、資産を一元管理することが出来ます。

Rimpleのおすすめポイント7:ファンドの募集スケジュールがある程度事前に確定している

Rimpleでは、毎月第2・第4金曜日を「Rimple’s Friday」とし、新規ファンドの募集を定期・恒常的に実施しています。
投資家としては、「いつ新規ファンドが募集開始となるかわからない」というストレスに悩まされることなく、ある程度事前に、新規ファンドの募集開始を予測し、資金計画等を立てることが出来ますので、メリットとなります。

東証一部、穴吹興産運営の「ジョイントアルファ」



引用元:ジョイントアルファ

サービス名 ジョイントアルファ
運営会社 穴吹興産株式会社
運営会社住所 香川県高松市鍛冶屋町7-12
運営会社設立 昭和39年5月25日
サービス開始 2019年5月(第1号ファンドの募集開始)
許認可 宅地建物取引業免許 国土交通大臣免許(9)第3300号
第二種金融商品取引業登録 四国財務局長登録(金商)第12号
不動産特定共同事業許可 香川県知事許可 第1号
上場/非上場 東京証券取引所市場第一部 証券コード8928
運営会社資本金 755百万円
運営会社役員構成 代表取締役社長 穴吹 忠嗣
専務取締役 冨岡 徹也
常務取締役 柴田 登
取締役 堀井 茂(社外取締役)
取締役 新宮 章弘
取締役 大谷 佳久
取締役 近藤 陽介
常勤監査役 横田 賢二(社外監査役)
監査役 勝丸(石川)千晶(社外監査役)
監査役 服部 明人(社外監査役)
執行役員 平田 康一
執行役員 藤明 周二
執行役員 田辺 俊文
執行役員 石井 数広
執行役員 松本 伸也
執行役員 植田 栄正
執行役員 新田 守
執行役員 中道 康司
執行役員 鵜野 喜充
執行役員 西谷 忠憲
執行役員 香川 昌章
執行役員 大森 克
運営会社事業内容 分譲マンション事業
不動産ソリューション事業
ストックマンション事業
シニア事業
事業再生
海外事業
1口あたりの最低投資額 10万円
ファンドへの出資の中途解約 原則として不可
優先劣後スキーム 採用


情報引用日:2021年6月17日

香川県高松市に本店を置く東証一部上場企業「穴吹興産株式会社」(香川県高松市鍛冶屋町7-12。証券コード:8928。以下、穴吹興産)も、不動産クラウドファンディングを展開しています。
公開されている財務ハイライトによれば、2020年6月期の連結売上高は95,378百万円、同営業利益は5,744百万円。
その他、穴吹興産HPに掲載されているIRライブラリでは、各期のより詳しい損益や、貸借対照表の状態などについての資料が公開されています。

展開している不動産クラウドファンディング・サービス「ジョイントアルファ」では、他の一般的な不動産クラウドファンディング・サービスと比較し、最低投資額が高い(10万円。他の不動産クラウドファンディングの場合、1万円というケースが多い)という特徴があります。

ジョイントアルファのおすすめポイント1:劣後出資割合が高く、全体の50パーセントの案件も

不動産特定共同事業者が、ファンドに対して投資家と共同で出資し、投資家の優先出資元本を毀損リスクから(ある程度)守る、「優先劣後スキーム」。
採用されている不動産クラウドファンディング事業者は過半に上りますが、実際の劣後出資割合は、事業者、及びファンドによって様々です。

この点、ジョイントアルファにおいては、原則として、出資総額の30パーセント相当額を、サービス運営会社にあたる穴吹興産が劣後出資しており、中には、運営会社の劣後出資割合が、全体の50パーセント相当額に上っているケースもあります。

ジョイントアルファのおすすめポイント2:想定収支情報が細かく開示されている

投資家においては、投資を検討しているファンドがどのような物件を取得し、その後、どのような費用支払いを見込んでおり、最終的にはどの程度の利益を計上する予定なのか、を、慎重に判断する必要があります。
しかしながら、ファンドが見込んでいる損益に関する情報をどの程度まで開示するか、については、各不動産クラウドファンディング事業者に委ねられているのが現状であり、中には、見込まれている支出の内訳等について、投資家に対して細かく事前開示されていないケースも散見されます。

この点、ジョイントアルファの場合は、各ファンド詳細において、

  • 物件に見込まれる賃料収入の総額や、
  • 必要な維持管理費の金額
  • 修繕積立金
  • 公租公課
  • 火災保険料
  • 税理士報酬

等といった収入・支出情報を細かく開示しており、投資家においては、各情報を確認・閲覧し納得したうえで、投資の是非を判断することが出来る、というメリットがあります。

ジョイントアルファのおすすめポイント3:投資家向けのキャンペーン・特典が開催・提供されている

ジョイントアルファでは、不定期ではありますが、主に新規投資家登録者向けに、様々なキャンペーン・特典付与を行っています。
2021年4月の間は、新規登録者向けに、サービス運営会社にあたる穴吹興産の地元、香川県の特産品、「さぬきうどん」がプレゼントされるキャンペーンが開催されていたほか、同年5月~6月にかけては、本登録完了者向けに、Amazonギフト券1,000円分がプレゼントされるキャンペーンが展開されていました。

ジョイントアルファへの投資にあたっての注意点:最低投資額が大きい

国内の不動産クラウドファンディング・サービスの大半で、各ファンドへの最低投資額(1口あたり)は「1万円」とされていることが一般的です。
しかしながら、ジョイントアルファの場合、1ファンドへの最低投資額は、これまで一律、10万円とされてきました。

無論、現物不動産投資と単純比較すれば、10万円から投資できる、という点は、少額投資を希望する投資家から見れば、依然として大きなメリットですが、他の一般的な不動産クラウドファンディング・サービスと比較して最低投資額が大きい、という点は、留意を要します。

【東証一部上場】トーセイ運営の不動産クラウドファンディング「TREC FUNDING」



引用元:TREC FUNDING

サービス名 トーセイ不動産クラウド(TREC FUNDING)
運営会社 トーセイ株式会社
運営会社住所 東京都港区芝浦四丁目5番4号 田町トーセイビル
運営会社設立 1950年(昭和25年)2月2日
サービス開始 2020年8月(第1号ファンドの募集開始)
許認可 金融商品取引業登録番号: 関東財務局長(金商)第898号
不動産特定共同事業許可番号:金融庁長官・国土交通大臣第102号
上場/非上場 東京証券取引所第一部(証券コード:8923)
シンガポール証券取引所メインボード(証券コード:S2D)
運営会社資本金 66億2,489万円
運営会社役員構成 代表取締役社長 執行役員社長 山口 誠一郎
取締役専務執行役員 管理部門統括 平野 昇
取締役専務執行役員 事業部門統括 中西 秀樹
取締役常務執行役員 事業部門副統括 渡辺 政明
取締役執行役員 山口 俊介
取締役執行役員 大島 均
運営会社事業内容 不動産流動化事業、不動産開発事業、不動産賃貸事業、不動産ファンド・コンサルティング事業、ホテル事業
1口あたりの最低投資額 ファンドによって異なる
ファンドへの出資の中途解約 原則として不可
優先劣後スキーム ファンドによって異なる


情報引用日:2021年6月18日

TREC FUNDINGは、東証一部上場の総合不動産会社「トーセイ株式会社」(東京都港区芝浦四丁目5番4号)が直接運営している、不動産クラウドファンディング・サービス。
これまでに募集された2ファンドは、いずれも、募集総額満額分の投資申込を集め、成立しています。
運営会社の第71期(2019年12月~2020年11月)の有価証券報告書によれば、同期の連結売上高は639億円強。税引き前利益は約59億円。
グループ会社には、投資運用業を手掛けるトーセイ·アセット·アドバイザーズ株式会社や、ビルメンテナンス業等を営むトーセイ・コミュニティ株式会社、新築戸建分譲等を行うトーセイ・アーバンホーム株式会社などが名を連ねています。

TREC FUNDINGのおすすめポイント1:SPCを活用した倒産隔離が図られている

国内で展開されている不動産クラウドファンディング・サービスの大半は、不動産特定共同事業法の1号許可に基づき、不動産特定共同事業者自身が出資の募集を行い、かつ、集めた資金の運用(不動産の取得)を行う、という形態を採っています。
この場合、ファンドは不動産特定共同事業者の内側に組成されることとなるため、ファンドが取得する不動産も当然、不動産特定共同事業者の所有、となります。
不動産特定共同事業者が、不動産クラウドファンディング以外の事業(例えば、不動産の開発事業等)で失敗し、破産手続きに移行することとなった場合、ファンドの財産(不動産を含む)も、破産者の財産として取り扱われ、破産財団に組み入れられてしまうこととなります。

この点、TREC FUNDINGは、不動産特定共同事業法の1号事業ではなく、同法の3号事業許可、及び、4号事業許可に基づいて運営される「特例事業」スキームが採用されています。
この場合、不動産を保有するのは、不動産特定共同事業者(トーセイ)ではなく、トーセイの外部に設立された、SPC(特別目的会社)となり、トーセイはあくまでも、SPCから、ファンドの募集業務(4号事業)と、資産運用業務(3号事業)を受託する、という体裁を取ることとなります。
SPCの保有財産は、当然、トーセイ社とは無関係となりますから、万が一、トーセイ社が経営破綻したとしても、SPCが保有している不動産が破産財団に組み入れられることは有りません(※ただし、SPCがトーセイ社の子会社と認定されてしまう場合は、SPC、及びその保有財産についても、トーセイ社の資産として認定され、破産手続きにて処分される可能性があります)。

SPCを活用した特例事業スキームは、

  • 投資家の立場から見れば、事業者の倒産リスクから隔離される、というメリットがあるほか、
  • 不動産事業者の視点から見ると、自社が目下保有している不動産をオフバランス(SPCに譲渡)して、総資産利益等の指標を高めやすくなる、という利点がありますが、

運営に必要は4号事業許可の取得のためには、第二種金融商品取引業の登録が必須条件とされている、等、参入のハードルが高く、TREC FUNDING以外では、積極的に活用されているケースは稀です。

TREC FUNDINGのおすすめポイント2:物件を担保にした借り入れ(レバレッジ)によって、利回りを高める工夫が為されている

TREC FUNDINGにおいて実際に募集された、「TREC1号 世田谷区用賀マンション投資ファンド」では、投資対象となる不動産(マンション)を担保に、外部金融機関からの借り入れ(シニアローン)が為されています。
一般的に、不動産特定共同事業において、投資対象不動産を担保にした借入金を活用すれば、レバレッジ効果が生じ、匿名組合出資分の利回りが大きくなる、という効果が得られます。
以下、簡単な具体例を見てみましょう。

1億円の物件を取得するために、その全額1億円分の優先出資を募集し、かつ、その物件の賃料収入利回りは、年間500万円である場合、ファンドの利回りは、年率で5パーセント、となります。
しかし、同じ1億円の物件を取得するにあたって、優先出資は3,000万円に留め、銀行からのシニアローンを7,000万円調達し、銀行に対して年率1パーセントの金利を支払う場合、ファンドの利益は、
500万円(同上の賃料収入)-70万円(銀行の貸付金利)=430万円となり、これは、優先出資3,000万円に対して、14パーセント強に相当します。

現に、リート(特に、上場リート)においては、この仕組みを活用し、借入金によるレバレッジを用いて、投資家の利回りを底上げするスキームが頻繁に採用されています。

TREC FUNDINGへの投資家登録にあたっての留意点:ファンド募集が2号ファンド以降停止している

TREC FUNDINGでは、これまでに2件のファンド募集が為されていますが、2021年1月に募集が為された第2号案件を最後に、新規ファンドの募集が為されていません。
運営母体であるトーセイ社は、様々な不動産関連ビジネスを多角的に展開している企業ですので、不動産クラウドファンディングへの取り組みの優先順位が、時間の経過に伴い、変化している可能性があります。

また、少なくともこれまでに募集された2ファンドにおいては、最低投資額が「10万円」と、他の一般的な不動産クラウドファンディング・サービスと比較して高額に設定されている点にも、留意が必要です。

マザーズ上場企業運営の不動産クラウドファンディング「A funding」

サービス名 A funding
運営会社 株式会社AMBITION
運営会社住所 東京都渋谷区神宮前2-34-17 住友不動産原宿ビル18F
運営会社設立 2007年9月
サービス開始 2020年1月
許認可 国土交通大臣(3)第8023号
不動産特定共同事業許可 東京都知事 第127号
上場/非上場 東京証券取引所マザーズ市場(証券コード:3300)
運営会社資本金 379,780千円
運営会社役員構成 代表取締役社長 清水 剛
常務取締役 鈴木 匠
取締役 山口 政明
取締役(監査等委員) 長瀬 文雄
取締役(監査等委員) 林 美樹
取締役(監査等委員) 河野 浩人
顧問 吉村 宗一
運営会社事業内容
  • プロパティマネジメント事業
  • インベスト事業
  • 賃貸仲介事業
  • 不動産DX事業
  • 少額短期保険事業
  • 海外システム事業
1口あたりの最低投資額 1万円
ファンドへの出資の中途解約 原則として不可
優先劣後スキーム 採用済


引用元:A funding

「A funding」を運営している株式会社AMBITION(東京都渋谷区神宮前2-34-17 住友不動産原宿ビル18F。以下、AMBITION社)は、東証マザーズの上場企業です(証券コード:3300)。
(東証一部ではなく)東証マザーズ上場だから、といって、公開されているIR情報の質・量に遜色があるわけではなく、AMBITION社のHPには、

  • 決算短信や、
  • 決算説明資料、
  • 有価証券報告書、

などといった情報が、しっかりと掲載されています。
たとえば、2021年6月期 第2四半期決算説明資料には、2021年6月期上期実績として、売上高16,440百万円、営業損益478百万円、資産合計15,407百万円、純資産3,634百万円、などといった情報が掲載されています。

「A funding」の、これまでの募集ファンド例としては、下記のような物があります。

  • A funding 第1号 不動産特定共同事業
    想定分配利回り:6パーセント
    出資金募集総額:8,750,000円
    運用期間:2020年03月01日~2020年08月31日
  • A funding 2号 不動産特定共同事業
    想定分配利回り:5%
    出資金募集総額:8,400,000円
    運用期間:2020年08月31日~2021年03月31日
  • A funding 3号 不動産特定共同事業
    想定分配利回り:5%
    出資金募集総額:8,540,000円
    運用期間:2020年08月31日~2021年03月31日

東証一部、インテリックス社運営の「X-Crowd」

サービス名 X-Crowd(エックス・クラウド)
運営会社 株式会社インテリックス
運営会社住所 東京都渋谷区渋谷2-12-19 東建インターナショナルビル11F
運営会社設立 1995年7月17日
サービス開始 2019年11月(第1号ファンドの募集開始)
許認可 [宅地建物取引業者免許] 国土交通大臣(4)第6392号
[不動産特定共同事業者許可] 東京都知事 第97号
上場/非上場 東証一部(証券コード 8940)
運営会社資本金 22億5,300万円
運営会社役員構成 代表取締役会長 山本 卓也
代表取締役社長 俊成 誠司
専務取締役 鶴田 豊彦
取締役 滝川 智庸
取締役 執行役員 小山 俊
取締役 執行役員 相馬 宏昭
社外取締役 種市 和実
社外取締役 村木 徹太郎
社外取締役 西名 武彦
社外監査役 大林 彰
監査役 江幡 寛
社外監査役 飯村 修也
執行役員 村松 淳弥
執行役員 中拂 一成
執行役員 平野 秀明
執行役員 能城 浩一
執行役員 中 伸雄
運営会社事業内容 不動産売買・不動産賃貸業・不動産コンサルティング
1口あたりの最低投資額 10万円
ファンドへの出資の中途解約 原則として不可
優先劣後スキーム ファンド1号(珠数屋町)においては採用


引用元:X-Crowd

「X-Crowd」(エックスクラウド)は、東証一部上場の株式会社インテリックス(東京都渋谷区渋谷2-12-19 東建インターナショナルビル11F)が運営にあたる、不動産クラウドファンディング・サービス。
2019年10月に会員登録受付をスタートして以来、2021年3月までの間に、2本のファンドが募集されており、いずれも、満額の資金調達を済ませています。

運営会社が公開している、2020年5月期の有価証券報告書によれば、同期の連結売上高は、378億円強。経常利益は7億円強。
グループ企業には、内装業等を営む株式会社インテリックス空間設計(東京都目黒区鷹番1-1-10)や、不動産管理業の株式会社インテリックスプロパティ、建築物の温熱環境コンサルティング等に従事する株式会社インテリックスTEI(東京都渋谷区渋谷2-9-11 インテリックス青山通ビル6F)などがあります。

ジャスダック上場、マリオン社運営のi-Bond(アイボンド)



引用元:i-Bond(アイボンド)

サービス名 i-Bond(アイボンド)
運営会社 株式会社マリオン
運営会社住所 東京都新宿区富久町9番11号
運営会社設立 1986年11月
サービス開始 2019年5月7日
許認可 宅地建物取引業者免許 東京都知事(6)第72526号
不動産特定共同事業法許可 金融庁長官・国土交通大臣 第100号
第二種金融商品取引業者登録 関東財務局長(金商)第1502号
上場/非上場 東京証券取引所JASDAQスタンダード市場
運営会社資本金 1,387,642,720円
運営会社役員構成 代表取締役社長 福田 敬司
常務取締役 宮澤 深志
取締役 肥田 理
取締役 飛田 明彦
取締役(非常勤) 山田 源
取締役(非常勤) 高橋 和彦
取締役(非常勤) 増岡 健司
取締役監査等委員 深澤 智広
取締役監査等委員(非常勤) 鎌田 昭良
取締役監査等委員(非常勤) 海老根 靖典
運営会社事業内容
  • 不動産賃貸サービス
  • 不動産証券化サービス
  • 不動産売買
1口あたりの最低投資額 1万円
ファンドへの出資の中途解約 株式会社マリオンに、出資持分を買い取らせることが可能
優先劣後スキーム 採用


情報引用日:2021年6月22日

i-Bond(アイボンド)は、ジャスダック上場、株式会社マリオン(東京都新宿区富久町9番11号)が運営にあたっている、不動産クラウドファンディング・サービスです。
サービス開始は、2019年5月。
国内の不動産クラウドファンディング・サービスの多くが、「出資の中途解約不可」としており、流動性の点で、上場REIT等と比較して見劣りする中、i-Bond(アイボンド)の場合は、「24時間365日、いつでも自由に出し入れ可」としている、という特徴があります。

運営会社にあたる株式会社マリオンは、1986年11月設立。全国の主要都市に賃貸物件を保有し、不動産賃貸業を営んでいる他、1口100万円から投資できるマリオンボンド、同10万円から投資可能なサラリーマンボンド等、i-Bond(アイボンド)以外の小口不動産投資サービスも提供しています。
2020年9月期の有価証券報告書によれば、同期の売上高は37億円強、経常利益は3億8千万円強、とされています。

マザーズ上場企業運営の「RENOSYクラウドファンディング」



引用元:RENOSYクラウドファンディング

サービス名 RENOSY クラウドファンディング
運営会社 株式会社GA technologies(ジーエーテクノロジーズ)
運営会社住所 東京都港区六本木3-2-1 住友不動産六本木グランドタワー 40F
運営会社設立 2013年3月12日
サービス開始 2018年7月26日
許認可 宅地建物取引業 国土交通大臣(1)第9135号
小規模不動産特定共同事業者 東京都知事(1)第1号
上場/非上場 東京証券取引所 マザーズ市場
運営会社資本金 72億859万9831円(2021年4月末時点)
運営会社役員構成 代表取締役社長 CEO 樋口 龍
専務取締役執行役員 清水 雅史
取締役執行役員 樋口 大
取締役執行役員 藤原 義久
社外取締役 久夛良木 健
執行役員 COO 野口 真平
執行役員 CSO 飯田 修三
執行役員 CAIO 稲本 浩久
執行役員 CMO 田吹 洋
執行役員 CTO 遠藤 晃
執行役員 CCO 川村 佳央
執行役員 CFO 福冨 友哉
執行役員 CAO 松川 誠志
執行役員 CBO 吉村 拓
運営会社事業内容
  • PropTech(不動産テック)総合サービス「RENOSY」の運営(不動産情報メディア、不動産売買仲介、不動産販売、設計施工、不動産管理)
  • SaaS型のBtoB PropTechプロダクトの開発
  • AIを活用した不動産ビッグデータの研究
  • 中国⼈投資家向けプラットフォーム「神居秒算」など海外PropTech事業の運営
1口あたりの最低投資額 1万円
優先劣後スキーム 採用


情報引用日:2021年6月22日

「RENOSYクラウドファンディング」の運営にあたっているのは、東証マザーズ上場の不動産テック事業者、株式会社GA technologies(東京都港区六本木3-2-1 住友不動産六本木グランドタワー40F)。
BtoC、BtoB、いずれの領域においても、様々なサービスを展開しており、2021年2月には、東京商工リサーチの調査で、マンション投資における販売戸数、並びに売上高で、全国1位に選ばれています。

不動産クラウドファンディング・サービスにおいては、2018年8月の第1号ファンド以来、これまでに23本のファンドを募集。いずれのファンドにおいても、100パーセント以上の投資申込を集めてきた実績があります。

地域密着型の不動産クラウドファンディング「信長ファンディング」



引用元:信長ファンディング

サービス名 信長ファンディング
運営会社 株式会社ウッドフレンズ
運営会社住所 名古屋市中区栄四丁目5番3号 KDX名古屋栄ビル2F
運営会社設立 1982年11月26日
サービス開始 2020年11月11日
許認可 宅地建物取引業-国土交通大臣免許(5)第6013号
不動産特定共同事業許可 愛知県知事第7号
上場/非上場 東京証券取引所 ジャスダック市場(2000年12月5日上場) 証券コード8886
名古屋証券取引所 市場第二部(2018年6月8日上場)
運営会社資本金 279,125,000円
運営会社役員構成 代表取締役会長 前田 和彦
代表取締役社長 林 知秀
取締役 加藤 猛雄
社外取締役(監査等委員) 川口 一幸
社外取締役(監査等委員) 片桐 正博
社外取締役(監査等委員) 三輪 勝年
代表執行役員 林 知秀
上席執行役員 伊藤 嘉浩
上席執行役員 笹原 利明
執行役員 池田 豪
執行役員 鬼頭 一輝
執行役員 山田 修
執行役員 平嶋 豊三
運営会社事業内容 不動産商品の企画・開発・販売、その他生活環境に関連する事業
1口あたりの最低投資額 1万円(1口10万円のファンドも有)
優先劣後スキーム 採用


情報引用日:2021年6月22日

ジャスダック上場、株式会社ウッドフレンズ(名古屋市中区栄四丁目5番3号 KDX名古屋栄ビル2F)が運営にしている不動産クラウドファンディング・サービス「信長ファンディング」は、2020年11月にサービス開始。
基本的には全国の不動産を投資対象とする、他の不動産クラウドファンディング・サービスとは一線を画し、「地域密着型」を提唱。投資対象不動産は東海地域に限定し、2021年2月までの間に、2ファンドの満額募集達成を果たしています。

運営会社にあたる株式会社ウッドフレンズは、1982年11月設立。2000年12月には、東京証券取引所ジャスダック市場への上場を果たしています。
分譲戸建て住宅の開発・販売事業のほかにも、指定管理者としての公園運営などにも従事。
2020年8月に公開された、第38期の年度報告書では、同期の住宅販売戸数が961戸、売上高は376億円強、営業利益6億円強、といったデータが明らかにされています。

その他、非上場企業が運営している不動産クラウドファンディング・サービスとは

国内で展開されている不動産クラウドファンディング・サービスには、上掲してきたような、「上場企業が直接経営しているサービス」のほかに、未上場・非上場企業がサービス運営にあたっているケースもあります。

非上場企業が運営している不動産クラウドファンディング・サービスのデメリット

上場企業が運営している不動産クラウドファンディング・サービスとは違い、未上場企業が運営している不動産クラウドファンディング・サービスの場合、一般的には、下記のようなデメリットがあります。

零細企業が運営にあたっているケースがある

未上場企業・非上場企業の場合、どうしても、上場企業と単純比較すると、財務基盤が未成熟な場合が少なくありません(※)。
財務基盤が脆弱な企業が不動産クラウドファンディング・サービスを展開している場合、投資家においては、下記のようなリスクがあります。

  • 運営会社の経営破綻リスク:
    不動産クラウドファンディング事業者が経営破綻してしまうと、まず、その事業者に対して預託している、未投資資金(デポジット資金)が、事業者の破産手続きの中で、大きく毀損してしまう恐れが出てきます。
    また、不動産クラウドファンディング事業者、ないしはその子会社(ファンドのビークルとして設立された、特別目的会社など)が、投資対象不動産を保有している場合、その不動産についても、破産会社の資産の一部として見做され、破産手続きの対象とされてしまう可能性も、ぬぐえません。
  • 中途解約が受け入れてもらえないリスク:
    不動産クラウドファンディング事業者の中には、ファンド出資の「中途解約」を可としているケースもあります。
    しかし、多量の投資家から、一斉に、出資の中途解約要請が寄せられた場合、サービス運営会社の財務力が不十分であれば、全ての中途解約に、速やかに応じることが、難しくなるケースが想定されます。
    「中途解約が出来ると聞いていたから、気軽に投資した」はずが、結局、「なかなか中途解約に応じてもらえない」という顛末になる恐れがぬぐえず、投資家にとっては、リスクとなります。

(※)あくまでも一般論であり、未上場・非上場企業の中にも、財務力の充実した、大企業が多数、存在します。
企業としては大規模であったとしても、上場に伴う様々な制約(情報公開義務や、買収リスクなど)を忌避し、あえて、非上場であることを継続する企業があるため、です。
国内の、代表的な非上場企業としては、下記のようなものがあります。

  • サントリーホールディングス株式会社:
    日本の「非上場型の大企業」の代表格。
    サントリーの創業家一族が株主である寿不動産が、全株式の大半を保有。
    傘下持株会社のサントリー食品インターナショナルのみ、東証一部に上場している。
  • 株式会社竹中工務店:
    建築ゼネコン大手。
    いわゆる大手5社(鹿島建設・清水建設・大成建設・大林組・竹中工務店)の中では、唯一の非上場企業。
    社長についても、創業来、創業家出身者が就くことが一般的でしたが、2013年、宮下正裕氏が、初めて、創業家外出身の社長に就任。
  • YKK株式会社:
    スライド型ファスナー製造大手。
    非上場企業だが、株主コミュニティ制度を通じて株式を購入することが可能。

不動産事業の経験が不十分ケースがある

不動産クラウドファンディング事業者のファンドに対して出資する場合、肝心なのは、その不動産クラウドファンディング事業者の、「不動産事業者としての力」です。

  • 取得する不動産の選定や、
  • そのリフォーム・リノベーションの内容
  • (賃貸する場合)賃借人の募集や、管理。賃料不払いの場合の対応
  • 物件売却時の交渉力等、

ファンドが、運用期間中に無事に分配金を生み、かつ、運用期間終了までには、しっかりと第三者へと売り抜けられるか、どうか、は、不動産クラウドファンディング事業者の腕ひとつにかかっている、と言っても過言ではありません。

不動産事業を主力している上場企業の場合、まさに、不動産事業を柱として、上場までこぎつけた企業なわけですから、不動産事業者としての力量には、ある一定の信頼を置ける、と考えることが出来ましょう。

その反面、不動産クラウドファンディング事業者が未上場企業である場合、不動産事業者としての力に、一抹の不安感を覚える投資家も、少なくないでしょう。
特に、不動産クラウドファンディングの場合、その仕組み上、

  • 資金力のない不動産事業者が、自身の資金不足を補うために、不動産クラウドファンディングを始めたり、
  • 新ファンドで集めた資金で、既存ファンドの償還金を確保する、「ポンジスキーム」に活用されてしまうリスクもゼロではない、

等といった留意点があります。

公開情報が少ない

上場企業と比べると、非上場企業の場合、財務や損益に関する情報の公開量が、圧倒的に少ない事が一般的です。
一部の非上場企業においては、決算内容の一部を、官報公告の形で公開していますが、中には、全く決算・財務状況を公開していないケースもあります。

非上場企業運営の不動産クラウドファンディングを利用する場合のポイント

上掲のように、現状非上場の不動産事業のクラウドファンディング・サービスを利用する場合、複数の留意点がありますが、それでも尚、未上場企業の募集ファンドに出資する場合、下記のようなポイントに注意を払い、出資是非を検討する必要があります。

ファンド組成・償還の実績

国内でサービス展開をしている不動産クラウドファンディング事業者の場合、これまでに募集したファンドの概要等については、ホームページ上で情報公開していることが一般的です。
ただし、既募集ファンドの情報を眺めるだけでは、そのファンドがその後、どのような経緯を辿ったのか(=分配は想定通りに実施されたのか。満期償還は順調に実施されたのか、等)が、分かりません。

不動産クラウドファンディング事業者のうち、これまでのサービス実績に自信を持っている事業者の場合、これまでに募集し、かつ、償還を迎えたファンドの各種実績について、インターネット上で公開しています。
逆に、既募集・償還済ファンドの実績について、インターネット上での情報公開が為されていない事業者の場合、新規ファンドへと出資する前に、一度、当該事業者に対し、「既募集ファンドのうち、償還済のものがあれば、その実績を開示してもらえないか。また、運用期間中のファンドがあるのであれば、その中途運用状況について、教えて頂けないか」と、頼んでみることも一案です。

投資対象不動産に関する情報公開の程度

不動産クラウドファンディングの場合、基本的には、投資対象となる不動産の情報は、インターネット上で公開されていることが一般的です。
ただし、その情報公開の「程度」については、事業者によって多少の差があるのが実情です。

  • 集合住宅の場合、階層や、部屋番号情報まで掲載されているか、否か。
  • 住所はしっかりと地番・枝番まで表示されているか。
  • 物件の売却想定価格はきちんと表記されているか。
  • 運用期間中に想定されている賃料は、部屋数等から起算した場合、妥当なの物か。
  • (マンション物件の場合)修繕の履歴や、修繕積立金滞納有無等の情報についても、記載があるか。

等の点について、まずはしっかりと、ファンド情報を読み込んでみることが先決です。
そして、ファンド情報において説明不足がある場合、不動産事業者に対して、問い合わせをしてみるのも、良案かも知れません。

運営会社の不動産会社としての実績・評判

不動産クラウドファンディングに投資する場合、出資先ファンドが無事に分配・償還を果たせるか、どうか、は、サービスを運営する不動産会社の力量にかかっています。
特に、サービス運営会社が未上場企業で、公開されている情報が(上場企業と比較すると)少ない場合、その会社のホームページ等をよく確認し、その不動産事業者の、「不動産屋さん」としての実績・実力を、よく確認することが必要です。

例えば、不動産特定共同事業者が、賃貸アパート・マンションの開発を行っている場合、その物件の入居者募集の状況や、住み心地に関するレビュー、などといった情報は、インターネットを介して容易に入手出来る場合があります。

また、不動産特定共同事業者が、賃貸管理等を事業として営んでいる場合、賃貸借仲介業者としての評判・レビューについても、各大手賃貸情報サイトなどで、閲覧できるケースがあります。

未上場企業運営の不動産クラウドファンディング1【CREAL】(クリアル)

CREAL(クリアル)は、未上場企業であるクリアル株式会社(東京都台東区東上野2-13-2)が運営している、不動産クラウドファンディング・サービスです。

未上場企業運営の不動産クラウドファンディング1【CREAL】(クリアル)

サービス名 CREAL(クリアル)
運営会社 クリアル株式会社
運営会社住所 東京都台東区東上野2-13-2
運営会社設立 2011年5月11日
サービス開始 2018年11月
許認可 不動産特定共同事業許可番号 東京都知事 第112号
第二種金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2898号
宅地建物取引業 東京都知事(1)第100911号
上場/非上場 非上場
運営会社資本金 658,000,000円
運営会社役員構成 代表取締役社長 横田 大造
取締役副社長 金子 好宏
取締役CTO 太田 智彬
取締役 山中 雄介
非常勤取締役会長 徳山 明成
社外取締役 村上 未来
社外取締役 定形 哲
社外取締役 永見 世央
常勤監査役 本多 一徳
非常勤監査役 佐藤 知紘
非常勤監査役 広野 清志
アドバイザー 小高 功嗣
アドバイザー 天野 義也
アドバイザー 上田 斉
グループ会社等 クリアルパートナーズ株式会社
1口あたりの最低投資額 1万円
ファンドへの出資の中途解約 原則として不可
累計調達額 98億円
組成ファンド数 44件
運用終了済ファンド数 29件
優先劣後スキーム 採用


情報引用日:2021年6月14日

国内不動産クラウドファンディング業界においては老舗と言える存在。

レジデンス・オフィス物件案件は勿論のこと、

  • 楽天LIFULL STAY株式会社との協業による、ホテル・リゾート関連案件や、
  • 株式会社グローバルキッズCOMPANYのグループ会社との協業による、保育所施設関係案件など、

様々な事業分野に関係するファンド組成が為されています。

2020年には、グッドデザイン賞を受賞。
その他、プログラミング言語「Ruby」を活用したITビジネスコンテスト 『Ruby biz Grand prix 2020』において、『Vertical Solution賞』を受賞したり、日本マーケティングリサーチ機構調べの、不動産特定共同事業法許認可におけるクラウドファンディングサービス運用資産残高調査で、2年連続で第1位に選ばれるなど、不動産クラウドファンディング業界内外での実績も積み重ねつつあります。

未上場企業運営の不動産クラウドファンディング2【FANTAS funding】(ファンタスファンディング)

未上場企業運営の不動産クラウドファンディング2【FANTAS funding】(ファンタスファンディング)

サービス名 FANTAS funding(ファンタスファンディング)
運営会社 FANTAS technology 株式会社
運営会社住所 東京都渋谷区恵比寿4-3-8 KDX恵比寿ビル5F
運営会社設立 2010年2月22日
サービス開始 2018年10月
許認可 不動産特定共同事業許可番号 東京都知事 第103号
宅地建物取引業免許 国土交通大臣(1)第9375号
上場/非上場 非上場
運営会社資本金 1億円
運営会社役員構成 代表取締役 國師 康平
取締役 石原 正徳
取締役 秋戸 大樹
取締役 田中 雄一郎
取締役CTO 橋本 広歩
社外取締役 西木 隆
執行役員 狩野 幸丈
執行役員 芝田 旅人
常勤監査役 森川 隆好
社外監査役 粟国 正樹
社外監査役 浦  勝則
1口あたりの最低投資額 1万円
ファンドへの出資の中途解約 原則として不可
組成ファンド数 141件
運用終了済ファンド数 115件
優先劣後スキーム 採用


情報引用日:2021年6月15日

前掲のCREAL(クリアル)とほぼ同時期にサービス開始した不動産クラウドファンディング・サービス。
各ファンドの募集額は小ぶりなものの、単純な組成・募集ファンド数では、前掲のクリアルを上回っています。
主に区分所有マンション物件を取り扱う「FANTAS check PJ」シリーズと、中古戸建てのリニューアルを行う「FANTAS repro PJ」シリーズが主なラインアップとなっています。

未上場企業運営の不動産クラウドファンディング3【ASSECLI】(アセクリ)

未上場企業運営の不動産クラウドファンディング3【ASSECLI】(アセクリ)

サービス名 ASSECLI(アセクリ)
運営会社 株式会社エボルゾーン
運営会社住所 東京都港区北青山3-2-5 NH青山ビル4階
運営会社設立 2011年6月
サービス開始 2019年10月
許認可 宅地建物取引業 : 国土交通大臣(2)第8397号
第二種金融商品取引業 : 関東財務局長(金商)第3061号
不動産特定共同事業許可番号 : 東京都知事 第115号
上場/非上場 非上場
運営会社資本金 1億円
運営会社役員構成 代表取締役会長 藤本 保雅
代表取締役社長 北野 孝
取締役 千々岩 典久
執行役員 月井 佑人
監査役 下田 久美子
運営会社事業内容 不動産テック事業
不動産投資・保有事業
収益不動産再生事業
不動産開発事業
不動産小口化事業
賃貸・管理事業
M&A事業
株式投資事業
グループ会社の総合管理
グループ会社等 株式会社エボルエステート
株式会社エボルバンク
株式会社岩本組
運営会社加盟団体 公益社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会
公益社団法人 全国宅地建物取引業保証協会
公益社団法人 首都圏不動産公正取引協議会
一般社団法人リノベーション協議会
一般社団法人 不動産テック協会
日本住宅保証検査機構(JIO)
一般社団法人 日本投資顧問業協会
一般社団法人 第二種金融商品取引業協会
1口あたりの最低投資額 1万円
ファンドへの出資の中途解約 原則として不可
優先劣後スキーム 採用


情報引用日:2021年6月16日

ASSECLI(アセクリ)は、株式会社エボルゾーンが運営する不動産クラウドファンディング・サービス。
2021年6月までの間に、累計8件のファンドが募集を終えており、いずれもファンドも、募集額100パーセント分の資金調達を完了。
区分所有マンション案件のほかに、中古アパート1棟全体を取得するプロジェクトも募集されている点に特徴があります。

運営企業のグループ会社には、不動産投資サービスなどを展開する株式会社エボルエステート、昭和8年創業の建築工事ゼネコン、株式会社 岩本組などがあります。

未上場企業運営の不動産クラウドファンディング4【ぽちぽちFUNDING】

未上場企業運営の不動産クラウドファンディング4【ぽちぽちFUNDING】

サービス名 ぽちぽちFUNDING
運営会社 アイディ株式会社
運営会社住所 東京都品川区東大井2-13-8 ケイヒン東大井ビル 10F
運営会社設立 昭和44年4月(池田工業所創業)
サービス開始 2020年8月
許認可 宅地建物取引業/東京都知事免許(8)第55697号
不動産特定共同事業/東京都知事許可 第107号
上場/非上場 非上場
運営会社資本金 100,000,000円
運営会社役員構成 代表取締役 池田昌宏
取締役 田沼武
取締役 森下真弓
取締役 佐々木信幸
運営会社事業内容
  • 不動産の売買・交換・賃貸借及びその仲介並びに所有・管理及び利用
  • 住宅リフォーム、室内装飾の設計・監理・施工及び請負
  • 木造及び鉄筋コンクリート造、鉄骨造建築の設計・監理・施工及び請負
  • 不動産特定共同事業
  • 国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業
  • 旅館業
  • 経営コンサルティング
  • 損害保険の代理業
  • 産業廃棄物の収集運搬業及び処理業
  • 労働者派遣業務
  • 再生可能エネルギーによる発電及び売電事業
グループ会社等 株式会社アイディプロパティ
運営会社加盟団体 社団法人不動産保証協会
公益社団法人全日本不動産協会
1口あたりの最低投資額 1万円
ファンドへの出資の中途解約
優先劣後スキーム 採用


情報引用日:2021年6月17日

ぽちぽちFUNDINGは、不動産事業者であるアイディ株式会社が運営にあたる、不動産クラウドファンディング・サービス。
他の一般的な不動産クラウドファンディングと異なり、出資の中途解約が認められている点に、特徴があります。

2020年夏のサービス開始以来、これまでに、

  • ぽちぽちFUNDING1号:キャピタルビュー平和島
  • ぽちぽちFUNDING2号:根岸ハイム
  • ぽちぽちFUNDING3号:根岸ハイム
  • ぽちぽちFUNDING4号:トーア駒込
  • ぽちぽちFUNDING5号:蒲田駅西口会館

上記の5ファンドをリリースしており、いずれのファンドも、募集額100パーセント以上の投資申込を集めてきた実績があります。

未上場企業運営の不動産クラウドファンディング5【WARASHIBE】

未上場企業運営の不動産クラウドファンディング5【WARASHIBE】

サービス名 WARASHIBE(わらしべ)
運営会社 株式会社SATAS
運営会社住所 東京都港区南青山2-24-15 青山タワービル9階
運営会社設立 1999年7月1日
サービス開始 2019年7月(第1号ファンドの募集開始)
許認可 宅地建物取引業者 東京都知事(5)77822号
不動産特定共同事業者 東京都知事 第60号
金融商品取引業 関東財務局長(金商)第740号
上場/非上場 非上場
運営会社資本金 1億円
運営会社役員構成 代表取締役 小林 秀豪
運営会社事業内容 不動産クラウドファンディング事業等
1口あたりの最低投資額 1万円
ファンドへの出資の中途解約 可(手数料が生じる場合がある)
優先劣後スキーム 採用


情報引用日:2021年6月18日

1本の「わら」から、物々交換を進め、最終的には長者となった、「わらしべ長者」から、サービス名がつけられている、不動産クラウドファンディング・サービス。
上掲のぽちぽちファンディングと同様、他の大多数の不動産クラウドファンディング・サービスとは異なり、ファンド運用期間中の、出資中途解約が認めれています(ただし、手数料が発生する場合がある)。
これまでに全19件のファンドが募集され、いずれも、募集額満額分の投資申込を集め、成立しています。

未上場企業運営の不動産クラウドファンディング6【ONIGIRI Funding】

未上場企業運営の不動産クラウドファンディング6【ONIGIRI Funding】

サービス名 ONIGIRI Funding(おにぎりファンディング)
運営会社 きらめき不動産株式会社
運営会社住所 神奈川県横浜市西区桜木町5-26-12-2F
運営会社設立 2008年7月
サービス開始 2020年10月(第1号ファンドの募集開始)
許認可 宅地建物取引業 国土交通大臣(2)第8447号
不動産特定共同事業 神奈川県知事 第10号
上場/非上場 非上場
運営会社資本金 1億円
運営会社役員構成 代表取締役 後藤 聡志
運営会社事業内容
  • 宅地建物取引業
  • 不動産売買業務
  • 不動産投資コンサルティング業務
  • 収益不動産管理業務
  • 不動産投資セミナー業務
  • 損害保険代理店業務
  • 不動産フランチャイズ「RE/MAX」神奈川・静岡リージョン
1口あたりの最低投資額 1万円
ファンドへの出資の中途解約 原則として不可
優先劣後スキーム 採用


情報引用日:2021年6月21日

ONIGIRI Funding(おにぎりファンディング)は、神奈川県の未上場企業、きらめき不動産株式会社が運営にあたる、不動産クラウドファンディング・サービス。
最低投資額1万円、優先劣後スキーム採用済、中途解約原則不可、など、基本スペックは、ごく標準的な不動産クラウドファンディング・サービスと言えます。

これまでに募集されたファンドは、下記の2本。いずれも、募集金額満額分の資金調達を果たしています。

  • グランツ・シュロス
    想定利回り(年利):8.0パーセント
    募集金額:10,000,000円
    運用期間:6ヵ月
  • ライオンズマンション横浜大通り公園3
    想定利回り(年利):8.0パーセント
    募集金額:4,900,000円
    運用期間:3ヵ月

運用予定期間は、いずれも3ヶ月~6ヶ月、と、国内不動産クラウドファンディング業界標準と比べると、比較的短い期間設定となっている点が特徴です。
2021年4月に、上記2ファンドの募集を終えて以降、新規ファンドの募集は為されていませんが、今後の募集情報が注目される事業者のひとつです。

未上場企業運営の不動産クラウドファンディング7【パートナーズファンディング】

未上場企業運営の不動産クラウドファンディング7【パートナーズファンディング】

サービス名 パートナーズファンディング
運営会社 株式会社パートナーズ
運営会社住所 東京都品川区東五反田2-8-8 FLEZIO五反田 2F 4F 7F
運営会社設立 2011年9月
サービス開始 2019年12月
許認可 宅地建物取引業 東京都知事(2)第93529号
不動産特定共同事業許可番号 東京都知事第126号
上場/非上場 非上場
運営会社資本金 1億円
運営会社役員構成 代表取締役社長 CEO 吉村 拓
専務執行役員 伊藤 將道
執行役員 角田 真
執行役員 廣部 正太郎
運営会社事業内容
  • 不動産に関する売買・賃貸・仲介
  • 不動産に関するコンサルティング
  • 資産運用に関するコンサルティング
  • 住宅ローンに関する相談
  • 不動産賃貸管理
  • リノベーション
  • 相続に関するコンサルティング
  • 不動産特定共同事業
  • クラウドファンディング
  • 損害保険及び生命保険
  • 不動産投資顧問業
  • セミナー・イベント等の企画及び開催
  • キャラクターグッズの企画、販売
  • Webサイトの企画、制作及び運用
  • インターネットを利用した情報提供サービス
  • 事業継承コンサルタント
1口あたりの最低投資額 1万円(1口10万円のファンドも一部有)
出資の中途解約 中途解約申込書兼出資金払戻申請書が提供されている
優先劣後スキーム 採用


情報引用日:2021年6月22日

パートナーズファンディングは、東京都品川区の不動産事業者、株式会社パートナーズによって運営されている、不動産クラウドファンディング・サービス。

国内の不動産クラウドファンディング・サービスの多くで、出資の中途解約は不可、とされている中、パートナーズファンディングにおいては、ファンド出資の中途解約を運営会社に申請する「中途解約申込書兼出資金払戻申請書」や、出資持分を投資家同士で譲渡する際の「持分譲渡申請書」といった書式が提供されています。
なお、2021年6月現在、法人名義での投資口座開設は受け付けていません。

ファンドの募集は必ず抽選方式にて行われており、抽選の結果出資が確定してから、投資資金を運営会社へと送金する形態。
2021年6月現在、サービス開始来累計15件のファンド募集が為されていますが、いずれのファンドにおいても、募集額以上の投資応募を集めて成立しており、中には、募集額の10倍以上の投資申込を集めたファンドも存在します。

そんなパートナーズファンディングにおける、募集済ファンド例としては、下記のような物があります。

  • PARTNERS Funding Vol.15
    募集金額:11,900,000円
    想定利回り(年利):8パーセント
    運用期間:92日
  • ”Be My Valentine”PARTNERS Funding Vol.12
    募集金額:5,950,000円
    想定利回り(年利):8パーセント
    運用期間:93日
  • PARTNERS Funding Vol.9
    募集金額:6,650,000円
    想定利回り(年利):9パーセント
    運用期間:92日

予定年利が一般的な不動産クラウドファンディング・サービスと比較しても高く(年率8パーセント~10パーセント程度)、予定運用期間が短い(3ヶ月前後)、という特徴があります。

未上場企業運営の不動産クラウドファンディング8【TECROWD(テクラウド)】

未上場企業運営の不動産クラウドファンディング8【TECROWD(テクラウド)】

サービス名 TECROWD(テクラウド)
運営会社 TECRA株式会社
運営会社住所 神奈川県横浜市西区みなとみらい2-3-1 クイーンズタワーA4F
運営会社設立 2001年5月(前身にあたるマルイマ内装創業)
サービス開始 2021年1月
許認可 宅地建物取引業者免許(3)26122号
不動産特定共同事業許可番号 神奈川県知事 第12号
上場/非上場 非上場
運営会社資本金 1億5,660万円
運営会社役員構成 代表取締役社長 今井 豊和
取締役副社長COO 石田 育男
取締役 戸谷 光久
取締役 遠藤 幸一郎
取締役 長谷川 京司
取締役 高橋 秀明
常勤社外監査役 横田 弘通
常勤社外監査役 宮入 正幸
社外監査役 永塚 弘毅
社外監査役 五十嵐 沙織
運営会社事業内容 建築一式工事、土木工事、設計及び監理、海外開発、不動産の売買、賃貸、仲介、管理
1口あたりの最低投資額 10万円
出資の中途解約 原則として不可
優先劣後スキーム 採用


情報引用日:2021年6月22日

TECROWD(テクラウド)は、TECRA株式会社が運営する、新興国不動産特化型の、不動産クラウドファンディング・サービス。
1口あたりの最低投資額は10万円と、他の不動産クラウドファンディング・サービス(1口1万円であるケースが多い)と比較して高額ですが、これまでに募集されたファンドは、いずれも、満額の資金調達を達成しています。
なお、過去ファンドは、いずれも、予定年利が8パーセントに設定されており、想定年利が数パーセント~5パーセント前後の募集が多い不動産クラウドファンディング業界では、比較的高利回りと言えます。

ファンドの予定運用期間は、各ファンド、「2年間」と設定されていて、数ヶ月程度の短い運用期間を提示する不動産クラウドファンディング事業者・ファンドが少なくないなか、長期運用と言えましょう。

なお、投資対象となる不動産は、いずれも新興国(モンゴル等)に所在しており、上掲の運営会社が工程・品質の管理・監督に責任を持つ不動産のみ、投資対象としてファンド化されています。

これまでのすべてのファンドで優先劣後スキームが採用されていますが、運営会社による劣後出資の割合は10パーセント前後であり、全体出資額の半額~3割程度を不動産クラウドファンディング事業者が劣後出資するサービスが多い中、劣後出資割合そのものは、比較的小幅と言えそうです。

未上場企業運営の不動産クラウドファンディング9【Victory Fund】

未上場企業運営の不動産クラウドファンディング9【Victory Fund】

サービス名 Victory Fund
運営会社 カチデベロップメント株式会社
運営会社住所 東京都中央区日本橋室町1-5-15 昇賢ビル2階
運営会社設立 平成9年7月7日
サービス開始 2021年3月(※第1号ファンドの募集開始)
許認可 [宅地建物取引業者免許] 東京都知事(4)第79547号
[不動産特定共同事業者許可] 東京都知事 第149号
上場/非上場 非上場
運営会社資本金 13,425万円
運営会社役員構成 代表取締役 足立 和夫
1口あたりの最低投資額 10万円
出資の中途解約 原則として不可
優先劣後スキーム 採用


情報引用日:2021年6月24日

Victory Fundは、東京都内を中心に、不動産の買取り、再販売を営む不動産事業者、カチデベロップメント株式会社が運営している、不動産クラウドファンディング・サービスです。
これまで(2021年6月)に募集された2ファンドは、いずれも満額の資金調達を達成済。
特に、2021年3月に募集された第1号ファンド(浅草1丁目商業ビルプロジェクト)は、初号ファンドながら、2億7千万円強の資金を集めた実績があります。

また、既募集ファンドは、いずれも、年率換算10パーセント以上の目標利回りを掲げており、国内不動産クラウドファンディング業界で一般的に提示されている期待利回りと比較すると、かなりの高利と言えます。
なお、過去ファンドについては、いずれも、優先劣後スキームを採用しています。

未上場企業運営の不動産クラウドファンディング10【ちょこっと不動産】

未上場企業運営の不動産クラウドファンディング10【ちょこっと不動産】

サービス名 ちょこっと不動産
運営会社 株式会社 良栄
運営会社住所 東京都新宿区西新宿6丁目14-1 新宿グリーンタワービル18F
運営会社設立 平成3年2月18日
サービス開始 2021年5月(初号ファンド募集開始)
許認可 宅地建物取引業:国土交通大臣(1)第 9740 号
不動産特定共同事業 東京都知事 第123号
上場/非上場 非上場
運営会社資本金 1億円
運営会社役員構成 代表取締役 森田 良人
運営会社事業内容
  • 不動産開発事業(戸建、アパート、マンション、テナントビル)
  • 不動産賃貸事業
  • 不動産ファンド事業
グループ会社等 株式会社ハウジングスクエア
(東村山市栄町2丁目21-5 森田ビル4F)
建売分譲・不動産賃貸
1口あたりの最低投資額 1万円
出資の中途解約 原則として不可
優先劣後スキーム 採用


情報引用日:2021年6月23日

「ちょこっと不動産」は、東京都新宿区に本社を置く不動産事業者「株式会社 良栄」が運営にあたっている、不動産クラウドファンディング・サービス。

2021年6月までの間に募集されたファンドは2件で、いずれも、予定分配率は年率6パーセント、運用期間は半年。
いずれも、中途解約を原則として受け付けない不動産クラウドファンディング・サービスとしては一般的な設定で、最低投資額は1万円、いずれも満額調達を果たしています。
各ファンドともに、優先劣後スキーム採用済で、劣後出資割合は30パーセント。
劣後出資割合が1割を切るファンド組成をしている不動産クラウドファンディング事業者もある中、平均的な劣後出資割合と言えましょう。

グループ会社を含めた運営会社の売上高は、令和2年8月期の場合で159億円強と、未上場企業としては比較的売上高規模が大きいのも特徴です。

未上場企業運営の不動産クラウドファンディング11【利回り不動産】

未上場企業運営の不動産クラウドファンディング11【利回り不動産】

サービス名 利回り不動産
運営会社 株式会社ワイズホールディングス
運営会社住所 東京都港区虎ノ門4丁目3番1号 城山トラストタワー33階
運営会社設立 平成26年8月
サービス開始 2021年4月(初号ファンド募集開始)
許認可 国土交通大臣(1)第9652号 不動産特定共同事業 東京都知事 第143号
上場/非上場 非上場
運営会社資本金 1億円
運営会社役員構成 代表者 和泉 隆弘/萩 公男
運営会社事業内容
  • 不動産開発事業
  • 不動産特定共同事業
  • 不動産仲介事業
  • 不動産賃貸事業
グループ会社等 株式会社ワイズデベロップメント
株式会社スリーワイズエステート
1口あたりの最低投資額 1万円
出資の中途解約 原則として不可
優先劣後スキーム 採用


情報引用日:2021年6月26日

「利回り不動産」は、株式会社ワイズホールディングスが運営にあたっている、不動産クラウドファンディング・サービスです。

2021年6月現在、募集済のファンドは4本で、全て満額の資金調達を達成済。
いずれも、最低投資額は1万円で、優先劣後スキーム採用済(運営会社の劣後出資比率は1割)。
予定運用期間は全て半年間に設定されており、比較的高い(年率換算で6.5パーセント以上程度)期待利回りが提示されている点も特徴です。

ソーシャルレンディング・ラボとは-Author Info-

不動産クラウドファンディング検証チーム
ソーシャルレンディング・ラボは、国内の融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)業界情報の検証メディア。
不動産クラウドファンディング(不動産投資型クラウドファンディング)専門の検証チームでは、日本国内で展開されている不動産クラウドファンディング(不動産特定共同事業)サービスに関する最新情報を提供するほか、不動産クラウドファンディング業界の市場調査、各社の公開済ファンドの検証などを実施する。

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【2021年7月更新】不動産クラウドファンディングとは?|不動産クラウドファンディングのメリット・デメリット・リスクから徹底解説。上場企業運営サービスも” に対して 8 件のコメントがあります

  1. 匿名 より:

    最近の不動産クラファンの場合、「ソーシャルレンディングと比べると安心・安全」のように謳ってるところもありますが、どうなんでしょうね。ポンジのリスクなんかは結局変わらないように思いますが。

    1. ソーシャルレンディング・ラボ より:

      コメントを頂き、ありがとうございます。

      不動産クラウドファンディングと、融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)の、安全性の違いを考慮する場合、下記のような点がポイントとなるものと存じます。

      ・担保物の考え方
      融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)の場合、貸付債権の保全のために、ソーシャルレンディング事業者(資金の貸し手)が、借り手保有の不動産等に対して、担保権を設定する場合がままあります。
      これに対して、不動産クラウドファンディングの場合、第三者への資金融資を目的とした資金調達ではないため、(貸付債権保全のための)担保、という考え方が、そもそも、そぐいません。
      ただし、ファンドが無事に元本償還を行えるか、否か、を判断する際に、融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)の場合は、担保物を市場で換価した場合、元本償還のために必要な資金全額を確保できるか、を考慮する必要があり、また、不動産クラウドファンディングの場合も、(ある意味、同様に、)投資対象物である不動産を、市場で換価した場合、元本償還のための資金全額を賄えるか、を考慮する必要があります。
      「担保」なのか、それとも、具体的な「投資対象」なのか、という違いはあれども、ソーシャルレンディングの場合も不動産クラウドファンディングの場合も、いずれも、一定程度、「不動産」の価値に依拠した取り組みである、という事が出来ましょう。

      ・事業者リスクの考え方
      不動産クラウドファンディングの場合、融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)と単純比較すると、上場企業が直接運営にあたっているサービスが、圧倒的に多い、という特徴があります。国内株式市場の上場企業が運営している不動産クラウドファンディングといえば、Rimpleやジョイントアルファ、TREC Fundingなど、枚挙にいとまがありませんが、融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)の場合、上場企業直接運営のものとしては、オーナーズブック(ロードスターキャピタル運営)があるのみ、というのが現状です。
      また、融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)の場合、融資先企業が匿名化されているケースもありますし、融資先企業情報が開示されていたとしても、融資金が具体的にどのように利用されているのか、については、外部投資家からは分かりづらい、という難点があります。反面、不動産クラウドファンディングの場合であれば、投資対象となる不動産の情報は一般公開されていますし、その登記の状況等については、一般投資家でも簡単に確認することが出来ます。※ただし、マンションの区分所有物件への投資等の場合、情報収集に時間がかかる場合もあります。
      情報の透明性が高く、事業リスクがある程度抑制されている効果が見込めやすい、という点については、不動産クラウドファンディングに一日の長がある、という事が出来るかもしれません。

  2. 匿名 より:

    不動産クラウドファンディング系のサイトを見て、いつも思うのが、
    結局、ソーシャルレンディングとの違いが分からない。
    たとえばオーナーズブック。あれは不動産クラウドファンディングなのか。それともソーシャルレンディングなのか。
    基準も線引きも、曖昧過ぎると思う。

    1. ソーシャルレンディング・ラボ より:

      コメントを頂き、ありがとうございます。

      不動産クラウドファンディングと、融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)の、大きな違いとしては、主に、下記のような点が挙げられます。

      • 上場企業の参与程度:
        融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)の場合、上場企業が直接運営にあたっているサービスとしては、マザーズ上場ロードスターキャピタル社が運営している、オーナーズブックがあるのみ、です。
        その反面、不動産クラウドファンディングならば、トーセイ運営の「TREC Funding」、穴吹興産の「ジョイントアルファ」、プロパティエージェントの「Rimple」など、東証一部上場が直接運営しているサービスが複数あります。
      • 投資対象物:
        融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)の場合、事実上の投資対象となるのは、ソーシャルレンディング事業者(貸金業者)の融資債権です。
        これに対し、不動産クラウドファンディングの場合、投資対象は、不動産に限定されています。
      • リスク軽減策:
        融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)の場合、貸付債権の保全のために、「担保」設定がよく利用されています。
        これに対し、不動産クラウドファンディングの場合、投資家の優先出資元本を保護すべく、運営会社による「劣後出資」が為されているケースが散見されます。

      こうした区分のもとで申し上げますと、ご指摘の「オーナーズブック」は、(不動産クラウドファンディングではなく)ソーシャルレンディングに該当することとなります。

  3. 匿名 より:

    不動産クラウドファンディング、魅力的なのは分かるがポンジスキームに使う業者が出てきそうで不安。悪徳業者排除の仕組みはないものか。

    1. ソーシャルレンディング・ラボ より:

      コメントを頂き、ありがとうございます。

      不動産クラウドファンディングでは、運営会社は、投資対象不動産が計上した賃料収入(インカムゲイン)や、売却益(キャピタルゲイン)を原資にして、投資家に対する利益分配を実施します。
      また、ファンドの運用期間中に、投資対象不動産を第三者に売却したうえで、その売却代金を原資に、投資家に対する元本償還を実施します。

      賃料収入やキャピタルゲイン、そして、売却代金が、従前想定通りに収受できれば、不動産クラウドファンディング事業者としては、滞りなく、投資家に対する利益分配、及び、元本償還を実施することが出来ます。

      しかしながら、リーシングリスクの顕在化等によって、従前予定通りの賃料収入が確保できなかったり、不動産市況の急激な冷え込み・悪化等により、売却益や売却代金が、従来予定を大幅に下回ってしまった場合、不動産クラウドファンディング事業者は、投資家向けの分配・償還の原資を、確保できないこととなります。

      特に、投資対象不動産の売却が不調となり、ファンド運用期間中に、元本償還原資を確保できない場合、投資家への償還が遅れれば、大きな問題となりかねません。
      このため、不動産クラウドファンディング事業者各社は、投資対象不動産の売却が出来ない場合、ファンドの運用期間を、自己の判断で、延長することがあります。

      そのうえでも尚、不動産の売却先が見つからない場合、可能性論として、不動産クラウドファンディング事業者が、新たにファンドを組成・募集し、その新ファンドに集まった資金を利用して、既存ファンドの不動産を購入する、というケースがあり得ます。
      旧ファンドの保有不動産を、新ファンドで購入することにより、旧ファンドの元本償還資金を確保し、償還の大幅な遅れや、大きな元本毀損を回避する、という取り組みであり、その効用については、一定程度、評価できる(=投資家へのダメージを緩和できる)ものと考えられますが、これが濫用され、繰り返されてしまうようであれば、まさにご指摘の通り、「ポンジスキーム」の状態ともなりかねません。

      不動産クラウドファンディング事業者各社においては、新ファンド組成によるリファイナンスは、決して、元本償還原資の調達手法として前提にすることなく、あくまでも、投資対象不動産のファンド運用期間中の売却完了を徹底することにより、信頼を蓄積していくことが期待されます。

  4. 匿名 より:

    参考になりました。
    私自身不動産業に従事していますが、不動産クラウドファンディングの魅力について再確認できました。

    全国の皆さんから支援を集めて、空き家再生など、社会的意義の大きい分野へと注力していく、というのは魅力的なのですが、実際に既存の不動産クラウドファンディング業者の業態を見てみると、つまるところ、売れ残ったり買取りを余儀なくされた投資用物件を処分する都合のいいスキーム、として活用されているようにも見受けます。

    業者にとって美味しい物件ならそのまま業者が転売するでしょうし、結局クラウドファンディングが「残飯処理」扱いにされているようにも思うのですが。

    1. ソーシャルレンディング・ラボ より:

      コメントを頂き、ありがとうございます。

      不動産クラウドファンディングの場合、ファンドが投資対象とする不動産は、(投資家が選定するのではなく)不動産クラウドファンディング事業者が選定します。
      投資対象不動産は、外部企業・個人等が保有している物には限られておらず、不動産クラウドファンディング事業者自身が保有している不動産が、投資対象とされているケースもあります。
      ※こうしたケースの場合、「自社案件」「自社物件」などと、ファンド概要に表記されている場合があります。

      また、投資用不動産の開発・販売を行っている不動産事業者が、不動産クラウドファンディング・サービスを展開している場合、ファンドの投資対象不動産が、その不動産事業者が開発した投資用不動産、というケースもあり得ます。

      少なくとも、不動産クラウドファンディングのスキーム上は、まさにご指摘の通り、不動産事業者が、自己都合で売り急いでいる物件が、ファンドの投資対象不動産とされる事態も、避け得ぬことと思料します。

      不動産クラウドファンディングへの投資にあたっては、

      • なぜ、その不動産が、不動産クラウドファンディングの投資対象となっているのか(=なぜ、一般のルートでは売却されていないのか)
      • その投資対象不動産は、本当に、ファンドの投資先として、(不動産クラウドファンディング事業者の自己都合だけではなく)魅力的な、適当な物件なのか

      といった点に、重々、注意を払う必要がありましょう。

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