マネオ(maneo)を通してのソーシャルレンディング投資のデメリットを考える。

寄稿者紹介

個人投資家Y.K氏。
2018年初旬からソーシャルレンディング投資を始め、約1年ほどが経過。
合計20社以上のソーシャルレンディング事業者に投資口座を開設し、累計投資額は400万円以上。
30代男性会社員・首都圏在住。

マネオのデメリット≒ソーシャルレンディングのデメリット

ソーシャルレンディング業界の最大手であるマネオのデメリットを考える場合、そのデメリットは、ソーシャルレンディング投資そのもののデメリットと言えます。
本記事では、これからマネオ投資を検討している読者様に向け、マネオ投資のデメリット、留意点をお伝えして参ります。

マネオのデメリットその1【借り手の詳細が分からない】

実例を挙げてご説明します。

マネオのデメリット01
引用元:https://www.maneo.jp/apl/fund/detail?fund_id=5396

↑こちらは、マネオのファンド「不動産担保付きローンファンド1346号」の、案件1のほうのスキーム図です。

  • マネオからお金を借りる事業者の名称は、「事業者C」と記載されており、
  • その事業者Cを経由して、最終債務者となる事業者の名称は、「不動産事業者DZ」と記載されています。

正式な会社名が記載されているのは、あくまでも、「マネオだけ」という状態であり、資金の借り手となる企業については、具体的な商号情報等が伏せられている状態です。

このことは、マネオのみならず、全てのソーシャルレンディング事業者において、共通してみられる現象です。

なぜ、そのように、借り手企業の匿名化が為されているか。
その理由は、「貸金業法による規制」に原因があります。

しかし、貸金業法の全条項を見渡しても、
「資金の借り手企業の情報は匿名化しないといけないよ」
等という規定は見当たりません。

肝心なのは、貸金業を営めるのは、都道府県等から登録を受けた事業者のみである、という規制です。

現在、わたしたち個人投資家は、マネオ等のソーシャルレンディング事業者を通して、資金の借り手企業に対し、お金を貸し、その利息を受け取っています。
※正確には、ソーシャルレンディング事業者が組成するファンドに対して、出資をし、その後、ファンドからの分配金を受け取っています。

もしも、資金の借り手企業の具体的な商号情報などが、わたしたち個人投資家に対し、明らかにされてしまえば、

  • わたしたち個人投資家と、資金の借り手企業の間に入る、ソーシャルレンディング事業者の存在は、単なる通過媒体になってしまい、
  • 実質的には、わたしたち個人投資家が、直接、資金の借り手企業に対して、お金を貸しているのと、等しくなってしまいます。
  • 極言すれば、より高い貸付金利を求め、資金の借り手企業に対し、直接融資の提案を行う個人投資家も、出てくるでしょう。

そうなってしまうと、先ほどの規制、すなわち、貸金業を営めるのは、都道府県等から登録を受けた事業者のみである、という規制は、完全に有名無実化してしまいます。
これを避けるために、現状、ソーシャルレンディング投資においては、資金の借り手企業の具体的な商号情報等については、伏せられている、すなわち、匿名化されている、というわけなのです。

借り手企業に関する具体的な情報が伏せられ、匿名化されてしまっている関係で、わたしたち個人投資家としては、下記のようなデメリットを強いられることとなります。

  1. 借り手企業の具体的な業績や業歴、事業内容等について、正確な把握が出来ない。
  2. 全ての具体的情報は、ソーシャルレンディング事業者から提供される情報(=ファンド情報)に頼らざるを得ない。
  3. ソーシャルレンディング事業者による「目利き」の力が、非常に重要なファクターとなる。

借り手企業の正確な商号情報が分かれば、その会社を直接訪問し、社風を確認したり、その会社が営んでいるサービスを実際に体験し、その将来性を確認したり、等ということが出来るわけですが、そのような自助努力を行うことは、不可能です。
借り手企業の財務的な体力の見極めや、事業の将来性に関する分析等、資金貸付にあたっての必要な観察のあれこれは、全て、ソーシャルレンディング事業者に対し一任することとなります。

これが例えば株式投資の場合、「投資する先の会社の名前が分からない」等ということは、あり得ません。
この、”借り手企業が匿名化されている”という点は、ソーシャルレンディング投資につきものの、大きなデメリットのひとつ、と言えるでしょう。

マネオのデメリットその2【ファンドの運用期間中、資金は固定されてしまう】

これも、具体例を挙げてご説明します。

マネオのデメリット02
引用元:https://www.maneo.jp/apl/fund/list?page=1

↑こちらは、とある日の、マネオのファンド一覧です。

  • 各ファンドごとに、運用の期間が定められていること。
  • 運用の期間の長短は、ファンドによって、実にさまざまであること。

が分かると思います。

ここで、わたしたち個人投資家が、しっかりと認識しておかなければならないのが、ファンドの運用・貸付期間の間、わたしたち個人投資家が出資したお金は、途中で返金してもらうことが出来ない、という点です。

御覧になって頂ければわかる通り、ファンドの運用期間の長短は千差万別であり、短いものでは、数カ月程度で償還となるケースもあります。
逆に長い物では、1年以上の期間にわたって、資金が固定される、というファンドもあります。

ソーシャルレンディング投資に限らず、投資は「余裕資金」で行うことが大原則ですが、ファンドへの出資完了後、急に手元で資金ニーズが発生して仕舞ったりすると、慌てるようなことになりかねません。

この点、たとえばFXの場合などは、ソーシャルレンディング投資とは比べ物にならないほどスピーディーに、資金を手元に戻すことができるわけですから、そうした投資手法と比べると、これもまた、マネオを始めとするソーシャルレンディング投資のデメリットである、と言わざるを得ないでしょう。

※なお、当初の予定期間よりも早く、借り手企業からファンドに対して返済が為され、これによって、資金が早期償還される、という場合もあります。
「元来は1年間の運用予定だったが、早期償還により、6か月で資金が返ってきた」等というケースです。

マネオのデメリットその3【分配金に対する税率が(場合によっては)高い】

マネオ等のソーシャルレンディング事業者を通して投資を行い、その後、分配金を受け取った場合、この分配金は、所得の種類でいうと、「雑所得」に該当します。
そして、「総合課税制度」の対象となります。

すなわち、実際の税率は、給与所得などの所得と合算したうえで、計算されることとなります。

この場合、何が問題か、というと、既に高額の給与所得を得ている方の場合、累進課税の影響で、分配金に対しても、非常に高い税率がかかってくる場合がある、ということです。

例えばFXの場合であれば、「総合課税制度」ではなく、「分離課税制度」の対象となっていますから、為替差益に対する税率は、給与所得の多寡などからは独立しています。
この点を勘案すると、総合課税制度の対象となっている、という点は、マネオを始めとするソーシャルレンディング投資特有のデメリットである、と言わざるを得ないでしょう。

マネオのデメリットまとめ

ここまで見てきた通り、他の投資手法と比べ、マネオなどに代表されるソーシャルレンディング投資の場合、主に下記のようなデメリットがあります。

  1. 借り手企業の情報が匿名化されている。
  2. ファンドの運用期間中、資金は返ってこない。
  3. 総合課税制度の影響で、税率が高い場合がある。

これらのデメリットを正しく理解したうえで、堅実な投資判断を行うことが求められます。
具体的には、

  1. 借り手企業の情報が匿名化されている。
    →このため、ソーシャルレンディング事業者の目利き力への依存度が高まる。
    →そもそもの時点で、しっかりとしたソーシャルレンディング事業者を選び抜くことが肝心。
  2. ファンドの運用期間中、資金は返ってこない。
    →あくまでも、余裕資金の、小口分散投資を徹底する。
  3. 総合課税制度の影響で、税率が高い場合がある。
    →自身の所得税率に応じて、将来的には、法人格による投資も検討する。
    ※もしくは、自身の給与所得についてある程度コントロールが出来る立場の方の場合は、自身の所得税率を下げる工夫をする、等。

上記のような、個別具体的な対策を用意し、無理のない範囲で、コツコツと、堅実な投資運営を心がけましょう。

特に、「しっかりとしたソーシャルレンディング事業者を選び抜く」という点については、別記事がありますので、是非、御覧下さい。

【ソーシャルレンディングのおすすめ会社はどこですか?】23社分散投資中の筆者が、ソーシャルレンディング投資初心者の読者様におすすめする、厳選3社がこちら。

それでは、本記事はここまで。
また次回の記事にて、お会い致しましょう。


本寄稿内容は、寄稿者の個人的な見解・体験・意見であり、その内容は、当ラボの公式見解と異なる場合があります。
また、本記事は、読者様への情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品(ファンド等含む)への投資勧誘を目的としたものではありません。
個別のソーシャルレンディング事業者における投資口座開設や、実際の投資是非に係るご判断につきましては、必ず、読者様ご自身にて、為さって頂きますよう、お願い致します。

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