「被扶養者なのですが、ソーシャルレンディング投資口座は開設できますか」

頂戴したご質問

「いつも拝読させて頂いています。
現在、専業主婦として、夫の被扶養者という立場なのですが、就業時代に貯めていた貯金などを活用し、ソーシャルレンディング投資をしてみたいと考えています。
被扶養者であっても、ソーシャルレンディング会社で投資口座は開設できますでしょうか。
また、被扶養者の立場でソーシャルレンディング投資に取り組むにあたり、注意点などがあれば、教えて頂けると幸いです。」
(30代・女性・ソーシャルレンディング投資歴:なし)

ソーシャルレンディング投資口座開設にあたって、「被扶養者ではないこと」を求められるケースは稀

国内ソーシャルレンディング事業者各社は、投資家登録にあたり、前提条件・審査基準を設けていますが、公開されている情報の限りにおいては、投資家登録にあたり、「被扶養者では無い事」が求められているケースは多くありません。

国内の主たるソーシャルレンディング事業者の、投資家登録にあたっての注意事項として公開している情報は、おおむね、下記の通りです。

事業者名 口座開設にあたっての注意事項等
SBIソーシャルレンディング 投資家登録申込にあたっては、下記の条件を満たすことが必要。

  • 国内に居住していること
  • 成人(20歳以上)であること
  • 必要事項に同意すること
  • その他、SBIソーシャルレンディングの投資適合性基準を満たしていること


情報引用元:よくあるご質問|SBIソーシャルレンディング

クラウドバンク
  • 証券会社に勤務している場合、勤務先のコンプライアンス部門に、クラウドバンクでの口座開設の可否について確認することが必要。
  • 満80歳以上の場合、投資家登録は不可。
  • 海外在住の場合、口座開設は不可。
  • 未成年者の場合、親権者または未成年後見人が管理を行うことを前提とし、口座開設可能。
  • 口座開設にあたり、勤務先への電話による在籍確認は、原則として行っていない。


情報引用元:口座開設について|クラウドバンク

クラウドクレジット 口座開設にあたっては、下記条件を満たす必要がある。

  • 申請段階で20歳以上、75歳未満であること。
  • 日本に在住していること。
  • クラウドクレジットの適合性基準を満たしていること。


情報引用元:投資口座を開設する際に、年齢、住所、国籍等による制限はありますか?|クラウドクレジット

オーナーズブック 口座開設にあたっては、下記条件を満たす必要がある。

  • 申請段階で20歳以上、75歳未満であること。
    ※ただし、75歳以上の場合、個別に対応しているとのこと。
  • オーナーズブックの審査を通過すること。


情報引用元:投資家登録のための資格はありますか?|オーナーズブック

ファンズ 以下の条件を全て充たす必要がある。

  • 20歳以上75歳未満であること。
  • 日本に居住していること。
  • 反社会的勢力等に該当しないこと。
  • ファンズの審査を通過すること。


情報引用元:口座を開設するための条件はありますか|ファンズ


情報引用日:2020年2月16日

このように、実際に国内ソーシャルレンディング事業者各社が公開している、「投資家登録にあたっての必要条件」に、「被扶養者では無い事」が盛り込まれているケースは稀です。
しかしながら、実際の投資家登録完了にあたっては、ソーシャルレンディング事業者各社による審査(※審査基準については非公開とされているケースが一般的)が為されますから、その審査において、被扶養者であることが考慮の対象となる可能性はあります。

被扶養者であることが、ソーシャルレンディング投資収益への課税面で有利に働くことも

現在の所得税法下において、ソーシャルレンディング投資から得た収益(=分配金)は、所得の分類としては「雑所得」に区分され、他の分野の所得とは損益通算が出来ません。
かつ、課税の方式としては、「申告分離課税」の対象とはならず、あくまでも、給与所得等と合算・課税される、「総合課税」の対象となります。

国内ソーシャルレンディング事業者の多くは、投資家への分配金送金の際、源泉所得税等を控除した金額を送金します。
しかしながら、上記税法の関係により、給与所得等の大きい高所得者の場合、確定申告の結果、ソーシャルレンディング投資収益について、追加納税(=ソーシャルレンディング事業者が控除した源泉所得税等に加えて、追加での納税)を行う必要が生じる場合があります。

反面、ご質問者様のように、被扶養者という立場におられる方の場合、一般的に、給与所得等が大きくない(もしくは、無い)ケースが多いものと思料されます。
こうした被扶養者が(過去の貯金などを原資にして、)ソーシャルレンディング投資を行う場合、確定申告等を通して、ソーシャルレンディング事業者が控除済の源泉所得税等について、還付を受けることが出来る場合があります。

このように、税制面においては、

  • 給与所得等の大きい就労者が、ソーシャルレンディング投資を行うよりも、
  • 給与所得等の無い(もしくは、小さい)被扶養者が、投資を行ったほうが、

有利な結果を生むこともあり得ます。

※税制・税務についての詳細は、税務署、並びに、税理士・会計士などの税務専門家へとご相談・ご確認下さい。

被扶養から外れてしまう可能性には注意を

被扶養者であり続けるためには、各種所得の多寡などにおいて、一定の制限を受けることとなります。


※参考:
2020年版/扶養控除・扶養内について簡単にわかる!年収130万の壁って何?|エン派遣


もしも、ソーシャルレンディング投資に用いる投資元本額が大きく、かつ、投資を行った各ファンドの運行・分配・償還が順調である場合、ソーシャルレンディング事業者各社から受け取る分配金額が大きくなる可能性があります。
その結果、予定に反して、被扶養の条件を逸脱してしまう、等という可能性もあるでしょうから、実際の投資判断においては、扶養者様ともよくご相談のうえ、慎重に執り行われることをおすすめ致します。


関連記事:
【2020年2月最新版】ソーシャルレンディングおすすめ8社&危ない3社比較ランキング【投資初心者必見】

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