「レバナス」の意味とは-レバナス・ファンドへの投資は「無意味」なのか

この記事のまとめ

「レバナス」という言葉の意味
  • 「ナス」の部分は、「ナスダック100指数」のことを指す(ナスダック総合指数は実質無関係)
  • 「レバ」の部分は「2倍レバレッジ」のことを指す(3倍レバレッジのETF等は対象外)
投資家がレバナスに投資する意味
  • 少なくとも直近十数年間においては、ナスダック100指数の成績は極めて優秀。同指数に対し2倍レバレッジで運用されるレバナスの期待値は(過去の値動きに基づいてシミュレーションする限りは)高い
  • レバレッジ効果でボラティリティが増幅される分、短期トレードでも益出しが狙える
  • ナスダック100指数の組み入れ銘柄すべてが投資対象となるため、個別の株式銘柄選定の手間暇を省略できる(=ナスダック100指数の構成銘柄全部、に対して時価総額加重の分散投資が可)
「レバナス投資は無意味」との批判もある
  • ナスダック100指数が急落すれば、レバナスの基準価額は(負のレバレッジ効果により)暴落する
  • レバレッジ型ファンド特有の「逓減効果」により、レバナスの基準価額は、ボックス相場においては次第に目減りする
  • 先発の「大和レバナス」も、後発の「楽天レバナス」も、通常のインデックス・ファンドと比較すると、信託報酬が高い
より現実的・確実性の高い投資手法として、クラウドファンディング系の投資を推す声もある
  • クラウドファンディング系投資の場合、そもそも期待利回り(5%前後~10%程度)が事業者側から提示されている(一方でレバナスの場合、リターンがプラスとなるか、マイナスとなるか、は、未知数)
  • 運用期間は事前に定められているため、投資家自身で、買い時・売り時の判断をする必要が無い(レバナスの場合、投資家自身でテクニカル分析をし、基準価額の安値・高値を判断する必要がある)
  • そもそも「値動き」というものがないため、日々のチャート監視も不要。投資家自身で値動きに応じた投資判断を行う必要が無い(レバナスの場合、日々の値動きが大きいため、値上がり・値下がりが気になり、一喜一憂することとなる)
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※クラウドファンディング投資についてより詳しくは、下記の別記事も参照:
ソーシャルレンディングおすすめ9社&危ない3社比較ランキング【投資初心者必見】

そもそも、「レバナス」という言葉の意味とは?

昨今、投資家の間で話題となることが多い、レバナス。
ツイッターなどのSNSや、投資インフルエンサー系のYoutuberの動画でも、レバナスについて取り上げられた投稿を目にする機会が多くあります。

何やら聞き慣れない言葉ですが、「レバナス」という単語には、果たして、どのような意味があるのでしょうか。

「ナス」の意味は、「ナスダック100指数」のこと

「レバナス」というのは、「ナスダック100指数に対して、株価指数先物取引を活用して、複数倍の値動きをするように設計された、レバレッジ型のファンド」のことを指しています。

ナスダック市場に上場している株式銘柄の値動きを示す指数としては、主に、

  • ナスダック総合指数
  • ナスダック100指数

がありますが、「レバナス」が追随対象とするのは、このうち、「ナスダック100指数」のほうであることが一般的です。

ナスダック100指数は、ナスダック総合指数の組み入れ銘柄(=ナスダック市場の上場銘柄)から、金融関連の銘柄を除外し、かつ、時価総額トップ100を集めたものです(具体的な組み入れ銘柄については後述します)。

インデックス投資家の間で人気の高い、S&P500指数と違い、「赤字企業であっても指数に含まれる」という特質もあり、技術研究やユーザー数拡大のため等に莫大な初期投資を行っている、IT系企業が、数多く含まれている、という特性があります。


参考:
レバナスは「最強の投資法」なのか-「レバナス最強説」の根拠&アンチ・レバナスの反論まとめ

「レバ」の意味は、一般的に、「2倍レバレッジ」「ブル方向」を指す

目下、国内の投資家の間で話題をされている「レバナス」ファンドは、

  • (先発にあたる)大和アセットマネジメント運用委託の、「iFreeレバレッジ NASDAQ100」ファンドか、
  • 後発にあたる、楽天投信投資顧問運用委託の、「楽天レバレッジNASDAQ-100」(愛称:レバナス)

を意味することが一般的です。
いずれのファンドも、ナスダック100指数に対して、「2倍レバレッジ」で運用されており、かつ、その先物取引の方向性としては、「ブル型」とされています。

複数あるレバレッジ倍率の中でも「2倍レバレッジ」のものが主流

「レバナス」の「レバ」の部分の意味を、単純に「レバレッジ」と解釈するのであれば、2倍レバレッジに限らず、3倍レバレッジのファンドでも「レバナス」に該当するはずですが、少なくとも昨今の風潮・一般論の限りにおいては、ナスダック100指数に対して「3倍レバレッジ」で運用されているファンドが、「レバナス」と呼ばれている様子はありません。

現に、前述の「iFreeレバレッジ NASDAQ100」ファンドは、「レバナス」ファンドとして大人気を博しており、純資産総額は約1,989億円、(設立当初は1万円だった)基準価額も、4万1千円強まで成長(純資産額も、基準価額も、2022年1月5日時点)していますが、同じ大和アセットマネジメントが運用委託する、ナスダック100指数の3倍レバレッジ・ファンド(「NASDAQ100 3倍ブル」ファンド)は、2020年10月設定とやや後発であることも影響しているのでしょうが、純資産総額はわずか115億円強(同日時点)と、些か控えめです。

「ベア型」ではなく、あくまでも「ブル型」のレバレッジ・ファンドがメイン

また、レバレッジの具体的な方向性についても、単に(レバレッジをかけるために)先物取引をする、というだけであれば、「買い建て」(=ブル)でも、「売り建て」(=ベア)でもいいはずですが、ここでも、ベア型のファンドが「レバナス」と呼ばれている様子はありません。

大和アセットマネジメントは、ナスダック100指数の値動きに対して「売り建て」する、「NASDAQ100 3倍ベア」ファンドも運用委託していますが、こちらは純資産総額3.94億円、設定来の騰落率は-72.34%、という状況です(2022年1月5日時点)。

レバナスが、投資家の資産形成において意味するものとは

  • ナスダック100指数に対して、
  • 2倍レバレッジで運用されている、
  • ブル型ファンド、

を意味する「レバナス」。

いわゆる「元祖レバナス」にあたる、大和アセットマネジメント運用委託の「iFreeレバレッジ NASDAQ100」ファンドは、2018年10月設定と、投資信託としては、少なくとも数年程度の運用実績がありますが、SNSやYoutubeなどでよく見かけることになったのは、特にここ1年~数ヶ月の間です。

レバナスが、急にここまでの人気を博すようになった背景には、どのような要因があるのでしょうか。
また、(詳しくは後述しますが)レバナス・ファンドは、元指数(ナスダック100指数)に対して1倍レバレッジで運用されている通常ファンド(通称:フツナス)と比較し、信託報酬等の経費率が、些か割高です。

そのような割高なコストを支払ってまで、レバナス・ファンドに投資している投資家は、レバナスへの投資に、どのような意味を見出しているのでしょう。

レバナス投資の意味1:「超ハイパフォーマンス指数」であるナスダック100指数に対して2倍レバレッジで投資するレバナス・ファンドの過去成績は、他のインデックス・ファンドをはるかに凌駕している

レバナスが追随するナスダック100指数の構成銘柄は、日本人にも馴染みの深い「米国巨大IT企業」がずらり

前述の通り、レバナス・ファンドは、米国ナスダック市場のインデックスのひとつ「ナスダック100指数」に対して、2倍レバレッジで運用される投資信託です。
そして、そんな「ナスダック100指数」の組み入れ銘柄の中には、日本人投資家にも馴染みの深い、アメリカの巨大IT企業銘柄が、たっぷりと含まれています。
2022年1月現在、ナスダック100指数の組み入れ銘柄のうち、特に日本における知名度の高い銘柄・企業としては、下記のような物があります。

  • Apple Inc.
  • Airbnb, Inc.
  • Comcast Corporation
  • Costco Wholesale
  • Cisco Systems, Inc.
  • eBay Inc.
  • Meta Platforms, Inc.
  • Alphabet Inc.
  • Intel Corporation
  • Moderna, Inc.
  • Microsoft Corporation
  • Netflix, Inc.
  • NVIDIA Corporation
  • PayPal Holdings, Inc.
  • QUALCOMM Incorporated
  • Starbucks Corporation
  • T-Mobile US, Inc.
  • Tesla, Inc.

iPhoneやiPadで知られるアップルや、旧フェイスブック(現:メタ・プラットフォームズ)、検索大手Google親会社のアルファベット、動画ストリーミング・サービス大手のネットフリックス、EV車の開発・販売で知られるテスラなど、錚々たる企業群が名を連ねていることが良く分かります。


参考:
レバナスは「おすすめ」なのか-レバナスを「おすすめしない」のはこんな人

直近十数年間においては、ナスダック100指数の成長は、ナスダック総合指数やダウ工業平均、S&P500指数などを上回っている

レバナス投資の意味1:「超ハイパフォーマンス指数」であるナスダック100指数に対して2倍レバレッジで投資するレバナス・ファンドの過去成績は、他のインデックス・ファンドをはるかに凌駕している
ナスダック100指数を含む複数指数の、2010年頃からの値動きの比較。S&P500指数等の人気指数と比較し、ナスダック100指数の値上がりが突出していることが分かります。

上の折れ線グラフは、2010年頃からの数年間の、

  • ナスダック100指数
  • ナスダック総合指数
  • S&P500指数
  • ダウ工業平均

の値動きをグラフ化したものです。

いずれの指数も、インデックス投資家には馴染みの深い物ですが、その中でも、ナスダック100指数の値動き・成長度合いが、他のインデックス指数を凌駕していることが分かります。

2011年にレバナス・ファンドに投資していた1万ドルは、今ならいくらに成長している?

2011年にレバナス・ファンドに投資していた1万ドルは、今ならいくらに成長している?
ナスダック100指数に対して2倍レバレッジで運用されるファンドと、その他ファンドとの値動きの違いをグラフ化したもの。2011年からの約10年間の伸びでは、その差は極めて顕著です。

このグラフは、2011年頃に、当初1万ドルの初期投資額を、

  • ナスダック100指数に対して2倍レバレッジで運用されるファンド(≒レバナスと同じような値動きをするファンド)
  • VOO(インデックス投資家に人気の、S&P500指数に対して連動した値動きを目指すETF)
  • ダウ工業平均に連動した値動きを目指すETF

それぞれへと別々に投資した場合の資産の成長具合を簡易的に表したものです。
青いラインで表された値動き(=ナスダック100指数に対して2倍レバレッジ)が、赤(VOO)及び青(ダウ工業平均連動)を大きく引き離していることが分かります。

なお、あくまでも机上のバックテスト結果に過ぎませんが、ナスダック100指数に対して2倍の値動きをする投資信託へと、2011年頃に初期投資された1万ドルは、その後、10年ほどが経過した時点で、35万ドル程度まで成長しています。


※ただし、今後、同程度の結果が得られる保証は、何もありません。

レバナス投資の意味2:レバレッジででボラティリティが増幅されているため、通常のインデックス投資と違い、短期でも大きな利益を得られる可能性が残されている

インデックス投資の最大の弱点=短期では利益を上げづらいこと

昨今、FIRE(会社からの経済的な独立を確保したうえで、早期退職を果たし、悠々自適のセカンドライフを楽しもう、というムーブメント)への関心の高まりなどと並行して、若い投資家を中心に、インデックス投資の人気が過熱しています。

そんなインデックス投資には、大小さまざまなメリットが存在しますが、同時にいくつかのデメリットも指摘されており、その最たるもののひとつが、「分散投資の結果、値動き(ボラティリティ)が小さくなっている関係上、短期トレードでは利益を出しづらい」という点です。

このため、インデックス投資家の多くが、「長期・積立・分散」投資を原則としており、短期での売買で利益を出すことは、もはや諦めている、というのが実情です。

レバナス・ファンドならば、短期トレードでも勝機をつかめる可能性がある

ナスダック100指数というインデックスに連動した投資成果の獲得を目指している以上、レバナス・ファンドへの投資も、一種のインデックス投資と言えます。

しかし、レバナス・ファンドの場合、通常の1倍レバレッジ・ファンドと異なり、株式指数先物取引によって、ボラティリティ(値動き)が増幅されている関係上、仮に、元指数(=レバナスの場合は、ナスダック100指数)の値動き自体は限定的であったとしても、レバレッジにより、比較的大きな値幅を活用したトレードが行える可能性があります。

もしも、タイミングよく(一定期間内の「底値」と呼べる基準価額で)レバナス・ファンドのを買い付け、その後、一定程度値上がりしたタイミングで、売却することが出来れば、通常のレバなしファンド(=レバレッジなしのファンド、という意味)で同内容のトレードをした場合と比較し、約2倍程度の(実際には、正の複利効果により、2倍以上の可能性もある、)値上がり益を享受できる可能性があります。


※ただし、(基準価額や株価の)底値・高値の正確な見極めは、プロの機関投資家であっても、極めて困難である、と言われています。

レバナス投資の意味3:銘柄選びの手間暇が不要になるうえ、個別銘柄ごとの非システマティック・リスクは(分散投資により)排除されている

レバナス投資も、一種のインデックス投資-個別株式銘柄投資と違い、銘柄選びは不要

前述した通り、レバナス・ファンドへの投資も、「ナスダック100指数に連動した(ただし、2倍レバレッジ)投資成果の獲得を目指す」以上、インデックス投資の一(いち)類型と言えます。

このため、レバナス・ファンドへと投資する場合も、インデックス投資全般において指摘される様々なメリットの一部を享受することが出来ます。
その最たるものとしては、「投資信託を通じて、指数に組み入れられた、ほぼすべての銘柄に対して実質的に投資できるため、投資家自身で、個別の株式銘柄の選択をする必要が無い」という点です。

例えば、ナスダック100指数の場合、前述したように、アップル社やマイクロソフト、グーグル親会社(アルファベット)、旧フェイスブックの「メタ・プラットフォームズ」など、様々な大企業が組み入れられています。
こうした銘柄を眺め、投資家自身で、

  • 今後10年間で、アップルとアルファベット(グーグル親会社)の株価は、どちらが伸びるだろうか
  • テスラ社の株式と、マイクロソフト社の株式、将来的には、どっちが有望だろうか
  • ネットフリックスの時価総額は、今後、伸長するのだろうか。それとも、ユーザー数が減少に転じて、下落するのだろうか

などといった点を予測するのは、極めて困難なことです。

しかしながら、レバナス・ファンドを通じて、「ナスダック100指数に組み入れられている、ほぼすべての株式銘柄」に対して分散投資をすれば、こうした「個別銘柄選び」に、これ以上時間や手間暇をかける必要が無くなります。

多数銘柄への分散投資により、一(いち)銘柄ごとの値動きの影響はミニマイズされている

例えば、資産の大部分を、テスラ社の株式に投資していた場合、テスラ社の株価が大きく伸長すれば、多額のキャピタル・ゲインを得られる可能性があります。
一方で、

  • テスラの自動運転技術に、何か深刻な不具合があることが判明した、等と言った報道が為された場合や、
  • テスラの開発・販売するEV車の人気が、ライバルメーカーの人気高騰によって一気に低迷するような事態となった場合、

テスラ社の株価は急落し、結果的に、その投資家も、資産残高を大きく減らすような結果となってしまうリスクがあります。

その点、投資信託(レバナス投資の場合であれば、レバナス・ファンド)を通じて、「ナスダック100指数に組み入れられている大多数の銘柄」に対して分散投資をすれば、各銘柄の組み入れ比率は時価総額加重で平均化されるため、個々の銘柄ごとの値上がり・値下がりがポートフォリオに与える影響は(単一株式銘柄への集中投資と比較すれば)軽微なものとなります。


参考:
レバナスは「やばい」のか-それでもレバナス投資をやってみるべき理由とは

一方で、レバナス投資は無意味、という主張もある

ここまで述べてきたように、昨今話題の「レバナス」への投資には、様々な意味・メリットが指摘されています。
しかしながら、その一方で、後述するような(レバナス・ファンドの)弱点等を根拠に、「レバナスへの投資は、無意味である」と主張する、いわゆる「アンチ・レバナス」派の投資家もまた、存在します。

本記事後半では、そんな「レバナス反対派」の投資家たちが、どのような立場から、レバナスへの投資を「無意味」と評しているのか、確認してみましょう。

レバナスは、暴落で基準価額がゼロ(近く)になる危険があるため、無意味

ナスダック100指数は、過去に複数回の急落を経験している

レバナス・ファンドが追随対象とする、ナスダック100指数は、過去に複数回の「大暴落」をしてきた経緯があります。
特に、2000年代初頭の「ドットコム・バブル崩壊」時には、ナスダック100指数の下落幅は、最大で8割以上にも達したほか、その後のリーマン・ショックの際にも、ナスダック100指数の値は、約半値まで下落しました。

目下、ナスダック100指数の主要銘柄のPER(株価収益率)は相当の高水準にあり、株価に対して割高感を感じる投資家も少なくありません。
加えて、米国の中央銀行に相当するFRB(連邦準備制度理事会)は、コロナ・ショック等の影響緩和等のために運用されてきた金融緩和政策の終了を既に明言しており、2022年中には、インフレ抑制などを目的に、複数回に渡る利上げを行う可能性に言及しています。

株式相場全体の地合いはあまり好ましくなく、2022年中には、株価が下落局面に入る可能性がある、と指摘する投資家も多いのが実情です。

ナスダック100指数が半値になれば、レバナスの基準価格は…?

仮に、(ドットコム・バブル崩壊時並みとは言わずとも)ナスダック100指数が数ヶ月~数年程度をかけて半値まで下落した場合、ナスダック100指数に対して2倍の値動き(ブル方向)をするレバナス・ファンドの基準価額は、理論的には、ほぼ「ゼロ円」となります。

無論、基準価額が暴落すれば、その分、同じ投資予算でも、多量の投資口をまとめて買い付けることが出来るため、レバナス・ファンドに集中的に投資している「レバナス民」と呼ばれる投資家の中には、「暴落相場は、安値で投資口を買い付けるチャンスなので、むしろ歓迎したい」等と主張するケースもあります。
ただし、ナスダック100指数の回復が遅くなり、基準価額の低迷が長期化してしまえば、そうした構想も、無意味と化してしまう恐れがあります。

レバナスは、レバレッジ型ファンド特有の「逓減効果」で基準価額が目減りするから無意味

レバレッジ型ファンドは、「ヨコヨコ」相場に弱い

インデックス指数に対して、レバレッジをかけることなく連動する通常型ファンドの場合、仮に、追随対象指数が、値上がりと値下がりを繰り返し、最終的にもとに数値へと復帰した、すると、当然のことながら、利益も損失も、生じません(※厳密には、その期間の信託報酬等コストが生じますが、ここでは省略します)。

しかしながら、レバナスのように、元指数に対してレバレッジをかけて運用されている投資信託に関しては、相場が「横這い」の動きを続けていると、少しずつ基準価額が減少していく、いわゆる「逓減リスク」に対して、配慮が必要となります。

レバナスは、レバレッジ型ファンド特有の「逓減効果」で基準価額が目減りするから無意味
仮に、元指数が始値に戻ったとしても、レバレッジ・ファンドの基準価額は、スタート時の価額まで戻りきることが出来ません。

上の図は、元指数が値上がり・値下がりを繰り返し、結果的に元の数値に戻った場合の、元指数、及び、その指数に対して2倍レバレッジで運用されるファンドの基準価額の値動きを、簡易的に表現したものです。

運用5日目の時点で、元指数の値は、当初の値に復帰していますが、同時点で、レバレッジ・ファンドの基準価額は、数パーセント程度(スタート値と比較して)値下がりしていることが分かります。

これが、レバレッジ型ファンド特有の「逓減」効果であり、ナスダック100指数に対して2倍レバレッジで運用されているレバナス・ファンドの場合も、同様の効果の影響を受けることとなります。

ボックス相場が長く続くと、レバナス・ファンドの基準価額が、逓減していく可能性がある

上記したような「ヨコヨコ」の値動きは、専門用語では「ボックス相場」と言われており、「iFreeレバレッジ NASDAQ100」ファンド」を運用指図する、大和アセットマネジメントも、「楽天レバレッジNASDAQ-100」を運用委託する楽天投信投資顧問も、この点について、運用目論見書などを通じ、投資家向けに注意喚起しています。

一方で、前述のレバナス民や、レバナス・ファンドへの投資について積極的にPRしているYoutuber、インフルエンサーの中には、「ボックス相場における逓減効果(による値下がり)は、実際には限定的な物。むしろ、一定期間にわたるボックス相場は、その後の上昇相場を前に、レバナス・ファンドの投資口をコンスタントに買い付けておく、チャンスでもある」等と主張しているケースもあります。


参考:
レバナスは「やめとけ」は本当か-やめとくには勿体ない、レバナス独自のメリットも検証

レバナスは、信託報酬等の経費率が割高なので、無意味

いわゆる「フツナス」ファンドの経費率は、0.5パーセント未満程度だが…

前述の通り、ナスダック100指数(ないしは、ナスダック総合指数)に対して、レバレッジをかけることなく連動する投資信託のことは、レバナス民からは「フツナス」(普通のナスダック、という意味)と呼ばれています。

そんな「フツナス」ファンドは、目下国内では、数本、提供されており、「iFreeレバレッジ NASDAQ100」を運用委託している大和アセットマネジメントも、同様の投資信託を運用指図しています。

そして、そんな「フツナス」ファンドの経費率(信託報酬等コスト)は、概ね、年率0.5パーセント程度、とされています。

これに対して、

  • 大和アセットマネジメントの「iFreeレバレッジ NASDAQ100」は、信託報酬等コスト(「その他費用」を除く)は年率0.99パーセント、
  • 後発の、楽天投信投資顧問の「楽天レバレッジNASDAQ-100」は、年率0.77パーセント、とされており、

両者ともに、いささか、割高な信託報酬等設定となっています。

「楽天レバナス」の場合、運用報告書はまだ作成されていない

前述の2つのレバナス・ファンドのうち、「iFreeレバレッジ NASDAQ100」ファンドについては、既に最初の設定から数年が経過しているため、複数の「運用報告書」が提供されています。
交付されているもののうち最新の運用報告書(2021年10月18日決算)によれば、信託報酬に、売買委託手数料や、その他費用(保管費用や監査費用等)を加えた、「総経費率」としては、1.162パーセントであった、とのこと。

逆に、2021年11月に設定されたばかりの、「楽天レバレッジNASDAQ-100」の場合は、まだ最初の運用期間(1年)が終了していないため、運用報告書が作成されていません。
果たして、どの程度の「隠れコスト」が生じていたのか、はっきりしたことが判明するまでは、今しばらく、待つ必要があります。

レバナス・ファンドは、つみたてNISA口座で取得できないから、無意味

インデックス投資家お馴染みの「つみたてNISA」の利用メリット

インデックス投資について情報収集をしている人ならば、「つみたてNISA」についても見聞きしたことがあるでしょう。
NISA制度の一部として運用されている「つみたてNISA」を活用した長期投資には、主に下記のようなメリットがあります。

  • 専用口座(つみたてNISA口座)で取得・保有している投資信託の値上がり益・分配金は、最長で20年間に渡り、非課税で運用できる
  • つみたてNISA口座で取得できる投資信託は、金融庁の定めた基準をクリアした認定銘柄に限定されている。このため、インデックス投資や、投資信託投資が初めて、という投資家の場合でも、ファンド選びに迷う必要が無い

中でも、1点目の節税メリットは極めて魅力的です。
通常、株式投資等(投資信託への投資も含めて)にて、値上がり益(キャピタル・ゲイン)や分配金収入(インカム・ゲイン)が生じた場合、いずれも、所得税、並びに住民税の課税対象となります。
株式投資等の利益は、「申告分離課税」の対象となるため、税率は、所得税と住民税を合わせて、20%程度です。

仮に、100万円分のインデックス・ファンドを取得し、その20年後に、ファンドの基準価額が倍増し、投資口の評価が200万円となった場合、ファンドを売却すれば、(200万円-100万円)×20%=20万円の税金がかかります。
しかし、もしも上記ファンドを、つみたてNISA口座で取得・保有していれば、20万円分の課税は免除されることとなります。

レバナス・ファンドが、つみたてNISA口座で買い付け出来ない理由とは

金融庁は、つみたてNISAの認定銘柄の基準として、「リスク・ヘッジ目的以外では、デリバティブ取引を利用していないこと」を挙げています。
しかしながら、ナスダック100指数に対して2倍の値動きをすることを目標に運用されているレバナス・ファンドは、レバレッジ効果を得るために、株価指数先物取引という、デリバティブ取引を行っています。
このため、レバナス・ファンドは、金融庁から、つみたてNISA向けの投資信託銘柄として認定を受けることが出来ず、結果的に、投資家においては、自身のつみたてNISA口座で、レバナス・ファンドを取得することが出来ません。

なお、現行の一般NISA(年間の非課税投資枠120万円の場合、レバナス・ファンドを買い付けることが出来ますが、2024年からの新NISA制度では、レバレッジ型商品そのものが規制対象となる可能性があるため、レバナス民の間では、
「レバナス・ファンドを、NISA口座で買い付けることが出来るのは、2022年と2023年の、2年だけ」
「その後は、通常の特定口座(課税口座)で、買い付ける必要がある」
という認識が一般的とされています。

ソーシャルレンディング・ラボとは-Author Info-

レバナス投資検証チーム
ソーシャルレンディング・ラボは、国内の融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)や、不動産クラウドファンディング、ロボアドバイザー、インデックス投資業界等の最新情報を提供する、投資・金融情報総合メディア。
その他、昨今、主に若年投資家の間で大きな関心を集めつつあるFIRE(Financial Independence, Retire Early)に関する最新情報を専門的に扱う、FIRE(早期リタイア)専門の検証チームや、不労所得に関する検証グループ、その他、不動産投資全般について検証を行うチーム等があります。

レバナス投資検証チームでは、昨今、投資家の間で大きな関心を集めている、ナスダック100指数へとレバレッジをかけて投資する、いわゆる「レバナス」に関して、その長所・短所を検証し、深く掘り下げた分析・情報を提供しています。

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