レバナスは「やばい」のか-それでもレバナス投資をやってみるべき理由とは

レバナスが「やばい」と言われる4つの理由

昨今、ツイッター(Twitter)などのSNS界隈を中心に、特に若年投資家層に大変な人気を博している、「レバナス」は、

  • 大和アセットマネジメントが運用委託する、「iFreeレバレッジ NASDAQ100」ファンド、ないしは、
  • 楽天投信投資顧問が、2021年11月に設定した、「楽天レバレッジNASDAQ-100」ファンド(愛称:レバナス)を活用することで、

米国・ナスダック市場の上場銘柄のうち、時価総額が大きい、非金融系セクター企業をラインアップした、「ナスダック100指数」に対し、2倍レバレッジで投資することが出来る、というスキーム。
※「レバ」レッジをかけて、「ナス」ダック(100指数)に対して投資する、という意味で、「レバナス」、と呼ばれています。

楽天証券がまとめた、2021/12/01~2021/12/31の投資信託買付金額ランキングでは、「楽天レバレッジNASDAQ-100」が第5位、「iFreeレバレッジ NASDAQ100」が第6位に入る人気ぶりを見せており、日々、関心が高まりつつあります。

ただし、人気なものには対しては、常に一定の「アンチ」が出てくるのが、世の常。
そんな「アンチ・レバナス」な人たちが唱える、レバナス・ファンドに対するアンチテーゼには、主に下記4つのような論点が挙げられます。

①レバナスは、「ボックス相場の逓減リスク」がやばい

通常のインデックス・ファンド(レバレッジなし)の場合、仮に、投資対象指数が「ヨコヨコ」の値動きをしたとしても、指数が元の水準へと戻れば、利益も損失も発生しません。

これに対して、レバナスのようなレバレッジ型ファンドの場合、レバレッジ型特有の「逓減リスク」に対する注意が必要となります。

レバナスは、「ボックス相場の逓減リスク」がやばい
仮に相場が「ヨコヨコ」へと推移した場合、レバレッジ型ファンドは、逓減効果によって、値を下げる可能性があります。

上の図は、元指数が、初日から5日目にかけて、

  1. プラス10パーセント
  2. マイナス9パーセント
  3. マイナス10パーセント
  4. プラス11パーセント

と推移した場合の、元指数と、それに対して2倍の値動きをするレバレッジ型ファンドの基準価額の推移を表したものです。
5日目の時点で、元指数は最初の数値に復帰していますが、これに対して、レバレッジ型ファンドの基準価額は、完全には戻り切れていません。

これが、レバレッジ型ファンド特有の「逓減効果」と言われる物であり、レバナスの場合も同じ弱点を持っています。

レバレッジがかかっている分、下落相場に対して弱い、というのは、誰でも最初から理解できることですが、仮に、値動きがほぼ皆無(少なくとも最終的には、元指数が始値に復帰する)なシチュエーションにおいても、レバレッジ型ファンドに限っては、基準価額を減らしてしまう恐れがある、という点は、ファンドの目論見書などをきちんと確認しない限り、気づけない恐れがあるため、要注意です。


参考:
レバナスは「やめとけ」は本当か-やめとくには勿体ない、レバナス独自のメリットも検証

②レバナスの「暴落リスク」がやばい

レバナスは、ナスダック100指数に対して、2倍の値動きをすることを目標に運用されている投資信託です。
このため、仮に、ナスダック100指数が急落した場合は、少なくともその2倍以上(負の複利効果により、実際には2倍を大きく上回る恐れがある)の下落幅を記録することとなります。

レバナスの「暴落リスク」がやばい
レバナスの運用中、仮に、ナスダック100指数が半値程度に急落するような事態があると、レバナスの基準価額は、暴落する恐れがあります。

上のグラフは、

  • ナスダック100指数が、運用開始1年目から、毎年5パーセントずつ成長し、
  • その後、15年目に、指数が半値程度まで暴落、
  • その後はまた15年間、着実に毎年5パーセントずつ成長した、

と仮定した場合の、ナスダック100指数、及びそれに対して2倍の値動きをするレバナス・ファンドの値動きを、簡易的に表したものです

暴落直前までの間に、ナスダック100指数が約2倍程度に成長する間、レバナス・ファンドの基準価額は、当初の3.7倍程度まで急成長します。
しかしながら、その後の暴落により、基準価額の9割程度が失われ、その後、15年間程度の運用を経ても尚、スタート時点の基準価額まで回復することが出来ていない、という試算結果となります。

レバレッジ型ファンドならではのメリットとして、元指数が順調に成長している間は、誰もが羨むほどの値上がりを(含み益として)享受できるのですが、その分、元指数が下落した時の下げ幅が大きく(基本的に、元指数が時間をかけて半値になれば、2倍レバレッジ・ファンドの基準価額は、ほぼゼロに近しいほどにまで下落します)、元本があまりにも減ってしまうだけに、その後、ハイ・レバレッジで回復期間に入ったとしても、十分に回復することが出来ない、という弱点が、レバナスを含むレバレッジ型ファンドには、あります。

③レバナスの「経費率」がやばい

「大和レバナス」すなわち、「iFreeレバレッジ NASDAQ100」ファンドの運用委託を行っている大和アセットマネジメントは、これ以外にも、同じナスダック100指数に対して連動する、「レバレッジなし」ファンド、いわゆる「フツナス」ファンドも運用委託しています(「ふつう」の「ナスダック100ファンド」というわけで、「フツナス」と呼ばれています)。
これに該当する、「iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」ファンドの信託報酬等経費率は、2021年8月30日決算分の交付運用報告書においては、下記の通りとされています。

項目 比率
信託報酬 0.494%
※内訳としては、投信会社と販売会社が0.236%ずつ、受託会社が0.022%。
売買委託手数料 0.012%
※内訳としては、株式が0.007%、投資信託受益証券が0.005%。
有価証券取引税 0.001%(投資信託受益証券のみ)
その他費用 0.025%
※内訳としては、保管費用が0.020%、監査費用が0.006%。
合計(総経費率) 0.532%


引用元:大和アセットマネジメント

これに対して、レバナス、すなわち「iFreeレバレッジ NASDAQ100」ファンドの場合、2021年10月18日決算分として交付運用報告書にて公開されている経費率としては、下記の通りです。

項目 比率
信託報酬 0.987%
※内訳としては、投信会社と販売会社が0.477%ずつ、受託会社が0.033%。
売買委託手数料 0.019%(先物・オプションのみ)
有価証券取引税 なし
その他費用 0.156%
※内訳としては、監査費用が0.003%、外国証拠金利息等の費用が0.152%。
合計(総経費率) 1.162%


引用元:大和アセットマネジメント

このように、同じ大和アセットマネジメントが運用委託している、ナスダック100指数連動型ファンドでも、レバレッジをかけて運用されている、レバナス・ファンドは、いわゆる「フツナス」ファンドと比較し、総経費率が2倍以上、となっており、レバナスに対してネガティブな見解を述べる「アンチ・レバナス」投資家は、この点を問題視するケースも多くあります。

④レバナスは「つみたてNISA不可」だからやばい

レバレッジをかけるために、デリバティブ取引の一種である先物取引を行っているレバナス・ファンドは、「ヘッジ(=リスク軽減)目的以外に、デリバティブ取引を行ってはならない」という、金融庁の定めるつみたてNISA認定銘柄基準を満たしていない関係上、つみたてNISA対象銘柄として認可されておらず、このため、投資家においては、つみたてNISA口座で、レバナス・ファンドへと積立投資を行うことが、現状、出来ません。

現状、一般NISA(非課税投資枠120万円)であれば、レバナス・ファンドを買い付けることが出来ますが、2024年スタート予定の、いわゆる「新NISA」では、投資家保護の観点から、レバレッジ型ファンドを対象外とする構想が明らかにされている関係上、

  • レバナス・ファンドを非課税口座で買い付けが出来るのは、2022年、及び2023年の2ターンのみ、
  • そして、値上がり益非課税でレバナス・ファンドの運用が出来るのは、長くとも、その後それぞれ5年間のみ、

と見られています(=レバナス・ファンドは、一旦非課税口座で買い付けたとしても、その後、新NISA口座へは移行が出来ず、現行のNISA制度が終了次第、NISA口座から、課税口座への移管が必要となる見込みが濃厚)。

「インデックス投資=長期投資」そして「長期投資=つみたてNISA」という考え方が一般化している、旧来型のインデックス投資家の中には、この点を指摘し、レバナス・ファンドを否定するケースも多く見られます。


参考:
レバナスは「おすすめ」なのか-レバナスを「おすすめしない」のはこんな人

「やばい」ばかりではない、レバナスに投資すべき理由とは

レバナスなら、実績優秀なナスダック100指数に対し、2倍レバレッジで投資できる

レバナス・ファンドは、ナスダック100指数の構成銘柄を実質的な投資対象としていますが、その企業群の中には、日本人からも馴染みの深い、北米に拠点を置く、巨大IT企業が数多く含まれています。
主な企業例としては、下記のようなものがあります。

組み入れ企業名 Industry(産業分類) Market Cap(時価総額)
Apple Inc. Computer Manufacturing 3,078,591,463,800
Microsoft Corporation Computer Software: Prepackaged Software 2,525,083,982,926
Amazon.com, Inc. Catalog/Specialty Distribution 1,691,002,595,271
Tesla, Inc. Auto Manufacturing 1,061,287,010,297
Adobe Inc. Computer Software: Prepackaged Software 269,807,148,000
Netflix, Inc. Movies/Entertainment 266,852,119,753
PayPal Holdings, Inc. Business Services 221,568,331,836


引用元:nasdaq.com(2022/1/3引用)

アップルやアマゾン、テスラ、ネットフリックスなど、アメリカから遠く離れた日本に住む投資家でも(極論すれば、投資にタッチしたことが無いような人でも)知っている、超巨大企業が、数多く名を連ねていることが分かります。

これらの企業の株価は、昨今のコロナ禍の中でも、むしろ、緊急事態宣言やロックダウンによる「巣ごもり需要」を追い風にするようにして急伸しており、直近10年程度の成長率は、日本のインデックス投資家から抜群の知名度を誇るS&P500指数よりも、ナスダック100指数のほうがはるかに高率です。

レバナスなら、実績優秀なナスダック100指数に対し、2倍レバレッジで投資できる
2009年頃から値動きでは、ナスダック100指数のほうが、S&P500指数を上回っています。

上のグラフは、2009年頃からの、

  • ナスダック100指数と、
  • S&P500指数の値動きを、

簡単に表現したものです。
日本のインデックス投資家の間では(どちらと言えば)S&P500指数のほうが知名度・人気が高いのですが、その成長度合いは、ナスダック100指数のほうがはるかに大きい、ということが分かります。

また、レバナスは、そんなナスダック100指数に対して「2倍の値動き」をすることを目指す投資信託です。

レバナスは、そんなナスダック100指数に対して「2倍の値動き」をすることを目指す投資信託です。
2009年頃を起点とした、「ナスダック100指数に対して2倍の値動きをするETF」「ナスダック100指数と同じ値動きをするETF」「S&P500指数と同じ値動きをするETF」の比較グラフ。少なくとも直近10年程度においては、ナスダック100指数に2倍レバレッジで運用するETFの成績が、ずば抜けていることが分かります。

上の折れ線グラフは、2009年頃から、

  • ナスダック100指数に対して2倍の値動きをする、レバレッジ型ETF
  • ナスダック100指数と同じ値動きをする、「ノンレバ」タイプのETF
  • S&P500指数と同じ値動き(レバレッジなし)をするETF

の3種を比べたものです。

当然、「どの時期を切り取るか」は重要なポイントですが、少なくとも、直近10年程度の値動きだけを見れば、ナスダック100指数に対して2倍の値動きをするレバレッジ型ファンドが、最も優秀(かつ、頭抜けている)であったことが良く分かります。

レバナスなら、短期トレードでも利益を狙える

個別の株式銘柄への投資と異なり、インデックス・ファンドを通じた多数銘柄への分散投資により、各々の銘柄ごとの値動きが互いに相殺され、結果的にボラティリティが小さくなる分、「短期投資で利益を出すことが難しい」というのは、長らく、インデックス投資の大きな弱点、とされてきました。

その点、レバナスの場合、レバレッジによって値動きが少なくとも2倍程度に増幅されていますから、たとえ、実際のトレード期間が短くとも、売買のタイミングさえ良ければ、(レバレッジなし、の通常ファンドを売買する場合と比較すれば)ある程度大きな利益を期待できる可能性が高まります。

また、同じ「レバレッジ付き」と言えども、FXやCFDの証拠金取引とは異なり、投資家としては、あくまでも、「指数に対して〇倍の値動きをすることを目標に運用されている投資信託」を、現金(キャッシュ)で買い付けているだけ、という立場ですから、仮に、(レバナス・ファンドの基準価額下落によって)含み損が生じたとしても、ファンドの運用委託会社等から追証(追加証拠金・追加保証金)の入金を求められることは有りません。

レバナスなら、100円程度からの少額投資も可

楽天投信投資顧問が運用委託する「楽天レバナス」も、大和アセットマネジメントの「iFreeレバレッジ NASDAQ100」ファンドも、いずれも、国内のネット系証券会社に口座を開設していれば自由に買い付けが出来る、ごく平易な投資信託です。

他の(レバレッジなしの)インデックス・ファンドと同様、自動積立投資の設定も出来ますし、

  • 口数単位ではなく、
  • 金額指定のでの買い付け、すなわち、

数百円程度の少額からの買い付けにも、勿論、対応しています。
購入にあたり、売買手数料は生じませんし(=ノーロード。ただし、有人型の証券会社の場合は、買付手数料が生じる可能性があります)、最終的にファンドを解約(=売却・換金)する際も、信託財産留保額の設定はありません。

レバナスと同じように、ナスダック100指数に対して2倍の値動きをするレバレッジ型商品としては、QLD(ProShares Ultra QQQ)などのETF(上場投資信託)がありますが、

  • 楽天証券やSBI証券、マネックス証券などといった、日本人投資家に馴染みの深い証券会社・口座では、買付が出来ない
  • (確定申告不要・源泉徴収ありの)特定口座での買い付けが出来ない(=投資家自身で確定申告・納税を要する)
  • (ETFの特質として)金額指定での買い付けができず、あくまでも、株数単位での購入が必要

等と言った難点があります。

このため、特に投資初心者の方が、「ナスダック100指数に対してレバレッジを効かせた資産運用を行いたい」と考える場合、レバナスの活用は(他の手法と比較し)、ある程度、納得感・値ごろ感のある手法である、とも評価できます。

ソーシャルレンディング・ラボとは-Author Info-

レバナス投資検証チーム
ソーシャルレンディング・ラボは、国内の融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)や、不動産クラウドファンディング、ロボアドバイザー、インデックス投資業界等の最新情報を提供する、投資・金融情報総合メディア。
その他、昨今、主に若年投資家の間で大きな関心を集めつつあるFIRE(Financial Independence, Retire Early)に関する最新情報を専門的に扱う、FIRE(早期リタイア)専門の検証チームや、不労所得に関する検証グループ、その他、不動産投資全般について検証を行うチーム等があります。

レバナス投資検証チームでは、昨今、投資家の間で大きな関心を集めている、ナスダック100指数へとレバレッジをかけて投資する、いわゆる「レバナス」に関して、その長所・短所を検証し、深く掘り下げた分析・情報を提供しています。

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