「月10万」から始めるインデックス投資の魅力とは|iDeCo&つみたてNISAフル活用で、まずは月10万円の予算消化を目指す

インデックス投資とは

個別の株式銘柄に対して投資をするのではなく、投資信託やETF(上場投資信託)を活用し、市場の平均インデックス(指数)に連動した投資成果の獲得を目指すのが、昨今話題の「インデックス投資」と呼ばれる投資スタイルです。

インデックス投資の流れ

投資家が初めてインデックス投資に取り組む場合、基本的には、下記のようなステップを辿ることとなります。

  1. どのインデックス(指数)に、どの程度の資産割合を投じるのか、アセット・アロケーションを決定する(※1)。
  2. 資産クラス別に、インデックスに連動する投資信託・ETFを取得する。
  3. 毎月積立で、投資信託(ETF)を買い足す(追加投資)。
  4. 基本的には、バイ&ホールド戦略のもと、数十年単位で資産を継続保有する。運用期間中に、資産クラス別の値上がり・値下がりで、ポートフォリオのバランスが崩れてきたら、適宜、リバランスを実施する(※2)。

(※1)例えば、「株式50:債券50」等といったアセット・アロケーションが考えられます。基本的に、ポートフォリオ全体に占める株式の比率が高まれば高まるほど、期待リターンとボラティリティ(リスク)の双方が高まります。逆に、債券系の資産クラスの比率を高めると、リスク・リターンは低減しいます。もっとも、インデックス投資家の中には、リスク資産ポートフォリオには債券を組み入れず、「リスク資産は株式系のみ。あとは、無リスク資産として、現預金及び変動型国債を保有している」という投資家も少なくありません。

(※2)そもそも、毎月の積立投資の時点で、「ポートフォリオ全体に占める割合が不適切に低下している資産クラス」を買い足すことで、実質的なリバランスを図ることが可能です(この場合、資産売却を伴いませんから、課税関係が生じない、というメリットもあります)。なお、インデックス投資家の中には、「リバランスは不要。ひたすら、株式系のETF・投資信託を積立投資で取得していく」という戦略を採る人も存在します。この場合、資産クラスごとのリバランスは確かに不要となりますが、資産全体に占める株式系資産クラスが過大になると、暴落時に資産全体が大きなダメージを受けることとなるため、注意が必要です。

インデックス投資のいいところ

  • インデックス投資に用いられるインデックスファンドは、アクティブファンドと比較して、信託報酬等のコストが安い。さらに、非上場型の投資信託ではなく、上場投資信託(ETF。特に海外ETF)を活用すれば、信託報酬等コストは更に下げることが出来る。
  • 販売会社、及び運用会社間の競争激化により、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額ゼロパーセント、など、投資家に対して好条件を提示するインデックスファンドが増えてきている。現に、ネット証券会社の取り扱う投資信託の中には、ノーロード型の投資信託だけで、数千を超える銘柄がラインアップされている。
  • インデックス投資で前提とされる長期投資(基本的に20年以上)の場合、短期投資と比較し、投資家の勝率が高い、とされている。
  • インデックスファンドの買い付けにより、実質的に「市場平均」に投資するスタイルであるため、個別の株式銘柄選びの手間暇・労力から解放される。
  • 多数銘柄に分散投資する関係で、個別の株式銘柄投資と比較して、ボラティリティ(リスク)が小さい。
    =適度な分散投資によって、個別銘柄ごとの非システマティック・リスクが除外されているため。
  • 互いに相関係数の小さい、複数の資産クラスへと分散投資することにより、更にボラティリティを低減させることが出来る(※ただし、経済のグローバル化に伴い、各資産クラスごとの間の相関係数は、上昇傾向にある、とも言われています)。
  • インデックスファンドの中には、無分配型の投資信託もあるため、分配金が課税されることなく再投資され、複利効果が最大化されやすい。
  • ブログでインデックス投資の様子を発信している投資家も多く、情報収集に困らない。

インデックス投資の注意点

  • 多数銘柄への分散投資によってリスク低減が図られている、といえども、相場下落には、インデックスファンドも大幅に値を下げることがある。現に、「100年に一度」と言われたリーマン・ショックの際には、少なくとも短期的には50パーセント以上の下落を記録したインデックスファンドもある。
  • 長期のリセッションで市場の回復が遅れれば、10年以上の長期にわたり「元本割れ」の状態が継続するリスクがある。
  • インデックスファンドに投資する場合(アクティブファンドの場合も同様)、ファンドの運用会社に対して、信託報酬等のコストを支払う必要がある。なお、投資家が個別株式銘柄で分散ポートフォリオを自己運用している場合は、この限りではない。
  • 個別株投資のような、投資としての「面白さ」が無い。株主優待を直接受け取ることも出来ない。
  • 個別株式投資と違い、銘柄選びに関するノウハウが、投資家に蓄積されない。
  • 株式系のインデックスファンドは、実体経済と連動しやすい。バブル崩壊、及びそれに伴う不況が生じると、インデックスファンドは値を下げ、かつ、実体経済においては失職する、等の「ダブルパンチ」となる可能性がある。
  • あくまでも「市場平均」への投資である以上、短期で大きな利益を期待するトレードには不向き。

参考:
インデックス投資は本当に「おすすめ」なのか|おすすめしない理由も徹底検証

月10万円から始めるインデックス投資の方法

投資初心者がインデックス投資に取り組む場合、まずは「月10万円」程度の投資予算を検討するユーザーが多いようです。
毎月10万円を定期的に積立投資する場合、果たしてどのようなインデックス投資スタイルが現実的なのか、検討してみましょう。

まずは、月10万円のうち、最初の数万円を、iDeCo(イデコ)口座で運用

月10万円からインデックス投資を始める場合、まずはidecoを活用することが一般的
「毎月10万円からインデックス投資を始めたい」という場合、まず検討対象となるのは、個人型確定拠出年金制度、通称「iDeCo」(イデコ)をフル活用することです。
画像引用元:iDeCo公式サイト

インデックス投資初心者においてまず目指すべきなのは、iDeCo口座(個人型確定拠出年金)の限度額(拠出額上限)を目いっぱい利用することです。

iDeCo(イデコ)には、

  • 拠出した掛金が、全額、所得控除となるため、所得税及び住民税の節税効果がある。
  • 運用期間中の分配金は課税されず、そのまま非課税で再投資できる(課税口座で投資する場合、無分配型の投資信託を利用しない限りは分配が為され、分配金には課税されてしまう関係上、再投資の効率が落ち、複利効果が低減する)。
  • 60歳以降に受け取りを開始する時には、受け取り方(一時金、もしくは、年金として受け取る)に応じて、退職所得控除、ないしは、公的年金等控除が活用できる。

などといったメリットがあるほか、投資対象銘柄(※証券会社によって異なります)には、インデックス投資に活用できる、低コスト(信託報酬の安い)なパッシブ型ファンドが複数ラインアップされています。

なお、iDeCoの利用限度額は、下記の通り、投資家の個々の就業状態等によって様々です。

加入資格 掛金(月額)
自営業者 6.8万円
会社に企業年金がない会社員 2.3万円
企業型DCの加入者 2.0万円
DBと企業型DCに加入している会社員 1.2万円
DBのみに加入している会社員 1.2万円
公務員等 1.2万円
専業主婦・主夫 2.3万円


情報引用元:iDeCo公式サイト

まずは、自身の加入資格を確認し、月額いくらまでなら拠出が許容されるかを、把握することが必要です。

現在、iDeCo口座で取得できるインデックスファンド例としては、下記のような物があります。

資産クラス 商品名 経費率
国内株式 One DC 国内株式インデックスファンド 0.154%
国内株式 DCニッセイ日経225インデックスファンドA 0.1859%以内
国内株式 iFree JPX日経400インデックス 0.2145%
国内債券 三菱UFJ 国内債券インデックスファンド(確定拠出年金) 0.132%
国内REIT DCニッセイJ-REITインデックスファンドA 0.275%以内
海外株式 eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 0.1023%以内
海外株式 eMAXIS Slim 新興国株式インデックス 0.1870%以内
海外株式 たわらノーロード NYダウ 0.2475%
海外株式 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 0.0968%以内
海外株式 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 0.1144%以内
海外債券 eMAXIS Slim 先進国債券インデックス 0.154%以内
海外債券 iFree 新興国債券インデックス 0.242%
海外REIT 三井住友・DC外国リートインデックスファンド 0.297%以内


情報引用元:マネックス証券|iDeCo商品一覧

続いて、「月10万円」の予算消化を目指し、つみたてNISAの限度額いっぱいを積立投資

「月10万」という積立予算があるならば、基本的に、iDeCoだけでは予算が余ることとなります。
この「余った部分」については、NISA(少額投資非課税制度)のうち、特に「つみたてNISA」を活用して、積立投資することが主流とされています。

つみたてNISAの場合、

  • つみたてNISA口座で取得した銘柄の値上がり、及び運用益は、最大で20年間、非課税となる(例えば2022年に取得した銘柄が、2042年までに100パーセント成長(評価2倍)したとしても、2042年時点での価格を、「買い付け価格」と出来る)。
  • 投資可能銘柄が、そもそも、金融庁の認定銘柄に限定されているため、投資信託選びが初めて、という投資家の場合でも、ファンド選びに迷う必要が無い(国内では数千本の投資信託が販売されているが、つみたてNISAの認定銘柄は200本程度)。

などというメリットがあります。

基本的には、長期的な値上がりを期待できる資産クラスを中心に、つみたてNISA口座で取得しておくことが得策となります。

なお、つみたてNISAの指定インデックスファンドには、下記のような銘柄が名を連ねています。

追随インデックス ファンド名 運用会社
TOPIX 三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド 三井住友DSアセットマネジメント㈱
日経平均株価 朝日ライフ 日経平均ファンド 朝日ライフ アセットマネジメント㈱
JPX日経インデックス400 SMT JPX日経インデックス400・オープン 三井住友トラスト・アセットマネジメント㈱
MSCI ACWI Index eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) 三菱UFJ国際投信㈱
MSCIコクサイ 東京海上セレクション・外国株式インデックス 東京海上アセットマネジメント㈱
FTSE Developed All Cap Index SBI・先進国株式インデックス・ファンド SBIアセットマネジメント㈱
S&P500 NZAM・ベータ S&P500 農林中金全共連アセットマネジメント㈱
CRSP U.S. Total Market Index SBI・V・全米株式インデックス・ファンド SBIアセットマネジメント㈱
MSCI Emerging Markets Index 三井住友・DC新興国株式インデックスファンド 三井住友DSアセットマネジメント㈱


引用元:つみたてNISA対象商品届出一覧|金融庁

まだ、月数万円、積立予算が余るようなら、課税口座でインデックスファンドを購入

iDeCoの拠出可能額が小さい投資家等の場合は、つみたてNISAを併用しても尚、積立投資予算が余る、ということもありましょう。
この場合は、残りの数万円分、自分の好きなインデックスファンドを、課税口座で取得する、という方策をとることが一般的です。

課税口座でインデックス投資を行う場合、分配金への課税には注意を

課税口座でインデックスファンドを取得する場合、「分配金あり」の投資信託を選択してしまうと、分配金が課税され、結果として、再投資の効率が低下してしまうこととなります。
※「分配金あり」の投資信託でも、証券会社によっては、「分配金の自動再投資」を選択できることがあります。ただし、この場合でも、分配金への課税自体は避けられず、あくまでも、「課税後」の分配金を再投資することとなる、という点に、留意が必要です。

楽天証券やSBI証券、マネックス証券等といったネット証券会社を利用して、無分配型の投資信託を探す場合、各インデックスファンドの過去実績を確認して、

  • 純資産や基準価額は上昇基調にあるのに、
  • 分配金は出していない、

という特質のある投資信託を、逐次、スクリーニングしていく必要があります。

些か手間のかかる作業ではありますが、長期的にみると、

  • 課税後(20パーセント程度目減りする)の分配金を再投資するのか、
  • 課税による目減りを防ぎ、課税前の分配金(相当額)を再投資するのか、

によって、複利効果の大小は大きく左右されてきますので、入念なチェックが必要です。

ロボアドバイザーで、自分のインデックス投資を再評価してみるのも〇

なお、自分で投資信託を選択するインデックス投資「以外」のスタイルを試してみたい、という人は、ウェルスナビやテオなどに代表される、投資一任型のロボアドバイザーを試しに利用してみる、という方策も取り得ます。
こうした投資一任型のロボアドバイザーも、その投資スタイルは、結局「インデックス投資」と同種ですので、自分が実践しているインデックス投資との間のリターンの差分などに着目して調査してみるのも、投資のいい勉強となりましょう。

※ただし、投資一任型ロボアドバイザーの場合、取得する投資信託の信託報酬等コストのほかに、ロボアドバイザーそのものに対して、年率で預かり資産残高の1パーセント程度の手数料を支払う必要があるため、注意が必要です。
ポートフォリオ作成や、取得推奨投資信託の確認だけをしてみたい、という人は、投資一任型ではなく、無料で使える助言型(アドバイス型)のロボアドバイザーのみを利用してみる、というのもいいでしょう。

ソーシャルレンディング・ラボとは-Author Info-

インデックス投資検証チーム
ソーシャルレンディング・ラボは、国内の融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)や、不動産クラウドファンディング、更には、ロボアドバイザー業界等の最新情報を提供する、投資・金融情報総合メディア。
インデックス投資専門の検証チームでは、様々な資産クラス・銘柄に対して資産を長期・積立・分散投資するパッシブ型ファンド情報を中心に、業界の市場調査、各社の新サービスの検証などを実施する。

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