不動産投資とソーシャルレンディングを比較。

寄稿者紹介

個人投資家Y.K氏。
2018年初旬からソーシャルレンディング投資を始め、約1年ほどが経過。
合計20社以上のソーシャルレンディング事業者に投資口座を開設し、累計投資額は400万円以上。
30代男性会社員・首都圏在住。

不動産投資とソーシャルレンディングを【利回り】で比較

まずは、不動産投資とソーシャルレンディングを、利回りで比較してみましょう。

不動産投資とソーシャルレンディングを、「利回り」の観点から比較してみると、どうでしょう。

  • 不動産投資の場合:
    不動産投資の利回りは、物件や地域等によって、千差万別です。
    一般的に、23区内、等、物件の流動性が高く、総じて投資リスクが小さいと考えられる地域においては、
    期待される利回りも、低くなる傾向があるようです。
    リスクとリターンが正比例している、という状況ですね。
  • ソーシャルレンディングの場合:
    ソーシャルレンディングの場合も、実際の利回りは、ソーシャルレンディング事業者、及びそれぞれの個別ファンドによって、非常に大きな幅があります。
    年間利回り3パーセント前後、というファンドもありますし、逆に、年利が10パーセントを超えるようなファンドも存在します。
    ソーシャルレンディングの場合も、担保設定などがしっかりしたファンドの場合は、無担保・無保証のファンドと比べ、利回りが低くなる、という傾向があります。
    このあたりは、不動産投資とよく似ている、と言えるかもしれません。

不動産投資とソーシャルレンディングとを、利回りで比較する場合、
実質的なリターン率としては、あまり大きな違いはない、と言えるかもしれません。

不動産投資とソーシャルレンディングを【運用期間】で比較

不動産投資とソーシャルレンディングを、運用期間の長短で比較してみます。

不動産投資とソーシャルレンディングとを、その「運用期間」の長短で比較してみましょう。

  • 不動産投資の場合:
    不動産投資は、基本的には、長期投資、となります。
    短期売買を繰り返すプロ事業者も多数いますが、わたしたち個人投資家の場合は、原則的に、
    長期間、基本的には数十年単位で物件を保有しながら、賃料収入を原資に初期借入金の返済を進める、という態勢となりましょう。
  • ソーシャルレンディングの場合:
    ソーシャルレンディング投資においては、各ファンドの貸付・運用期間は様々ではありますが、
    長くても、2年前後、短い場合は、数カ月から半年程度で満期償還、というファンドも少なくありません。
    不動産投資のように「数十年間にわたってひとつの資産を保有し続ける」というタイプの投資ではありません。

「運用期間」の長短で、不動産投資とソーシャルレンディングとを比較すると、大きな違いがあることが分かります。
長期保有・運用が原則である、不動産投資と、短期運用で小回りの効く、ソーシャルレンディング。
どちらを好むかは、わたしたち個人投資家それぞれの判断、となりましょうが、
私の個人的な考えとしては、「長期的な拘束を免れる、ソーシャルレンディングのほうが、ベター」と考えています。
理由はいくつかあります。

  1. 日本は少子高齢化・人口減少が進むため、中長期的には、賃貸経営は不利。
  2. 日本は地震大国であるため、不動産を中長期にわたって保有するのには向かない。
  3. 技術革新が加速度的に進行しているため、産業の「流行り・廃り」の交代が激しくなっている。すなわち、商品ライフサイクルが短くなっている。数十年単位にわたって「安定して収益を上げる投資術」を、わたしたち個人投資家が予見することは、難しい。

上記のような理由により、
「長期間拘束を受ける、不動産投資よりも、小回りが効くソーシャルレンディングのほうが、”いざ”というときに、有利であろう」
と考えています。

不動産投資とソーシャルレンディングを【初期費用】で比較

不動産投資とソーシャルレンディングを、初期費用で比較します。

不動産投資とソーシャルレンディングを、その投資における「初期費用」の大小で比較すると、どうなるでしょうか。

  • 不動産投資の場合:
    物件購入のための初期費用が必要となる。
    金融機関からの資金調達によって初期費用を工面することも可能だが、その場合においても、一定の自己資金が求められる。
    ※自己資金を一切提供せずに、不動産投資をスタートすることも、物理的には可能だが、調達金利などの借り入れ条件において不利益となるケースが多く、推奨できない。
  • ソーシャルレンディングの場合:
    投資スタートにあたっての初期費用(例:投資口座開設費用)は無用。
    最低投資額も「1万円から」などと少額に設計されていることが多い。

投資の「初期費用」の観点から、不動産投資とソーシャルレンディングを比較すると、
その多寡において、大きな相違があることが分かります。

ごく一般的に考えて、「必要な初期費用は、少なければ少ないほど、良い」という考えが合理的でしょうから、
この観点での比較においては、ソーシャルレンディングに、大きく軍配があがるところでしょう。
※初期費用がかかる不動産投資の場合、逆に言えば、必要な初期費用が参入障壁となり、他のプレイヤーが参入しづらい、という言い方も、出来るかもしれませんが…。

不動産投資とソーシャルレンディングを【投資手続きの難易】で比較

不動産投資とソーシャルレンディングを、投資手続きの難易で比較します。

不動産投資とソーシャルレンディングとを、投資手続きの難易、より具体的には、「どれだけ簡単に投資手続きを行えるか」で比較してみると、どうでしょうか。

  • 不動産投資の場合:
    物件探しから、パートナーとなる不動産投資会社の選定、購入手続き、資金調達、引き渡し、その後の管理…
    不動産投資の場合、考えただけで少し気が重くなるほど、何かと手続きが煩雑です。
    余程不動産投資に慣れておられる方であれば別でしょうが、
    わたしたち個人投資家一般にとっては、全ての手続きを漏れなく進める、というのは、いささか、荷が重いことであり、
    「仕事の合間にちょこっとパソコンで」というわけには、さすがに、いかないですね…。
  • ソーシャルレンディングの場合:
    ソーシャルレンディングの投資口座開設手続きは、オンラインで(早ければ数分~10分程度で)完結しますし、
    各ファンドへの出資手続きも、同じくオンラインで、ごくあっという間に、完了します。
    私はこれまで、国内23社のソーシャルレンディング会社に、資金を分散投資してきましたが、
    「投資手続きが難しい」と感じたことは、正直、一度もありません。

投資手続きの難易で、不動産投資とソーシャルレンディングとを比較すると、そこには、大きな隔たりがあるようです。
勿論、既に不動産投資に習熟しておられる方で、「信頼できるパートナー企業もおり、入居者管理もすべて外注できている」等と言う方にとっては、さほど、苦にならないのかもしれませんが、
少なくとも、わたしたち個人投資家一般にとっては、ゼロから不動産投資を始める、というのは、少々、気が重いところだと思います。
これに対し、ソーシャルレンディングの場合、
思い立てばすぐその場から、さっさとパソコン(場合によってはスマートフォン)で投資手続きをスタートできるわけですから、
その気軽さには、大きな比較優位性があるものと思います。

不動産投資とソーシャルレンディングを【リスク】で比較

不動産投資とソーシャルレンディングを、リスク面で比較してみます。

不動産投資とソーシャルレンディングとを、その「リスク」の観点から比較してみると、どうでしょう。

  • 不動産投資の場合:
    不動産投資の最大のリスクとは、やはり、「空室リスク」でしょう。
    ヘッジ策としてサブリース契約を用いるケースも多いようですが、何か問題があるようで、話題になっています。
    また、「入居者」という有機物が時にもたらす、様々なトラブルも、頭を悩ませるポイントとなるでしょう。
    地震や火災、といった事態が発生した場合も、大きなリスクとなり得ます。
  • ソーシャルレンディングの場合:
    ソーシャルレンディングにまつわるリスクとしては、「事業者リスク」と「ファンドリスク」があります。
    それぞれ、有意な軽減策は存在するものの、そのリスク程度をゼロに抑え込むことは難しく、
    分散投資等のダメージ軽減策の併用が求められます。

不動産投資とソーシャルレンディングとを、「リスク」の観点から比較すると、
それぞれ、複数種のリスクに悩まされながらの投資であることがよく分かります。

強いて比較結果を述べるとすれば、

  • 1つの投資アクションに、(初期費用など)多額の資金を要する、不動産投資と比較して、
  • 少額での出資手続きが可能な、ソーシャルレンディングのほうが、分散投資を実現しやすい分、

リスクへの耐性、という点では、幾分、優位性がある、といえるかもしれません。

不動産投資とソーシャルレンディングを【税金面】で比較

不動産投資とソーシャルレンディングを、税金面で比較してみます。

不動産投資とソーシャルレンディングとを、「税金面」「税務面」で比較してみると、どうでしょうか。

  • 不動産投資の場合:
    不動産の建物部分は、減価償却の対象となり、税務上の損金として取り扱うことが可能です。
    さらに、給与所得との損益通算が可能であるため、
    不動産投資によって収益を得ながらも、減価償却というキャッシュアウトを伴わない赤字をうまく活用することによって、節税を図る、という事も可能です。
    これは、不動産投資ならではの大きなメリットといえます。
  • ソーシャルレンディングの場合:
    ソーシャルレンディング投資を経て得た利益は、雑所得に該当し、総合課税の対象となります。
    不動産投資における減価償却費のような、税務上のアドバンテージをもたらす損金、というものは存在しないため、
    「ソーシャルレンディング投資によって節税できた」などという話は、ついぞ、聞いたことがありません。

税金面・税務面で、不動産投資とソーシャルレンディングとを比較すると、不動産投資に大きな優位性があることが分かります。
勿論、税制そのものは、いつ変わるか分からない、というリスクはありますが、
少なくとも、税務面においては、不動産投資に大きな比較優位があることは、当座、動かないでしょう。

不動産投資とソーシャルレンディングの比較まとめ

不動産投資とソーシャルレンディングとを、複数の観点から比較してまいりましたが、
まとめると、下記のようになりましょう。

  • 【利回り】で比較:
    不動産投資とソーシャルレンディングとの間には、大きな乖離はない。
  • 【運用期間】で比較:
    不動産投資と比較し、ソーシャルレンディングの運用期間は極めて短期。
    好悪は人それぞれだが、不確実性の高い世において、小回りの効きやすいソーシャルレンディングのほうが比較的有利か。
  • 【初期費用】で比較:
    ソーシャルレンディングと比較して、不動産投資の場合、大きな初期費用が必要となる。
    多額の初期費用は参入障壁として働くケースもあるが、一般的に考えて、少額から投資をスタートできるソーシャルレンディングに比較優位性があると言える。
  • 【投資手続きの難易】で比較:
    ソーシャルレンディングと比較し、不動産投資の場合、投資にまつわる各種手続きが極めて煩雑・難解。
    気軽に投資をスタートしたい、という個人投資家にとっては、ソーシャルレンディングに比較優位性あり。
  • 【リスク】で比較:
    不動産投資も、ソーシャルレンディングも、それぞれに固有のリスクと向き合いながらの投資であることに変わりはない。
    強いて言えば、ソーシャルレンディングのほうが、比較的、分散投資に取り組みやすい、というアドバンテージがある。
  • 【税金面】で比較:
    ソーシャルレンディングと比較すると、不動産投資のほうが、はるかに、税制面で優遇されている。

不動産投資とソーシャルレンディング、それぞれの個性をよく比較検討したうえで、
個々の個人投資家それぞれにおいて、有利となる投資手法を取ることが賢明でしょう。

なお、私は現在、23社の国内ソーシャルレンディング会社に、資金を分散出資していますが、
周りの人々(=本ブログの読者様を含めて)に、最低限、自信をもってお勧めできる会社、というのは、正直、限られます。
下記の別記事では、私の、数少ない、おすすめソーシャルレンディング会社に関する情報を、記載させて頂いております。
不動産投資とソーシャルレンディングとを比較し、
「とりあえず、ソーシャルレンディング、ちょっとでも始めてみるかな」
とお考えになった場合、是非、ご覧になってみてください。

【ソーシャルレンディングのおすすめ会社はどこですか?】23社分散投資中の筆者が、ソーシャルレンディング投資初心者の読者様におすすめする、厳選3社がこちら。

それでは、本記事はここまで。
また次回の記事にて、お会い致しましょう。

本寄稿内容は、寄稿者の個人的な見解・体験・意見であり、その内容は、当ラボの公式見解と異なる場合があります。
また、本記事は、読者様への情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品(ファンド等含む)への投資勧誘を目的としたものではありません。
個別のソーシャルレンディング事業者における投資口座開設や、実際の投資是非に係るご判断につきましては、必ず、読者様ご自身にて、為さって頂きますよう、お願い致します。

ソーシャルレンディング・ラボとは-Author Info-

ソーシャルレンディング・ラボ
ソーシャルレンディング情報専門メディア、「ソーシャルレンディング・ラボ」の公式サイト。ソーシャルレンディング業界ニュースや、主に国内の各ソーシャルレンディング事業者に関する最新情報を提供している。
公開済記事コンテンツは550件超、登録読者に向け無料にて発信しているニュース・メールの累計配信数は、8,000通を突破している。

メディア掲載歴(一部・順不同)
・朝日新聞デジタル&m
・財経新聞
・SankeiBiz
・RBBTODAY
・楽天Infoseekニュース
・excite.ニュース
・BIGLOBEニュース
・@nifty ビジネス
・Mapionニュース
・NewsPicks
・ビズハック
・MONEY ZONE
・Resemom
・SANSPO.COM
・Trend Times
・zakzak
・とれまがニュース
・徳島新聞