SBIソーシャルレンディング、重大懸案発生ファンドの投資家への、未償還元本償還予定を発表|特別損失は最大約150億円に

ソーシャルレンディング・サービス「SBIソーシャルレンディング」を運営している、SBIソーシャルレンディング株式会社(東京都港区六本木1-6-1 泉ガーデンタワー14F。以下、SBIソーシャルレンディング社)は、プレスリリースを通じて、今年2月来問題となっている貸付先に関するファンドの未償還元本相当額について、投資家へと償還(補填)を行う予定である旨を明らかにした。

SBIソーシャルレンディング問題の経緯

  • 2021年2月5日:
    SBIソーシャルレンディング社は、今年2月初旬、複数のファンドの貸付先において、その事業運営に、重大な懸案事項が生じている可能性がある、として、外部専門家による第三者委員会を設置。第三者委員会のメンバーに選ばれたのは、弁護士法人中央総合法律事務所の錦野 裕宗 氏(委員長)、リンクパートナーズ法律事務所の藤武 寛之 氏(委員)、株式会社サイリスの海宝 明 氏(委員)の3名。
  • 2021年2月9日:
    第三者委員会設置発表の数日後、代表取締役の異動を発表。旧代表取締役社長であった織田 貴行 氏が取締役に就任、旧代表取締役副社長の渡部 一貴 氏が取締役副社長に就任したほか、旧取締役の宮地 直紀 氏が新代表取締役社長に就任したことを明らかにした。
  • 2021年2月17日:
    2月中旬、プレスリリースを通じて、問題のファンドにおいて、SBIソーシャルレンディング社側に善管注意義務違反があった可能性について言及。最大限の投資家保護を実施すべく、当該ファンドの未償還元本について、投資家への償還を行う可能性に関して、初めて触れた。
  • 2021年3月8日:
    問題のファンド等において、投資家向けの出資金償還(元本償還)、及び、分配金支払い(利益配当)に遅延が生じることを発表
  • 2021年03月15日:
    SBIソーシャルレンディング社が毎月定期的に更新・公開している「元本償還の実績」ページにおいて、分配・償還に遅れが生じているファンドの内訳が明らかに。

SBIソーシャルレンディング(及び親会社)による損失補填

投資家に対する損失補填は、金融商品取引法第39条第1項で禁じられている。
ただし、同条第3項では、当該損失が事故(金融商品取引業者等の違法行為等)に起因している場合、条件付きで、投資家に対する損失補填行為を例外的に認めている。

なお、SBIソーシャルレンディング社の親会社、「SBIホールディングス株式会社」(以下、SBIホールディングス)のプレスリリースによれば、未償還元本相当額の償還原資は、SBIホールディングス、またはその子会社(SBIソーシャルレンディング社を含む)が拠出する予定。
今後、投資家に対しては、SBIソーシャルレンディング社から、4月7日頃、未償還元本の確認の個別連絡が為される予定であるという。

第三者委員会の調査は継続中

SBIソーシャルレンディング社が今年2月に設置した第三者委員会の調査は、現時点でまだ継続中であり、最終的な調査結果は4月中に判明する予定。
なお、「SBIソーシャルレンディング社に金融商品取引法違反行為があった」との、SBI側の見解は、第三者委員会からも否定を受けていないという。

SBIホールディングス決算への影響は

SBIホールディングスのプレスリリース(同上)によれば、問題のファンドの貸付債権全額が回収不能(デフォルト)となった場合の損失・影響額(税引き前)は、最大で約150億円。
これに伴い、SBIホールディングスとしては、2021年3月期第4四半期(2021年1-3月)において、最大で約150億円分の特別損失を計上する予定だが、その損失処理を行ったとしても、SBIホールディングス全体の2021年3月期の税引き前利益は、1,300億円を超え、過去最高となる見込みであるという。

SBIソーシャルレンディングとは



引用元:SBIソーシャルレンディング

SBIグループ傘下、SBIソーシャルレンディング株式会社が運営。
2021年2月末時点での累計融資実績は、1,693億円強。融資残高は420億円以上。投資家登録完了数は6万1千人強。いずれの数値においても、国内のソーシャルレンディング業界を代表する事業者のひとつといえる。

2019年7月には、富士キメラ総研「決済関連市場調査」のクラウドファンディングマーケットシェア2018年実績で、トップシェアとなった旨を明らかにした。
投資家が、原則としていつでも、1万円という少額から投資申込を行うことができる、常時募集型ファンドなど、複数の人気案件・ファンドシリーズを擁する。
2019年8月下旬には、東証マザーズ上場の霞ヶ関キャピタル株式会社などと、アパートメントホテル開発における業務提携を行った旨を明らかにした。


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