国内の不動産クラウドファンディング業者の手数料体系を徹底比較|口座開設手数料・入金手数料・出金手数料等

寄稿者紹介

個人投資家Y.K氏。
2018年初旬からクラウドファンディング投資(主に融資型)を始め、約3年が経過。
合計20社以上のクラウドファンディング投資事業者に投資口座を開設し、累計投資額は400万円以上。
30代男性会社員・首都圏在住。

不動産クラウドファンディングとは

投資家(主に、個人投資家)が、分配金を得ることを目的に、不動産事業者(不動産特定共同事業者)が募集するファンドに対して出資することを、「不動産クラウドファンディング投資」と言います。
日本では現在、様々な会社が、不動産クラウドファンディング事業に参入しており、中には、上場企業が運営にあたっているサービスもあります。

不動産クラウドファンディング投資のメリット

私たち個人投資家としては、不動産クラウドファンディングへの投資にあたり、下記のようなメリットを期待することが出来ます。

提示されている期待利回りが高い

不動産クラウドファンディング各社が提示している想定利回り(分配率)は、ファンドによって千差万別ですが、おおむね、年率換算数パーセントから、高い場合で、年利換算10パーセント弱程度の想定分配率が提示されていることが一般的です。
これは、実物不動産投資と比較しても、遜色がない利回りであり、この低金利の世にあって、かなり魅力的な期待利回りが提示されていると言えます。

1万円程度の少額から、不動産を投資対象とするファンドに出資できる

各不動産クラウドファンディング・サービスでは、ファンドごとに、「最低投資額」が定められていますが、ほとんどのサービスでは、1万円~10万円程度の、比較的少額から、ファンドへの出資が出来るように設定されています。
実物不動産投資へと投資する場合、少なくとも数百万円程度、高額の場合では数千万円以上の投資資金が必要となりますから、それと比較すると、かなりの小額から、不動産投資をスタートすることが出来る、と言えます。

上場企業が直接運営する不動産クラウドファンディングもある

プロパティエージェント社が提供する「Rimple」や、穴吹興産運営の「ジョイントアルファ」、トーセイの「TREC Funding」など、昨今では、東証一部上場企業が直接運営する不動産クラウドファンディング・サービスも増えてきました。

優先劣後方式によって、投資家元本が保護される仕組みがある

国内の不動産クラウドファンディング・サービスのほとんどで、サービス運営会社が同一案件に劣後出資する「優先劣後方式」が採択されています。
優先劣後方式が採用されるファンドにおいては、たとえ、ファンドの運用に損失・赤字が生じたとしても、その損失幅が、運営会社による劣後出資幅までで留まれば、投資家の出資元本は保護される仕組みとなります。

クーリングオフが利用できる

不動産クラウドファンディングの場合、不動産特定共同事業法第26条において、書面による解除、すなわち、クーリングオフの利用が認められています。
例えば、同じ匿名組合型・クラウドファンディン型の投資スキームであるソーシャルレンディングの場合、クーリングオフの利用は不可、とされていますので、この点は、不動産クラウドファンディングならではのメリットと言えます。

現物不動産投資よりも短い期間で利益を回収できる

不動産クラウドファンディングの場合、各ファンドの運用予定期間は、数ヶ月程度~1年程度、と設定されていることが一般的です。
これに対して、アパート経営・マンション投資等の現物不動産投資の場合、短くとも10年程度、長い場合は数十年をかけて、賃料収入等を原資に、不動産取得費用を回収していく必要があります。

REIT(リート)投資と違い、投資家自身が共感できる、単一の不動産に投資できる

  • 不動産を投資対象とするファンドに、
  • インターネットを介して、
  • 小口投資を行う、

という、不動産クラウドファンディングの特質は、そのまま、リート投資(主に上場REIT)と同じです。

しかし、上場REITが、物件価値数億円程度~数十億円以上の大型不動産を、複数、投資対象とするのに対して、不動産クラウドファンディングの場合、

  • 各ファンドの投資対象不動産は、あくまでも、1点であることが一般的ですし、
  • 各投資対象不動産の価格は、数百万円~数千万円程度(高くとも数億円前後)と、小ぶりです。

このため、REITと違い、投資家自身が共感できる、ごくシンプル・スモールな投資案件に対して出資できる、という点も、不動産クラウドファンディングの面白さのひとつ、と言えます。


参考:
【2021年9月更新】不動産クラウドファンディングとは?|不動産クラウドファンディングのメリット・デメリット・リスクから徹底解説。上場企業運営サービスも

不動産クラウドファンディング投資にあたっての注意点

投資家目線から見ると、色々とメリットの多い、不動産クラウドファンディング投資ではありますが、併せて、下記のようなデメリットにも、あらかじめ、注意しておく必要があります。

ファンド運営期間中の解約が(原則として)出来ない

不動産クラウドファンディングへの出資にあたっては、投資家は、不動産特定共同事業者との間で、匿名組合出資契約を締結することとなりますが、この契約は、ファンドの運用期間中、投資家サイドから一方的に中途解約することは、原則として、出来ません。
このため、ファンドに出資した資金は、出資先ファンドが無事に償還を迎えるまでの間、投資家の手元に返ってくることは有りません。
※ただし、一部の事業者では、ファンドの中途解約を「可」としているケースもあります(所定の手数料がかかる場合があります)。

元本割れが発生する恐れがある

ファンドの運用期間中に、投資対象不動産の賃借人が退去してしまい、かつ、新たな借り手を見つけることが出来なかった場合や、対象不動産の売却(エグジット)が、市況の悪化等により不調となった場合、ファンドに損失が生じる場合があります。
ファンドに赤字が生じたとしても、上述した「優先劣後方式」のおかげで、一定程度までは、投資家の出資元本が保護される場合がありますが、たとえ優先劣後方式が採用されていたとしても、ファンドの赤字が、運営会社による劣後出資幅を超過してしまった場合、投資家の出資元本についても、毀損してしまう可能性があります。

(特に高所得者の場合)税金が高くなる場合がある

不動産クラウドファンディング事業者から受け取る分配金は、所得の分類上、現行の所得税法下では、「雑所得」に該当します。
そして、投資家の給与所得等と合算し、「総合課税」の対象となります。
このため、既に給与所得等が大きく、高い税率を課せられている投資家の場合、不動産クラウドファンディング投資を経て得た分配金利益に対しても、高税率が課せられる可能性があります。
また、不動産クラウドファンディングからの分配金収入が高額である場合、累進税率の関係で、所得税率が高まり、確定申告の結果、追加納税が必要となるケースもあります。


参考:
不動産投資クラウドファンディングで得た利益に、税金はかかるのか

現物不動産投資と違い、相続税の圧縮効果等は期待できない

「不動産投資」と聞くと、「相続税の圧縮効果」を、最大のメリットとして挙げる人も少なくありません。

しかしながら、(国内不動産クラウドファンディング業界で一般的に利用されている、)匿名組合型の不動産クラウドファンディングの場合、出資者の持分は、相続時財産評価において「金銭債権」として評価される関係で、不動産の評価減による、相続税の圧縮効果を期待することが出来ません。

※ただし、任意組合型の不動産クラウドファンディングの場合は、その限りではありません。

日本投資者保護基金の補償対象外である

ロボアドバイザー投資を行っている投資家の場合、

  • ロボアドバイザー事業者が破綻し、
  • かつ、ロボアドバイザー事業者の分別管理義務違反により、投資家の資金返還がスムースに行われない場合、

投資資金上限1,000万円まで、日本投資者保護基金による補償を受けることが出来ます。

しかしながら、日本投資者保護基金の補償は、あくまでも、証券会社等、第一種金融商品取引業者の事業を対象としており、(不動産クラウドファンディングのような)匿名組合・任意組合型の、いわゆる「第二種金融商品取引業」分野については、補償の対象外とされています。

不動産クラウドファンディング投資における「手数料」とは

実際の不動産クラウドファンディング投資において、(生じるか、どうか、は別として、)私たち個人投資家が留意すべき「手数料」としては、下記のようなものがあります。

  1. (不動産クラウドファンディング・サービスに口座開設する際の)口座開設手数料
  2. 開設した口座の「口座維持手数料」「口座管理手数料」
  3. 開設した口座に、投資用資金を入金する際の、「入金手数料」
  4. ファンドに対し出資する際の、「出資手数料」「(ファンド持分の)購入手数料」
  5. 投資口座から資金を出金する際の「出金手数料」
  6. 出資を、出資申込から間もなく、取りやめるための、「クーリングオフ手数料」

それぞれ、詳しく見て参りましょう。

尚今回、国内の不動産クラウドファンディング事業者のうち、下記の事業者を、調査対象と致しました。

  • creal(クリアル):
    クリアル株式会社(東京都台東区東上野2-13-2)運営。累計募集額は75億円強。
  • FANTAS funding:
    FANTAS technology 株式会社(東京都渋谷区恵比寿4-3-8 KDX恵比寿ビル5F)運営。同23億円強。
  • ジョイントアルファ:
    穴吹興産株式会社(香川県高松市鍛冶屋町 7-12。東証一部上場)運営。同6億円強。
  • Rimple(リンプル):
    プロパティエージェント株式会社(東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー41F。東証一部上場)運営。同6億円強。
  • WARASHIBE:
    株式会社SATAS(東京都港区南青山2-24-15 青山タワービル 9F)運営。同6億円強。
  • トーセイ不動産クラウド(TREC FUNDING):
    トーセイ株式会社(東京都港区虎ノ門4丁目2番3号。東証一部上場)運営。同4億円強。
  • 大家ドットコム:
    株式会社グローベルス(東京都品川区西五反田7丁目17番3号 第2noteビル 5階)運営。同2億円強。
  • ASSECLI(アセクリ):
    株式会社エボルゾーン(東京都港区北青山三丁目2番5号)運営。同1億強。
  • PARTNERS Funding:
    株式会社パートナーズ(東京都品川区東五反田2-8-8 FLEZIO五反田7階)運営。同1億強。
  • ハロー!RENOVATION:
    株式会社エンジョイワークス(神奈川県鎌倉市由比ガ浜1-10-9)運営。同1億強。
  • TECROWD:
    TECRA株式会社(神奈川県横浜市西区みなとみらい2丁目3−1 クイーンズタワーA)運営。同2,000万円強。
  • ぽちぽちファンディング:
    アイディ株式会社(東京都品川区東大井2-13-8 ケイヒン東大井ビル 10F)運営。同2,000万円強。
  • A funding:
    株式会社AMBITION(東京都渋谷区神宮前二丁目34番17号)運営。同2,000万円強(ただし、一部不明)。
  • ONIGIRI Funding:
    きらめき不動産株式会社(神奈川県横浜市西区桜木町5-26-12-2F)運営。同1,000万円強。

※上記の累計募集額は2021年3月9日集計時点。詳細はこちら

不動産クラウドファンディング事業者に対し、「口座開設手数料」を支払う必要はあるか

「口座開設手数料」は、文字通り、「自身専用の”口座”を開設する際に、運営者に対して支払う手数料」のことです。
例えば、日本の銀行業界では、長年にわたり、預金口座開設手数料は「無料」とされてきましたが、昨今の電子化に伴い、「みずほ銀行」が、新規口座開設時(及び、繰り越し時)の、紙の通帳発行を有料化するなど、新たな動きも見え始めています。

そうした中、不動産クラウドファンディング業界では、「口座開設手数料」について、どのような取り扱いをしているのでしょうか。

不動産クラウドファンディング事業者名 口座開設手数料
creal(クリアル) 無料
FANTAS funding 無料
ジョイントアルファ 無料
Rimple(リンプル) 無料
WARASHIBE 無料
トーセイ不動産クラウド(TREC FUNDING) 無料
大家ドットコム 無料
ASSECLI(アセクリ) 無料
PARTNERS Funding 無料
ハロー!RENOVATION 無料
TECROWD 無料
ぽちぽちファンディング 無料
A funding 無料
ONIGIRI Funding 無料


不動産クラウドファンディング事業者各社のHP等から情報参照

私が、国内の不動産クラウドファンディング事業者各社のホームページ等から確認した限りにおいては、上記した不動産クラウドファンディング事業者の場合、いずれも、口座開設手数料は「無料」としているようです。
実際問題として、銀行のような伝統的金融機関とは違い、口座開設者に対して、都度、紙ベースの通帳を発行したり、といった物理的消耗品・経費が生じるわけではないので、比較的、コストコントロールが効いているのかもしれません。

不動産クラウドファンディング各社の、口座維持手数料・管理手数料はどうなっているか

例えば、三菱UFJ銀行の場合、

  • 2021年7月1日以降に開設され、かつ、
  • 2年以上未利用の普通預金口座については、

不正口座の作成・利用の防止や、口座の維持・管理に係る費用の一部に充当するための手数料として、「未利用口座管理手数料」を新設、年間1,200円(税抜)を徴収する旨を明らかにしています。
国内不動産クラウドファンディング業界では、この、「口座維持手数料・管理手数料」については、どのような取り扱いとなっているのでしょうか。

不動産クラウドファンディング事業者名 口座維持手数料・管理手数料
creal(クリアル) 無料
FANTAS funding 無料
ジョイントアルファ 無料
Rimple(リンプル) 無料
WARASHIBE 無料
トーセイ不動産クラウド(TREC FUNDING) 無料
大家ドットコム 無料
ASSECLI(アセクリ) 無料
PARTNERS Funding 無料
ハロー!RENOVATION 無料
TECROWD 無料
ぽちぽちファンディング 無料
A funding 無料
ONIGIRI Funding 無料


不動産クラウドファンディング事業者各社のHP等から情報参照

前掲の、投資口座開設手数料の場合と同様、口座維持・管理手数料についても、国内不動産クラウドファンディング業界では、「無料」とされていることが一般的なようです。

国内不動産クラウドファンディング業界の「入金手数料」

不動産クラウドファンディング事業者が公開・募集するファンドへと出資するためには、不動産クラウドファンディング事業者に対し、出資金の送金(振込入金)を行う必要があります。
この「入金手数料」については、各社、下記のような取り扱い状況となっています。

不動産クラウドファンディング事業者名 入金手数料
creal(クリアル) 投資家負担
FANTAS funding 投資家負担
ジョイントアルファ 投資家負担
Rimple(リンプル) 投資家負担
WARASHIBE 投資家負担
トーセイ不動産クラウド(TREC FUNDING) 投資家負担
大家ドットコム 投資家負担
ASSECLI(アセクリ) 投資家負担
PARTNERS Funding 投資家負担
ハロー!RENOVATION 投資家負担
TECROWD 投資家負担
ぽちぽちファンディング 投資家負担
A funding 投資家負担
ONIGIRI Funding 投資家負担


不動産クラウドファンディング事業者各社のHP等から情報参照

これまで見てきた、口座開設手数料、口座維持・管理手数料とは逆に、投資用資金の入金手数料(振込手数料)については、各社一律、投資家負担、とされているようです。
※ただし、不動産クラウドファンディング事業者側が指定する銀行口座に対する振込手数料が無料となるようなサービス(例:インターネット・バンキングで、同行他支店宛の振込は一定回数まで無料、とされているケース等)を投資家が利用している場合、実質無料にて、出資用資金の入金を行える場合も有ります。

不動産クラウドファンディング事業者が募集するファンドの「購入手数料」

不動産クラウドファンディングに投資する場合、私たち個人投資家は、ファンドの「出資持分」を購入することとなります。
例えば、株式投資や、投資信託への投資の場合、買付手数料や、購入時手数料が生じることが一般的です(ただし、昨今では、購入時手数料のかからない、ノーロードタイプの投資信託等も増えていますし、株式買付手数料を無料としている証券サービスも存在します)。
この点、不動産クラウドファンディングの場合は、どうなっているのでしょうか。

不動産クラウドファンディング事業者名 購入手数料・出資手数料
creal(クリアル) 無料
FANTAS funding 無料
ジョイントアルファ 無料
Rimple(リンプル) 無料
WARASHIBE 無料
トーセイ不動産クラウド(TREC FUNDING) 無料
大家ドットコム 無料
ASSECLI(アセクリ) 無料
PARTNERS Funding 無料
ハロー!RENOVATION 無料
TECROWD 無料
ぽちぽちファンディング 無料
A funding 無料
ONIGIRI Funding 無料


不動産クラウドファンディング事業者各社のHP等から情報参照

わたしが、各不動産クラウドファンディング・サービスのHP等から確認した限りにおいては、ファンドへの出資にあたり、「出資手数料」や「(持分の)購入手数料」が生じるケースは、確認できませんでした。

不動産クラウドファンディング業者からの「出金」時の手数料

国内不動産クラウドファンディング業界各社のHP等から確認する限り、各社の「出金手数料」に関する取り決めは、下記のようになっています。

不動産クラウドファンディング事業者名 出金手数料
creal(クリアル) ・口座が楽天銀行の場合:52円(税込)
・口座が楽天銀行以外、出金金額が3万円未満の場合:168円(税込)
・口座が楽天銀行以外、出金金額が3万円以上の場合:262円(税込)
FANTAS funding 無料
※分配金並びに元本は、事業者から投資家の銀行口座へと直接送金される
ジョイントアルファ 無料
※分配金並びに元本は、事業者から投資家の銀行口座へと直接送金される
Rimple(リンプル) 投資家負担
WARASHIBE 無料
トーセイ不動産クラウド(TREC FUNDING) 投資家負担
大家ドットコム 投資家負担
ASSECLI(アセクリ) 無料
PARTNERS Funding 無料
ハロー!RENOVATION 投資家負担
TECROWD 無料
ぽちぽちファンディング 無料
A funding 無料
ONIGIRI Funding 無料


不動産クラウドファンディング事業者各社のHP等から情報参照

ファンドからの分配金や、元本償還時に生じる、出金手数料(不動産クラウドファンディング事業者側からの振込手数料)の負担については、各社、対応が分かれていることがよく分かります。
特に、「出金時の振込手数料は投資家負担」、とされている不動産クラウドファンディング事業者のファンドへと募集する際は、見込み利益が「手数料負け」してしまわないか、念のため、確認することが必要です。

例えば、

  • 予定分配率が、年率3パーセントで、
  • 運用期間が半年、というファンドに、
  • 1万円を投資し、
  • かつ、ファンドの運用が終わったら、即座に資金を出金したい、という場合、

まず、ファンドから期待される収益(税引き前)は、1万円×3パーセント×半年=150円です(税金を考慮しない場合)。
そして、その利益を出金するために、150円以上の出金手数料を支払うことになってしまっては、当然「手数料負け」することとなり、「元も子もない」という事態になりかねません。

不動産クラウドファンディング各社の「クーリングオフ手数料」

不動産クラウドファンディングは、不動産特定共同事業法の規制下にあります。
そして、不動産特定共同事業法第26条では、クーリングオフについて、下記のように定めています。

(書面による解除)
第二十六条 事業参加者は、その締結した不動産特定共同事業契約について前条第一項の書面を受領した日から起算して八日を経過するまでの間、書面により当該不動産特定共同事業契約の解除をすることができる。
2 前項の解除は、その解除をする旨の書面を発した時に、その効力を生ずる。
3 第一項の規定による解除があった場合には、当該不動産特定共同事業者は、その解除に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。
4 前三項の規定に反する特約で事業参加者に不利なものは、無効とする。


引用元:不動産特定共同事業法第26条

このため、私たち個人投資家は、不動産クラウドファンディングに投資した場合、不動産クラウドファンディング事業者から契約関連書面を受領した日から起算して8日が経過するまでの間、クーリングオフ制度によって、出資契約を解除することが可能です(ただし、書面による解約申し出が必要)。
このクーリングオフに関する手数料については、不動産クラウドファンディング事業者各社は、下記のように定めています。

不動産クラウドファンディング事業者名 クーリングオフ手数料
creal(クリアル) 出資金の返還に係る違約金や、振込手数料の発生は無い。
FANTAS funding 違約金や解約手数料等の発生は無い。
ジョイントアルファ 違約金や解約手数料等の発生は無い。
Rimple(リンプル) クーリングオフの手数料は無料
WARASHIBE HPでは、クーリングオフ手数料の有無について確認できず
トーセイ不動産クラウド(TREC FUNDING) HPでは、クーリングオフ手数料の有無について確認できず
大家ドットコム 違約金や解約手数料等の発生は無い。
ASSECLI(アセクリ) HPでは、クーリングオフ手数料の有無について確認できず
PARTNERS Funding 違約金や振込手数料の発生は無い。
ハロー!RENOVATION 解約に関わる手数料等は一切生じない。
TECROWD 返還に係る違約金や振込手数料の発生は無い。
ぽちぽちファンディング 返還に係る違約金や振込手数料の発生は無い。
A funding 契約解除に際して、手数料等は発生しない。
ONIGIRI Funding 違約金や解約手数料等の発生は無い。


不動産クラウドファンディング事業者各社のHP等から情報参照

ほとんどの不動産クラウドファンディング事業者のHPで、クーリングオフによる違約金や解約手数料、振込手数料等の発生は無い旨が明記されています。

他のクラウドファンディング類型の手数料との違い

ここまで、不動産クラウドファンディングの主な手数料について確認して参りました。
最後に、他のクラウドファンディング類型(融資型・購入型・株式投資型)との、手数料面での違いについて、簡単にチェックしてみましょう。

融資型クラウドファンディングとの手数料の違い

融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)の手数料体系(一般的なもの)を簡潔に表すと、下表のようになります。

  • 口座開設手数料:
    不動産クラウドファンディングの場合と同様、一般的に、無料です。
  • 口座維持手数料・管理手数料:
    こちらも、無料とされている事業者が一般的です。
  • 入金手数料:
    不動産クラウドファンディング事業者のケースと同様、投資用資金の入金に必要な振込手数料・入金手数料は、投資家負担、とされていることが一般的です。
  • 購入手数料(出資手数料):
    ソーシャルレンディング事業者が募集するファンドへと出資する場合、出資手数料(持分の購入手数料)が生じることは(基本的に)ありません。
  • 出金手数料:
    デポジット制度(預託金制度)を採用しているソーシャルレンディング事業者の場合、デポジット口座→投資家口座への送金には、出金手数料が生じることが一般的です(ただし、毎月1回までは無料、などの特典を設けているケースもあります)。
    デポジット制度を採用していないソーシャルレンディング事業者の場合、出金手数料が生じることは有りません。
  • クーリングオフ手数料:
    融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)の場合、そもそも、クーリングオフ制度が適用されていないことが一般的です。

不動産クラウドファンディングと比較した際、融資型クラウドファンディングの手数料体系として特徴的なのが、「運用手数料」の点でしょう。
不動産クラウドファンディングの場合はあまり意識されることが無いかも知れませんが、融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)の場合、

  • ソーシャルレンディング事業者から、融資先への、貸付金利(年率)と、
  • ソーシャルレンディング事業者が投資家向けに提示している、期待利回り(同上)との間には、

明確な差分があり、このギャップ部分が、ソーシャルレンディング事業者の手数料(=運用報酬)部分となります。
なお、運用手数料の料率は、各融資型クラウドファンディング事業者によって様々です。

購入型クラウドファンディングの手数料との違い

国内の購入型クラウドファンディング業界大手「CAMPFIRE」の場合、プロジェクト起案者に対して実際に振り込まれるのは、支援金から、CAMPFIRE側の手数料17パーセント(手数料12パーセント+決済手数料5パーセント)を差し引いた金額となります(※ただし、2021年3月31日まで、手数料を10パーセントまで割り引くキャンペーンが開催されています)。
同じく、購入型クラウドファンディング・サービスとして知られているReadyforの場合、新たに提供された、手数料が割安な「シンプルプラン」の場合で、手数料は12パーセント(手数料7パーセント+決済手数料5パーセント)。
サイバーエージェント系の購入型クラウドファンディングサイト「Makuake」の場合は、手数料は支援金額の20パーセント(決済手数料5パーセントを含む)とされています

米国発の購入型クラウドファンディング大手「キックスターター」の場合、手数料は、決済手数料を含めて10パーセントほど、とされていますので、日本の購入型クラウドファンディング・サービスの場合、その手数料は、世界標準と比較すると、些か割高では、との指摘も為されています。

株式投資型クラウドファンディングの手数料との比較

現在、国内でサービス展開している株式投資型クラウドファンディング事業者各社の手数料構成としては、下記のようになっています。

FUNDINNO(ファンディーノ)の場合

  • 審査料は、10万円(消費税別)+実費(上限100万円。審査を通過した場合は免除)。
  • 募集が成立した場合は、募集取り扱い業務の手数料として、株式発行価格総額の20パーセント相当額(消費税別。2度目以降の募集の場合は税別15パーセント相当額)。
  • 募集金額が支払われた日の1年後から、企業情報開示のためのシステム利用や、その他サポート機能提供への対価等として、毎月5万円(税別)。

参考:
FUNDINNOの利用による手数料はいくらになりますか?

ユニコーンの場合

ユニコーンの場合、手数料は、企業が調達した金額の20%(及び別途消費税分)とされています(審査手数料などは不要)。

イークラウドの場合

イークラウドの場合であれば、案件が成立した場合に、募集取扱業務に対する手数料として、株式の発行総額のうち、5,000万円以下に対して20%(税込:22%)相当額、5,000万円超に対して15%(税込:16.5%)相当額が生じることとなります。

ソーシャルレンディング・ラボとは-Author Info-

不動産クラウドファンディング検証チーム
ソーシャルレンディング・ラボは、国内の融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)業界情報の検証メディア。
不動産クラウドファンディング(不動産投資型クラウドファンディング)専門の検証チームでは、日本国内で展開されている不動産クラウドファンディング(不動産特定共同事業)サービスに関する最新情報を提供するほか、不動産クラウドファンディング業界の市場調査、各社の公開済ファンドの検証などを実施する。

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