楽天証券販売の「楽天レバナス」と、大和AMの「大和レバナス」を徹底比較

レバナス民の間で話題沸騰「楽天レバナス」とは

長い間、「レバナス」と言えば、大和アセットマネジメントが2018年10月19日に設定した、「iFreeレバレッジ NASDAQ100」ファンド(以下、大和レバナス)のことを指していました。
しかし、2021年11月17日に、国内投信運用業界大手「楽天投信投資顧問」が、大和レバナスと同様、米国ナスダック市場のインデックス「ナスダック100指数」に対して、日々、2倍の値動きをするように設計された新ファンド「
楽天レバレッジNASDAQ-100」(以下、楽天レバナス)を設定。
これ以降、国内在住の投資家にとって、「レバナス」と呼べる投資信託は、先発の「大和レバナス」と、後発にあたる「楽天レバナス」の2本、となりました。

「楽天レバナス」の概要

投資信託の正式名称 楽天レバレッジNASDAQ-100
ファンドの愛称 レバナス
ファンドの目的 日々の基準価額の値動きが、米ドルベースでのNASDAQ-100指数の値動きに対し、概ね2倍程度となることを目指して運用
主な投資対象
  • 米国株式市場の値動きを享受する円建債券
  • 米国の株価指数先物取引
為替ヘッジの有無 あり(フルヘッジ)
分配方針 毎年10月15日(休業日の場合は翌営業日)に決算を行い、収益分配方針に基づき分配(ただし、分配を行わない場合もある)
購入申し込み期間
  • 当初申込期間:2021年11月5日から2021年11月16日まで
  • 継続申込期間:2021年11月17日から2023年1月17日まで
信託期間 無期限(ただし、一定の条件により、繰上償還が行われる場合がある)
繰上償還が行われる場合
  • 受益権の口数が10億口を下回ることとなったとき
  • 投資信託契約を解約することが受益者のため有利であると認めるとき
  • NASDAQ-100指数(米ドルベース)が改廃されたとき
  • やむを得ない事情が発生したとき
決算日 原則として、毎年10月15日(ただし、休業日の場合は翌営業日)。第1期決算日は、2022年10月17日
信託金の限度額 1,000億円
購入時手数料 上限3.3パーセント(税抜き3パーセント)
※ただし、楽天証券にて申し込みを行う場合、ノーロード(買付手数料無料)
信託財産留保額 なし
運用管理費用(信託報酬) 年率0.77パーセント(税抜き0.7パーセント)。内訳は下記。

  • 委託会社:年0.2640%(税抜0.240%)
  • 販売会社:年0.4785%(税抜0.435%)
  • 受託会社:年0.0275%(税抜0.025%)


引用元:楽天投信投資顧問

楽天レバナスの買い方(楽天証券編)

楽天レバナスは、2022年1月12日現在、国内主要ネット証券会社の中では、楽天証券を通じて、買付が可能です。

楽天証券を通じた、楽天レバナスの買い付け方法としては、下記の通りです。

積立注文の場合

①引落口座を選択
  • 証券口座(楽天銀行マネーブリッジ)
  • 楽天カードクレジット決済
  • その他金融機関からの振り替え

の中から、積立投資用の資金の引き落とし口座を選択。

②積立指定日を設定

毎月1日~末日の中から、積立投資(買い付け)を行う日を選択。

③積立金額を指定

100円以上1円単位で、毎月の積立金額を設定。
なお、楽天カードクレジット決済の場合、月額上限は5万円まで。

④ポイント利用の設定を行う
  • 楽天証券ポイントコース
  • 楽天ポイントコース

から選択。併せて、ポイント利用の設定も行う。

⑤分配金コースの選択
  • 分配金を現金で受け取る「受取型」か、
  • 分配金を同じ投資信託の追加購入にまわす(再投資する)、「再投資型」

の選択を行う。

⑥口座選択
  • 確定申告不要、源泉徴収ありの「特定口座」か、
  • 投資家自身で申告・納税を行う「一般口座」

の選択を行う。

⑦ボーナス月の設定を(必要に応じて)行う

「ボーナス月には、通常月とは異なる金額(一般的には、通常月よりも多い金額)を積立投資したい」と考える場合、ボーナス月、及び、ボーナス月独自の積立金額を設定する。

スポット購入の場合

①買付金額を指定

100円以上1円単位で、スポット購入の買い付け額を指定。

②ポイント利用の有無・金額を指定

楽天ポイント、ないしは、楽天証券ポイントの中から、スポット購入に利用するポイント額を指定。

③分配金コースを指定

※積立投資の場合と同様。

④口座区分の指定

※積立投資の場合と同様。

楽天レバナスのメリット

ナスダック100指数が順調に上昇していった場合、レバレッジ効果で、多額の値上がり益を享受できる

楽天レバナスは、先発の大和レバナス同様、米国ナスダック市場のインデックス指数である「ナスダック100指数」に対して、日々、2倍の値動きをすることを目標に、投資信託が運用されています。

このため、仮に、ナスダック100指数が、連続的に上昇していった場合、レバレッジにより、正の複利効果が働き、楽天レバナスの基準価額は、急上昇していくことが期待できます。

楽天レバナスのメリット
ナスダック100指数に対して2倍の値動きをするETF、1倍の値動きをするETF、及び、S&P500指数に対して1倍の値動きをするETFの値動きを比較

上の図は、

  • 楽天レバナス同様、ナスダック100指数に対して2倍の値動きをするように運用されている、海外ETF
  • ナスダック100指数に対し、1倍(=レバレッジなし)の値動きをするETF
  • インデックス投資家の間で高い知名度・人気を誇るインデックス指数「S&P500指数」に対して、1倍の値動きをするETF

の価格推移を、直近10年間程度で比較したものです。

ナスダック100指数構成銘柄(※後述)の高成長により、少なくとも、直近10年間程度においては、ナスダック100指数に対して2倍レバレッジで運用されるETFの値動きが、他を圧倒していることが分かります。

このように、仮に元指数にあたるナスダック100指数が急騰すれば、レバレッジ型ファンド(ブル型)の場合、それに応じて、多額のキャピタル・ゲインを期待できる可能性があり、その点は、楽天レバナスの場合も、当然、例に漏れません。

ナスダック100指数の構成銘柄に対し、時価総額加重で分散投資が出来る

ナスダック100指数は、ナスダック上場企業(約3,000社)の中から、金融関連銘柄を除外し、時価総額トップ100社程度に絞り込んだものです。
その主な構成銘柄(ウェイト順)としては、下記のような物があります。

銘柄名 ティッカー ウェイト
APPLE INC AAPL 10.37%
MICROSOFT CORP MSFT 8.66%
TREASURY BILL 6.35%
AMAZON.COM INC AMZN 6.01%
NET OTHER ASSETS / CASH 5.79%
META PLATFORMS INC-CLASS A FB 4.27%
TESLA INC TSLA 3.90%
NVIDIA CORP NVDA 3.54%
ALPHABET INC-CL C GOOG 3.23%
ALPHABET INC-CL A GOOGL 3.06%


2022年1月10日時点値としての掲載分を、2022年1月11日引用

スマートフォン開発・販売等で知られるアップルや、ウィンドウズOSでパソコン業界を席捲してきたマイクロソフト、日本でのお馴染みのネット通販サービス「アマゾン」、等と言った名を、「聞いたことが無い」という投資家は、稀でしょう。

また、これらの有名IT企業群の株価は往々にして割高であり、個人投資家がこうした銘柄に個別投資をしようとすると、少なくとも数万円~数十万円、銘柄数によっては数百万円以上の投資用資金を用意する必要があります。
その点、楽天レバナスを利用すれば、最低で100円という、極めて小さな金額から、これらの有名企業群に対して、実質的な分散投資を行うことが可能です(※少額投資については後述)。

競合となる大和レバナスより、信託報酬が安い

「レバナス・ファンド」としては先発にあたる、大和レバナス(大和アセットマネジメント運用委託)の場合、信託報酬(運用管理費用)は、年率で0.99パーセント(税別0.9パーセント)とされています。

これに対し、後発にあたる楽天レバナスは、より低い信託報酬料率(税込年率0.77パーセント)を提示しています。


※なお、先発にあたる大和レバナス(2018年10月設定)は、既に複数回の決済を済ませており、「運用報告書」が複数公開されています。
直近の運用報告書(2021年10月18日決算)によれば、売買委託手数料や「その他費用」(保管費用や監査費用等)を含めた総経費率は、1.162パーセント(税込)とされています。
楽天レバナスの場合は、2021年11月に設定されたばかりであり、まだ、初回の決算を終えていません。
このため、いわゆる投資信託の「隠れコスト」については未知数であるため、留意が必要です。

レバレッジ型と言えども、追証を求められるリスクはない

楽天レバナスは、先発の大和レバナス同様、株価指数先物取引を利用して、ナスダック100指数に対して2倍の値動きを目指す投資信託です。
しかし、「レバレッジ型ファンド」と言えども、投資家は、単に、投資信託の投資口(現物)を買い付けているだけ、です。
買った投資口の基準価額が、最悪の場合、ゼロになる可能性はありますが、投資家自身が証拠金を積んでトレードをしているわけではないので、追証(追加証拠金/追加保証金)の入金を求められることは有り得ず、元本を上回る損失を被るリスクはありません。

投資信託(の投資口)現物を、特定口座で買える

楽天レバナスや大和レバナスと同様、ナスダック100指数に対して2倍の値動きをするように設計されたETF(上場投資信託。なお、楽天レバナスや大和レバナスは、非上場投資信託)としては、QLD(ProShares Ultra QQQ)があります。
しかしながら、QLDの場合、楽天証券やSBI証券、マネックス証券等といった、国内の主要ネット証券会社経由では、買い付けることが出来ません。
些か(国内の投資家一般にとっては)マイナーな存在である、「サクソバンク証券」や「IG証券」といった証券会社を利用すれば、CFD取引(Contract for Difference。差金決済取引)は出来ますが、やはり、ETFの株式現物の買い付けは出来ません。
さらに、また、CFD取引の場合、特定口座は使えない、という難点があります(一般口座を利用し、投資家自身で、申告・納税を行う必要がある)。

その点、楽天レバナスならば、楽天証券から簡単に現物(投資信託の投資口)を買い付けることが可能です。
また、確定申告不要、源泉徴収ありの特定口座で買い付けが行えるため、(一般口座での買い付けと単純比較すれば)余計な手間暇を省略することが出来ます。


参考:
ETF版レバナス「QLD」(ProShares Ultra QQQ)まとめ

仮に基準価額が暴落しても、繰上償還さえ無ければ、安値で多量の投資口を買い付けるチャンスと出来る

楽天レバナスの場合、仮に基準価額が暴落しても、繰上償還さえ無ければ、安値で多量の投資口を買い付けるチャンスと出来る
基準価額と、投資額1万円あたりで買い付けできる投資口の数の関係。数値はあくまでも仮定

上の表は、

  • 投資信託の基準価額(1万口あたり)と、
  • 同じ金額(1万円)で買い付けることが出来る、投資口の数

の関係を表したものです。

仮に、楽天レバナスの基準価額が下落(場合によっては、暴落。詳しくは後述しますが、ナスダック100指数が急落すれば、十分にあり得ることです)すれば、その時点で楽天レバナスの投資口を保有している場合、投資家の資産評価額は下落してしまいますが、一方で、新たな投資口を、より安い仕入れ値で取得する、好機でもあります。

もしも、その後、ナスダック100指数が回復し、それに応じて、楽天レバナスの基準価額も上昇していけば、最終的には、(安値で仕入れた投資口が原動力となり、)大きなキャピタル・ゲインを手に出来る可能性があります。


※一方で、ナスダック100指数、ひいては、楽天レバナスの基準価額が、結果的に回復しなければ、追加投資した資金についても、無駄な投資となってしまいます。
また、もしも、楽天投信投資顧問が、楽天レバナスの繰上償還を行えば、ファンドの運用が終了となり、多額の含み損が確定損失となってしまう可能性もあります。

少額(100円)から、スポット購入、及び、積立投資の設定が出来る

楽天レバナスの場合、先発の大和レバナスと同様、ネット証券(楽天証券)を通じて、

  • スポット購入の場合でも、
  • 積立投資の場合でも、

100円から、金額指定での買い付けを行うことが可能です。
(金額指定での買い付けが出来ず)あくまでも「株数」単位での売買が基本となる株式やETFと比較し、この点は、非上場投資信託ならではのメリットと言えます。

買い付け手数料がかからず、かつ、解約時の信託財産留保額もない

楽天レバナスも、大和レバナス同様、ネット証券(楽天証券)を通じて買い付けを行えば、買付手数料はかかりません(ノーロード)。
また、買付の方法を問わず、信託財産留保額の設定はありませんので、解約時に、一定額がファンドに留保されてしまうこともありません。

前述のETF(QLD。楽天レバナス同様、ナスダック100指数に対して2倍の値動き)の場合、CFD取引を行うにあたり、所定の手数料が生じますので、この点もまた、楽天レバナス(及び、大和レバナス)ならではのメリットと言えます。

楽天証券ポイントや、楽天スーパーポイントを使った投資が出来る

楽天証券を利用して楽天レバナスの買い付けを行う場合、あらかじめ所定の設定を済ませておけば、

  • 楽天証券ポイントや、
  • 楽天ポイントを、

投資に活用する、いわゆる「ポイント投資」を行うことが出来ます。

さらに、楽天レバナスの買付に、楽天ポイントを利用し、任意の条件を満たせば、その後、楽天市場での楽天スーパーポイント付与が、プラス1倍に増量される、という特典もあります。

売買のタイミングが良ければ、短期でも大きなキャピタル・ゲインを得られる可能性がある

楽天レバナスの場合、ナスダック100指数に対して、日々、2倍の値動きをするように運用されていることは、前述の通りです。
このように、レバレッジのかかった運用が為されている分、投資信託としての基準価額のボラティリティ(値動き)は、当然のことながら、レバレッジのかかっていない通常ファンドと比較し、大きなものとなります。

このボラティリティを活用し、タイミングのよい売買(相場の底値で投資信託を買い付け、その後、相当程度基準価額が上昇したところで、売り抜ける)が売買できれば、投資口の保有期間がごく短期(例:数ヶ月程度)であったとしても、大きな値上がり益を享受出来る場合があります。

積立投資において、楽天カードを使ったクレジット決済ができる

楽天証券を通じて楽天レバナスの積立投資設定を行う場合、その支払い方法に、「楽天カード」を選択することが可能です(カード決済可能額は毎月5万円まで)。
仮に、楽天カードを利用して、楽天レバナスへの積立投資額の決済を行った、とすれば、その決済額(カード決済額)100円ごとに、1ポイント分の楽天ポイントが別途付与されます。

そうして獲得した楽天ポイントは、前述の通り、更なる楽天レバナス・ファンドの買い付けへと回すことが出来ますので、資金・ポイントの回転効率が、より一層高まることとなります。

楽天レバナスのデメリット

ナスダック100指数が急落すれば、楽天レバナスの基準価額は暴落する恐れがある

楽天レバナスは、先行している大和レバナスと同様、米国ナスダック市場のナスダック100指数に対し、日々、2倍の値動きをするように設計されています。
もしも、ナスダック100指数が順調に上昇すれば、大きなキャピタル・ゲインを得られる可能性がありますが、その一方で、仮に、ナスダック100指数が急落してしまえば、レバレッジ効果が却ってマイナスに働き、楽天レバナスの基準価額が暴落する恐れがあります。

楽天レバナスのデメリット
ナスダック100指数が順調に上昇した後、急落し、その後再度上昇していった場合のシミュレーション

上の図は、

  • 運用開始以降、ナスダック100指数が順調に上昇(毎年5パーセントずつ)したが、
  • 15年目に暴落(元指数が半値まで下落)が発生し、
  • その後、サイド、毎年5パーセントの成長を継続していった場合の、

元指数、及び、元指数に対し2倍の値動きをするように設計されたファンドの基準価額の値動きを、至極簡易的にシミュレーションしたものです。

運用開始から15年間で、元指数が約2倍まで成長している間に、2倍レバレッジで運用される投資信託の基準価額は、(まさに、レバレッジの効果により、)3.7倍程度まで急成長しますが、元指数が半値まで暴落した時点で、2倍レバレッジ・ファンドの基準価額は、理論上、ほぼゼロ円となります(この時点で狼狽売りをしてしまえば、損失は確定となります)。

その後、再度15年間程度、元指数が再度順調な成長を継続し、最終的には、スタート時の指数の約2倍程度まで伸長したとしても、レバレッジ型ファンドの基準価額は、(スタート時の基準価額が1万円、暴落後の基準価額がほぼゼロ円、だとすれば)3千数百円程度までしか回復出来ません(これは、暴落によって、基準価額のうち、あまりにも大きな割合が失われてしまったことが要因です)。

つみたてNISA口座からの買い付けができない

楽天投信投資顧問が運用委託する楽天レバナスの場合、大和レバナスと同じように、ナスダック100指数に対し2倍の値動きを実現するために、「株価指数先物取引」と呼ばれる、一種のデリバティブ取引を行っています。

こうしたデリバティブの活用は、金融庁の定める「つみたてNISA」の銘柄認定基準、具体的には「リスク軽減以外の目的で、デリバティブ取引を行ってはならない」とする基準に抵触してしまうため、目下、楽天レバナスは(大和レバナス同様)つみたてNISAの認定銘柄に含まれていません。

このため、投資家においては、楽天レバナスの買い付けにおいては、つみたてNISAのメリット(最長で20年間に渡り、専用口座で買い付け・保有した投資信託の値上がり益、及び分配金が非課税となる)を享受することが出来ません。

※もっとも、一般NISA口座、及び、ジュニアNISAでの買い付けは、現時点では、可能です。

レバレッジなしの「フツナス」と比較すると、経費率が高い

レバレッジをかけることなく、ナスダック100指数に対して1倍の値動きを目指す投資信託は、主にレバナス民の間で「フツナス」と呼ばれています(=「普通の」ナスダック100指数連動ファンド、という意味)。

こうした「フツナス」ファンドは、国内で数本、設定・運用されていますが、その運用管理費用の相場は、概ね、年率で0.5パーセント程度です。

楽天レバナスの場合、先行する大和レバナスと比較すると、信託報酬料率が低い事は、前述の通りですが、それでも尚、「フツナス」ファンドと比較すると、信託報酬は些か割高です(フツナスの信託報酬が概ね0.5パーセント程度であるところ、楽天レバナスの場合、税別0.7パーセント)。

投資信託の信託報酬は、仮に、ファンドの運用成績がマイナス(=基準価額が、買付時点よりも下落)の場合でも、継続的に発生するものですので、この点については、一定の留意が必要です。

「ボックス相場」においては、基準価額が逓減するリスクがある

楽天レバナスや大和レバナスといった、レバレッジ型ファンドの場合、

  • 元指数が、上昇や下落を繰り返し、
  • 結果的に、元の値に戻るような、
  • いわゆる「ボックス相場」においては、

レバレッジ効果が却ってマイナスに働き、基準価額が逓減していくリスクがあります。

為替差益を享受できない

上述の「フツナス」ファンドの場合、一般のインデックス・ファンド同様、為替ヘッジは「行わない」とされていることが通例です。
しかしながら、楽天レバナスの場合(※大和レバナスも同様)、基準価額の値動きを、出来得る限り、「元指数の日々の値動きの2倍」とシンクロさせるために、余計な変動要因となり得る為替に関しては、フルヘッジが為されています。

この場合、

  • 投資信託の申し込み時点と比較し、為替が、円高・ドル安方向へと推移しても、為替差損を被るリスクが軽減されている、という利点がありますが、
  • 一方で、為替が「円安・ドル高」方向へと推移したとしても、為替差益を享受することが出来ない

という、難点があります。

買い付け申し込みの時点では、正確な基準価額が分からない

楽天レバナスの場合、大和レバナス同様、投資信託の正確な約定価格は、買付申込締め切りの翌朝、米国株式市場がクローズしてからでないと、判明しません。
買付申込の時点では、「概ね、このくらいだろう」と考えていた基準価額が、その後の(日本時間では、夜)米国市場での値動きにより、急変してしまう可能性もあるため、注意が必要です。

インカム・ゲイン(不労所得)目的の投資には適さない

昨今、FIRE(会社からの経済的な独立を確保し、早期退職を実現する)への関心の高まり等と合わせて、不労所得の獲得を目的に、投資に取り組もうと考える人が増えています。

しかしながら、楽天レバナスへの投資の場合、

  • そもそも、実質的な投資対象である、ナスダック100指数の構成企業の多くは、配当性向が低い(=利益が出たとしても、投資家への配当せず、内部で技術開発・研究などへと充てる傾向が強い)、いわゆる「グロースか」であること、及び、
  • 先行している大和レバナスの場合、これまでの3期の決算(2019/10/18、2020/10/19、2021/10/18)において、いずれも、分配は行っていないこと、

などを踏まえると、「高配当が期待できる投資信託」であるとは言い難いのが実情です。

ナスダック100指数の成長を信じ、キャピタル・ゲインの獲得を目指している、という投資家ならばいざ知らず、インカム・ゲイン(不労所得)目当ての投資家においては、楽天レバナスは、さほど有利な選択肢とは言えません。


参考:
「レバナス」の意味とは-レバナス・ファンドへの投資は「無意味」なのか

楽天レバナスと大和レバナス、比較するとどっちがいい?

ここからは、楽天投信投資顧問が2021年11月に設定した、「楽天レバナス」(楽天レバレッジNASDAQ-100)と、大和アセットマネジメントが2018年から運用委託している、「大和レバナス」(iFreeレバレッジ NASDAQ100)とを、様々な視点から、簡単に、比較検証してみましょう。

「楽天レバナス」と「大和レバナス」を純資産で比較

2022年1月12日現在、楽天レバナスの純資産総額は、208.32億円。
これに対して、大和レバナスの純資産総額は、その約9倍にあたる、1,901.02億円に達しています。

楽天レバナスの純資産総額は、設定当初の50億円弱程度から、わずか2ヶ月で、4倍程度にまで成長しています。
これに対し、大和レバナスの場合、設定当初の純資産総額は3億円でしたから、その後、3年強の歳月が経過し、純資産総額は、630倍以上にまで成長したこととなります。

なお、これまでの決算日ごとの、大和レバナスの純資産総額の推移としては、下記の通りです。

決算日 純資産総額(百万円)
2018年10月19日(設定日) 300
2019年10月18日 523
2020年10月19日 32,193
2021年10月18日 131,050

「楽天レバナス」と「大和レバナス」を基準価額で比較

2022年1月12日現在、大和レバナスの基準価額は、39,084円です。
これに対し、楽天レバナスの基準価額は、9,321円です。

いずれも、基準価額は1万口あたりで計算されており、大和レバナスの場合、2018年10月の設定当初の基準価額(1万口あたり1万円)と比較し、約3.9倍にまで成長しています。
大和レバナスの基準価額は、2018年末の世界同時株安の際、当時の設定来最安値(6,700円程度)を記録しますが、その後は順調に成長。
2020年2月~3月にかけてのコロナ・ショックでは、基準価額が約半値となる急落(1万7千円強程度→8,500円程度)を見せましたが、その後は、ナスダック100指数の伸長に合わせて、時価総額を伸ばしてきています。

これに対し、2021年11月設定の楽天レバナスの場合、設定当初の基準価額(1万口あたり1万円)から、概ね横ばいの推移が続いています。

「楽天レバナス」と「大和レバナス」を設定来チャートで比較

楽天レバナスの設定来チャート

楽天レバナスの設定来チャート

楽天証券HPより2022年1月12日引用

大和レバナスの設定来チャート

大和レバナスの設定来チャート

楽天証券HPより2022年1月12日引用


参考:
レバナスのチャートから読み解く、レバナスの強み、そして弱点とは

「楽天レバナス」と「大和レバナス」を経費率で比較

大和レバナス、及び、楽天レバナスの信託報酬(運用管理費用)は、それぞれ、税込0.99パーセント、税込0.77パーセント、と提示されています。
主たる内訳は下記の通りです。

楽天レバナス 大和レバナス
委託会社 0.240% 0.435%
販売会社 0.435% 0.435%
受託会社 0.025% 0.03%


楽天レバナス、及び大和レバナスの、交付運用目論見書から引用。いずれも税抜き。

販売会社の取り分は、楽天レバナスと大和レバナスで同率ですが、委託会社への配分には、比較的大きな差があります。
単純な信託報酬を比較するのみ、であれば、(投資家目線では)楽天レバナスのほうが、大和レバナスよりも有利である、と言えます。

しかしながら、先行している大和レバナスが、既に複数回の決算で、信託報酬以外の「隠れコスト」(売買委託手数料、有価証券取引税、及び、保管費用や監査費用といった、その他費用)を開示済であるのに対し、2021年11月に設定されたばかりの楽天レバナスにおいては、隠れコストの実態は明らかにされていません(まだ最初の決算を迎えていないため、運用報告書が未作成)。

隠れコストの大小によっては、総経費率の大小が逆転する可能性も、物理的にゼロではありません。

「楽天レバナス」と「大和レバナス」を「申込のしやすさ」で比較

2022年1月4日現在、大和レバナス(iFreeレバレッジ NASDAQ100)の月次レポートによれば、下記の事業者が、大和レバナスの販売を行っています。

  • 株式会社イオン銀行
  • 株式会社紀陽銀行
  • 株式会社新生銀行
  • スルガ銀行株式会社
  • 株式会社中国銀行
  • 株式会社東邦銀行
  • PayPay銀行株式会社
  • auカブコム証券株式会社
  • SMBC日興証券株式会社
  • 株式会社SBI証券
  • OKB証券株式会社
  • 岡三証券株式会社
  • ぐんぎん証券株式会社
  • 株式会社CONNECT
  • GMOクリック証券株式会社
  • 大和証券株式会社
  • 立花証券株式会社
  • フィデリティ証券株式会社
  • 松井証券株式会社
  • マネックス証券株式会社
  • むさし証券株式会社
  • LINE証券株式会社
  • 楽天証券株式会社

これに対して、楽天レバナスの2021年11月の月次レポートによれば、楽天レバナスの販売を行っているのは、楽天証券株式会社のみ、という状況です。

auカブコムやSBI証券、松井証券、マネックス証券、といったネット証券での取り扱い状況を勘案すれば、申込のしやすさ(買い付けのしやすさ)、という観点では、楽天レバナスよりも長い運用・販売歴を持つ、大和レバナスが、比較的優位な状況です。


参考:
レバナスは「最強の投資法」なのか-「レバナス最強説」の根拠&アンチ・レバナスの反論まとめ

Author Info

レバナス投資検証チーム
fill.mediaは、国内の融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)や、不動産クラウドファンディング、ロボアドバイザー、インデックス投資業界等の最新情報を提供する、投資・金融情報総合メディア。
その他、昨今、主に若年投資家の間で大きな関心を集めつつあるFIRE(Financial Independence, Retire Early)に関する最新情報を専門的に扱う、FIRE(早期リタイア)専門の検証チームや、不労所得に関する検証グループ、その他、不動産投資全般について検証を行うチーム等があります。

レバナス投資検証チームでは、昨今、投資家の間で大きな関心を集めている、ナスダック100指数へとレバレッジをかけて投資する、いわゆる「レバナス」に関して、その長所・短所を検証し、深く掘り下げた分析・情報を提供しています。

メディア掲載歴(一部・順不同)
・朝日新聞デジタル&m
・財経新聞
・SankeiBiz
・RBBTODAY
・楽天Infoseekニュース
・excite.ニュース
・BIGLOBEニュース
・@nifty ビジネス
・Mapionニュース
・NewsPicks
・ビズハック
・MONEY ZONE
・Resemom
・SANSPO.COM
・Trend Times
・zakzak
・とれまがニュース
・徳島新聞

コメントを残す

コメントは当ラボによる承認作業後に自動掲載されます。