ETF版レバナス「QLD」(ProShares Ultra QQQ)まとめ

ETF版レバナス「QLD」とは

ETF銘柄「QLD」の概要

ETFの正式名称 ProShares Ultra QQQ(プロシェアーズ・ウルトラQQQ)
ティッカー QLD
証券識別コード 74347R206
ETFの設定日 2006年6月19日
経費率 0.95%(値引き後)
総経費率 0.97%(値引き前)
純資産の計算時刻 午後4時(アメリカ東部時間)
分配 毎四半期
運用目的 ナスダック100指数の日々のパフォーマンスの2倍の値動きを目指して運用されるETF


引用元:ProSharesホームページ

QLDは、昨今、個人投資家から大きな関心を集めている「レバナス」ファンドと同様、

  • 米国ナスダック市場のインデックス「ナスダック100指数」に対して、
  • 実質的に、2倍の値動きをするように設計・運用されている、

ETF(上場投資信託)です(上場市場は、NYSE Arca)。
日本のレバナス・ファンド(楽天投信投資顧問の、「楽天レバナス」や、大和アセットマネジメントの「大和レバナス」)と値動きが似ていることから、「レバナスETF」「ETF版レバナス」等と言った呼ばれ方をすることもあります。

QLD(ETF)のパフォーマンス

NAV(純資産) Market Price
1か月 3.45% 3.63%
3か月 6.48% 6.63%
半年 37.42% 37.56%
年初来 51.71% 52.22%
1年 67.05% 67.18%
3年 62.38% 62.51%
5年 52.78% 52.82%
10年 42.33% 42.39%
ETFの設定来 28.01% 28.02%


1年間を超える期間については、年率換算。2021年11月30日時点値としての掲載分を、2022年1月11日引用

連動対象インデックス(ナスダック100指数)の急成長に合わせて、ETF版レバナス、すなわち、QLDの、直近10年程度のパフォーマンスは、極めて高率です。
もっとも、レバレッジ型ファンド(ETFのみならず、非上場投資信託も)の場合、

  • 追随対象インデックスが、上昇相場にある時は、純資産が急成長するが、
  • 指数が横ばい(ボックス相場)しているときは、レバレッジの影響で「逓減効果」が生じる恐れがあるほか、
  • インデックスが下落基調にあるときは、一気に純資産額が急減するリスクもあるため、

実際の投資にあたっては、十分な注意が必要です。


参考:
レバナスは「最強の投資法」なのか-「レバナス最強説」の根拠&アンチ・レバナスの反論まとめ

ETF銘柄「QLD」の構成銘柄

セクター別

セクター ウェイト
IT(情報技術) 48.40%
コミュニケーション・サービス 19.32%
一般消費財 17.30%
ヘルスケア 6.62%
生活必需品 4.79%
資本財 2.69%
公益事業 0.87%


2021年9月30日時点値としての掲載分を、2022年1月11日引用

そもそも、ナスダック100指数の場合、ナスダック市場の上場銘柄(約3千銘柄)から、金融関連銘柄を除外したうえで、時価総額トップ100社程度に絞り込みが為されています。
このため、IT関連企業や、SNS等のコミュニケーション・サービスを展開する企業群の占めるシェアが、他の指数(例:S&P500指数等)と比較し、高率である、という特質があります。

銘柄別(上位10銘柄)

銘柄名 ティッカー ウェイト
APPLE INC AAPL 10.37%
MICROSOFT CORP MSFT 8.66%
TREASURY BILL 6.35%
AMAZON.COM INC AMZN 6.01%
NET OTHER ASSETS / CASH 5.79%
META PLATFORMS INC-CLASS A FB 4.27%
TESLA INC TSLA 3.90%
NVIDIA CORP NVDA 3.54%
ALPHABET INC-CL C GOOG 3.23%
ALPHABET INC-CL A GOOGL 3.06%


2022年1月10日時点値としての掲載分を、2022年1月11日引用

ETF版レバナス「QLD」のポートフォリオ(≒ナスダック100指数の構成銘柄)上位には、

  • iPhoneやiPad等の開発・販売等で知られるアップル社や、
  • WindowsOSの展開等で著名な、マイクロソフト、
  • クラウドサービスやショッピング・サイトを運営する、アマゾン、
  • 電気自動車(EV)、自動運転技術の開発などで知られる、テスラ社など、

錚々たる企業群が並びます。

上記した以外にも、動画ストリーミング・サービス大手の「ネットフリックス」や、電子決済サービス「ペイパル」の運営会社なども、ポートフォリオに組み込まれています。

QLD(ETF)のチャート検証

QLD(ETF版レバナス)のチャート検証
QLD(ナスダック100指数に対して2倍の値動き)、QQQ(ナスダック100指数に対してレバレッジ1倍で運用)、VOO(S&P500指数にレバレッジ1倍運用)という、3つのETFの値動きを比較

上のチャートは、

  • 本記事にて検証を行う、QLD(ナスダック100指数に対して2倍の値動きをするETF)
  • QQQ(ナスダック100指数に対して、レバレッジ1倍で運用されるETF)
  • VOO(インデックス投資家から人気の高い、S&P500指数に対し、レバレッジ1倍で運用されるETF)

という3つのETFの、2007年頃からの値動きを、比較しやすいように指数化したものです。

チャートの表示期間において、VOOはプラス310%程度、QQQはプラス880%程度の成長を見せていますが、QLDに関しては、プラス3,500%程度と、段違いの成長を見せています(あくまでも、一定期間を切り取ったチャートであり、今後の値動きを示唆するものではありません)。


参考:
レバナス積立をシミュレーション-10年積立の平均年利はどのくらい?

ETF版レバナス「QLD」のメリット

ナスダック100指数に対して3倍の値動きで運用されるETF「TQQQ」よりは、値動きが穏やか

QLDは、レバナスと同様、ナスダック100指数に対して、2倍の値動きをすることを目標に、運用が為されていますが、同指数に対して、さらにレバレッジをかけた運用を期待する投資家向けに、QLDの運用を行うProShares社では、ナスダック100指数に対して3倍の値動きをするETF「UltraPro QQQ」(通称:TQQQ)も運用しています。

ETF版レバナス「QLD」のメリット
ナスダック100指数に対して2倍の値動きをするETF「QLD」と、同指数に対して3倍の値動きをするETF「TQQQ」のパフォーマンスを比較

上のグラフは、2011年1月から、2021年12月にかけて、初期投資額1万ドル(その後の追加投資は無し)を、

  • ナスダック100指数に対して2倍レバレッジで運用されるETF「QLD」に投資した場合と、
  • 同指数に対して3倍レバレッジで運用されるETF「TQQQ」に投資した場合との、

ポートフォリオの評価額推移を表したものです(ともに、分配金は再投資)。

より詳しいパフォーマンスとしては、下記表の通りです。

QLD TQQQ
最終評価額 354,016ドル 1,082,252ドル
年平均成長率 38.30% 53.09%
標準偏差 31.78% 48.91%
ベスト・イヤー +88.90% +139.73%
ワースト・イヤー -8.32% -19.80%
最大ドローダウン -33.78% -49.12%
シャープ・レシオ 1.17 1.11


年平均成長率において、インフレーションは考慮せず

TQQQに100%投資したポートフォリオは、年平均成長率50パーセント強、初期投資した1万ドルは、100万ドル強にまで成長、という、驚異的な成長を見せましたが、2011年1月から2021年12月という集計期間の関係上、

  • ドットコム・バブル崩壊、及び、
  • リーマン・ショックという、

2度のナスダック100指数の暴落を、シミュレーション結果に含めていません。

それでも尚、TQQQの場合、標準偏差は48%強、マックス・ドローダウンも約半額、と、かなりのボラティリティがあることが分かります。

「大和レバナス」よりは、ETF版レバナス(QLD)のほうが、経費率が低い

大和アセットマネジメントが運用委託するレバナス・ファンド、すなわち、「iFreeレバレッジ NASDAQ100」の場合、信託報酬料率は税別0.9パーセント(税込0.99パーセント。内訳としては、委託会社と販売会社が率0.435%ずつ。受託会社が0.03%)とされており、2021年10月18日決算の交付運用報告書によれば、売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用を含めた「総経費率」は、1.162パーセントとされています。

これに対して、ETF版レバナス「QLD」の場合、値引き後の経費率は0.95パーセントとされていますから、単純計算すれば、QLD(ETF)のほうが、大和レバナスよりも、経費率が低い(※ただし、取引コストを度外視した場合)、ということとなります。


参考:
レバナスのチャートから読み解く、レバナスの強み、そして弱点とは

ETFの場合、リアルタイムで、様々な注文タイプを利用できる(ただし、QLDの場合、CFD取引)

大和レバナスや楽天レバナスといった投資信託を買い付ける場合、

  • 楽天証券やSBI証券といったネット証券会社の営業日の午後3時までに、買付注文を行う必要がありますが、
  • 実際の基準価額は、米国市場が閉まった後(=日本時間では、注文締め切りの翌朝)でないと、確定しないため、

買付を検討している間に参照していた基準価額と、実際に約定される基準価額との間に、誤差(タイムラグに起因するもの)が生じる、という難点があります。

その点、例えば、サクソバンク証券のCFD取引を利用して、QLDのトレードを行う場合、当然、リアルタイムでの売買が出来るほか、下記のような、様々な注文タイプを駆使することが出来ます。

  • 成行注文:
    約定価格や有効期限を指定せず、実勢価格で売買注文を発注
  • 指値注文:
    希望する約定価格と有効期限を指定して行う注文タイプ
  • 逆指値注文:
    実勢価格が指定した価格以下へ下落した時に売りの成行注文を執行したり、逆に、指定した価格以上へ上昇した時は、買いの成行注文を執行する、という注文タイプ
  • 逆指値(指値)注文:
    市場価格が指定した価格以下へ下落した時に売りの指値注文を執行。また逆に、指定した価格以上へ上昇した時に買いの指値注文を執行。
  • 逆指値(トレーリング・ストップ注文):
    逆指値価格が、自動的に実際の値動きを追跡(トレーリング)するように動く注文タイプ。
  • OCO注文:
    指値注文と逆指値注文をセットにし、同時に注文を発注。一方の注文が約定した場合に、他方の注文は自動的にキャンセルされる。
  • IFD-OCO(イフダン・OCO):
    イフダン(IFD)注文の2次注文をOCOとする注文タイプ。

ETFのCFD取引で生じた差金部分に関しては、一定の為替メリットが享受出来る場合がある

「大和レバナス」及び「楽天レバナス」においては、投資信託の基準価額の値動きが、ナスダック100指数の「2倍の値動き」と可能な限りシンクロするよう、余計な変動要因にあたる「為替」の影響を軽減すべく、為替ヘッジを行っています。
このため、通常のインデックス・ファンド(為替ヘッジなし、で運用されていることが多い)と異なり、仮に、買付後に、為替が「円安・ドル高」方向へと推移したとしても、為替差益を享受することが出来ません。

これに対し、ETF「QLD」をCFDで取引する場合、確定差益に対して為替リスク(アップサイドリスク、及び、ダウンサイド・リスク、双方)が生じますので、為替の値動きによっては、為替差益を享受出来る場合があります。

ETF版レバナス「QLD」のデメリット

「楽天レバナス」や、レバレッジなしのETFと比較すると、経費率が高い

前述した通り、ETF「QLD」の値引きの経費率は、0.95パーセントです。

これに対し、楽天投信投資顧問が運用委託している、「楽天レバナス」(正式名称:楽天レバレッジNASDAQ-100)の場合、信託報酬の料率は、税抜きで0.7パーセント(税込で0.77パーセント。内訳としては、委託会社が年0.2640%、販売会社が年0.4785%、受託会社が年0.0275%)とされています。
※なお、楽天レバナスの場合、2021年11月に設定されたばかりであるため、交付運用報告書が作成されていません。このため、隠れコストを含めた「総経費率」については、未知数です。

また、Invesco(インベスコ)社が運用する、ナスダック100指数に対して1倍レバレッジで連動するETF「Invesco QQQ Trust, Series 1」(ティッカー:QQQ)の場合、総経費率(Total Expense Ratio)は0.20パーセントとされています。
QQQと比較すると、QLDの場合、4倍以上のコストがかかる計算となります。

レバナスETF現物の買い付けは、目下、困難(CFDなら可)

2022年1月現在、楽天証券やSBI証券、マネックス証券、といった、国内の主要ネット証券会社では、QLD(ETF)の取引を行うことが出来ず(ただし、前述の、インベスコ社のQQQに関しては、買付が出来ます)、日本の投資家がQLDに投資したい場合は、

  • サクソバンク証券、ないしは、
  • IG証券等を利用し、

CFD取引を行う必要があります(サクソバンク証券、IG証券、ともに、QLDの現物取引は不可)。

※かつては、サクソバンク証券を通じて、ETF「QLD」の現物買い付けが出来ましたが、2021年11月以降は、「法令上、日本国内では提供できない銘柄」であったとして、現物買付が不可とされています。

なお、CFD取引の場合、(銘柄によっては)レバレッジをかけたトレードが出来る、等、様々なメリットもありますが、トレード内容・値動きによっては、追加証拠金の入金を求められ、元本以上の損失を被るリスクがあるため、注意が必要です。

CFD取引手数料がかかる(非上場投信ならばノーロード)

楽天証券やSBI証券、マネックス証券等のネット系証券会社を利用して、「大和レバナス」や「楽天レバナス」(※楽天レバナスに関しては、2022年1月現在、ネット系証券会社としては、楽天証券のみ、取り扱いを行っています)の買い付けを行う場合、買付手数料はかかりません(=ノーロード)。

また、「楽天レバナス」も「大和レバナス」も、信託財産留保額の設定は為されていませんので、投資信託を解約・換金する場合も、デメリットはありません。

しかし、前述のサクソバンク証券にて、QLD(ETF版のレバナス)のCFD取引をする場合、

  • 取引手数料(1注文あたり):取引金額×0.15%
  • 最低取引手数料(1注文あたり):5.0米ドル

の手数料支払いが必要となります。

特定口座が利用できず、投資家自身で確定申告・納税が必要となる

「楽天レバナス」や「大和レバナス」の買い付けにあたっては、当然、「確定申告不要・源泉徴収あり」の、特定口座を利用することが可能です。
また、少なくとも、2022年、及び、2023年に関しては(≒2024年の、新NISAスタートまでは)、それぞれの投資信託を、一般NISA口座で買い付けることが可能です(ただし、つみたてNISA口座は不可)。

これに対して、QLD(ETF)をCFD取引する場合、特定口座を利用することは出来ません(※CFD取引自体が、特定口座利用不可であるため)。

差金に関して、実質的な為替差損が生じるリスクがある

「楽天レバナス」や「大和レバナス」の場合、基準価額の値動きに対する影響を緩和すべく、「為替ヘッジ」が設定されているため、仮に、投資信託の買い付け後に、為替が「円高・ドル安」方向に推移したとしても、大きな為替差損が生じるリスクは、軽減されています。

しかしながら、ETF版レバナス「QLD」に対して、CFD取引を行う場合、生じた差金に関しては、為替の影響が生じることとなります。

高配当ETFとは違い、キャッシュ・フロー目当ての投資には向かない

海外ETFの中には、SPYDやHDV、VYMなど、配当性向の強い銘柄を中心にポートフォリオを組んだ、いわゆる「高配当ETF」が複数存在します。
一方で、「ETF版レバナス」の異名をとるQLDの場合、お世辞にも、「高配当ETF」とは言えません。

QLDの、直近数年間の、各四半期ごとの分配歴としては、下記の通りです。

分配月 分配金
2021年12月 なし
2021年9月 なし
2021年6月 なし
2021年3月 なし
2020年12月 なし
2020年9月 なし
2020年6月 なし
2020年3月 0.0022733
2019年12月 0.0124625
2019年9月 なし
2019年6月 0.0103618
2019年3月 0.0156878

Author Info

レバナス投資検証チーム
fill.mediaは、国内の融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)や、不動産クラウドファンディング、ロボアドバイザー、インデックス投資業界等の最新情報を提供する、投資・金融情報総合メディア。
その他、昨今、主に若年投資家の間で大きな関心を集めつつあるFIRE(Financial Independence, Retire Early)に関する最新情報を専門的に扱う、FIRE(早期リタイア)専門の検証チームや、不労所得に関する検証グループ、その他、不動産投資全般について検証を行うチーム等があります。

レバナス投資検証チームでは、昨今、投資家の間で大きな関心を集めている、ナスダック100指数へとレバレッジをかけて投資する、いわゆる「レバナス」に関して、その長所・短所を検証し、深く掘り下げた分析・情報を提供しています。

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