【ソーシャルレンディングNEWS】クラウドクレジットが「内部監査室」を設置し、内部監査業務の内製化に踏み切りました。

寄稿者紹介

個人投資家Y.K氏。
2018年初旬からソーシャルレンディング投資を始め、約1年ほどが経過。
合計20社以上のソーシャルレンディング事業者に投資口座を開設し、累計投資額は400万円以上。
30代男性会社員・首都圏在住。

クラウドクレジットのホームページに掲載されているプレスリリースがこちら


引用元:https://crowdcredit.jp/info/detail/253
端的にまとめれば、

  • これまでは外部に委託していた「内部監査業務」を、
  • クラウドクレジット社内で内製化することにした。
  • これに伴い、「内部監査室」を新設した。

とのことです。

内部監査って、外注と内製、どちらがいいの?

「内部監査は大切」という点に、異を唱える方はいないと思います。
クラウドクレジットの場合は、将来的な上場も視野に入れていることでしょうから、
来たる上場審査に向けても、内部監査体制の強化、というのは、理にかなっています。

ただし、内部監査を「外注」することが”悪”であり、内部監査を「内製」することが、100パーセント、”善”であるとは、なかなか、言い切れるものではありません。

上場企業にお勤めの方であれば、良くご存知のことと思いますが、
内部監査を内製実施するためには、かなりの手間暇・コストがかかります。
内部監査を実施する人員は、内部監査を「受ける側」の人員と、ある程度(完全に、というわけにはいかないでしょうが)分離しておく必要がありますから(※そうしないと、内部監査の正当性が損なわれかねません)、
その分、どうしても、コスト増になります。
内部監査を十全に実施できるスキルのある人間を、社内で育成する、というのも、
当然、かなり大変なことです。

その点、内部監査業務をアウトソース(外注)する場合、

  • 内製の場合と比べ、コストは当然、下がるでしょうし、
  • 自社の業務に適した監査を実施できるサービサー(委託先)を見つけることが出来れば、わざわざ自社で専門人員を養成する必要も無くなるわけですから、

「無理に内製せずとも…」という考えがあったとしても、
それはそれで、説得力のある意見です。

内部監査業務の内製化に踏み切ったクラウドクレジットの判断は、評価されるべき。

上述致しましたように、
内部監査業務を外注すべきか、内製すべきか、という点については、
なかなか、一概に言い切れるものではありませんが、

それでもなお、万難を排し、内製化に踏み切る場合、
ひとつ、大きなメリットがあります。

それは、当該監査業務に関するノウハウ・知見を、クラウドクレジット社内に、(たとえ、少しずつでも)蓄積できることです。

外注する場合に比べて、コストはかさむし、
専門家の育成には、時間もかかる。
社内に「目の上のたんこぶ」を作らないといけないわけですから、
人間関係の調整も、簡単ではないでしょう。

しかし、そうした困難性を乗り越え、内部監査業務の内製化に成功すれば、
関連業務に係るノウハウ・知見の蓄積程度は、飛躍的に高まることでしょう。

クラウドクレジット社が、そのような計画を抱いているか、どうかは、分かりませんが、
ソーシャルレンディング事業者に係る監査のノウハウ・知見を徹底的に蓄積すれば、
将来、他のソーシャルレンディング事業者(業界に新規参入する業者等)に対し、「外部からの監査業務」というサービスの提供も、行えるようになるかもしれません。

マーケティングや資金集め、という切り口ではなく、
監査業務の役務提供、という視座から、業界のプラットフォーマーを目指す、というのも、
なかなか、面白いのではないでしょうか。
せっかくコストをかけて知見蓄積を進めるのであれば、是非、そのくらいまで進めてほしいものです。

ガバナンス(企業統治)体制強化に努めるクラウドクレジットの今後に期待(上場も?)

投資【管理】業務を専門的に担う、「投資管理部」を新設し、併せて、「投資管理委員会」を設置する旨の、プレスリリースが公表されたのが、2018年7月でした。

その時のリリースがこちら。


引用元:https://crowdcredit.jp/img/blog/upload/upload_1531467901.

ここのところ、クラウドクレジットの、内部統制・ガバナンスの強化に向けた動きが続いています。
クラウドクレジット社単体として、上場を目指し、証券会社等からの助言も受け入れながら、具体的に動いているのでは、という憶測もあるでしょうが、
同時に、ソーシャルレンディング業界全体にも、ガバナンス強化・コンプライアンス遵守姿勢の強化、という流れを、更に押し広げて行ってもらえることを、期待しています。

同社の今後の更なる体制強化に、一(いち)個人投資家として、強く期待をしています。

それでは、本日の記事はここまで。
また次回の記事にて、お会い致しましょう。

追伸:
大手ソーシャルレンディング事業者数社を、投資家登録数や累積投融資額、利回りや手数料、といった指標で、横断的に比較検討した、こちらの過去記事も、おすすめです。是非、ご覧になってみてください。

【徹底比較】ソーシャルレンディ事業者ごとの投資家登録数・投融資額・ファンド利回り…。国内大手ソーシャルレンディング各社を複数視座から比較してみた結果、見えてきたものとは。


本寄稿内容は、寄稿者の個人的な見解・体験・意見であり、その内容は、当ラボの公式見解と異なる場合があります。
また、本記事は、読者様への情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品(ファンド等含む)への投資勧誘を目的としたものではありません。
個別のソーシャルレンディング事業者における投資口座開設や、実際の投資是非に係るご判断につきましては、必ず、読者様ご自身にて、為さって頂きますよう、お願い致します。

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