【3カ月運用】キャッシュフローファイナンスのソーシャルレンディングファンド「《コインランドリー》満期借換ファンド(27号)」の場合。

寄稿者紹介

個人投資家Y.K氏。
2018年初旬からソーシャルレンディング投資を始め、約1年ほどが経過。
合計20社以上のソーシャルレンディング事業者に投資口座を開設し、累計投資額は400万円以上。
30代男性会社員・首都圏在住。

ソーシャルレンディング各社の過去ファンドを題材に、各社の特徴や、ファンドごとのリスク・リターンのバランス等を検証する本企画。
今回は、キャッシュフローファイナンスが2018年9月に資金募集を行ったソーシャルレンディングファンド、「《コインランドリー》満期借換ファンド(27号)」を題材に、読み解きを進めて参りましょう。

本ソーシャルレンディングファンド(3カ月運用)の概要

同社のホームページから確認した、本ソーシャルレンディングファンドの概要としては、下記の通りです。
※なお、案件1及び案件2のうち、資金の大半を融資する「案件1」のほうに関してのみ、下記、検証をさせて頂きます。

スキーム図

スキーム構造としては下図の通り。


引用元:https://www.cf-finance.jp/fund/detail?fund_id=562

また、本ファンドは、
過去に組成され、満期(償還)を迎えようとしているファンドの、借り換えファンドとなります。
このため、下図も掲載されていました。


引用元:https://www.cf-finance.jp/fund/detail?fund_id=562

資金の借り手

キャッシュフローファイナンスにとっての直接的な債務者としては、事業者AH、との表記があります。
キャッシュフローファイナンスが45パーセントを出資し、キャッシュフローファイナンスの代表取締役が、残りの55パーセントを出資している法人、との記載がありますので、純然たる関連会社と見てよいでしょう。

貸付資金の総額

本ファンドが満額募集を達成した場合の貸付総額、1,000万円、とのこと。
※実際の応募の状況については、後述します。

借り手の資金使途

過去、キャッシュフローファイナンスによって組成され、事業者AHへと資金貸し出しを行った、

上記2件のファンドが、2018年10月1日で、満期・償還を迎えるにあたり、
事業者AHとしては、上記の2ファンド分の元利金返済原資を確保するために、
本新規ファンドから、資金を借り受ける考え、とのこと。
要は、借り換え(リファイナンス)を目的としたファンドですね。

貸付・運用の期間

3ヶ月間の貸付・運用となります。

設定担保

本ファンドについては、無担保・無保証であることが明記されています。

返済原資

まず、下記の明記があります。

CFFへの返済については、事業者AHが受け取る設備賃貸料を原資として行われます。
引用元:https://www.cf-finance.jp/fund/detail?fund_id=562

あわせて、下記記載もあります。

また、本件は事業者AHの収益物件の運用であるため、3か月後の償還は売却が無ければ借換えが想定されます。
引用元:https://www.cf-finance.jp/fund/detail?fund_id=562

素直に読めば、

  • ボロワー(事業者AH)は、借入期間中(3か月の間)の利息については、ボロワーがO社から受け取るリース料(設備賃貸料)を原資にして、キャッシュフローファイナンスに対して、支払う。
  • 3ヶ月後の元金返済においては、借り換え(リファイナンス)によって返済原資を確保する予定。

上記の通り解釈できるでしょう。
3ヶ月後のリファイナンスのタイミングにおいて、具体的には、どこからどのような借り換えを行うか、すなわち、

  • 完全な外部金融機関(例:銀行)から、借り換えを行う予定なのか、
  • それとも、キャッシュフローファイナンスにて、再度、借り換えのためのファンドを組成してもらう予定なのか、

については、本ファンド概要情報を読み込む限りにおいては、明記がありませんでした。

わたしたち個人投資家の期待利回り

10パーセント(年利)、とのことです。
※なお、実際の運用は3カ月です。

資金募集の達成度は

ソーシャルレンディングファンド分析。キャッシュフローファイナンスの場合。
引用元:https://www.cf-finance.jp/fund/detail?fund_id=562

結局、1割強程度の資金しか集まらず、募集期間終了、となった模様です。

運用・返済状況は

本ファンドは運用期間が短く、2018/10/01に貸し付け実施、2019/01/04には返済完了予定、という構成です。
本記事執筆本日現在、キャッシュフローファイナンスにおいては、複数のファンドで延滞が発生していますが、少なくとも本ファンドに関しては、延滞発生の旨は、本記事執筆本日現時点では、公表されていません。
すなわち、少なくとも利払いについては、コンスタントに継続されていたものと思料されます。

本ソーシャルレンディングファンドのポイント

私が考える、本ソーシャルレンディングファンドのポイントは、下記の通りです。
なお、あくまでも、私の個人的な見解です。

3カ月の短期貸付・利回り10パーセント、は、魅力的といえる。

完全な無担保・無保証ファンドではありますが、利回り10パーセント、というのは、勿論、低い利回りではありません。
O社が事業を中止してしまい、O社から賃料を徴求できなくなるリスク、については、当然、気になりますが、
一応、下記の明記もあります。

O社の事業の撤退等で、リースバック契約を自己都合により解約する場合は、6か月前に解約予告を行なう契約となっております。
引用元:https://www.cf-finance.jp/fund/detail?fund_id=562

ごく素直に考えれば、O社としては、現時点から起算して少なくとも半年間は、事業を継続してくれるのでしょうから、
本ファンドの満期がわずか3か月後であることを考えれば、その点は、ある程度、安心材料として判断することが出来るでしょう。

純然たる借り換えファンド。3カ月の間の有事発生可能性はどう考えるか。

  • 本ファンドは、過去ファンドへの元金返済原資を確保するための、借り換えファンドであり、
  • かつ、本ファンドへの元金返済原資についても、将来新たに組成される借り換えファンドからの貸付金が充てられる可能性がある旨が、示唆されています。

上記のような情報が明記されていることは、ある意味、とても潔いことなのですが、
極言すれば、「終わりなき自転車操業」の可能性が教唆されている、とも読めるものと考えます。
※あくまでも、私の個人的な所見です。

もっとも、たとえその通りであったとしても、それが事業・スキームとして成立しており、

  • O社のコインランドリーを実際に利用し、それを役立てている、消費者の方々や、
  • O社の役職員・従業員の皆さん、
  • その他、AH社、キャッシュフローファイナンス、
  • ひいては、わたしたち個人投資家

といったステークホルダー皆にとって、幸福な展開が続いていくのであれば、それはそれで、素晴らしいことなのですが、
強く憂慮されるのは、万が一の有事の際、です。

本貸付については、ノンリコースローンであることも、下記の通り、明記されています。

CFFと事業者AHの融資契約は「責任財産限定特約付」融資(ノンリコースローン)の取扱いとして対応します。

事業者AHの返済原資は、事業者AHを賃貸人・O社を賃借人とする本件賃料債権に限定され、

事業者AHがCFFに返済できなくなった場合でも、事業者AHの保有する他の財産に対する強制執行はできません。
引用元:https://www.cf-finance.jp/fund/detail?fund_id=562

AH社は、俗にいう資産管理会社にも近しいような法人でしょうから、
O社へと貸し出しているコインランドリー関連設備等以外にも、いろいろと資産を有しているのでしょうが、
万が一、AH社→キャッシュフローファイナンスへの返済に遅滞が生じたとしても、そうした「他の資産」への遡及は原則、出来ません。

こうした条件下において、借り換えファンド組成による元金返済原資確保が予定されている場合、その新規ファンド組成(そして資金募集)がうまくいかなくなった時が、怖いのです。

万が一、キャッシュフローファイナンス社に、事業者リスク(例:証券取引等監視委員会の調査によって、金融庁から、行政処分勧告が出される、等。※あくまでも、例です。)が発生したらどうするか。
(→この場合、仮に新規ファンドを組成したとしても、その後の資金の集まり程度は、非常に悪くなることが予想されます)
はたまた、o社のコインランドリー事業で、事故があったらとうするか。
(→この場合、少なくとも、今回と同じステークホルダー・スキームによる、新規借り換えファンドを組成したとしても、現実的に考えて、資金は、容易には、集まらないでしょう)
そのあたりが、リスクの源泉となります。

(そもそも)コインランドリー経営は”あり”なのか。swallows氏のコラムによると…

(そもそも)コインランドリー経営は”あり”なのか。swallows氏のコラムによると…

引用元:不動産投資の失敗例告白埼玉swallowsさん
不動産投資コラム(https://www.kenbiya.com/ar/cl/kokuhaku/tc-1/)

そもそも論となりますが、昨今、コインランドリー経営というのは、現実的に利潤を得ることの出来る事業なのでしょうか。
この点を検討するにあたっては、(ソーシャルレンディング投資家では無いですが)不動産投資家「swallows氏」のコラム等が、読み物として興味深いものとなっています。
swallows氏のコラムを拝読する限りにおいては、コインランドリー経営というのは、決して、楽な事業ではないようです。

総論

  • 10パーセントという高い期待利回りと、数カ月という短期運用(=時間リスクを有意にヘッジできる)は、比較的魅力的といえるが、
  • 本ファンドは、過去の別ファンドの元金返済のための借り換えファンドであり、また、本ファンドの満期償還時においても、新たな借り換えファンド組成による返済原資確保の可能性が示唆されているため、資金を自転車方式で回転させている恐れがある。このため、何らかの有事が発生し、新規借り換え用ファンドの組成が奏功しなくなった時に、大きなリスクが顕在化する恐れがある、

といったあたりが、私の本ソーシャルレンディングの見立て・総論となります。
私の個人的な見解を申せば、借り換えファンド、特に、自身の満期償還原資についても、借り換えファンドの新規組成を想定しているようなファンド(=借り換え”シリーズ”、とでも、言いましょうか…)については、自転車操業的な”匂い”が否めぬため、出来るだけ避けて通りたいな、というのが、正直なところです。(※あくまでも、個人的な所見です)

本ソーシャルレンディングファンド検証のまとめ

ソーシャルレンディング各社の過去ファンドを検証し、各社の特徴や、ソーシャルレンディングファンドごとの特色、そして、ファンド概要の読み解きのヒントを探る本シリーズ。
今回は、キャッシュフローファイナンスのソーシャルレンディングファンド「《コインランドリー》満期借換ファンド(27号)」を題材に、検証をさせて頂きました。

しつこいようで申し訳ありませんが、
本記事文中の表現は、いずれも、私のごく個人的な意見に過ぎません。
その点は、くれぐれも、ご承知おきください。

しかし、あくまでも、その限りにおいて、
少しでも、「これからソーシャルレンディング投資を始めてみよう」とお考えの読者様にとり、
ファンド概要の読み込みの具体例として、ご参考になさって頂ける内容と出来たのであれば、嬉しい限りです。

ソーシャルレンディング会社ごとの資本金額や、各案件の年利リターン、初心者へのおすすめランキング等、様々なアングルから、国内大手ソーシャルレンディング事業者をランキング形式で検証した、こちらの記事も、是非、ご参照下さい。おすすめです。

【ソーシャルレンディング会社ランキング決定版】ファンド案件利回り・投資対象国の分散程度・不動産担保設定率・投資のしやすさ。様々な角度から、国内の大手人気ソーシャルレンディング事業者を徹底検証。

それでは、本記事はここまで。
また次回の記事にて、お会い致しましょう。

本寄稿内容は、寄稿者の個人的な見解・体験・意見であり、その内容は、当ラボの公式見解と異なる場合があります。
また、本記事は、読者様への情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品(ファンド等含む)への投資勧誘を目的としたものではありません。
個別のソーシャルレンディング事業者における投資口座開設や、実際の投資是非に係るご判断につきましては、必ず、読者様ご自身にて、為さって頂きますよう、お願い致します。

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