ソーシャルレンディングとインデックス投資を比較

ソーシャルレンディングとは

ソーシャルレンディングとインデックス投資01

銀行定期預金等と比較し、高い期待利回りが呈示されているとして、個人投資家を中心に、高い注目を集めている、新たな投資手法、ソーシャルレンディング。
企業を中心とする資金需要者からも、新たな資金調達手法として、関心を寄せられつつあります。

投資家・資金需要者、双方にとってメリットがある一方で、元本割れのリスクや、ファンドの延滞リスク等、ソーシャルレンディング投資スタートにあたっては、複数のリスク要素にも、注意が必要です。

ソーシャルレンディングの仕組み

ソーシャルレンディングの仕組みを簡単に時系列で表現すると、下記のようになります。

  • すでに貸金業法に基づく登録を受けている貸金業者(ノンバンク型)が、新たに金融商品取引業の登録(主に、第二種金融商品取引業)を取得して「ソーシャルレンディング事業者」となる。
  • 資金ニーズを抱えた、いわゆる資金需要者(主に企業)が、ソーシャルレンディング事業者の元を訪れ、融資可否等について相談する。資金需要者がソーシャルレンディング事業者の融資審査を通過すれば、両者の間で、金銭消費貸借契約に関する主たる合意(貸付金額や、利息、返済期限等)が形成される。
  • ソーシャルレンディング事業者は、上記の資金需要者への融資を営業内容とするファンドを組成し、自身のサービスサイト上で情報を公開。投資家からの出資を募る。
  • 投資家は、あらかじめソーシャルレンディング事業者に対して登録を済ませた上で、当該ソーシャルレンディング事業者の募集中ファンドの中から、任意のローンファンドに対して、出資申込を行う。出資が成立すると、投資家とソーシャルレンディング事業者との間で、匿名組合契約が電磁的に締結される。
  • ソーシャルレンディング事業者は、投資家から募った資金を、件の資金需要者(以下、借り手企業)に対して融資する。この際、ソーシャルレンディング事業者と借り手企業との間では、金銭消費貸借契約が締結される。また、ソーシャルレンディング事業者が、借り手企業の保有資産に対し、担保権を設定することもある。
  • 借り手企業は、ソーシャルレンディング事業者に対して、利息、並びに元本の返済を行う。
  • ソーシャルレンディング事業者は、借り手企業から回収した利息を元手に、投資家に対する利益分配を実施する。また、最終的には、借り手企業から回収した元本を元手に、投資家への元本償還を実施する。

ソーシャルレンディングのメリット

投資家、借り手企業、及び、ソーシャルレンディング事業者にとり、ソーシャルレンディングへと取り組みには、主に下記のようなメリットがあります。

投資家にとってのメリット

  • 各ファンドにおいて提示されている期待利回りが高い。
  • 事前の投資家登録から、ファンドへの出資申込に至るまで、投資に纏わる諸手続きが、オンラインにて完結する。
  • 上場企業に対して融資するローンファンドや、貸し付けにあたり、借り手企業が保有する不動産に担保権を設定する案件も募集されている。
  • 大企業・大手VC(ベンチャーキャピタル)から出資を受けているソーシャルレンディング事業者や、国内証券市場の上場企業子会社が運営にあたるソーシャルレンディング・サービスもある。

借り手企業にとってのメリット

  • ソーシャルレンディング事業者の融資審査は、銀行等の融資審査と比較し、柔軟、かつスピーディーであることが期待できる。
  • ソーシャルレンディング事業者ならば、銀行が忌避する傾向の強い短期ローン(銀行としては、審査にかかる人的コストがペイできない)にも、積極的に取り組んでくれる場合がある。
  • ソーシャルレンディング事業者のファンド募集を通じて、自社のサービス・ブランドに関して、全国の個人投資家に対して、知名度向上・ブランディングを図ることが出来る場合がある。
  • 銀行からの融資や、市場からの直接金融(上場企業の場合)と異なる、新たな資金調達チャネルを獲得することで、財務の安定化を図ることが出来る。

ソーシャルレンディング事業者にとってのメリット

  • 自己資金や、自身が銀行から借りた資金ではなく、投資家からクラウドファンディング形式で集めた投資用資金(ノンリコース性が高い)を融資原資にすることで、自身のリスクを限定したうえで、新たな融資プロジェクトに取り組むことが出来る。
  • 自社のグループ企業に対して融資を行うファンドを募集し、募集が成功する場合、自社グループ全体にとって、新たな資金調達手法として活用することが出来る。

ソーシャルレンディングのメリット

投資家、借り手企業、及びソーシャルレンディング事業者は、ソーシャルレンディングへと取り組むにあたり、下記のようなデメリット・リスクについても、同じく注意を払う必要があります。

投資家にとってのリスク・デメリット

  • 一旦ファンドへと出資すると、その後、ファンドが償還を迎えるまで、出資の中途解約が出来ない。また、ソーシャルレンディング・ファンドへの出資持分を、他の投資家と売買するための、「セカンダリ・マーケット」(=いわゆる、市場)は存在しないため、換金もままならない。
  • ソーシャルレンディング事業者は、あくまでも、借り手企業から回収した利息、及び元金を元手にして、投資家への利益分配、及び元本償還を実施する。このため、仮に、借り手企業からソーシャルレンディング事業者への元利金返済が遅延すると、ソーシャルレンディング事業者から投資家への分配・償還にも、遅れが生じてしまうこととなる。
  • ソーシャルレンディング事業者が借り手企業に対して保有する貸付債権が、借り手企業の経営破綻等によって貸し倒れ(デフォルト)となると、投資家の出資元本についても、大幅に毀損(元本割れ)が生じるリスクがある。
  • ソーシャルレンディング投資の収益にあたる「分配金」は、所得の分類上、「雑所得」に該当し、総合課税の対象となる。申告分離課税は利用できないため、既に給与などの所得が大きい投資家がソーシャルレンディング投資を行う場合、ソーシャルレンディング事業者から受け取る分配金に対しても、高税率が課せられる可能性がある。

借り手企業にとってのデメリット

  • ソーシャルレンディング事業者の課す貸付金利は、年率で10パーセントを超えることもあり、極めて高利。
  • ソーシャルレンディング事業者(いわゆる、ノンバンク型の貸金業者)からの借り入れ履歴が、今後の銀行等の審査・与信において、一定の影響を及ぼす可能性がある。

ソーシャルレンディング事業者にとってのデメリット

  • 自己資金100パーセントで借り手企業に対して融資を行う場合と単純比較すると、利益の絶対額が小さい。
  • 貸金業法の求める「借り手保護」と、金融商品取引法の求める「投資家保護」との、難しい両立を迫られることとなる。

参考:
【2021年9月最新版】ソーシャルレンディングおすすめ10社&危ない3社比較ランキング【投資初心者必見】

インデックス投資とは

ソーシャルレンディングとインデックス投資02

個別の株式銘柄や、債券に対して投資をするのではなく、パッシブ型の投資信託(ETFも含む)に対して投資することにより、日経平均株価やTOPIX、S&P500等、代表的な指数(=インデックス)に連動した投資成績の獲得を目指すのが、インデックス投資です。

昨今、FIRE(Financial Independence, Retire Earlyの頭文字をとった造語。経済的な独立を確保して、会社からの早期退職を狙うライフスタイル)への関心の高まりと合わせて、大きな注目を集めている投資スタイルでもあります。

インデックス投資の方法

個人投資家がインデックス投資に取り組む場合、基本的には、下記のようなステップを踏むこととなります。

  1. ロボアドバイザーの無料診断なども活用して、自分自身のリスク許容度(=どの程度の一時的な損失ならば、経済的、及び精神的に耐えることが出来るか)、及び、リスク許容度に見合ったポートフォリオ(=基本的には株式や債券など、複数の資産クラスを織り交ぜた、マルチアセット・ポートフォリオ)を確認・作成する。
  2. 実際にポートフォリオを構築するために、各資産クラスごとに、ターゲットとするインデックス(例えば、日本株の資産クラスであれば、日経平均、TOPIXなど。米国株の資産クラスならば、S&P500など)を決める。
  3. 上記のインデックス(指数)に連動した投資成果を目指して運用されている投資信託(非上場の投資信託、ないしは、上場投資信託)の中から、コストや運用実績などを勘案し、適切な投資信託を選択・購入する。
  4. 初期投資を行った後も、ドルコスト平均法のメリットを生かすべく、毎月の積立投資によって、追加投資を行っていく。その間、一時的な相場の急落があったとしても、売り急ぐようなことはせず、基本的には、「バイ&ホールド」戦略に徹する。

なお、上述の通り、投資家がインデックス投資を行う場合、非上場のインデックス投資信託を購入するか、上場投資信託(ETF)を購入するか、という選択を行うことが一般的ですが、各々の基本的には特徴としては、主に、下記の通りです。

非上場投資信託 ETF
  • 口数(株数)単位ではなく、金額指定で買い付けが出来る。証券会社によっては、100円程度の少額から、購入・積立投資を実施出来るケースもある。
  • ネット証券会社では、購入時手数料無料(ノーロード)の非上場投資信託が多数ラインナップされている。
  • 金融庁の指定する、つみたてNISAの購入可能銘柄には、インデックス連動型の非上場投資信託が多数含まれている。このため、個人投資家のインデックス投資の登竜門として、非上場投資信託が活用されるケースが多い。
  • iDeCo(個人型確定拠出年金制度)口座でも、非上場投資信託を購入できる証券会社が多数存在する。
  • 分配金は基本的に自動再投資されない。投資家自身で、手動で、税引き後の分配金を再投資する必要がある。
  • 海外ETFを購入する場合、証券会社によっては、海外株式と同様の、やや割高な手数料を負担する必要がある。
  • 非上場投資信託と比較し、純資産額が大きく、流動性が高い傾向がある。また、信託報酬はETFのほうが安い。
  • 非上場投資信託と違って、金額指定での買い付けが出来ず、基本的には、株数・口数での購入が必要となる。このため、最低投資可能額がやや大きくなる。

インデックス投資のメリット

個人投資家が、個別の株式銘柄投資ではなく、インデックス投資を行う場合、主に、下記のようなメリットが考えられます。

  • 個別の銘柄選びの手間暇から解放される:
    インデックス投資の場合、個別の株式銘柄を取得するのではなく、指数(インデックス)に連動した投資成果の確保を狙う投資信託を投資対象とします。
    投資家自身で株式銘柄選定等を行う必要がありませんから、本業が忙しい兼業投資家でも、比較的気軽に取り組むことが出来ます。
  • 非上場投資信託を活用すれば、数百円程度から投資できる:
    「小額投資が出来る」という点は、ソーシャルレンディング投資のメリットでもありましたが、非上場投資信託を用いたインデックス投資の場合、さらに少額(100円程度)から投資を行うことが可能です。
  • つみたてNISAやiDeCoなどがフル活用できる:
    パッシブ型のインデックス・ファンドへの投資は、つみたてNISAやiDeCoといった、政府の投資支援制度を、フルに活用することが可能です。
    つみたてNISAを活用すれば、最大で20年間、投資利益を非課税と出来ますし、iDeCOを利用すれば、毎月の掛け金全額を、所得控除の対象とすることが出来ます。
  • ETFを利用すれば、市場が開いている時間帯であれば、いつでも売買が可能:
    上場しているインデックス投資信託(ETF)は、一般の上場企業株式等と同様、まさに文字通り、証券市場に上場しています。
    このため、市場が動いている時間帯であれば、上場株式等と同様、いつでも、リアルタイムで、売買が可能です。
  • 手軽に分散投資ができる:
    経済指標である「指数(=インデックス)」と連動した投資成果を確保するために、インデックス型の投資信託(パッシブ・ファンド)には、様々な上場企業株式等が、ポートフォリトとして、組み入れられています。
    このため、投資家としては、インデックス投資を行う場合、単一企業の株式を保有するのとは異なり、至極手軽に、実質的な分散投資を行うことが可能となります。
    また、個別の銘柄ではなく、数百~数千銘柄に分散投資されたポートフォリオを保有することで、ポートフォリオ全体のリスク(標準偏差。ボラティリティ、とも換言出来ます)を低位に保つことが出来る。
  • 値動きの把握が容易:
    インデックス投資は、文字通り、日経平均株価等の指数(インデックス)に連動した運用成績を目指す投資信託商品ですので、当該投資信託が連動対象としている指数の値動きを確認することによって、比較的容易に、投資信託本体の値動きを把握することが可能です。
  • 保有コストが安い:
    信託報酬等の保有コストが安いことも、上場インデックス投資信託(ETF)活用のメリットの一つと言えます。
    一般的に、ヘッジファンド等のアクティブ型投資信託と比較し、インデックス投資信託(=アクティブ型に対し、パッシブ型、とも呼ばれます)の信託報酬は、廉価な設定となっています。
    さらに、上場投資信託(ETF)を利用すれば、非上場投資信託と比較し、更に信託報酬料率を下げる効果が期待できます。
  • 様々な商品が提供されている:
    日本の株式関連指数に連動する商品だけでなく、外国株式指数に連動する物や、コモディティ価格指数に連動する投資信託など、様々な商品が提供されています。

インデックス投資信託のデメリット・リスク

  • 価格の変動リスク:
    非上場投資信託の場合も、上場インデックス投資信託(ETF)の場合も、組み入れられている有価証券の価格が変動すれば、それに連動し、投資信託本体の価格も、変動してしまうリスクがあります。
  • 市場価格と基準価額の乖離(ETFの場合):
    上場インデックス投資信託(ETF)には、当該投資信託が上場している証券市場における、投資信託本体の価格(市場価格)が存在します。
    それと同時に、投資信託に組み込まれている株式の価格等から計算した、基準価額も存在します。
    このうち前者は、市場の需給バランスによって決することとなるため、後者(基準価額)との間で、乖離が生じる場合があります。

ソーシャルレンディングとインデックス投資を比較

ソーシャルレンディングとインデックス投資03

それぞれに長所・短所のある、ソーシャルレンディングと、インデックス投資。
ここからは、両者を、複数の視座から、比較してみます。

①最低投資額で比較

最低投資額が小さければ、その分、投資家としては、少額の資金から、ごく気軽に投資しやすくなる、と言えます。

ソーシャルレンディングの場合、1ファンドあたりの最低投資額は、ソーシャルレンディング事業者、及び、ファンドによって、ケースバイケースとなります。
一般的には、1ファンドあたり「最低1万円」から投資可能、としているソーシャルレンディング事業者が、大半となります。

※2019年初旬にローンチされた新サービス「Funds」の場合は、最低投資額を「1円」と定めています。

これに対し、上場インデックス投資信託(ETF)の場合、最低投資額は、「(当該ETFの)現在値」×「売買単位」によって求められます。

例えば、同じTOPIXを連動対象指数とする、「iシェアーズ・コア TOPIX ETF」(コード1475)と、「上場インデックスファンドTOPIX」(コード1308)を比較すると、

  • iシェアーズ・コア TOPIX ETF:
    最低投資金額=現在値1,584円(※)×売買単位1株=1,584円
  • 上場インデックスファンドTOPIX:
    最低投資金額=現在値1,604円(※)×売買単位100株=16万400円

上掲のように、最低投資金額には、大きな差が生じ得ることが分かります。

※現在値は、2019年5月9日時点数値。

最低投資額でソーシャルレンディングとインデックス投資とを比較する場合、

  • ソーシャルレンディングの一般的な最低投資額(1万円)よりも少額から、投資をスタートできるインデックス投資信託も、存在するが、
  • その反面、必要な最低投資額が、ソーシャルレンディングの一般的な最低投資額を大きく超えているインデックス投資信託もまた、存在する、

と言えるでしょう。

※ただし、前述の通り、非上場投資信託を活用するのであれば、最低数百円程度から、投資信託の買い付け・積立投資を行うことが可能です。

②流動性で比較

ソーシャルレンディングの場合、一旦、特定のファンドへと出資し、そのファンドが運用期間に入れば、その後、投資家側からの申し出により、出資契約を途中解約することは、原則として、出来ません。
このため、ソーシャルレンディング投資においては、ファンドが満期償還(※ただし、早期償還の場合もある)するまでの間、投資家が出資した資金は、投資家の元へと返ってくることは、ありません。

これに対し、上場インデックス投資信託(ETF)の場合、市場が開いている時間内であれば、投資家は、いつでも、当該インデックス投資信託を、市場を経由し、売買することが出来ます。

このため、資金の流動性という点に着眼し、ソーシャルレンディング投資とインデックス投資信託(※上場しているもの)とを比較する場合、後者に、大きな優位性がある、と言えます。

※非上場投資信託の場合でも、「解約」を行うことにより、資産を換金することが可能です。ただし、投資信託によっては、信託財産留保額が数パーセント程度、設定されているケースもありますので、注意が必要です。

③期待利回りで比較

ソーシャルレンディング投資の場合、各ファンドごとに、期待利回り(年利。ソーシャルレンディング事業者の手数料控除後。税引き前)が提示されていることが一般的です。
また、呈示されている期待利回りの相場としては、

  • 借り手の所有する不動産に、第一順位抵当権が設定されるファンドの場合で、年率5パーセント前後、
  • 無担保・無保証型ファンドの場合で、年率10パーセント、

となっています。

これに対し、インデックス型の投資信託の場合、各投資信託の期待利回りは、呈示されていません。
各インデックス投資信託が連動対象とする指数の、今後の実際の先行きについては、あくまでも、未知数なわけですから、当然です。
投資家としては、インデックス投資を行うにあたり、その期待利回りを推測するためには、当該インデックス投資信託が連動対象とする指数の、過去の騰落率等を勘案する必要があります。

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