FIRE(早期退職)実現のためには、結局、いくら必要なのか|毎月の貯金額も検討

今話題のFIRE(早期リタイア)とは

最近、ブログやSNS、各種報道などでも見聞きする機会の多くなった、FIRE(ファイア)という言葉。
実はこの言葉は、「Financial Independence, Retire Early」の頭文字をとった略語であり、

  • 会社からの給与が無くとも生活していけるだけの金銭的な基盤を確立することで、
  • 勤務先からの経済的独立を確保し、
  • 早期退職を実現したうえで、
  • 長いセカンドライフを、自分のペースでゆっくりと、自分のやりたいことに集中して楽しもう、

というライフスタイルのことを指します。

元々は、さかのぼること数年前から、主にアメリカ(北米)から始まったムーブメントで、昨今、日本の若者の間でも、大きな注目・関心を集めつつあります。


参考:
FIRE(経済的自立確保&早期退職)の意味とは|アーリーリタイア生活のメリット&デメリットから検証

FIRE達成のステップ・方法は

FIRE達成のステップ・方法は
FIRE達成までの道のりは人それぞれ。しかし、まずは、今の本業で「しっかりと稼ぐ」ことが、第1ステップとなることは変わりません。
※画像はイメージです。

FIRE達成の具体的な方法論は、結局、ひとそれぞれであり、「絶対に〇〇しなければならない」という定説・ルールのようなものがあるわけではありません。
ただし、FIRE達成者の具体的な取り組みを検証していくと、最終的なFIRE達成までの基本的な流れには、共通する部分があります。
それは、どのFIRE達成者も、下記の通り、

  1. まずは、自分にとっての本業(及び、適宜の副業・サイドビジネス)で、しっかりと稼ぐこと
  2. 稼いだお金を使ってしまうのではなく、節約し、貯めること(貯蓄率を高めること)
  3. 貯金によって作った元手(元本)を、資産運用によって殖やすこと

という、3ステップを踏んでいる、ということです。

①FIRE達成のために「稼ぐ」ということ

会社からの経済的な独立を果たすためには、まず、何はともあれ、自分が現在勤めている会社で、精一杯、出来得る限り最大限の給料(給与)を稼ぐことが大前提となります。
自社に昇給関係の規定が整備されているようであれば、条件として指定されている資格の取得等も視野に入れつつ、出来るだけ早期に、昇給・昇格を果たすことが出来るように努めます。

更に、現在の勤務先では、十分な昇給が期待できない、ということであれば、自分自身の「1時間当たりの単価」を向上させるべく、転職活動にも積極的に取り組むことが必要となります。

また、勤務前後の時間を有効活用するためにも、本業で得たスキルなどを活用し、副業(サイドビジネス)に取り組む人も多くいます。
※ただし、就業時間前後に副業に取り組む場合、本業の勤務先の副業関連規定に、十分に留意する必要があります。

②FIRE達成のために「節約し、貯める」ということ

昇進や昇給、転職、副業等によって、どれだけ多額の所得を得ようとも、湯水のように、せっかく稼いだお金を使ってしまっていては、一向に、FIRE達成のために必要なお金は貯まりません。
FIRE達成を引き寄せるためには、精一杯「稼ぐ」という行動と並行して、稼いだお金を、出来るだけ多く、「貯める」こと、すなわち、所得全体に対する「貯蓄率」を高める仕組み・工夫も、必要となります。
そのために重要なのは「節約」の徹底です。

そして、FIRE達成のために行ってきた節約生活は、最終的にFIREを達成したあともまた、数十年というながきにわたり、継続していく必要があります。

③FIRE達成に向け、貯めた資金を「殖やす」ということ

稼ぎ、そして貯める、というだけでは、FIRE達成のために必要な資金を早期に確保することには限界があります。
また、FIRE達成後は、出来るだけ資金元本を減らさぬよう、投資・運用によって、「お金に働いてもらう」というプロセスが重要になります。

このため、FIRE達成に向けては、

  • インデックス投資や
  • 不動産投資(不動産クラウドファンディングの活用なども含む)、
  • 高配当株投資等、

様々な投資分野について勉強し、安定的に収益を上げていく方策を習得する必要があります。

FIRE達成の具体的なメリットは

上記したように、FIRE達成に向けては、稼ぎ、貯め、そして殖やす、という、長期にわたる取り組みをやり抜く必要があります。
それは大きな労力を伴うものですが、その分、FIRE達成には、下記するように、様々なメリットがあります。

自分の人生に関する「自由」を手にすることが出来る

  • 時間的な自由:
    FIREを達成することが出来れば、もはや、何時に起き、何時に食事をして、何時に寝ようが、全て、その人の自由です。
    通勤のために早起きする必要もなければ、翌日の仕事のために、好きな創作活動を早めに切り上げる、等といった必要もありません。
    残された自分の人生における「時間」を、全て、自分の好きなように活用することが出来る、というのは、FIRE達成者にとって、大きなメリットと言えます。
  • 地理的な自由:
    FIREを達成し「通勤」という制約から解放されれば、もはや、どこに住もうと、その人の自由です。
    「通勤に便利」というだけの理由で、家賃の高い都会に住み続ける必要はありませんし、そもそも、どこかに定住する、という必要すら、なくなるかもしれません。
    かねてより憧れていた海外移住にチャレンジするもよし、キャンピングカーで日本中を巡りながら、まさに文字通り、「旅をしながら暮らす」のも、全て、その人の自由となります。
  • 精神的な自由:
    FIREを達成し、経済的な独立を果たすことができれば、もはや、仕事・お金のために、やりたくもない仕事をしたり、会いたくない人と会うような必要はなくなります。
    「ライスワーク(Rice Work)」から脱却し、自分が本当にやりたいこと、すなわち「ライフワーク(Life Work)」に専念することが出来るようになります。
    FIRE達成を通じ、経済的な自由の獲得と合わせて、精神的な自由をも、獲得することが出来るわけです。

FIRE達成までの過程を通して、様々なことを学び、ノウハウを蓄積することが出来る

FIRE達成までの過程を通して、様々なことを学び、ノウハウを蓄積することが出来る
FIREを達成するためには、副業ノウハウや節約の知恵、公的な社会保障制度に関する情報収集など、様々な「勉強」が欠かせません。そうした学びのプロセスもまた、FIREを目指すメリットの一つと言えます。
※画像はイメージです。

人はFIREを目指し、それを達成する過程で、様々なことを学ぶこととなります。

  • 転職・副業に関するノウハウ:
    FIRE達成のためには、まずはしっかりと「稼ぐ」ことが大前提となります。
    必然的に、転職や、サイドビジネス、副業に関する知見を、集中的に獲得することが出来ます。
    そうして習得したノウハウを、ブログやSNSなどで発信すれば、更なる収入源と出来る可能性もあります。
  • 年金や健康保険制度など、公的な社会保障制度に関する知識:
    FIREに向けた試算を行うにあたっては、自分自身が、何歳から、いくら程度の金額の年金を受け取ることが出来るのかを、事前に(出来る限り正確に)把握する必要があります。
    また、FIREによる早期退職によって、様々な社会保障制度の対象外となる事も想定されます。それらのメリット・デメリットを逐次把握していかないことには、FIREそのものを目指すべきか、否か、の判断すら、正確に行うことは出来ません。
    このため、FIRE達成を目指すにあたっては、自然と、公的年金制度や社会保障制度について、人並み以上の知識を吸収・取得していくこととなります。
  • 節約に関する知見:
    稼いだお金のうち、いかに高い割合を、貯蓄に回すことが出来るか、は、FIREの達成可能性を高め、かつ、実現スピードを速めるために、欠かせないポイントとなります。
    当然、節約に関するノウハウを蓄積することが必要不可欠となり、また、そうして得たノウハウは、FIRE達成後にも、十二分に生かすことが出来ます。
    同じように節約に悩んでいる人に対して、効率的な節約ノウハウを助言・アドバイスすることが出来れば、他者の役に立っている、という充実感を得ることも出来ましょう。
  • 投資・資産運用に関するノウハウ:
    FIRE達成のためには、貯めた資金を「殖やすこと」、すなわち、資産運用に関するノウハウが欠かせません。
    「老後2千万円問題」などが騒がれる昨今、資産運用に関する知見は、FIREを目指す者のみならず、全国民必携の知識となりつつあります。

参考:
FIREによるアーリーリタイアは、本当におすすめなのか|FIREをおすすめする人、おすすめしない人

FIREを目指すデメリットとは

上記したように、FIRE、及びFIREを目指す過程には、様々なメリットがあります。
しかしながら、その反面、FIREには、メリットばかりではなく、下記のようなデメリットもある、ということに、注意しておくことが必要です。

①無理な節約生活によって、家族の信頼関係に支障をきたすこともある

一人暮らしの若者が、自分の判断のもとに、自分の主義・理想を達成するためにFIREを目指すのは、ともすれば、容易なことと言えるかもしれません。
しかしながら、配偶者がいたり、はたまた、子供がいる、といったような人がFIREを目指す場合、一筋縄ではいきません。

効率的にFIRE達成を目指すためには、当然、家族の協力が不可欠ですが、最近提唱されるようになったばかりの、耳慣れないムーブメントについて、積極的に賛同してくれる配偶者ばかりとは限りません。

また、子供にも、子供なりの意見があります。
世帯主が、FIRE達成を早めるために、家賃や生活費の安い地方に転居したい、と考えたとしても、子供が「絶対に転校は嫌だ」と主張した場合、親として、どのように判断するべきかは、意見の分かれるポイントとなりましょう。

こうした岐路において、FIRE達成を優先するあまり、配偶者や子供、その他親族等の意見をないがしろにすれば、そのことがきっかけで、以後の家族内の信頼関係に、思わぬ亀裂が入ってしまうような事態にも、つながりかねません。

②非効率な副業に終始すれば、体調不良を招いたり、本業で不調をきたすこともある

昨今、副業を解禁する会社も増えてきましたが、今でも尚、副業に対して消極的な会社も少なくありません。
その理由はいくつかありますが、中でも大きな根拠と言われるのが、副業に取り組むことで、就労者の、体力的・精神的な回復がおろそかになり、

  • 体調不良に陥ったり、
  • 肝心の本業において、ミスが連発するなど、不調が生じてしまう、といった事態が、

容易に起こりえる、という点です。

FIRE達成を早めるためには、当然、単純な収入量を増やすべく、副業は有効な手段です。
しかし、どれだけ副業に取り組もうとも、結局、一番頼りになるのは、その人がメインで取り組んでいる「本業」です。

副業に熱心になるあまり、本業がおろそかになってしまうようでは、当然、本末転倒です。

③そもそも、早期退職には何かと不利な点が多い

数十年以上の長きに渡り、「新卒採用・終身雇用」が大原則とされてきた日本社会において、「早期退職」という選択肢は、あまりメジャーな物ではありません。
このため、様々な社会制度を俯瞰したときに、FIRE、及びアーリーリタイア、という選択は、色々と不利な結果を招きやすいのも事実です。

その最たるものと言えるのは、退職金制度でしょう。
基本的に、退職金は、就労者が、定年退職した場合に、満額が支給されます。
そして、就労者が早期退職した場合、勤続年数の長短によって、支給退職金は、順次、減額されることとなります。

※そもそも、退職金制度自体が、「早期退職を出来るだけ防ぎ、会社に人材を長く定着させること」を目的としているため。

FIRE達成には、いくら必要なのか

ここ数年、広く様々な社会層から、大きな関心を集めつつある、FIRE。
それでは、目下就労中、という立場にある人が、現にFIREを目指していく場合、いくら程度の資金が必要となるのでしょうか。

FIRE本でよく見かける「年間支出の25倍貯蓄、4パーセント運用ルール」とは

FIREに関する本を既に読みこんでいる人の中には、FIRE達成に必要な金額の計算方法として、

  • 年間支出額の、25倍相当額を貯蓄して、
  • 毎年、年利4パーセントで運用していけば、
  • 貯金した元本を一切減らすことなく、その後、投資の利回りだけで生活していくことが出来る、

という話を聞いたことがあるでしょう。

「年間支出額の25倍」とは、いくら程度なのか

「年間支出額の25倍」と聞くと、なかなかイメージがわきづらいでしょう。
各年間支出ごとに、その25倍相当額を具体的に計算してみると、下記のようになります。

年間支出 25倍相当額
200万円 5,000万円
300万円 7,500万円
400万円 1億円
500万円 1億2,500万円
600万円 1億5,000万円
700万円 1億7,500万円
800万円 2億円


年間支出額を単純に25倍した数値を列記

こうしてみると、「25倍」というのが、いかに大きい数字が、というのが分かります。

年間支出500万円の人が、50歳までに1億円強を貯めるには、毎月いくら貯金すればよいのか

仮に、「年間の支出額の25倍相当額を貯蓄しないと、FIREは達成できない」のだとすれば、果たしてその貯蓄額を達成するためには、毎月いくら程度の金額を、貯蓄に回す必要があるのでしょうか。

例えば、現在40歳、年間支出500万円、という人が、50歳でのFIREを目指し、支出の25倍に相当する、1億2,500万円を貯蓄する、という場合、

  • 貯蓄のために使える期間は、10年間(40歳から50歳までの間)、
  • 1年間あたりの必要貯蓄額は、1,250万円(1億2,500万円÷10年間)、
  • 1か月あたりの貯蓄額は、100万円強、

となります。

条件通りの貯蓄を実際に行うのは、極めて大変なことだ、というのが、お分かり頂けたことと思います。

「年利4パーセント運用」とは

続いて、「年利4パーセントで運用する」という部分について考えてみましょう。
まず、重要になるのが、「年利4パーセント」というのは、基本的に、「税抜き後」である必要がある、ということです(生活資金に充てる必要があるため、当然です)。
税抜き後で4パーセント、ということは、税引き前では、少なくとも5パーセント程度、多ければ7パーセント~8パーセント程度の利回りが必要となります。
※投資収益に対する課税率は、投資分野によって様々です。特に、申告分離課税の対象となるか、総合課税の対象か、という点は、重要なポイントとなります。

そして、実際問題として、毎年コンスタントに、税引き前5パーセント~8パーセントもの投資収益をあげていくのは、決して簡単な事ではありません。
まず、投資の大原則として、期待利回り(リターン)が大きくなればなるほど、リスク(利回りの標準偏差)も大きくなります。
「年率リターン0.1パーセント程度で良い」と考えるのであれば、リスクもまた、上下3パーセント程度で収まるかもしれません。
しかし、「年率で5パーセント以上の期待利回りが必要だ」とするのであれば、上下20パーセント~30パーセントのリスクを許容しなくてはならなくなる恐れもあります。

また、投資におけるリターンを追求しすぎると、実際以上にリスクを小さく偽った(ないしは、実態以上にリターンを大きく偽った)、怪しげな投資商品にひっかかってしまうリスクもまた、必然的に高まることとなります。

基本的に、「年間支出の25倍貯蓄・4パーセント運用」は、米国基準の話

まず、理解しておきたいのは、米国人著者による書籍を日本語に翻訳しただけのFIRE本等でよく触れられている、「年間支出の25倍貯蓄。年率4パーセント運用」というのは、FIREムーブメント発祥の地、と言われる、アメリカ合衆国を基準とした話だ、という事です。

  • 日本とアメリカでは、年金制度、退職金制度などの社会保障制度の内容に、大きな違いがありますし、
  • 投資からの収益(配当所得や、株式の値上がり益等)に対する課税制度にも、異なる点が多々あるほか、
  • 過去数十年の、主要インデックスの値上がり状況にも、相違があります。
  • 勿論、インフレ率にも、大きな違いがあります。

例えば、アメリカの主要企業500社で形成されているS&P500指数は、過去数十年で、数十倍という、極めて大きな成長を記録してきました。
一方、日本の主要株式指数と言われる日経平均株価やTOPIXは、そこまでの値上がりを記録できていません。

また、毎年、年率換算で数パーセント程度のインフレーションを経験してきたアメリカと違い、日本では、ここ数十年、アメリカほどの大幅な物価上昇は生じていません。

少なくとも、読者の皆さんが日本在住の日本人であり、「日本基準」でのFIRE達成を目指すのであれば、「年間支出の25倍貯蓄・4パーセント運用」に固執する必要はありません。

日本独自の年金制度・社会保障制度について情報を収集しながら、自身の

  • 支出
  • 収入
  • 期待利回り

を主な変数にしながら、自分自身にあったFIRE計画を立案していけば良いのです。

そもそも、FIRE達成後は、毎月いくら程度の支出を見込んでいるのか

そもそも、FIRE達成後は、毎月いくら程度の支出を見込んでいるのか
FIRE達成後の支出見込み額の把握は、FIREにまつわる様々な計算・試算の基礎となるものです。そして、毎月の支出見込み額は、各人の家族構成やライフスタイルによって、様々です。
※画像はイメージです。

仮にFIREを達成したとして、その後の恒常的な生活に、毎月、いくらくらいの資金を必要とするのか、すなわち、どの程度の支出を見込んでいるのか、という点は、FIREに関する試算を行ううえで、最も重要な変数と言えます。
そして、この変数にどのような数値を当てはめるのか、は、FIREに取り組む人それぞれの属性等によって、千差万別です。
主に影響を与えるファクターとしては、下記のような物があります。

その人の家族構成

  • 独身なのか。それとも、配偶者がいるのか。
  • 結婚している夫婦がFIREを目指す場合、子供はいるのか。現在子供はいないとしても、将来、子供を持つ予定はあるのか。その子供については、どのような教育方針を持つ予定なのか(都会に暮らし、高度な学校教育等を受けさせたいのか。それとも、地方に暮らし、自然の中で、伸び伸びと成長してほしいと願うのか)。
  • 両親は健在なのか。介護が必要となった場合、誰が、どのような介護を行う予定なのか。両親が介護施設に入居することとなった場合、その費用はいくら程度が必要で、誰が、どの程度の金額を負担する予定なのか。

FIREを目指す本人の年代

  • 生活費を切り詰めても苦にならない程度の年代(概ね、若い年代)なのか。それとも、極度の節約生活を送ることは難しい、壮年期以降の年代なのか。
  • 社交や自己投資等に資金を必要とする年代か。それとも、社交の第一線からは身を引いており、さほどの交際費・交遊費を必要としない年代なのか。
  • 自身や配偶者の医療費がかさむ年代なのか。それとも、さほどの医療費を必要としない年代なのか。

その人本人の、日頃の生活レベル

  • 毎月多額の生活費用を要するような、豪奢な生活に慣れているのか。
  • それとも、倹約生活に慣れており、さほどの生活上の支出を要さない人なのか。

FIRE後の生活する予定の居住地域・国

  • 一般的な生活を送るにあたって、物価の高い国で余生を送る予定なのか。それとも、先進国一般レベルの物価を要する国・地域で生活する予定なのか。
  • 生活にあたり、公共交通機関の利用は見込める地域なのか。それとも、自家用車等の手配を要する地域なのか(自家用車の活用を要する場合、車両取得費用や、車検代、修理費用、自動車税、といったコスト負担が必要となる)。

FIRE達成後は、毎月(ないしは、毎年)、いくら位程度の収入を見込むことが出来るのか

昨今、FIRE、と一言に言っても、実は、様々な種類があります。
FIRE達成後は、就労系の所得が完全に途絶えるのか。それとも、一定程度の副業による収入は期待できるのか。
この点を検討することで、FIRE達成の必要額は、大きく上下することとなります。

フルFIREを希望している場合の必要額

会社からの早期退職を済ませたら、「あとは一切働かない」というライフスタイルを示すのが、フルFIRE(完全FIRE)です。
この場合、FIRE達成後の生活資金としては、

  • FIRE生活突入前に用意した貯金、及び、
  • 公的年金等、
  • そして、FIRE達成後の投資によって得た投資収益のみ、

となるため、必然的に、FIRE達成のために必要な資金の量も多くなることとなります。

サイドFIREでOK、と考える場合

フルFIREと違い、「FIRE達成後も、気が向いたときに(ないしは、必要が生じれば)簡単な仕事を行う」ことを是とするのが、「サイドFIRE」という考え方です。
FIRE達成を果たした後も、適宜、簡単なアルバイトや、インターネット経由で出来る副業等に取り組むことを前提としているため、当然、FIRE達成のために必要な資金量も、小さくなります。
欧米では、

  • バリスタFIRE
  • コーストFIRE

等という呼ばれ方をすることもあります。

退職金・年金収入の見込み額把握も必要

FIRE達成希望者にとって重要となるのが、「自分が、いくら程度の退職金を、いつ頃、受け取ることが出来るのか」という点に関する事前把握です。
特に、上場企業等に新卒から勤務し、定年間近まで就労する場合、退職金支給額は、数千万円規模となる事もあります。
※ただし、FIREに伴い早期退職する場合、退職金は満額支給されることはなく、適宜減額されることを覚悟しておく必要があります。

また、国民年金、ないしは厚生年金に加入している場合、自分自身が、

  • いつから(=何歳から)、
  • いくら位程度の年金を受け取ることが出来るのか、
  • 繰り上げ受給により、年間の年金受取額を増やすことは出来るのか、

といった点について、ねんきんネットなどのツールも積極的に活用し、事前に検討しておくことも必要です。

FIRE前後の投資・資産運用において、いくら程度の運用利回りを見込むのか

FIRE達成に必要な元本を確保するため、そして、FIRE達成後の生活資金を確保するためには、資産運用への取り組みが欠かせません。
そして、FIRE達成にいくら程度の投資元本額が必要か、を計算するにあたっては、その人自身が、果たしてどの程度の投資利回りを見込んでいるか、にも左右されます。

なお、FIRE達成前後に個人投資家が取り組むことの出来る投資分野には、下記のような物があります。

不動産投資

アパート物件や、マンションの区分所有物件等を取得し、主にそこからの賃料収入に期待する投資スタイルです。
数年前までは、サラリーマン投資家の場合でも、アパートローンを組むことによって、数千万円~1億円前後の物件を取得することが出来ましたが、スルガ銀行の不正融資問題等を経て、銀行側が融資に消極的になっている、とも言われています。

そうした時代背景を受けて、昨今では、1口数万円程度の少額から投資できる、不動産クラウドファンディングという仕組みも整備されつつあり、注目を集めています。

インデックス投資

個別の株式銘柄に対して集中的に投資するのではなく、

  • 日経平均株価や、トピックス、
  • S&P500指数など、

株式市場等の「平均値」を示す指数(インデックス)に連動した投資成果の獲得を目指す投資信託(ETFを含む)に対して投資するスタイルを「インデックス投資」と言います。

  • 個別の株式銘柄選びの手間暇から解放される
  • 信託報酬等のコストが低い投資信託が増えている。また、買付手数料無料・信託財産留保額ゼロパーセント、といった投資信託も多い
  • 主に米国株式市場のインデックスは、ここ数十年、高いリターン・パフォーマンスを記録してきた

等といった理由で、FIREを目指す個人投資家にも、絶大な人気を誇っています。

高配当株投資

主に上場企業からの配当金収入を目的に、配当利回りの高い企業株式を取得・保有する投資スタイルです。

  • 高配当株の場合、相場全体が下落している局面でも、(その後の増配への期待などから)売られにくい、と言われている
  • 配当金を再投資して、高配当株を買い足すこともできる(ただし、課税口座で配当金を受け取る場合、課税後の金額を再投資することとなる)
  • 一旦取得した株式も、証券口座を通じて、いつでも気軽に売買することが出来る(ただし、売却のタイミングによっては、含み益に対する課税や、含み損の実現等が生じるケースがある)

等といったメリットがあります。

基本的に、配当性向の強い企業は、成熟産業に属しているケースが多く、大幅な株価上昇(キャピタル・ゲイン)は狙いづらい、というのが難点ですが、特にFIRE達成後の安定収入を確保したい、と考えている個人投資家においては、高配当株投資に魅力を感じるケースも多々あります。

ソーシャルレンディング

貸金業、及び第二種金融商品取引業の登録を得ているソーシャルレンディング事業者の募集ファンドに対して出資し、その後、ソーシャルレンディング事業者からの分配金収入に期待する、という投資モデルを指すのが「ソーシャルレンディング」という言葉です。
欧米のP2Pレンディング(ピアツーピア・レンディング)をモチーフとして投資スタイルですが、日本の場合は、個人向けの消費者金融ではなく、あくまでも、事業資金を必要としている一般企業が、融資対象となっている、という特徴があります。

  • 一口数万円程度の少額から、「匿名組合出資」というスキームを活かし、実質的に、貸金業者の融資プロジェクトに対して、相乗り投資を行うことが出来る
  • 提示されている期待利回りが高い(概ね、年率換算数パーセント~10パーセント弱程度)
  • 不動産担保付きのローンファンドや、上場企業に対して融資する案件も募集されている

等といったメリットがある一方で、貸し倒れに伴って元本割れが生じるリスクや、ソーシャルレンディング事業者自身の不正リスク・経営破綻リスクから隔離されていない、等といった難点もあり、留意が必要です。

ソーシャルレンディング・ラボとは-Author Info-

FIRE(早期リタイア)検証チーム
ソーシャルレンディング・ラボは、国内の融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)や、不動産クラウドファンディング、ロボアドバイザー、インデックス投資業界等の最新情報を提供する、投資・金融情報総合メディア。
FIRE(早期リタイア)専門の検証チームでは、昨今、主に若年投資家の間で大きな関心を集めつつあるFIRE(Financial Independence, Retire Early)に関する最新情報を専門的に扱います。

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