仮想通貨「TonCoin」(トンコイン)とは-かつてテレグラムが開発を主導していたレイヤー1ブロックチェーンのネイティブ・トークン

TonCoin(トンコイン)に関する「よくある質問」

ここからは、TonCoin(トンコイン)に関して想定される「よくある質問」を、質疑応答の形式で、確認して参ります。

TonCoin(トンコイン)のコントラクトアドレスを教えて下さい

イーサリアム・メインネット、及び、BNBチェーン上の、TonCoin(※より正確には、ラップド・TonCoin)のコントラクトアドレスは、以下の通りです。

イーサリアム・メインネット
0x582d872a1b094fc48f5de31d3b73f2d9be47def1
BNBチェーン(旧:バイナンス・スマートチェーン)
0x76a797a59ba2c17726896976b7b3747bfd1d220f

情報の出典:
https://docs.ton.org/participate/crosschain/bridge-addresses#mainnet-ton-ethereum-toncoin-bridge

TonCoin(トンコイン)は、どこのブロックチェーン上にデプロイされていますか?

大元である、オリジナルのTonCoin(トンコイン)は、TONブロックチェーン上にデプロイされています。
一方で、

  • イーサリアム・メインネット、及び、
  • BNBチェーンには、

それぞれ、Wrapped TONCOIN(ラップド・トンコイン)が存在します。

「TON」の意味は、何ですか?

「TON」は、「The Open Network」(=開かれたネットワーク)の頭文字をとった略称です。

TonCoin(トンコイン)は、どこの取引所に上場していますか?

TonCoin(トンコイン)が上場している(≒他の仮想通貨銘柄との間で、流動性ペアが提供されている)取引所としては、以下のようなものがあります。

中央集権型取引所
  • KuCoin
  • Bitfinex
  • OKX
  • HTX(Huobi Global)
  • Bybit
  • Gate.io
  • Bitget
  • MEXC
  • その他
分散型取引所
  • PancakeSwap
  • Uniswap
  • Biswap
  • Nomiswap
  • DeDust
  • その他

TonCoin(トンコイン)とテレグラムの関係を教えて下さい

TonCoin(トンコイン)はもともと、人気チャットアプリ「テレグラム」の運営元が独自に開発していた、レイヤー1ブロックチェーンでした。
独自通貨「グラム」の発行等により、多額の資金調達も行っていたのですが、その後、米証券取引委員会から「米国証券法に違反した」として提訴される事態に。
これに対して、テレグラム社は当初、控訴し争う姿勢を見せていましたが、2020年5月、テレグラムの創業者とされるパーヴェル・ドゥーロフ氏は、自身のブログ記事で、TonCoin(トンコイン)開発の撤退を表明。

その後、TonCoin(トンコイン)の開発は現在のTON Foundation(TON財団)に後継され、現在に至ります。

TonCoin(トンコイン)概要・公式サイト等

公式サイト
https://ton.org/
ブリッジサイト
https://bridge.ton.org/
TonCoin(トンコイン)チャート(コインマーケットキャップ)
https://coinmarketcap.com/ja/currencies/toncoin/
Twitterアカウント
https://twitter.com/ton_blockchain
テレグラム(アナウンス)
https://t.me/toncoin
LinkedIn
https://www.linkedin.com/company/ton-blockchain/
GitHub
https://github.com/ton-blockchain
TON Foundation
https://www.ton.foundation/
コントラクト監査(certik)
https://skynet.certik.com/projects/the-open-network
DeFi Llama
https://defillama.com/chain/TON
DappRadar
https://dappradar.com/dapp/the-open-network-ton
エコシステム内アプリ紹介サイト
https://ton.app/

Ton(オープンネットワーク)の仕組み・概要・詳細



画像引用元:Ton(オープンネットワーク)

ここでは、仮想通貨「TonCoin」(トンコイン)の発行などで話題の、Ton(オープンネットワーク)の仕組みや概要、詳細、といったポイントについて、1つずつ、確認を進めて参ります。

The Open Network (TON): 分散型インターネットの未来を担うブロックチェーン

The Open Network (TON)は、分散型インターネットの未来を創造することを目指す、革新的なブロックチェーンプラットフォームです。
TONは、独自のシャード化アーキテクチャと高度なコンセンサスアルゴリズムによって、従来のブロックチェーンの課題であるスケーラビリティ、セキュリティ、信頼性を克服し、数百万TPSの処理能力を実現しています。
また、スマートコントラクトと分散型アプリケーションを開発するための強力なツールを提供することで、開発者コミュニティの活性化を促進し、新たな分散型サービスの創出を加速しています。
TONは、分散型インターネットの進化に不可欠なテクノロジーであり、未来のインターネットの基盤となることを目指しています。

1.1 TONブロックチェーンの構造: シャードとマスターチェーン

TONブロックチェーンは、シャードとマスターチェーンという二層構造を採用することで、スケーラビリティとセキュリティの両立を実現しています。
シャードは、ブロックチェーンを複数の小さなブロックチェーンに分割することで、トランザクション処理能力を高め、スケーラビリティを向上させます。
一方、マスターチェーンは、すべてのシャードを同期させ、ブロックチェーン全体の整合性を維持する役割を担います。
これにより、TONは、分散型アプリケーションの大規模な展開と高速なトランザクション処理を可能にする、スケーラブルで安全な基盤を提供しています。

1.1.1 シャード: スケーラビリティを実現する分散化されたアーキテクチャ

シャードは、TONブロックチェーンのスケーラビリティを実現する、重要なアーキテクチャ要素です。
TONは、単一のブロックチェーンではなく、複数のシャードと呼ばれる小さなブロックチェーンに分割されます。
各シャードは、ブロックチェーン全体のステートの一部を管理し、トランザクションを処理します。
シャードは、独立して動作するため、ブロックチェーン全体の処理能力が分散され、処理速度が向上します。
つまり、シャード化によって、TONは、従来のブロックチェーンが抱えていたスケーラビリティの限界を克服し、数百万TPSの処理能力を実現しています。

シャードの動作は、以下の特徴によって支えられています。

分散化された処理:
各シャードは、独立したノードによって管理されます。
これにより、処理能力が分散され、単一のノードへの負荷が軽減されます。
並行処理:
複数のシャードは、同時にトランザクションを処理できます。
これにより、処理速度が大幅に向上します。
データの分割:
各シャードは、ブロックチェーン全体のステートの一部のみを管理します。
これにより、各シャードのデータ量が減少し、処理速度が向上します。

シャード化は、TONが数百万TPSの処理能力を実現する上で、非常に重要な役割を果たしています。
TONのスケーラビリティは、分散型インターネットの成長にとって不可欠であり、シャード化は、この目標を達成するための、重要な技術革新と言えます。
また、シャード化によって、TONは、従来のブロックチェーンの課題であった、スケーラビリティの限界を克服し、分散型アプリケーションの大規模な展開を可能にする、次世代のブロックチェーンプラットフォームとしての地位を確立しています。

1.1.2 マスターチェーン: マルチチェーンシステムの同期と整合性

マスターチェーンは、TONのマルチチェーンシステムにおける重要な役割を果たす、中心的なブロックチェーンです。
マスターチェーンは、すべてのシャードを同期させ、ブロックチェーン全体の整合性を維持する役割を担います。
この同期と整合性の確保は、分散型システムの健全な動作に不可欠です。

マスターチェーンは、以下のメカニズムによって、シャード間の同期と整合性を維持しています。

ブロックハッシュの共有:
マスターチェーンは、すべてのシャードの最新のブロックハッシュを記録します。
シャードは、マスターチェーンに最新のブロックハッシュを通知し、マスターチェーンは、すべてのシャードのブロックハッシュを共有します。
コンセンサスアルゴリズム:
マスターチェーンは、独自のコンセンサスアルゴリズムである”Catchain”を採用しています。
Catchainは、Byzantine Fault Tolerance (BFT)を実現するアルゴリズムで、マスターチェーン上のノードは、不正なノードが存在しても、合意形成を達成することができます。
クロスチェーン通信:
マスターチェーンは、シャード間の通信を仲介します。
シャード間でメッセージを送信する場合、メッセージは、まずマスターチェーンに送信され、マスターチェーンから目的のシャードに転送されます。

マスターチェーンは、TONのマルチチェーンシステムにおいて、中心的な役割を果たすことで、全体的な整合性とセキュリティを保証しています。
マスターチェーンは、シャード間の同期と通信を管理し、ブロックチェーン全体の信頼性を維持します。
これにより、TONは、複数のブロックチェーンが安全かつ効率的に連携する、分散型インターネットの基盤を確立しています。

1.1.3 ワークチェーン: 独自のルールで機能するブロックチェーン

ワークチェーンは、TONブロックチェーンにおける独自のルールで機能するブロックチェーンです。
各ワークチェーンは、マスターチェーンに接続され、独自のステート、コンセンサスアルゴリズム、スマートコントラクト言語を持つことができます。
ワークチェーンは、マスターチェーンのセキュリティとスケーラビリティを継承しながら、特定のユースケースに最適化された機能を提供します。

ワークチェーンは、以下のような利点を提供します。

  • 柔軟性: ワークチェーンは、独自のルールで設計および構築できるため、特定のユースケースに最適化された機能を提供できます。
  • カスタマイズ: ワークチェーンは、独自のコンセンサスアルゴリズムやスマートコントラクト言語を採用できます。
    これにより、特定のユースケースに必要な機能やパフォーマンスを最適化できます。
  • 独立性: ワークチェーンは、マスターチェーンとは独立したステートを管理します。
    これにより、ワークチェーンは、マスターチェーンの影響を受けずに、独自のアプリケーションやサービスを展開できます。

ワークチェーンは、TONエコシステムにおける、多様性と柔軟性を高める、重要な要素です。
ワークチェーンは、分散型アプリケーションの開発と展開のための、新たな可能性を拓きます。
例えば、EVM互換のワークチェーンを構築することで、Solidityで開発されたスマートコントラクトをTON上で実行することが可能になります。
これにより、Ethereumの開発者コミュニティが、TONエコシステムに参加しやすくなり、TONの採用が促進されます。

ワークチェーンのユースケース

ワークチェーンは、以下のような様々なユースケースで活用できます。

  • プライベートブロックチェーン: ワークチェーンは、企業や組織が、独自のプライベートブロックチェーンを構築するのに役立ちます。
  • 特定のユースケース向けブロックチェーン: ワークチェーンは、サプライチェーン管理、金融サービス、ゲームなど、特定のユースケースに最適化されたブロックチェーンを構築できます。
  • クロスチェーン相互運用性: ワークチェーンは、異なるブロックチェーン間で通信および相互運用性を可能にします。
    これにより、分散型アプリケーションの機能と可能性が拡大します。

ワークチェーンは、TONエコシステムの拡張性と多様性を高め、分散型インターネットの進化に大きく貢献する要素です。

1.2 TONのスーパーサーバー: 分散型インターネットの基盤



画像引用元:Ton(オープンネットワーク)

TONは、単なるブロックチェーンではなく、分散型アプリケーションやサービスを大規模に実行するための、分散型スーパーサーバーとしての役割を担っています。
TONは、独自の技術であるセル、スマートコントラクト、TON仮想マシン(TVM)によって、分散型インターネットの基盤となる、高度な機能を提供しています。
これらの技術は、分散型アプリケーションの開発と展開を容易にし、安全で信頼性の高い分散型インターネットの実現に貢献します。

1.2.1 スマートコントラクト: 自律的なコードと分散型アプリケーション

スマートコントラクトは、TONにおける分散型アプリケーション開発の基盤となる、重要な技術です。
スマートコントラクトは、ブロックチェーン上で実行される自律的なコードであり、人間の介入なしに、事前に定義された条件に基づいて、自動的に契約を実行します。
スマートコントラクトは、従来の契約方式に比べて、透明性、セキュリティ、効率性を大幅に向上させ、分散型アプリケーションの開発と展開を可能にする、画期的な技術です。

スマートコントラクトは、以下の利点を提供します。

透明性:
スマートコントラクトのコードは、公開されているため、誰でも確認できます。
これにより、契約の内容が透明化され、不正や改ざんのリスクが軽減されます。
セキュリティ:
スマートコントラクトは、ブロックチェーンのセキュリティによって保護されます。
これにより、コードの改ざんや不正な実行を防ぎ、契約の信頼性を高めます。
効率性:
スマートコントラクトは、自動的に実行されるため、人間の介入が不要です。
これにより、契約の処理速度が向上し、コストが削減されます。

スマートコントラクトは、様々なユースケースで活用できます。

  • 分散型金融(DeFi): スマートコントラクトは、分散型金融アプリケーションの構築に不可欠です。
    DeFiアプリケーションは、スマートコントラクトによって、従来の金融システムの仲介者を排除し、ユーザーに直接金融サービスを提供します。
  • サプライチェーン管理: スマートコントラクトは、サプライチェーンの追跡と管理を自動化できます。
    これにより、商品の流通過程における透明性とセキュリティが向上します。
  • デジタルアイデンティティ: スマートコントラクトは、デジタルアイデンティティの管理に役立ちます。
    ユーザーは、スマートコントラクトによって、独自のデジタルアイデンティティを作成し、管理できます。

スマートコントラクトは、分散型インターネットの進化において、非常に重要な役割を担っています。
スマートコントラクトは、新たな分散型アプリケーションの開発と展開を促進し、分散型インターネットの未来を創造します。

1.2.2 TON仮想マシン(TVM): スマートコントラクトの実行エンジン

TON仮想マシン(TVM)は、TON上でスマートコントラクトを実行するための、仮想実行環境です。
TVMは、スマートコントラクトのコードを解釈し、実行する役割を担います。
TVMは、安全で効率的なスマートコントラクト実行のために、独自のアーキテクチャと命令セットを採用しています。

TVMは、以下の特徴を持っています。

スタックベースのアーキテクチャ:
TVMは、スタックベースのアーキテクチャを採用しています。
これは、データがスタックと呼ばれるメモリ領域に格納され、LIFO (Last In First Out)方式で処理されることを意味します。
スタックベースのアーキテクチャは、スマートコントラクトの実行を高速化し、メモリ使用量を削減します。
独自の命令セット:
TVMは、独自の命令セットを持っています。
この命令セットは、スマートコントラクトの実行に必要な様々な操作を定義しています。
セキュリティ機能:
TVMは、様々なセキュリティ機能を備えています。
例えば、サンドボックス環境を提供することで、スマートコントラクトがシステム全体に影響を与えることを防ぎます。
また、ガスの概念を導入することで、スマートコントラクトの実行コストを制御し、DoS攻撃を防ぎます。

TVMは、スマートコントラクトの実行環境として、TONエコシステムのセキュリティと信頼性を確保する上で、非常に重要な役割を果たしています。
TVMは、スマートコントラクトのコードを安全かつ効率的に実行することで、分散型アプリケーションの開発と展開を促進し、分散型インターネットの未来を創造します。

1.2.3 セル: データの最小単位であり、あらゆる情報が格納される

セルは、TONブロックチェーンにおけるデータの最小単位であり、あらゆる情報が格納される基本的なデータ構造です。
セルは、最大1023ビットのデータと、最大4つの他のセルへの参照を含むことができます。
セルは、データの効率的な格納と管理のために、独自の設計を採用しています。

セルは、以下の特徴を持っています。

コンパクトなデータ構造:
セルは、データと参照をコンパクトに格納することで、ストレージ効率を高めます。
データの重複排除:
セルは、データの重複を排除することで、ストレージ容量を削減します。
同じデータが複数のセルに含まれる場合、そのデータは一度だけ格納されます。
階層的なデータ構造:
セルは、他のセルへの参照を含むことができるため、階層的なデータ構造を作成できます。
これにより、複雑なデータを効率的に格納および管理できます。

セルのデータ構造は、TONの様々な機能を実現するために重要な役割を果たしています。

  • スマートコントラクトのコードとデータの格納: スマートコントラクトのコードとデータは、セルとして格納されます。
  • メッセージの格納: メッセージは、セルとして格納されます。
  • ブロックチェーンのステートの管理: ブロックチェーンのステートは、セルによって管理されます。

セルは、TONのアーキテクチャにおいて、非常に重要な役割を果たしています。
セルは、データの格納、処理、管理のための、柔軟で効率的な手段を提供することで、分散型インターネットの進化に貢献しています。

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