【ソーシャルレンディングファンド分析】OwnersBook(オーナーズブック)「京都市中京区京町家用地第1号ファンド第1回」の場合。

ソーシャルレンディング各社の過去ファンドを題材に、各社の特徴や、ファンドごとのリスク・リターンのバランス等を検証する本企画。
今回は、オーナーズブックが2018年に資金募集を行ったソーシャルレンディングファンド、「京都市中京区京町家用地第1号ファンド第1回」を題材に、読み解きを進めて参りましょう。

投資申し込み完了のエビデンス

今回検証対象となるソーシャルレンディングファンドには、私も個人的に出資をしています。
OwnersBook(オーナーズブック)のマイページ「ポートフォリオ」より抜粋したのがこちら。

OwnersBook(オーナーズブック)01

本ファンドの概要

OwnersBook(オーナーズブック)の当ファンド詳細情報(https://www.ownersbook.jp/project-detail/index/1089/)から確認した、本ファンドの概要情報としては、下記の通りです。
※本ファンドの貸付総額計3,610万円のうち、3,600万円分の貸付を行う、案件1のほうに関してのみ、下記詳説させていただきます。

資金の借り手

総合不動産会社W、と称されています。

  • 東京都港区に所在
  • 2018年2月期を終え、2018年3月2日時点で第3期に入っている会社
  • 第1期は経常利益を計上して着地
  • 第2期は経常利益・当期純利益を計上(同社からの申告)
  • 京都市内にて、京町家スタイルの古家を取得した上で大規模リノベーションする等して宿泊施設に用途変更し、運営する案件で、1件の実績有り、とのこと。
  • 本案件は、同社にとって3件目、とのこと。

貸付資金の総額

36,000,000円(3600万円)とのこと。

借り手の資金使途

総合不動産会社Wは、今回OwnersBook(オーナーズブック)から借りる資金で、京都府京都市中京区内にある、土地付きの古家を購入する、とのこと。
その後この古家を解体し、この土地のうえに、京町家風宿泊施設を建設する、とのこと。

貸付・運用の期間

投資実行日は2018/03/16。
返済予定日はファンド組成の時点では、2019/6/30とのことでしたが、
後述する通り、2018年12月の時点で、早期償還、となりました。

設定担保

担保不動産の状況

担保不動産には、2018年3月2日現在、1962年築の古家が存在している、とのこと。
上述の通り、総合不動産会社Wは、本不動産を取得した後、この古家を解体し、その後、
2018年5月から、京町家風宿泊施設の建築を開始、
2018年10月に竣工する予定、とのこと。

担保不動産の所在地・アクセス

京都府京都市中京区に位置し、阪急京都本線へのアクセスが可能な立地、とのこと。
より具体的には、阪急電鉄京都本線大宮駅から徒歩10分圏内の、京町家が連たんするエリアに所在しており、
市内観光への利便性も良好、
実際に宿泊施設を開業した暁には、ある程度の宿泊需要が見込まれるエリア、とのこと。

古家解体後、建築予定の、「京町家風宿泊施設」の概要

当該土地上に、地上2階建て、60平方メートル台後半の2戸から構成される宿泊施設を建築することが可能、とのこと。
総合不動産会社Wの計画としては、必要な許可等を取得した後、2018年12月より宿泊施設として運営を開始する予定、とのこと。

担保不動産の評価額

OwnersBook(オーナーズブック)としての評価額は、本件不動産(土地部分)について、
外部不動産鑑定士による査定額を参考に、5,400万円と査定している、とのこと。

貸付額/評価額

3,600万/5,400万円=67パーセント弱程度、となります。
また、先順位無の、第一順位抵当権の設定、となります。

返済原資

総合不動産会社WからOwnersBook(オーナーズブック)への返済原資については、特段明記・コメントがありませんでした。
総合不動産会社Wは本案件の前にも、京都市内で町家風宿泊施設の開設・運営の実績がある、ということなので、
今回建築・開業する宿泊施設についても、自身で営業し、
その営業利益から、OwnersBook(オーナーズブック)に対して返済をする計画なのかもしれません。

わたしたち個人投資家の期待利回り

4.5%とのこと。

本ソーシャルレンディングファンドの資金募集達成度は

217名の投資家から出資を集め、満額の募集を達成しています。

運用・返済状況は

繰上返済により、2018年12月、早期償還済みです。

本ソーシャルレンディングファンドのポイント

私が考える、本ソーシャルレンディングファンドのポイントは、下記の通りです。
なお、あくまでも、私の個人的な見解です。

京都市内の宿泊施設への需要は堅調な模様。

今回、京都市観光協会の統計データ(https://www.kyokanko.or.jp/tokei/)をもとに、確認等させていただきました。
単月データを見ても分かりづらいので、直近の年間集計(2017年分集計。https://www.kyokanko.or.jp/tokei/image/tokei/data/pdf/2017/hotel_201712.pdf)を参考にさせて頂きました。

さて、こちらのデータによると、

  • 日本人客を含む客室稼働率は88.8%(※ちなみに前年は88.9%)。
  • このうち、外国人客の利用割合が 40.5%(年間として4割超えは、調査開始以来、初、とのこと)。
  • 販売可能な1室あたりの売上高は3.7%の伸び(ちなみに東京は1.9%の伸び。大阪は1.0%のマイナス。とのこと。京都の強さがうかがえます)

などなど、力強いデータが目立ちます。

周辺各国との間の国交の状況(なかでも中国人客は、外国人客全体の23.9%を占める、とのこと)や、為替など、マクロ的な要素の影響を受けやすそうなのが玉に傷ですが、
波乱がなければ、引き続き堅調な宿泊需要が期待できそうだ、と判断しました。

評価額に対する貸付額の割合は7割以下。

先順位なし、第一順位のシニアローン。
LTVは、上述の通り、3,600万(貸付額)/5,400万円(評価額)=67パーセント弱程度。
7割を切る、低めの掛け目設定となっていますので、この点にも、出資往時、安心感を覚えました。

本ソーシャルレンディングファンド検証のまとめ

ソーシャルレンディング各社の過去ファンドを検証し、各社の特徴や、ソーシャルレンディングファンドごとの特色、そして、ファンド概要の読み解きのヒントを探る本シリーズ。
今回は、オーナーズブックのソーシャルレンディングファンド「京都市中京区京町家用地第1号ファンド第1回」を題材に、検証をさせて頂きました。

しつこいようで申し訳ありませんが、
本記事文中の表現は、いずれも、私のごく個人的な意見に過ぎません。
その点は、くれぐれも、ご承知おきください。

しかし、あくまでも、その限りにおいて、
少しでも、「これからソーシャルレンディング投資を始めてみよう」とお考えの読者様にとり、
ファンド概要の読み込みの具体例として、ご参考になさって頂ける内容と出来たのであれば、
小ブログの管理人として、嬉しい限りです。

それでは、本記事はここまで。
また次回の記事にて、お会い致しましょう。

追伸:
ファンドの平均利回りや、資本金額や投資家登録数といった「規模」、投資初心者へのおすすめ程度等々、いろいろな確度から、国内の有力ソーシャルレンディング事業者をランク付けした、こちらの過去記事も、是非ご参照下さい。

【ソーシャルレンディングランキング決定版】利回り・投資対象国・担保設定状況・出資のしさすさ。異なる視座から人気ソーシャルレンディング事業者を徹底ランキング。