【ソーシャルレンディングファンド分析】maneo「不動産担保付きローンファンド1849号」の場合。

ソーシャルレンディング各社の過去ファンドを題材に、各社の特徴や、ファンドごとのリスク・リターンのバランス等を検証する本企画。
今回は、maneoが2018年に資金募集を行ったソーシャルレンディングファンド、「不動産担保付きローンファンド1849号」を題材に、読み解きを進めて参りましょう。

本ソーシャルレンディングファンドの概要

同社のホームページから確認した、本ファンドの概要としては、下記の通りです。
なお、案件1、及び案件2のうち、資金の大半を融資する「案件1」のほうに関してのみ、下記、詳説をさせて頂きます。

本ソーシャルレンディングファンドの詳細情報ページのURL

こちらです。

https://www.maneo.jp/apl/fund/detail?fund_id=6490

本ソーシャルレンディングファンドのスキーム図


引用元:https://www.maneo.jp/apl/fund/detail?fund_id=6490

資金の借り手

maneoにとっての直接的な債務者は、事業者Cです。
ただし、事業者Cについては、maneoの関連会社であることが明記されていますので、本事業の実質的な債務者は、最終債務者たる、不動産事業者EOである、と見なすのが、素直です。

貸付資金の総額

本ファンドからの貸付は、22,000,000円(2,200万円)とのことですが、複数号のファンドに分け、総額では、2億2,000万円の貸付予定している、とのこと。

借り手の資金使途

事業者C(maneo関連会社)としては、maneoからの融資金を原資に、不動産事業者EOへの融資を行います。
不動産事業者EOは、事業者Cからの融資金を原資に、不動産(土地・建物)の仕入れを行います。

本ソーシャルレンディングファンドの貸付・運用の期間

14 ヶ月の貸付・運用となります。

設定担保

事業者Cは、不動産事業者EOが今回購入する不動産に係り、第一順位抵当権を設定します。
担保物となる不動産の評価額は、約2億3,700万円とのこと。
※評価手法については、「業者ヒアリング」との記載があります。

返済原資

不動産事業者EOとしては、本件物件の第三者への売却によって、事業者Cへの返済原資を確保する計画である、とのこと。
事業者Cからmaneoへの返済原資には、事業者Cが不動産事業者EOから受け取った返済金が充てられます。

わたしたち個人投資家の期待利回り

5.4パーセント、とのこと。

ファンドの最低投資額

本ファンドの場合、最低投資額は3万円、となっております。

本ソーシャルレンディングファンドの資金募集達成度は

139件の出資を集め、満額の資金募集を達成しています。

本ソーシャルレンディングファンドのポイント

私が考える、本ファンドのポイントは、下記の通りです。
なお、いずれも、私の個人的な見解です。

不動産に第一順位抵当権が設定されるファンドとしては、利回りは相場と言える。

本ファンドの想定利回りは5.4パーセント、とのことですが、不動産に対し、先順位無の第一順位抵当権を設定するファンド、という点から考えると、この利回りは、特段高くもなく、さりとて、低くもなく、昨今のソーシャルレンディング業界においては、ごく穏当な利回りだと感じます。
貸付期間が1年強、というのは、少々長く感じますが、第三者への売り抜けまでの間に、ある程度、時間が欲しい、ということであれば、実務上、許容の範囲内だとは思います。

LTVは高すぎる。

物件の評価額、約2億3,700万円に対して、貸付総額たる2億2,000万円は、92.8パーセント程度に相当します。
いくらなんでも、LTV(Loan to Value)92パーセント以上、というのは、冒険的に過ぎるように思います。
また、そこまでリスクテイクをするのであれば、もう少し、投資家向けに、リスクプレミアムが提供されてもよい(=もう少し高利が提供されてもよい)のではない、と感じます。

不動産に対して抵当権を設定したうえで貸付を行う、というスキームの有名どころとしては、OwnersBookが挙げられますが、同社のファンドを見てみると、


引用元:https://www.ownersbook.jp/project-detail/index/1120/

こちらの、「渋谷区商業ビル第3号ファンド第1回」の場合で、


引用元:https://www.ownersbook.jp/project-detail/index/1120/

LTV8割弱で、


引用元:https://www.ownersbook.jp/project-detail/index/1120/

利回りは5パーセント。


引用元:https://www.ownersbook.jp/project-detail/index/1118/

こちらの「江東区マンション第2号ファンド第1回」の場合で、


引用元:https://www.ownersbook.jp/project-detail/index/1118/

LTVは同じく8割弱程度で、


引用元:https://www.ownersbook.jp/project-detail/index/1118/

やはり、利回りは5パーセント、といったファンド商品が、複数、組成・提供されています。

いくら不動産に対して第一順位抵当権が設定されている、といっても、いざ、担保権を行使し、担保物たる不動産を市場で換価しよう、としたときに、評価額に近い価額で売却できる公算、というのは、決して高くはありません。
事情を知る市場関係者によって、当然、買いたたかれるため、です。
この点を勘案すると、低めのLTV設定(=担保物の評価額と比べて、出来るだけ少ない金額を貸し付ける。逆に言えば、貸付額に対して、出来るだけ高額評価の不動産に担保権を設定する)というのは、ファンドの保全を考えた際には、欠かせぬポイントとなります。

この観点からすると、やはり、今回のmaneoファンドのLTV(92パーセント以上)は、高すぎる、と言わざるを得ぬものと思います。
もっとも、あくまでも、私見です。

本ソーシャルレンディングファンド検証のまとめ

ソーシャルレンディング各社の過去ファンドを検証し、各社の特徴や、ソーシャルレンディングファンドごとの特色、そして、ファンド概要の読み解きのヒントを探る本シリーズ。
今回は、maneoのソーシャルレンディングファンド「不動産担保付きローンファンド1849号」を題材に、検証をさせて頂きました。

しつこいようで申し訳ありませんが、
本記事文中の表現は、いずれも、私のごく個人的な意見に過ぎません。
その点は、くれぐれも、ご承知おきください。

しかし、あくまでも、その限りにおいて、
少しでも、「これからソーシャルレンディング投資を始めてみよう」とお考えの読者様にとり、
ファンド概要の読み込みの具体例として、ご参考になさって頂ける内容と出来たのであれば、
小ブログの管理人として、嬉しい限りです。

なお、別記事とはなりますが、
ソーシャルレンディング各社をランキング形式で分析したこちらの過去記事もおすすめです。是非、ご覧下さい。

【ソーシャルレンディングランキング決定版】利回り・投資対象国・担保設定状況・投資のしさすさ。異なる4つの視座から人気ソーシャルレンディング事業者を徹底ランキング。

それでは、本記事はここまで。
また次回の記事にて、お会い致しましょう。