「年収が低いのですが、ソーシャルレンディングを始めても大丈夫でしょうか?」

頂戴したご質問

「お恥ずかしい話なのですが、年収があまり高くありません。
しかし、出来る範囲で少しずつ投資を始めたいと考えており、なかでも、利回りの高そうな、ソーシャルレンディングに興味があります。
銀行等に貯金するよりは、月々少しずつでも、ソーシャルレンディング投資に回していきたい考えなのですが、大丈夫でしょうか?」
(30代・男性・ソーシャルレンディング投資歴なし)

税制上は、年収が低い方が、ソーシャルレンディングにおいては有利となる。

ソーシャルレンディング投資収益は、所得区分としては「雑所得」に該当し、その課税制度としては「総合課税」が該当します。
このため、年収が高く、高い累進税率を課されている方の場合、ソーシャルレンディング投資収益に対しても、同じく、高めの税率が適用されることとなります。
反面、年収が低く、所得税率等が低い方の場合、ソーシャルレンディング投資収益に関して確定申告することによって、ソーシャルレンディング業者が控除済みの源泉所得税等の一部が、還付される場合があります。

※ソーシャルレンディングと確定申告の関係については、こちらの過去記事をご参照下さい。

ソーシャルレンディングと税金・確定申告

ソーシャルレンディングにはリスクがあり、年収が低いうちは、おすすめが難しい。

上掲致しました通り、少なくとも税制面においては、年収が低い方のほうが、年収の高い方よりも、ソーシャルレンディング投資に関し、有利な立場にありますが、そもそも論として、やはり、現状の年収が低い場合、ソーシャルレンディング投資に資金を投じることについては、推奨を致しかねます。

ソーシャルレンディングには、元本保証がない。

ソーシャルレンディング投資を行う場合、投資家は、ソーシャルレンディング業者との間で、「匿名組合契約」という、投資関連契約を締結することとなります。
この「匿名組合契約」において、投資家は「匿名組合員」となり、ソーシャルレンディング業者は、「営業者」となります。
そして、匿名組合契約締結時、営業者(ソーシャルレンディング業者)は、匿名組合員(投資家)に対して、投資家が出資する投資元本の、保証をしません。
すなわち、投資家としては、ソーシャルレンディング投資において、投資元本が棄損してしまうリスクを、許容する必要があります。

ソーシャルレンディングには元本割れリスクがあるため、年収が低い方には、おすすめできない。

参考:ソーシャルレンディング大手「SBIソーシャルレンディング」のHPにおいても、元本割れの発生リスクについて、明記があります。
引用元:SBIソーシャルレンディング(https://www.sbi-sociallending.jp/faq)

ソーシャルレンディングの場合、ファンドの運行中は、途中解約が出来ない。

上掲の匿名組合契約は、原則として、途中解約が認められていません。
すなわち、ファンドの運行期間中においては、出資を途中解約することが出来ません。

ソーシャルレンディングファンドの運用期間は、ファンドによって千差万別、というところではございますが、

  • 運用期間の短いソーシャルレンディングファンドの場合、数カ月、
  • 逆に、運用期間の長いファンドの場合は、2年以上もの運用期間を予定しているものも、存在します。

出資した資金が、運用期間終了まで返ってこない(=資金の流動性が低い)、という点は、ソーシャルレンディング投資のデメリットの一つともいえる点ですので、十分な注意が必要です。

ソーシャルレンディングは途中解約が出来ないため、年収が低い方にはおすすめできない。

参考:不動産担保付ソーシャルレンディングで定評のあるオーナーズブックのFAQページにも、ファンドの途中解約は出来ない旨、明記があります。
引用元:オーナーズブック(https://www.ownersbook.jp/faq/detail/67/)

ソーシャルレンディング業者の中には、延滞が発生している業者もある。

日本国内には、現在、20社~30社前後のソーシャルレンディング業者が存在しますが、そのうちいくつかのソーシャルレンディング業者においては、ファンドの延滞が発生しています。
上掲致しました通り、ソーシャルレンディングの場合、ファンドの運用期間終了までの間、ファンドに出資した資金は、投資家の元へと、戻ってきません。
さらに、当該ファンドから資金を借りている借り手企業から、ソーシャルレンディング業者への、元利金返済に、遅延が生じた場合、ファンドの運用期間終了は長引き、結果として、元来予定していた期日になっても、投資家の元へと資金が返ってこない、という事態が、発生し得ます。

ソーシャルレンディングでは延滞もあり得るので、低年収の方にはおすすめできない。

参考:ソーシャルレンディング業者「ガイアファンディング」は、2018年11月、全ファンドの利息払い遅延を発表し、投資家に衝撃を与えました。
引用元:ガイアファンディング(https://www.gaiafunding.jp/apl/information/news?id=473)

「貯金感覚でソーシャルレンディング投資」というのは、危険。

ご質問者様の文面を拝見している限り、
「ソーシャルレンディング=金利の高めの預金」
のような感覚で、お考えになっておられるように見受けるのですが、失礼ながら、それは、極めて危険な考え方です。

  • 元本が保証されない点
  • 流動性が低い点

主に上掲2点において、ソーシャルレンディング投資と、一般的な預貯金とは、大きく異なります。

※一般的な預貯金の場合、預金保証制度による一部元本の保護がありますし、定期預金の場合であっても、原則として途中解約が可能です。

これらの事情により、現状の年収が低い場合、原則として、ソーシャルレンディング投資へと資金をお回しになることは、お勧め致しかねます。

低年収のうちは、まずは最低限の貯金を。

現状の年収が高くない場合、まずは、生活費1年分程度の、貯金、すなわち、生活防衛資金の確保が、第一優先となるものと思料致します。
合わせて、市区町村窓口等にて、低年収の場合でも活用できる節税策や、その他、生活支援資金の活用の道がないものか、ご相談為さってみることをお勧めいたします。

  • 投資の場合、一部商品の元本割れ等によって、トータルでの損益がマイナスとなる可能性がありますが、
  • 既存制度を活用した節税等の場合、節税等によって節約できた金額は、そのまま、純然たるプラスとなります。

投資によって正(プラス)のキャッシュフローを得ていくことは、決して、簡単なことではありません。
まずは、たとえ期待値は大きくなくとも、確実に正のキャッシュフローを得ることが出来る施策(適法な節税策や、行政の支援策の活用等)から、実行に移していくことをお勧めいたします。

関連記事のご案内

広く投資家の注目を集めている、ソーシャルレンディング投資ではありますが、業界には未成熟の部分も少なくなく、いくつかの「危険会社」の存在も留意を要します。
こちらの過去記事も、あらかじめ、ご参照下さい。

ソーシャルレンディング【おすすめ会社&危険会社ランキング】最新版はこちら

※本記事は、読者様への情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品(ソーシャルレンディングファンド等)への投資勧誘等を目的としたものでは、ありません。
個別のソーシャルレンディング事業者における投資口座開設等、実際の投資是非に係るご判断につきましては、必ず、読者様ご自身にて、為さって頂きますよう、お願い致します。

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