「大学生なのですが、ソーシャルレンディング投資は可能でしょうか」

頂戴したご質問

「今春から大学3年生になる者です。
周りに既に投資を始めている友人も多い関係で、いろいろな投資分野に興味があります。
ソーシャルレンディングも始めてみたいと考えているのですが、大学生からでも、投資家登録は可能なのでしょうか。」
(20代・男性・ソーシャルレンディング投資歴:なし)

学生投資家からも熱視線?話題のソーシャルレンディング投資とは

ソーシャルレンディング事業者(貸金業者+金融商品取引業者)の募集ファンドに対して出資し、その後分配金収益を狙う投資スタイルが、「ソーシャルレンディング」です。
数万円程度の少額から投資でき、かつ、提示されている期待利回りが高い、ということで、昨今、若年投資家・投資初心者を中心に、関心を集めつつあります。

国内の主なソーシャルレンディング事業者

国内のソーシャルレンディング事業者で、一定の知名度があるサービスとしては、主に下記のようなものがあります。

サービス名 概要
SBIソーシャルレンディング 東証一部上場「SBIホールディングス」の子会社が運営。国内ソーシャルレンディング業界最大手、と言われてきたが、2021年初頭よりも問題が続出し、同年5月、自主廃業を公表。同年6月には、関東財務局から行政処分を受けた。
maneo 国内ソーシャルレンディング業界の草分け的な存在。長期間に渡り、SBIソーシャルレンディングと並び、業界大手、と呼ばれてきたが、2018年7月、行政処分を受けることに。以後、ファンドの新規募集は停止しており、かつ、既存ファンドにおいては、延滞が続出している。
クラウドバンク 日本クラウド証券が運営。前述のSBIソーシャルレンディング、maneoが新規募集を実質的に停止している中、コンスタントに募集実績を伸ばしている。サービス開始以来、2021年8月に至るまでの間、融資回収率は100パーセント。
オーナーズブック 不動産担保付きローンファンドを専門で扱うソーシャルレンディング事業者。長年、マザーズ上場のロードスターキャピタル社が運営にあたってきたが、2021年8月、運営会社が、非上場のロードスターインベストメンツ社に変更となった。
ファンズ(Funds) ファンズ株式会社が運営。国内証券市場の上場企業グループが「ファンド組成企業」ないしは「融資先企業」として参画し、話題を呼んできた。各ファンドには実質1円から出資が出来る。
ファンズ(Funds) ファンズ株式会社が運営。国内証券市場の上場企業グループが「ファンド組成企業」ないしは「融資先企業」として参画し、話題を呼んできた。各ファンドには実質1円から出資が出来る。
SUMURAI FUND SAMURAI証券株式会社運営。国内保証業界大手「日本保証」の連帯保証付きファンドなどを組成。SKE48に所属する大場美奈さんがアンバサダーを務めることでも知られる。
バンカーズ 株式会社バンカーズが運営。同社が長年営んできた商業手形スキームを組み込んだファンド組成が特徴的。

ソーシャルレンディングのメリット・デメリット

学生投資家を始めとした投資家が、ソーシャルレンディングに取り組む場合、主に下記のようなメリット・デメリットがあるとされています。

メリット デメリット
  • 各ファンドにおいて提示されている期待利回りが高い。
  • 事前の投資家登録から、ファンド選び、出資申込まで、投資に纏わる様々な手続きが、オンラインで完結できる。
  • 実際のファンド(匿名組合)運営は、営業者にあたるソーシャルレンディング事業者が行うため、投資家においては「ほったらかし投資」が出来る。
  • 各ファンドには、数万円程度の少額から出資できる。
  • SNS等を通じた、ソーシャルレンディング投資家同士の情報交換も盛ん。
  • マネーフォワードなどの家計簿管理アプリと自動連携できるソーシャルレンディング・サービスも存在する。
  • ソーシャルレンディング事業者から借り手企業への貸付債権がデフォルト(貸し倒れ)となると、投資家の出資元本についても、大幅に毀損してしまうこととなる。
  • ファンドへの出資の「中途解約」が出来ない(クーリングオフも利用不可)。
  • ファンドへの出資持分を、投資家同士で取引(売買)するための「セカンダリ・マーケット」が存在しない。
  • ソーシャルレンディング事業者自身の不正リスクにも注意が必要。
  • ソーシャルレンディング事業者が経営破綻した場合、ソーシャルレンディング事業者の保有する貸付債権についても、破産財団に組み入れられ、処分される可能性がある。
  • 総合課税の対象となり、申告分離課税は利用できない。他の所得分野との損益通算や、損失の繰越控除も認められていない。特定口座(源泉徴収あり)なども提供されていない。

参考:
【2021年9月最新版】ソーシャルレンディングおすすめ10社&危ない3社比較ランキング【投資初心者必見】

大学生でも、ソーシャルレンディング業者に投資家登録を申請することは可能。

「大学生なのですが、ソーシャルレンディング投資は可能でしょうか」01

引用元:SBIソーシャルレンディング(https://www.sbi-sociallending.jp/faq)

上掲したのは、国内ソーシャルレンディング業界大手「SBIソーシャルレンディング」のFAQページの一部です。
SBIソーシャルレンディングの場合、投資家登録完了のための前提条件としては、

  1. 日本国内に居住していること。
  2. 20歳以上の成人であること。
  3. 必要事項に同意すること。
  4. その他、SBIソーシャルレンディングの定める投資家適合性基準を満たすこと。

上記事項が掲載されています。
上掲の諸事項を十全に満たしている限りにおいては、たとえ、大学生であったとしても、投資家登録申請を行うことは、可能であるものと思料されます(※SBIソーシャルレンディングの場合)。

※ソーシャルレンディング事業者への投資家登録申請においては、ソーシャルレンディング事業者による審査が為されることが一般的です。
最終的に、投資家登録申請が受理されるか、どうか、は、各ソーシャルレンディン事業者の判断となりますので、あらかじめご留意ください。

ソーシャルレンディングにはリスクがある。

「大学生なのですが、ソーシャルレンディング投資は可能でしょうか」02

様々な投資分野にご興味をお持ち、とのことですが、投資商品には、いずれも、メリットだけではなく、デメリット・リスクがあることを、ご失念為さってはなりません。
ソーシャルレンデイング投資の場合も、下記のようなリスクがあり、投資家登録・出資を行うにあたっては、慎重な判断が求められます。

元本割れリスク

ソーシャルレンディングは、

  • 投資家と、
  • ソーシャルレンディング事業者との間の、

匿名組合契約によって、成立するものです。
※一般的に、投資家が、ソーシャルレンディング事業者のホームページ上で、出資申込を行うことにより、匿名組合契約が締結されることとなります。

当該匿名組合契約において、ソーシャルレンディング事業者は、投資家に対し、投資家が出資した元本の保証を、行いません。
このため、ソーシャルレンディング投資においては、投資家が、元本割れのリスクを受忍する必要があります。

延滞リスク

ソーシャルレンディング事業者が投資家に対して行う償還や、分配の、原資は、ソーシャルレンディング事業者から資金を借り受けた「借り手企業」がソーシャルレンディング事業者に対し支払った、「返済元利金」です。
すなわち、借り手企業からソーシャルレンディング事業者に対する元利金返済に遅延が生じれば、ソーシャルレンディング事業者から投資家への償還・分配にも、遅れが生じることとなります。

こうした「延滞」は、現に、複数のソーシャルレンディング事業者・ソーシャルレンディングファンドにおいて、発生していることです。

事業者破綻リスク

上述した、匿名組合契約において、ソーシャルレンディング事業者は「(匿名組合の)営業者」となり、投資家は「匿名組合員」という立場となります。
そして、匿名組合契約の場合、匿名組合員の出資した資金は、営業者の財産として取り扱われることとなります。
※正確には、営業者の貸借対照表上の、「預り金」負債勘定となります。
このため、万が一、ソーシャルレンディング事業者が経営破綻し、破産手続きへと移行した場合、投資家が出資した資金は、棄損してしまう恐れがあります。

上掲したような諸リスクは、当該投資家が、大学生であろうが、なかろうが、一切、関係なく、一律、理解・受忍を要する事柄となります。
一般的に、大学生の場合、安定した収入のある社会人と比し、投資に回すことの出来る余剰資金は、乏しいものと思料されます。
このため、ソーシャルレンディングに固有の様々なリスクに関しては、大学生の場合、一般社会人よりもさらに厳正に、留意を行う必要があります。

大学生である間は、大学生でなくては出来ないことを。

「大学生なのですが、ソーシャルレンディング投資は可能でしょうか」03

「貯蓄より投資」がキャッチフレーズのようになった、昨今。
大学生のうちから、ソーシャルレンディングを含む、様々な投資商品にご興味をお持ちになることは、確かに、意義のあることだろうと思料致します。
しかしながら、ソーシャルレンディング投資そのものは、大学生活を終え、社会人になってから始めても、決して、遅くはありません。
むしろ、大学生でいらっしゃる間は、「大学生でなければ、出来ないこと」にこそ、お力を注いでほしい、というのが、当ラボの思いでもあります。

  • 時間を忘れ、勉学に打ち込まれたり、
  • 学友の方々と、思う存分、思いのたけを打ち明けあったり、
  • (※いささかイレギュラーかもしれませんが)大学を一時休学為さり、諸国放浪の旅に出る、等、

いずれも、社会人になってからでは、なかなか、実現できぬことばかりです。

どうか、有限な「大学生時代」の残り時間を、存分に、悔いを残さぬよう、ご活用いただければ、と祈念致しております。

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ソーシャルレンディング・ラボ
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「大学生なのですが、ソーシャルレンディング投資は可能でしょうか」” に対して 4 件のコメントがあります

  1. 匿名 より:

    自分の学生時代は投資なんて考えもしなかったけどなー。時代が変わったのか、自分が鈍かったのか…。

    1. ソーシャルレンディング・ラボ より:

      コメントを頂戴し、有難うございます。

      投資がこれだけ身近なものとなった遠因には、

      • インターネットを介し、ごく手軽に、
      • 少額から投資できる投資商材が、

      昨今、広く提供されつつあることが、挙げられるものと思料しております。
      そのこと自体は、時代の流れにも即しており、総じて、歓迎すべき事柄なのでしょうが、投資家保護態勢の確立等もまた、欠かせぬ要諦となります。

  2. 匿名 より:

    「大学生でなければ、出来ないこと」をするためにアルバイトなどではなく投資をしようと考えていたのですが、やはり学生が投資などするべきではないのでしょうか?

    1. ソーシャルレンディング・ラボ より:

      コメントに感謝します。

      人は、投資という経済行動を通して、投資先企業について研究したり、数理分野での見識を深めたり、等々、様々な情報・学識を吸収することが出来ます。
      これまでは主に”消費”というフィルターを通して眺めてきた世界も、”投資”という視座から眺めてみると、また風合いの変わったものとして映ることもありましょう。

      その反面、投資の場合、アルバイト等の比例型行動(≒アルバイト労働に従事する時間を増やせば、それに比例して、当該アルバイトからの収入は単純増加する)とは異なり、時に、費やした時間や労力とは、反比例の結果が表れることが多々あります。
      それが、投資の面白さの一端(投資初心者の投資成績が、熟練投資家のそれを凌駕することがある)でもあるのですが、同時に、投資の怖さの一面でもあります。

      投資という経済行動の功罪両面を念頭においたうえで、各投資分野の先達の意見も取り入れつつ、慎重に、ご判断頂くことがよろしいものと思料します。

      ひとえに、コメント主様の学生生活が、実り多いものとなることを、心より祈念申し上げます。
      失礼致します。

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