NFTアートの始め方|SNSで話題のNFTアート投資の始め方も徹底解説
NFTアート作りの始め方
始め方を学ぶなら今!NFTアート作りのいいところ
始め方次第では、マイナー報酬(ガス代)支払も節約できる
一般的に、NFTアートの出品・販売を行う場合、イーサリアムのブロックチェーンを利用することとなります。
しかしながら、イーサリアム・ブロックチェーンにおいては、昨今、マイナー報酬(ガス代)の高騰が問題となっており、最近では、イーサリアム・ブロックチェーンに作品を出品する場合、NFTマーケットプレイス(ここでは、OpenSea)のアカウント初期化のためだけに、日本円で1万円程度のガス代が生じることも少なくありません。
一方で、NFTアートの出品の際に、(イーサリアム・ブロックチェーンではなく)ポリゴン・ネットワークを利用した出品とし、かつ、受け取り通貨についても(イーサリアムではなく)ポリゴンを指定すれば、NFTアートの出品・販売に纏わるほぼすべてのガス代を、無料化、ないしは、最小限度まで節約することが可能です。
※ただし、投資家の中には、ポリゴン・ネットワークを(少なくともイーサリアム・ブロックチェーンほどには)信頼しておらず、「イーサリアム・ブロックチェーンにミントされるNFTアート以外は、購入したくない」と考える人も、一定程度、存在します。
本格的にNFTアートを販売していく場合、将来的には(ほぼ)必ず、イーサリアム・ブロックチェーンとの付き合いを開始せざるを得ない、という点には、あらかじめ、留意が必要です。
販売を始めるときにしっかりロイヤリティ設定をすれば、二次流通からも収益を見込める
OpenSea(オープンシー)のようなNFTアート・マーケットプレイスの場合、NFTアートの出品時に、「ロイヤルティ」の設定を行うことが可能です(上限は10パーセント)。
あからじめロイヤリティ設定を行っておけば、自分の出品したNFTアートが、その後、二次流通(=最初にNFTアートを購入した人から、別のコレクターへと、NFTが転売されること)したとしても、その売買代金に応じたコミッションを受け取ることが可能となります。
NFTアート作りは、無料のスマホアプリからでも十分に始められる
初心者がNFTアート作りを始める場合、わざわざ有料のソフトウェアなどを購入する必要はありません。
App StoreやGoogle Playには、ドット絵やイラストなどを作成できる、無料のスマホ・タブレット向けアプリが多数ラインアップされていますので、その中から自分の使いやすいアプリを選べば、元手ゼロ(初期投資なし)で、NFTアート作りを始めることが出来ます。
なお、NFTアート作りに便利な無料スマホアプリとしては、下記のような物があります。
- 8bit painter
- ドット絵作成アプリ。累計ダウンロード数は190万ダウンロードを突破。
- ドット絵エディタ
- 同じく、ドット絵作成アプリ。ipadにも対応済。
- Pixelable
- ドット絵作成アプリ。複数のレイヤーを作成することが出来、レイヤ-の順序の変更や、透過レイヤーの作成も可能。。
OpenSea等の大手マーケットプレイスを使えば、デジタルアートのミント(NFT化)も無料から始められる
作成したデジタルアートを、NFTマーケットプレイスで販売するためには、デジタルアートのミント(NFT化)という作業を必要です。
2021年の初頭頃までは、この「ミント」については有料(ガス代は、出品者が負担)としているマーケットプレイスが大半だったのですが、2021年後半頃から、「Lazy Minting」と呼ばれる手法(※出品時点ではブロックチェーンにはデータを記帳せず、オフチェーンとしておいて、実際に作品が売買された際に初めて、オンチェーンで記帳する)が汎用化すると、従来は有料としていたミント代金を「無料」とするNFTマーケットプレイスも増え始めました。
最近では、NFTマーケットプレイス大手と言われるOpenSea(オープンシー)を始め、複数のNFTマーケットプレイスで、ミント手数料(ガス代)は無料、とされています。
ブロックチェーンの「始め方」にこだわりがある人は、独自コントラクトを利用したNFT化も出来る
前述の通り、OpenSeaのようなNFTマーケットプレイス上でNFTのミントを行う場合、ミントにかかるガス代は不要となります(一旦はLazy Mintingされ、最終的には購入者が実質負担)。
ただし、その場合、ブロックチェーンへの記録上は、当該NFTのオリジネーターは、(クリエイターではなく)OpenSeaとして記録されることとなります。
この点に対して抵抗感のある人は、NFTの出品を始めるにあたり、
- OpenSea等の提供する「共用コンタクト」ではなく、
- 自身の「独自コントラクト」を利用して、
NFTアート用のコレクション作成や、デジタルアートのミントを行ったうえで、その後、マーケットプレイスに対して入庫・出品する、という手続きを取ることが出来ます。
この場合、独自コントラクトのデプロイ、及び各NFTアートのミント、それぞれに対して、多少のガス代を支払う必要が生じてしまいますが、トークンの出所・取引履歴を万全なものとしたい、というクリエイターにとっては、ひとつの有力な選択肢となりましょう。
始める前に知っておきたい、NFTアート作りの思わぬ盲点とは
NFTアート作りを始めることで、既存のファンから批判・反発を受けることもある
既にデジタルアート作成などに携わっており、オンライン・オフラインそれぞれで既存のファンを持っているクリエイターが、NFTアート作りへの取り組みをスタートする場合、特に熱烈なファンを中心に、クリエイターが反発を受けるケースが散見されます。
その理由は様々ですが、主に下記のような根拠に基づくものが多いようです。
- NFTアート人気の高まりが、地球温暖化を加速させている、との批判
- NFTアートの取引履歴をブロックチェーンに記帳するためには、当然、マイナーによるマイニング作業が必要となります(このマイニング作業に対して、出品者やコレクター、投資家は、間接的に、マイニング報酬を支払います)。
マイニングはコンピューターにて自動的に行われますが、その際に、マイニング用コンピューターからは、演算処理に伴い、多量の熱が放出されます。
※実際、仮想通貨・暗号資産ブームの初期に、自宅用PCでマイニングに取り組んだことのある人は、その熱量の多さに驚いた記憶があるでしょう。そうして放出された熱が、昨今の地球温暖化を加速させている、との批判が、実際に存在します(ただし、科学的な実証データが不足している、との反論もあります)。
- マイニング・マシンがグラフィック・ボードなどを独占し、却って、クリエイターたちの創作活動を阻害している、との批判
- イーサリアム・ブロックチェーンのマイナーなどが利用するマイニング向けコンピューターには、高性能なグラフィック・ボードの搭載が必須、とされています。
しかし、そうしたグラフィックボードは、本来、映像クリエイターなどが創作活動に利用するものでもあります。NFTブームなどを背景に、マイニング報酬が高騰していることを受け、イーサリアム・ブロックチェーンのマイナーたちが市場に出回っているグラフィックボードを高値で買い占めてしまうことにより、却って、クリエイターたちの創作活動が悪影響を受けている、との指摘もあります。
まだ始まったばかりの市場であり、税制などを中心とした法整備が追い付いていない
NFTアートを作成し、マーケットプレイスにて販売して売上高を得た場合、アート制作にかかったコスト(経費)を控除した残額は、クリエイターにとっての「利益」に相当します。
当然のことながら、その「利益」部分は、課税対象となるはずなのですが、その際に、NFTアート作りを通じて得た利益が、所得税法上、「何所得」に該当するのか、については、現状、明確な基準がありません。
- 「事業所得」とする場合
- 個人で活動しているクリエイターが、アート制作という「事業」において生じた利益として、「NFTアートの売却代金-コスト」部分を、「事業所得」として申告する、というのも、ひとつ、頷ける考え方です。
しかしながら、一般論として、課税権者側は、「事業所得」という申告を是認することを、些か、忌避する傾向があります。
事業所得としての申告を課税権者に是認してもらうためには、「事業」と言えるだけの規模、及び実績が求められることとなりますので、会社員などが自宅に帰ってからの余暇の時間でNFTアート作りに取り組む、という程度の場合、「事業」所得としての申告が否認されてしまうリスクも存在します。 - 「雑所得」とする場合
- これまでの仮想通貨・暗号資産周りの税制を考えると、NFTアートの販売を通じて得た利益が「雑所得」として判断される、という可能性も、十分にあります。
この場合、「申告分離課税」の利用は出来ず、あくまでも「総合課税」の対象とされますので、会社・勤務先から得ている給与所得と合算で課税されることとなります。- 給与所得などが小さい(少ない)場合でも、NFTアート販売による雑所得が巨額となれば、高税率が課せられることとなる恐れがありますし、
- 一方で、既に給与所得等が大きい場合、累進税率の関係で、NFTアート販売の税引き後利益は、半額程度まで縮小してしまう可能性があります。
NFTアートの作成・出品を始めるには、事前に相当なマーケティング調査が必要となる
2021年前半頃までの間は、NFTアート業界は、極論すれば「ミントしたものから、どんどん売れていく」、いわば「入れ食い状態」でした。
これに対して、昨今では、「NFTアートを出品し、販売してみたい」と考えるクリエイター(※普通の小学生なども含む)が急増している関係上、クリエイター同士、ひいては、NFTアート同士の間での競争は、かつてないほどに加熱しています。
すなわち、(売り手優位な)「売り手市場」から、少しずつ、(買い手優位な)「買い手市場」に遷移している、と言えます。
こうした状況下において、作成したNFTアートを販売するのは、決して簡単な事ではありません。
知名度のある芸能人やスポーツ選手、インフルエンサー等でない限り、一般的な個人クリエイターが、作成したNFTアートを無事に売り切るためには、相当のマーケティング活動が必要となります。
- NFTアートを実際に作り始める前の、入念なマーケティング調査は勿論のこと、
- 実際に作品を出品して以降も、ツイッターやDiscordなどを中心に、積極的にコミュニティ運営を図ったり、
- ギブアウェイ(GiveAway)企画などで、フォロワーやコレクターとの間で、コミュニケーションを図ったり、
等と言ったプロセスが欠かせないため、そうした活動(=アート作成「以外」の活動)を面倒に感じてしまう場合は、慎重に検討したほうがいいでしょう。
実際に作品が売れ始めると、NFTマーケットプレイスに対して、手数料の支払いが生じ始める
NFTアートの出品・販売にあたり、イーサリアム・ブロックチェーンに対するガス代(マイニング報酬)の支払いが生じることは、前述の通りですが、そのほかに、NFTマーケットプレイスそのものに対して、一種の仲介手数料の支払いが必要となります。
実際に生じる手数料の料率は、マーケットプレイスによって様々ですが、例えば、世界最大級のNFTアート・マーケットプレイスとして知られるOpenSea(オープンシー)の場合であれば、売買代金の2.5パーセントに相当する金額を、手数料として支払う必要があります。
なお、このマーケットプレイス手数料は、NFTアートが二次流通(Secondary Sales)した場合においても、同様に生じ続けることとなります。
主だったNFTアート・マーケットプレイス別の手数料率としては、概ね下記の通りです。
マーケットプレイス | 販売手数料 |
OpenSea | 2.5% |
AdambyGMO | 5%(二次販売手数料) ※なお、商品購入がクレジットカード決済にて行われた場合、売上代金の3%の決済手数料が必要 |
Rarible | 売り手・買い手の双方から、2.5%ずつの手数料を徴収 |
SuperRare |
|
クリエイターが出品したNFTアートが、マネーロンダリングに悪用されてしまうリスクが指摘され始めている
OpenSea(オープンシー)のようなNFTアート販売サイトで、NFTアートを買い付けるためには、事前に仮想通貨ウォレット(メタマスクなど)を作成し、OpenSeaのアカウント開設を行う必要があります。
仮想通貨や、暗号資産のウォレット・アプリの取り扱いをしたことない、という人にとっては、些かハードルが高いのですが、かねてより暗号資産に投資している人や、NFTゲーム(ブロックチェーン・ゲーム)のプレイ経験があるような人にとっては、簡単な手続き、とも取れましょう。
また、仮想通貨のウォレットを作成したり、OpenSeaのアカウント開設を行うにあたっては、本人確認を求められることは有りません。
例えば、NFTアート投資家などに人気の高い仮想通貨ウォレット「MetaMask」(メタマスク)の場合、日頃から利用しているWEBブラウザ(Google Chrome)に拡張機能をインストールすれば、誰でも即時にウォレットを作成することが出来ます。
通常の証券口座開設のように、ウォレットを作成するにあたって、KYC(Know your customer)対応を求められることはなく、本人確認資料の提供などもないまま、簡単にウォレット作成を進めることが可能です。
また、そうして作成したウォレットを、NFTアートの販売サイト(OpenSea)に紐づける際にも、何か煩雑な本人認証プロセスを求められることはなく、メタマスクに「署名」する処理させ済ませれば、ほぼ数クリックで、アカウント開設は完了します。
こうした手軽さは、NFTアートに対して投資してみようと考えている人や、NFTアートの創作・販売にチャレンジしてみようと計画しているクリエイターにとっては、一つのメリットと言えます。
一方で、本人確認等が徹底されていない、という「緩さ」は、犯罪組織などに目を付けられやすいポイントとも考えられます。
イーサスキャン等を利用すれば、各NFTアートが、どのウォレットアドレスから、いくらで、どのウォレットアドレスに対して譲渡されたのか、は、確認が出来ます。
しかし、ウォレットアドレスは分かっても、そのアドレスの所有者がどのような人物かは、全く分からない、というのが現状です。
OpenSeaのアカウント・プロフィールページ等を見ても、何も確たる情報が記載されていない、謎のアカウントもたくさんあります。
また、仮にプロフィール欄に自己紹介が記載されていたり、SNSなどへのリンクが設置されていたとしても、そうした情報が本当のものか、どうかは、外部からは分かりません。
こうした状況を悪用し、犯罪手段が、不正に入手した資金の洗浄(マネーロンダリング)のために、NFTアート市場を利用する可能性が指摘され始めています。
【初心者でも安心】ゼロからスタートするNFTアート作りの始め方
NFTアートを作り、そして出品するためには、主に下記のようなステップが必要となります。
- NFTアートとして出品するためのデジタルアートを作成する
- 仮想通貨取引所に、口座開設を行う
- 仮想通貨のウォレットを入手する
- NFTマーケットプレイス(OpenSea等)にアカウントを開設する
- NFTアートの「入れ物」となる、コレクションを作成する
- 作成したデジタルアートをアップロードし、ミント(NFT化)する
- 販売の代金を決めて、出品する
参考:
NFTアートの作り方&販売方法(出品)とは-初心者向けにスクリーンショット付で徹底解説
NFTアート投資の始め方
これからが始め時?NFTアート投資の魅力とは
購入したNFTアートを飾れる、オンライン・ギャラリー・サービス(OnCyber)も提供が始まっている
NFTアートの収集を始めても、収集したNFTアート・コレクションを閲覧・掲載できるのが、NFTマーケットプレイス上の自分のアカウントページだけ、というのでは、些か寂し過ぎましょう。
そこで昨今では、取得したNFTアートを、バーチャル空間上に作成した3Dギャラリーに展示・公開できる、「OnCyber」のようなサービスも広がりを見せています。
NFTアートの購入用に作成したウォレット・アプリ(MetaMaskなど)を紐づければ、ものの数分で、ウォレットに紐づいているNFTアートを展示したオンライン・ギャラリーを、無料で作成することが可能です。
NFTアートのコレクター・投資家としては、自らのコレクションを展示できる画廊として活用できますし、逆に、NFTアートのクリエイターの立場から見ても、自身のデジタルアートをNFT化してOnCyberに展示すれば、「無名のアーティストであっても、事実上、個展をオンライン開催することが出来る」という利点があります。
クレジットカード決済の受け入れを始めるマーケットプレイスも出てきている
一般的に、OpenSeaなどのマーケットプレイスを利用してNFTアートを購入する場合、仮想通貨(イーサリアム)が必要となります。
また、マーケットプレイスによっては、各NFTアートの価格は、(日本円建てや、米ドル建てではなく)イーサリアム建てで表記されているため、「日本円建てでは、果たしていくらになるのだろう」というのが、分かりづらい、というケースもあります。
一方で、GMOグループが運営する「Adam byGMO」のように、
- NFTアートの価格を、(仮想通貨建てではなく)円建てで表記し、かつ、
- 決済方法としても、(仮想通貨決済ではなく)クレジットカードによる決済を導入している
NFTマーケットプレイスも、出現し始めています。
仮想通貨取引口座の開設や、ウォレットの作成、といった手間暇をかけることなく、普段のネットショッピングとほぼ同じような感覚で、NFTアートを購入することが出来るプラットフォームが増えてくれば、日本人投資家の間で、NFTアートへの投資は、更に身近なものとなりましょう。
始めるなら覚えておきたい、NFTアート投資の怖いところ
NFTアート界隈では、「ラグプル」などの詐欺案件も出現し始めている
例えば、OpenSeaのようなNFTマーケットプレイスを利用してNFTアートへと投資する場合、そのNFTアートをプライマリー・セールで売り出した人のアカウント情報や、同アート作品をセカンダリ・セールで販売している人のウォレット・アドレス等の情報は、OpenSea上や、イーサスキャン(Etherscan)等で閲覧することが可能です。
一方で、そのウォレットアドレスの所有者が、正確に「誰」なのかは、Etherscanでどれだけ調べても、把握が出来ません(仮想通貨の保有者の匿名性)。
OpenSeaのプロフィール・ページから、Twitterなどの外部SNSへのリンクが設定されていれば、大まかに「この人は、こういう情報発信をしている人なのだな」程度のことは分かりますが、そうしたSNS情報も無ければ、各NFTアートの出品者・販売者について、詳しく知る由もありません。
現在、NFTアート界隈では、こうした、暗号資産・ブロックチェーンならではの匿名性を悪用した詐欺行為が複数発生しており、仮に、NFTアート(及び、そのコレクティブルを新規作成する、といったようなプロジェクト)に対して投資を行う場合は、十分な注意が必要です。
NFTアートの「取引履歴」を悪用した価格つり上げ事例も報告され始めている
OpenSeaのようなNFTアート・マーケットプレイスでは、各NFTアートの、これまでの「取引履歴」が、「History」として掲載されています。
この情報を閲覧すれば、そのNFTアートを、
- いつ、誰が、
- どの程度の価格で購入したのか、が確認でき、
- かつ、それぞれのトランザクション(取引)の情報詳細は、前述のイーサスキャン(Etherscan)等で把握できるのですが、
問題は、この「取引履歴」が、必ずしも、信用できるものばかりではない、という点です。
一般論として、NFTアートの転売を目的に、有力なNFTアートを探索する場合、そのNFTの取引履歴を確認し、仮に、高値で頻繁に転売されているものがあれば、
「これだけ高値で、セカンダリ・セールが行われているNFTならば、今、自分が購入しても、購入価格を上回る高値で、売却出来るに違いない」
と思い込んでしまいがちです。
こうした心理に目を付けた、悪意ある(かつ、ある程度の資金量のある)ユーザーが、
- OpenSea上に、複数のダミー・アカウントを作成し(もしくは、仲間内で、それぞれ、アカウントを開設し)、
- 特定のNFT(ないしは、コレクティブル)を、わざと、高値で相互取引し、
- 取引履歴に、虚偽の売買レコードを記録させる、
という手口が、一部で横行しています。
仮に、こうした行為を、上場企業株式等に対して行えば、「株価操縦である」として、明確に、証券取引法違反等の罪に問われることとなるのですが、NFTアートの場合、新興のマーケットである分、そうした規制が十分に追いついていません。
マーケットプレイス上の取引履歴を過信してしまうと、こうした詐欺的な手法に引っ掛かり、「グレーター・フール」理論の犠牲者(一番最後に、高値で対象物を購入した人が、最大の損をすることとなる)となってしまうリスクがありますので、十分な注意が必要です。
「小遣い稼ぎ」を目的にNFTアート作りを始める人も多く、市場には無価値なデジタルアートが氾濫している
純粋に「アート」の観点から見ると、NFTマーケットプレイスにて出品されているNFT作品の多くは、実質上、ほぼ無価値である、とも言われています。
実際、OpenSeaのような大手マーケットプレイス上には、
- 素人が手元のスマホに無料アプリをダウンロードして作成したような、(事実上)単なる落書きに過ぎないような作品もありますし、
- 明らかに子供が描いたような、芸術性を全く伴わないイラストが、高値で販売されているようなケースもあります(プライマリー・セールで、作品をいくらで出品するか、は、クリエイターの自由ですし、セカンダリ・セールにおいてもそれは同様です)。
実際、子供に作らせたデジタルアート(と思しきドット絵やイラストなど)をNFTアートにして、親がマーケットプレイス上で販売しているケースも、枚挙にいとまがありません。
勿論、出品されている作品群の中には、かねてよりデジタル・アーティストとして活動していたクリエイターが作成した、本格的なデジタルアートもありますし、そもそも、「子供や、素人の作った作品」にも、それはそれで、味わい深いものがあるのかもしれません。
しかしながら、冷静に「投資対象」として考えた際に、果たして、真に審美眼に耐えうる、取得コストに見合ったアート作品が、どれだけ出品・公開されているか、という点については、一定の留意が必要と言えましょう。
参考:
「NFTアート作りを子供にやらせる」は、ありなのか-国内・海外の事例から読み解く、メリット&デメリットとは
元手はいくら?NFTアート投資の始め方
NFTアートに対する投資を始める場合、主に以下のようなステップが必要となります。
- ①仮想通貨取引所の口座開設
- 大手のNFTアート・マーケットプレイスで、NFTアートを買い付けるためには、仮想通貨(イーサリアム)が必要です。
※一部、日本円での決済や、クレジットカード決済に対応しているマーケットプレイスも存在しますが、まだまだマイナーな存在です。 - ②イーサリアムの買付
- OpenSeaのような主要マーケットプレイスでは、NFTアート購入に利用される通貨は、イーサリアムとされています。
購入したいNFTアートの価格に合わせて、必要なイーサリアムの買付を、事前に済ませておく必要があります。
※なお、仮想通貨(暗号資産)としては、イーサリアムよりもビットコインのほうが知名度がありますが、NFTアートの買付にビットコインが利用されるケースは稀です。
イーサリアムの場合、「スマートコントラクト」機能により、「仮想通貨の送金が実行されれば、その引き換えに、NFT(トークン)を移転する」という、一種の契約関係がブロックチェーンに記帳出来るのですが、ビットコインの場合は、そうした取引機能が提供されていないため、です。 - ③仮想通貨ウォレットの作成
- NFTマーケットプレイスでNFTを購入するためには、事前に、イーサリアム・ブロックチェーンに対応した仮想通貨ウォレットを作成しておく必要があります。
なお、NFTアートを買い付ける投資家、及び、NFTアートを作成・出品するクリエイターの間では、仮想通貨ウォレット「MetaMask」(メタマスク)の利用が標準とされています。 - ④NFTアート・マーケットプレイスでのアカウント開設
- 事前に作成した仮想通貨ウォレットと紐づける形で、NFTマーケットプレイスにアカウントを開設することが出来ます。
一般的なインターネット・ショッピングモールでのアカウント開設等と違い、NFTマーケットプレイスでのユーザー登録には、本名や住所、電話番号等の入力を求められることは稀です(少なくとも、海外の大手マーケットプレイスの場合、ウォレットの紐づけだけで、アカウント開設は完了します)。
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