「インデックス投資は負けない」は本当なのか|インデックス投資が「負ける」のはこんな時

初心者でも負けない?インデックス投資とは

インデックス投資の仕組みとは

インデックス投資を始める場合、投資家は、基本的には、下記のようなステップを踏むこととなります。

①自身のリスク許容度診断

インデックス投資にあたって、投資家がどの程度のリスクを取ることができるかは、その投資家の年齢や、資産構成、予定している運用期間や、投資予定の資金の性格などによって異なります。
基本的には、年齢が若く、資産残高が大きい投資家は、その分、大きなリスクを取ることができると目されます。
反面、年齢が高く、投資に回す予定の資金が「退職金」等とされている場合は、リスクをできるだけ減らして、安定的な資産運用を心がける必要があると言われています。

②リスク許容度に合った、アセット・アロケーションの決定

②リスク許容度に合った、アセット・アロケーションの決定
インデックス投資を始めるにあたって、アセット・アロケーションの決定は、重要なプロセスのひとつです。
※画像はイメージです。

リスク許容度の診断が済んだら、次は、どのような資産(アセット)に対して、どの程度の割合の資産を振り分けていくのか、という、「アセット・アロケーション」を決定する必要があります。
基本的には、リスク許容度の高い投資家ほど、株式の占める比率の高いポートフォリオを設定します。
一方、リスク許容度の低い投資家は、債券等、比較的値動き(=ボラティリティ)の小さなアセットをメインに、資産を振り分けていくこととなります。

③アセット・クラスごとに、追随するインデックスの決定

1つのアセット・クラス(資産クラス)に対して、通常、インデックス(指数)は、複数提供されていることが一般的です。
例えば、「国内株式」という1つの資産クラスに対しても、日経平均やトピックスなど、いくつかのインデックスが提供されていることと同じです。
投資家においては、インデックス投資を始めるにあたり、各資産クラスごとに、どのインデックスを追随対象としていくのかを、あらかじめ、決めておく必要があります。

④インデックスごとに、利用する投資信託の決定

インデックス(指数)ごとに、それを連動対象としている投資信託は、販売会社や運用会社ごとに、複数、提供されていることが多くあります。
各投資信託(ファンド)ごとの、信託報酬や、純資産額、インデックスとの間でのトラッキング・エラーの大小などを考慮し、投資家自身で、どの投資信託を利用するかを、しっかりと選び抜く必要があります。

⑤投資信託の実際の買い付け、積み立て投資の設定

投資信託を実際に買い付けるにあたっては、国内では楽天証券やSBI証券、マネックス証券などといった、いわゆる「ネット系」の証券会社を利用することがよくあります。
これらのネット証券会社では、毎月100円程度の小額から、投資信託の自動積み立て投資サービスなどを提供していますので、インデックス投資家の多くが、こうしたサービスを利用しています。

⑥適宜のリバランス

インデックス投資を開始してしばらくすると、各銘柄の値動きによって、投資家の最新のポートフォリオの内容が、当初設定したアセット・アロケーションと比較して、乖離してきてしまうことがよくあります。
この場合、投資家自身で、値下がりしている資産の買い足しや、値上がりしている資産の売却によって、ポートフォリオの再調整、すなわち、リバランスを執行する必要があります。


参考:
インデックス投資における「アセットアロケーション」とは

インデックス投資は「負けない」は本当か

インデックス投資でも、負ける(=元本割れする)ときはある

インデックス投資の場合、投資家は、少数の銘柄に対して資金を集中的に投資するのではなく、投資信託を活用することによって、実質的に、数百から数千もの銘柄に対して、分散投資を行うこととなります。

これだけの規模の分散投資を行うと、必然的に、各株式銘柄の非システマティック・リスクについては十分に排除され、市場の純粋なシステマティック・リスクのみが残ることとなります。

このため、数点の株式銘柄にのみ、資金を集中投資している場合と比較すれば、ポートフォリオ全体のリスクを、ある程度低く保った上で、資産運用が行えることとなります。

またさらに、インデックス投資の場合は、単一の資産クラスに対してのみ投資をするのではなく、

  • 米国株
  • 米国株を除く先進国株
  • 新興国株
  • 先進国の債券
  • 新興国債券
  • コモディティー
  • 不動産

など、様々な資産クラスに対して、資産を分散投資することが一般的です。

現代ポートフォリオ理論等においては、互いの値動きが逆行する傾向のある資産クラスを、複数、ポートフォリオ内で組み合わせることによって、ポートフォリオ全体のボラティリティーを低く保つ効果が期待できる、とされているためです。

しかしながら、どれだけ熱心に分散投資を行ったとしても、到来する経済変動の大きさによっては、結局、投資家が大負けをしてしまうリスクを、完全に排除することは出来ません。
現に、昨今のリーマン・ショックや、コロナ・ショックにおいては、十分に分散されたポートフォリオを運用していた投資家においても、一時的に、資産評価額が累計投資元本を大幅に下回る、「元本割れ」を経験することとなりました。

分散投資によるリスク低減効果は万能なものではなく、必ず負ける事はあると言う点に、くれぐれも、注意が必要です。

また、バブル崩壊後の不調が長期化した場合、元本割れの状態が、数年以上もの長期に渡って継続してしまうことも、ままあります。
例えば、米国株式市場の代表的なインデックス指数と言われるS&P500指数は、2000年代初頭のドットコム・バブル崩壊後、リーマン・ショックを経て、最終的にバブル崩壊前の水準を回復するまでに、十数年にも及ぶ歳月を要しました。


参考:
インデックス投資は「危ない」のか|投資初心者必見、インデックス投資の危険性とは

インデックス投資は「手数料負け」の可能性がある

インデックス投資は「手数料負け」の可能性がある
「初心者でも負けにくい」等と評されることもあるインデックス投資ではありますが、投資信託へと支払う手数料など、注意を要するポイントは少なくありません。
※画像はイメージです。

投資家がインデックス投資を行う場合、専門の運用会社が運用する、「投資信託」を活用することが一般的です。
この場合、投資家は、運用会社に対して、投資信託の「運用手数料」に相当する、いわゆる「信託報酬」を支払う必要があります。

信託報酬の具体的な料率は、投資信託の運用会社や販売会社によって様々ですが、インデックス投資に用いられる投資信託の場合は、概ね、年率で、預かり資産残高の0.2パーセント程度、とされていることが一般的です。

仮に投資家が、自力で、数十銘柄程度の株式銘柄に対し、資産を分散投資する場合、買い付けの際に、イニシャル・コストとして、買い付け手数料が生じますが、株式を保有している期間においては、特段のランニング・コストは発生しません。

このように、インデックス投資の場合、個別の株式銘柄投資の場合では生じないような、「上乗せ」となる手数料が生じることとなり、運用成績によっては、手数料控除後の損益がマイナスとなってしまう、いわゆる「手数料負け」の状態が生じるリスクも、否定できません。

投資対象が限定的だと「一人負け」のリスクも

インデックス投資の場合、前述したように、複数の資産クラスに対して資産を分散投資することができますが、すべての投資家が、アセット・アロケーションを熟考し、2つ以上の資産クラスにまたがった分散投資を行っているわけではありません、

仮に、日本株のみに対して資産を投資しているインデックス投資家がいたとした場合、日本の株式市場の成長が、他国の経済成長と比較して「負けていた」場合、この投資家は、他の大勢のインデックス投資と比較して、「1人負け」してしまうリスクが否めません。

現に、米国株などが、直近数十年の間に、数十倍程度の成長を見せているのに対して、日本の平均株価は、依然として、バブル崩壊前の最高値すら、更新できずにいます。


参考:
インデックス投資前に知っておきたい、3つの失敗パターンとは

投資としての「面白さ」では、個別株投資に負ける

インデックス投資の場合、個別の株式銘柄投資とは違い、投資先企業それぞれの細かい業績や、ファンダメンタルズに関して、投資家が確認したり、把握したりする必要は、よくも悪くも、ありません。
現実問題として、インデックス投資に用いられる投資信託は、数百銘柄以上の株式に対して資産を分散投資していますから、そのすべての投資対象企業について、細かな業績を投資家が把握しておくことは、原理的に、困難です。

その分、長年、株式投資に取り組んできた投資家からは、「インデックス投資はつまらない」との声が上がることがよくあります。
実際、投資としての面白さ、ダイナミズムの大小、と言う点においては、インデックス投資は、個別の株式銘柄投資に負けるでしょう。

また、インデックス投資の場合、個別の株式投資と違って、投資家が株主優待を直接受け取ることができない、と言う難点もあります。

投資信託選びは慎重に行わないと、他のインデックス投資家に負ける可能性がある

インデックス投資を始めるにあたって、注意しておかなければいけないこととして、まず、1つの資産クラスに対して、その市場の平均値に相当するインデックス指数は、必ずしも、1つではありません。
一般的に、1つの株式市場に対しては、数点から10点程度のインデックスが提供されており、そのうち、どのインデックスを追随対象とするかは、投資家自身が自分の判断で、選び抜く必要があります。

また、1つのインデックス指数に対して連動している投資信託も、必ずしも、1つとは限りません。
人気のインデックス指数の場合、そのインデックスを追随する投資信託も、数点から10点以上にも及ぶことがあり、投資信託の運用会社や販売会社の間では、日々、投資家からの新たな資金の獲得を巡り、熾烈な競争が繰り広げられています。

それぞれの投資信託で、追随対象のインデックスとの間のトラッキング・エラーの大小や、純資産額、信託報酬等といった要素が全く異なりますので、投資家においては、インデックス投資をスタートするにあたって、自分自身の目的に見合った投資信託を、国内で販売されている数千もの投資信託の中から、選び抜いていく必要があります。

少なくとも一時的には、インデックス投資家は、優れたアクティブ投資家やアクティブ・ファンドに、負けることがある

インデックス投資について勉強している投資家の中には、「インデックス投資は、アクティブ投資に対して負けない」などと言う説を目にしたことがある人も多くいるでしょう。
確かに、インデックス・ファンドの多くは、手数料や税金といったコストを控除した後で、大半のアクティブファンドと比較して、好成績を収めていると言われます。

しかし、世の中にある全てのアクティブ・ファンドが、インデックス・ファンドに対して、運用成績で負けているわけではありません。
優れたファンドマネージャーが率いるアクティブ・ファンドや、敏腕投資家が自ら主体的に行う資産運用等に対して、インデックス投資の成績が叶わない、などと言う事も、実際問題として、よくあることです。

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