ラッキーバンクの、「第415号ローンファンド 東京都杉並区×東京都中央区」に、投資申込を完了致しました。

寄稿者紹介

個人投資家Y.K氏。
2018年初旬からソーシャルレンディング投資を始め、約1年ほどが経過。
合計20社以上のソーシャルレンディング事業者に投資口座を開設し、累計投資額は400万円以上。
30代男性会社員・首都圏在住。

投資申し込み完了のエビデンス

ラッキーバンクのマイページ、「投資履歴」からのスクリーンショット抜粋がこちら。

ラッキーバンク

本ファンドの概要

同社のホームページ(https://www.lucky-bank.jp/fund/detail?id=420)から確認した、本ファンドの概要情報としては、下記の通りです。
なお、資金の大半を融資する、プロジェクト1のほうに関してのみ、下記、詳説をさせて頂きます。

本ファンドのスキーム図

ラッキーバンク01
引用元:https://www.lucky-bank.jp/fund/detail?id=420

資金の借り手

「不動産事業者」と表記があります。
同社に関するその他の情報は、記載が見当たりませんでした。

貸付資金の総額

本ファンドを経由しての貸付は、1,500万円とのこと。
ただし、本ファンドを経由しての貸付実行後のの融資額は、1億5200万円とのこと。

借り手の資金使途

第247号ローンファンドの借換え、との記載があります。

貸付・運用の期間

12か月、とのことです。

設定担保

東京都杉並区の一棟収益物件に対して根抵当権が設定される、とのこと。
ラッキーバンクによる調査価額が、1億5,490万円。
それに対して、根抵当権の極度額は、1億5,400万円。
本ファンド貸付実行後の融資額は、上述の通り、1億5200万円とのこと。

返済原資

返済原資に関する確たる明記は見当たりませんでしたが、

本件担保物件は最寄駅から徒歩10分の立地に所在し、借入人によるリノベーションを実施済みで、現在は満室で賃貸稼働をしております。一般市場へ販売活動を行っており、2018年1月度には購入検討者との条件交渉があった他、別の購入検討者が内覧を実施しました。
引用元:https://www.lucky-bank.jp/fund/detail?id=420

上記の記載から類推するに、資金借り手としては、本件担保不動産をエンドユーザーに対して売却し、その売却代金を原資に、ラッキーバンクへの元利金返済を行う予定であるものと思われます。

わたしたち個人投資家の期待利回り

7.5パーセント、とのこと。

本ファンドにわたしが投資申し込みを行った理由

主に下記のように判断したうえで、本ファンドへと投資申込をさせて頂きました。

毎度のことながら担保設定には疑問符

ラッキーバンクへの投資申込の際は、毎度、記載しておりますが、まずもって、担保不動産に関する、「ラッキーバンク調査価額」というのが、どうしても、気にかかります。
他のソーシャルレンディング事業者でも、不動産に担保設定するファンドは多く提供されていますが、その場合、当該不動産について、”外部の”不動産鑑定士等による評価額等が記載されているのが一般的です。
そうした中、「ラッキーバンクによる調査価額」といわれると、
「外部の(利害関係のない、公正な)第三者による評価よりも、高めの評価をしているのではないか」
との心配が、どうしても、拭いきれません。

そして、(これも毎度のことですが)掛け目が大き過ぎると思うのです。
本ファンド貸付実行後の融資額たる1億5200万円は、本件担保物件の調査価額たる1億5,490万円に対して、98パーセントにもなります。
銀行並みの掛け目(7割ほど)を要求するような考えは、毛頭、ありませんが、それにしても、いくらなんでも、掛け目が大き過ぎるのではないでしょうか?

これらの点から、(ラッキーバンクファンドに関しては毎度、同じようなことを書かせて頂いており、申し訳ないのですが、)担保設定については、いささか、不安感を持っております。

ラッキーバンクファンドへの別の出資記事はこちらから。

利回りはまあまあ。ごく少額ならば…

上述したように、不安点も少なくないファンドでしたが、「まあまあ」というレベルの利回りもありますので、ごく少額に限って、投資申込をすることに致しました。

その後、残念ながら、延滞発生とのこと。

その後、5月4日に、ラッキーバンクから、下記のようなメールが届きました。

さて、ラッキーバンク・インベストメント株式会社(以下「弊社」)は、掲題のファンドについて、当初、ファンドからの貸付の返済期限を平成30年5月1日までとしておりました。しかし、以下の理由により、当該貸付(利息のみ)の返済遅延が発生しておりますのでお知らせいたします。お客様にはご迷惑をおかけし深くお詫び申し上げます。

【ファンド名】
【2/3募集】第415号ローンファンド 東京都杉並区×東京都中央区

【対象となるプロジェクト】
東京都杉並区不動産担保ローン

※ 東京都中央区不動産担保ローンは、当初の予定どおり利息が支払われております。

【現在の状況】
本件担保物件は現在、満室稼動となっており、売却活動を継続しております。概ね月に数件ペースで新規の購入検討者からのアプローチがある状況ではございますが、購入検討者のローン審査が通らない、価格交渉で合意に至らない等の要因から売却に至っておりません。

引き続き、仲介業者や広告掲載を通した売却活動を行い、金融機関ローンが通りやすい属性の購入検討者、または自己資金を豊富に有した購入検討者の開拓に取り組んでおり、2018年6月末での売却を目指しております。

【今後の方針】
本借入人は、本来の返済期限である平成30年5月1日付の利息の支払いを遅滞したため、期限の利益を喪失しました。

弊社といたしましては、今後、本借入人に対し、事業の現況等につき情報開示を求め、また、必要に応じ協議等を行った上で本借入人に対する回収方針を決定し、担保物件の任意売却、抵当権の実行としての競売の実施、貸金返還請求訴訟等の手段により、弊社債権の回収の極大化を図って参ります。

なお、サービサーへの債権売却も、最終的な選択肢にはありますが、現時点では、弊社といたしましては、任意売却または担保権の実行による競売によって債権の回収の極大化を図っていく予定です。

引き続き状況に進捗がありました場合には、弊社ウェブサイトを通じ随時告知して参りますので、よろしくお願いいたします。

以 上
引用元:メール件名「第415号ローンファンドにかかる貸付の返済遅延のお知らせ」受信日時:2018年5月4日 20:08

おそらく、2月20日付けの行政処分勧告の影響で、リファイナンス(借り換え)用のファンドが組成できず、利息支払いすら滞り…という状態なのでしょう。

本ファンドの場合、上述も致しましたように、掛け目が非常に大きいですからね…。
たとえ担保権を実行し、本件担保物件をラッキーバンクが売却してしまおうと試みたとしても、(そして、そもそもの「調査価額」が完全に公正だったとしても、)評価額の100パーセント近くで売り抜け成功しない限り、債権の満額回収は難しい、という状況です。
状況的に売り急ぎは必須であり、その分、ディスカウントも飲まざるを得ないでしょうから…。
なかなか、厳しい状況ですね。

いずれにせよ、続報を待ちたいと思います。

追伸:
主要ソーシャルレンディング業者各社を、事業者としての規模や、ファンドの平均利回り、信頼性や、初心者へのおすすめ度、といった視座から横断比較した、こちらの過去記事も、是非、ご覧になってみてください。おすすめです。

【徹底比較】ソーシャルレンディ事業者ごとの投資家登録数・投融資額・ファンド利回り…。国内大手ソーシャルレンディング各社を複数視座から比較してみた結果、見えてきたものとは。

本寄稿内容は、寄稿者の個人的な見解・体験・意見であり、その内容は、当ラボの公式見解と異なる場合があります。
また、本記事は、読者様への情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品(ファンド等含む)への投資勧誘を目的としたものではありません。
個別のソーシャルレンディング事業者における投資口座開設や、実際の投資是非に係るご判断につきましては、必ず、読者様ご自身にて、為さって頂きますよう、お願い致します。

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