ラッキーバンクの「第408号ローンファンド 埼玉県さいたま市北区×神奈川県横浜市旭区」に投資申込を完了致しました。
個人投資家Y.K氏。
2018年初旬からソーシャルレンディング投資を始め、約1年ほどが経過。
合計20社以上のソーシャルレンディング事業者に投資口座を開設し、累計投資額は400万円以上。
30代男性会社員・首都圏在住。
投資申し込み完了のエビデンス
ラッキーバンクのマイページ、「投資履歴」からのスクリーンショット抜粋がこちら。
↓
本ファンドの概要
同社のホームページ(https://www.lucky-bank.jp/fund/detail?id=413)から確認した、本ファンドの概要情報としては、下記の通りです。
なお、2つのプロジェクトのうち、資金の大半を融資する、プロジェクト1のほうに関してのみ、下記、詳説をさせて頂きます。
本ファンドのスキーム図
引用元:https://www.lucky-bank.jp/fund/detail?id=413
資金の借り手
「不動産事業者」と表記があります。
同社の業歴や、これまでの業績、本店所在地(市区町村)等に関する記載は、その他、見当たりませんでした。
貸付資金の総額
本ファンドを通しての貸付は4,081万円とのことですが、総額では8,162万円となる予定とのこと。
借り手の資金使途
埼玉県さいたま市北区の土地を購入するための資金、とのこと。
貸付・運用の期間
3か月、という、ごく短期の貸付・運用となります。
設定担保
3つの物件にまたがって、共同担保が設定されます。
- 埼玉県さいたま市北区の土地(上記購入予定の不動産です)
※ラッキーバンクの調査価額が、6,443万円。 - 東京都足立区綾瀬の土地
※借地権者が居住中。ラッキーバンクの調査価額が、1,491万円。 - 神奈川県横浜市旭区の土地建物
※現況は空家。ラッキーバンクの調査価額が、1,694万円。
極度額9,145万円の第一順位根抵当権の設定を予定、とのこと。
返済原資
借り手企業としては、今回の借入金を原資にして購入する、埼玉県さいたま市北区の土地(更地)に、一棟収益物件のプランをセットして、市場で転売する計画、とのこと。
(※既に複数の購入検討者がいて、うち一者は金融機関へ融資打診中、とのこと)
上記の転売を行って得る売却代金を原資に、ラッキーバンクへの返済を行う計画、とのことです。
わたしたち個人投資家の期待利回り
9パーセント、とのことです。
本ファンドにわたしが投資申し込みを行った理由
主に下記のように判断したうえで、本ファンドへと投資申込をさせて頂きました。
正直、担保設定には疑問大。
まず、本ブログの別記事でも書きましたが、「調査価額」というのは、正直、不安感を覚えさせると思います。
不動産鑑定評価基準に基づき算出された鑑定評価額とは異なります。
引用元:https://www.lucky-bank.jp/fund/detail?id=413
と書かれているのを見ると、どうしても、
「普通に不動産鑑定をして算出する評価額よりも、割高な評価をしているのでは…?」
という疑問が湧いてしまいます。
別記事はこちら
↓
ラッキーバンクの、「第413号ローンファンド 東京都千代田区神田・岩本町エリア×東京都中央区」に、投資申込を完了致しました。
ラッキーバンクの、「第420号ローンファンド 東京都江東区×東京都中央区」に投資申込を完了致しました。
そして、担保掛目。
3つの不動産の調査価額を合計すると、9628万円となります。
これに対して、設定される極度額9145万円は、95パーセント近くに達します。
本ファンドを経由しての貸付実行後の融資額(8162万円)だけでも、85パーセント近くです。
さらに不安を覚えるのが、万が一、不動産事業者が返済を滞らせ、ラッキーバンクが担保権を実行、となった場合、貸付債権の回収のためには、今回担保権が設定される3つの不動産すべてが、調査価額に近い価格で売却できないと、貸付債権が回収できない、ということです。
一番売れやすそうなのは、埼玉県さいたま市北区の土地(更地)ですが、これだけでは(ラッキーバンクの調査価額を適正だと仮定しても)調査価額の満額で売り抜け出来たとしても、6443万円にしかなりません。
他の二つの担保不動産は、
- 土地のほうは、借地権で賃借人が使用中(=賃貸借契約の内容にもよるが、買い手はどう判断する?)
- 土地・建物のほうは、空き家(=せっかく建物があるのに、賃借人が付いていない?)
と、あてになるのかならないのか、正直、未知数なように感じます。
これらを総合勘案すると、今回の担保設定、いささか、不安です。
高利回りと、超短期の運用期間であることは、ポジティブ。
担保設定については上記の通りですが、9パーセントという利回りは魅力的ですし、貸付がわずか3か月、というのは、多少なりともポジティブに判断できるものと思います。
主に上記のように判断し、いささか大きめの不安要素はございましたが、投資申込を完了致しました。
その後、延滞発生
残念なことではありますが、その後、ラッキーバンクから、下記のようなメールが届きました。
さて、ラッキーバンク・インベストメント株式会社(以下「弊社」)は、掲題のファンドについて、当初、ファンドからの貸付の返済期限を平成30年5月1日までとしておりました。しかし、以下の理由により、当該貸付(元本のみ)の返済遅延が発生しておりますのでお知らせいたします。お客様にはご迷惑をおかけし深くお詫び申し上げます。
【ファンド名】
【1/20募集】第408号ローンファンド 埼玉県さいたま市北区×神奈川県横浜市旭区【対象となるプロジェクト】
埼玉県さいたま市北区/東京都足立区綾瀬/神奈川県横浜市旭区不動産担保ローン(以下「プロジェクト1」)※プロジェクト1の利息及び神奈川県横浜市旭区不動産担保ローン(プロジェクト2)の元本及び利息は、当初の予定通り支払われております。なお、プロジェクト1の利息分にかかるお客様への分配の進捗状況は、追ってご報告させていただきます。
【現在の状況】
該当の担保物件は、売却活動を行っておりますが、成約・引き渡しに至っておりません。進捗状況としては、2区画の一棟収益物件のプラン付で土地販売を行うプロジェクトで、両区画とも現在、金融機関のローン審査中となっております。いずれも遅くとも平成30年6月末までには決済を行う予定で進めております。
【今後の方針】
本借入人は、本来の返済期限である平成30年5月1日付の元本の支払いを遅滞したため、期限の利益を喪失しました。弊社といたしましては、今後、本借入人に対し、事業の現況等につき情報開示を求め、また、必要に応じ協議等を行った上で本借入人に対する回収方針を決定し、担保物件の任意売却、抵当権の実行としての競売の実施、貸金返還請求訴訟等の手段により、弊社債権の回収の極大化を図って参ります。
なお、サービサーへの債権売却も、最終的な選択肢にはありますが、現時点では、弊社といたしましては、任意売却または担保権の実行による競売によって債権の回収の極大化を図っていく予定です。
引き続き状況に進捗がありました場合には、弊社ウェブサイトを通じ随時告知して参りますので、よろしくお願いいたします。
以 上
引用元:メール件名「第408号ローンファンドにかかる貸付の返済遅延のお知らせ」受信日時:2018年5月4日 20:14
埼玉県さいたま市北区の土地(更地)、なかなか売れないのですね…。
極度額内で、更なる貸付、やってしまったのでしょうか?
やっていたとすれば、調査価額(この調査価額の妥当性自体、一抹の不安感はありますが)に対して最大95パーセントですからね。
ディスカウントの余地はほぼ、無いですからね…。
強いていえば、3か月、という期間が、いくらなんでも、短すぎましたかね。
売り急いでいるようにとられて、買い手にも足元を見られてしまったのかもしれません。
ただし、逆に言えば、この担保設定で、「貸付期間1年」と言われたら、そもそも、出資していないですよね…。
そう考えると、致し方ない、という気持ちもあります。
平時ならば、借り換えで時間を稼ぐ、という事も出来るのでしょうが、2月20日付けの行政処分勧告が響いたのでしょう…。
参考:ラッキーバンク・インベストメント株式会社に対する検査結果に基づく勧告について(https://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2018/2018/20180220-1.htm)
果たして、かねてより疑問視していたこの担保設定で、どこまで債権が回収できるか。
しっかりと、見守っていきたいと思います。
続報入り次第、また更新させて頂きます。
追伸:
国内複数の大手ソーシャルレンディング会社を、信頼性や、事業者としての規模、利回りや手数料、といった視座から、横断的に比較検討した、こちらの過去記事も、ぜひ、ご覧になってみてください。おすすめです。
↓
【徹底比較】初心者へのおすすめ度、ファンドの平均利回り、事業者規模…。主要ソーシャルレンディング事業者を、複数アングル視座から横断比較。
本寄稿内容は、寄稿者の個人的な見解・体験・意見であり、その内容は、当ラボの公式見解と異なる場合があります。
また、本記事は、読者様への情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品(ファンド等含む)への投資勧誘を目的としたものではありません。
個別のソーシャルレンディング事業者における投資口座開設や、実際の投資是非に係るご判断につきましては、必ず、読者様ご自身にて、為さって頂きますよう、お願い致します。
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