ソーシャルレンディングと遅延損害金

ソーシャルレンディングとは

銀行定期預金等と比べ、極めて高い期待利回りが呈示されているとして、個人投資家を中心に、広く注目を集めている、新たな投資手法。
従来型金融機関よりも、スピーディー、かつ、柔軟性に富んだ融資審査が期待できるとして、企業等資金需要者からも、関心を寄せられています。

順調な市場規模拡大の反面、一部のソーシャルレンディング事業者において、不適切な運営により、監督官庁から行政処分を受けるケースも、複数、発生。
主に行政処分を受けたソーシャルレンディング事業者を中心に、投資家への分配が遅延するケースも発生しており、投資家保護の充実が求められています。

ソーシャルレンディングのメリット

投資家サイド

  • 比較的高い期待利回りが呈示されている。
  • 投資口座の開設から、分配金収受に至るまで、各手続きはインターネットで完結し、簡便である。
  • 1万円程度の少額から投資が出来る。

借り手企業サイド

  • 銀行等従来型金融機関と比べると、融資にあたっての審査期間が短いことが期待できる。
  • 担保物評価額に対して、比較的大きな金額を借り入れることが出来る場合がある(=従来型金融機関よりも、ソーシャルレンディング事業者のほうが、担保掛け目が大きい)。
  • 借入元本について、融資期間中の分割返済を求められず、満期の一括返済が認められるケースがある。

ソーシャルレンディングのデメリット

投資家サイド

  • 元本棄損リスクがある。
  • ファンドの途中解約は、原則として出来ない。
  • 分配金利益は総合課税の対象となるため、主に高所得者にとっては、分配金に対する課税税率が高い。

借り手企業サイド

  • ソーシャルレンディング事業者からの資金調達金利は、極めて高利である場合がある。
  • ソーシャルレンディング事業者が行政処分を受ける等した場合、当該ソーシャルレンディング事業者からのリファイナンス(借り換え)が、急遽、不調となる場合がある。

遅延損害金とは

債務者(ソーシャルレンディングにおいては、借り手企業)が、債権者(ソーシャルレンディングにおいては、ソーシャルレンディング事業者)に対する元利金返済を遅延させた場合、債権者側が、「(当該遅延によって)損害を被った」として、債務者に請求するのが、「遅延損害金」にあたります。
ソーシャルレンディングにおいても、密接に関係のある事柄ですので、あらためて、理解を整理しておきましょう。

遅延損害金の関連法規

遅延損害金に関する関連法規として重要な物は、まず、利息制限法の第4条となります。

(利息制限法)第四条
金銭を目的とする消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が第一条に規定する率の一・四六倍を超えるときは、その超過部分について、無効とする。


引用元:e-Gov「利息制限法」http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=329AC0000000100

文中に「第一条に規定する率」とありますが、これがいくらなのか、というと、

(利息の制限)
第一条
金銭を目的とする消費貸借における利息の契約は、その利息が次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める利率により計算した金額を超えるときは、その超過部分について、無効とする。
一 元本の額が十万円未満の場合 年二割
二 元本の額が十万円以上百万円未満の場合 年一割八分
三 元本の額が百万円以上の場合 年一割五分


引用元:e-Gov「利息制限法」http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=329AC0000000100

上掲のとおりとなります。

また、貸金業者による営業的な金銭消費貸借に関しては、別途、「営業的金銭消費貸借の特則」なる定めがあります。
これによると、

第七条
第四条第一項の規定にかかわらず、営業的金銭消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が年二割を超えるときは、その超過部分について、無効とする。


引用元:e-Gov「利息制限法」http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=329AC0000000100

上掲のようにして、遅延損害金の料率について、上限値が設けられていることが分かります。

貸金業者が徴求できる遅延損害金の上限は

上掲関連法規の規定により、貸金業者(=ソーシャルレンディング事業者を含む)が借り手(=ソーシャルレンディング事業者から資金を借りる、借り手企業を含む)から徴求できる遅延損害金の上限率は、現在、年率20パーセント、とされています。

ソーシャルレンディングと遅延損害金

ソーシャルレンディング投資において、投資家のパートナーとなる、ソーシャルレンディング事業者には、「第二種金融商品取引業者」と「貸金業者」という、2つの側面があります。

  • 第二種金融商品取引業者:
    匿名組合を組成し、当該匿名組合へと投資家を勧誘する。
    投資家(=匿名組合における、組合員)と、匿名組合出資契約を締結する。
    当該匿名組合の営業者として、投資家へと利益分配を行う。
  • 貸金業者:
    資金を借り手企業に対して貸し付け、元利金を回収する。

投資家の立場からすると、ソーシャルレンディング事業者の「第二種金融商品取引業」登録事業者としての顔ばかりが目立ちますが、貸金業者としての業務もまた、ソーシャルレンディング事業者の重大な業務・側面のひとつです。

借り手企業からの元利金債権回収を行うことは勿論のこと、万が一、借り手企業からの元利金返済に遅延が生じた場合は、金銭消費貸借契約における規定に則り、遅延損害金についても、回収を行う必要があります。

ソーシャルレンディング大手「maneo」の遅延損害金料率

ソーシャルレンディング大手「maneo」の遅延損害金料率

引用元:maneo「貸付条件表」https://www.maneo.jp/sitefees.jsp

↑こちらは、maneoが借り入れ希望企業等へ向けて公開している、貸付条件表です。
遅延損害金については、年率20パーセントを上限とする旨が、記載されています。

「SBIソーシャルレンディング」の遅延損害金料率

「SBIソーシャルレンディング」の遅延損害金料率

引用元:SBIソーシャルレンディング「遅延損害金」https://www.sbi-sociallending.co.jp/glossary/a/id/20

↑こちらは、SBIソーシャルレンディングの提供する用語集の一部です。
maneoの場合と同じく、SBIソーシャルレンディングの場合も、遅延損害金については、年率換算20パーセントが上限である旨が、明記されています。

ソーシャルレンディングと遅延損害金まとめ

本記事におきましては、遅延損害金の仕組み、及び、遅延損害金とソーシャルレンディングとの関係性等について、概説して参りました。
少しでも、ご参考と為さって頂ける内容と出来たのであれば、幸甚です。

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利息制限法等に係る各事項の記述においては、当サイトとして、細心の注意を払いましたが、正確な一次情報・法的妥当性・正当性につきましては、本記事へと依拠為さることはせず、必ず、読者様にて、当該分野専門家等へと御確認下さいますよう、お願い致します。

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