「ソーシャルレンディングにスプレッドはありますか?」
「ソーシャルレンディングに関係する手数料について情報収集をしています。
FX投資の場合、口座開設手数料や売買手数料の代わりに、”スプレッド”と呼ばれるフィーが発生することが一般的です。
ソーシャルレンディングの場合も、そうした”スプレッド”は存在するのでしょうか。」
(30代・男性・ソーシャルレンディング投資歴:なし)
スプレッドとは
FX投資を為さっておられる方にはお馴染みでしょうが、外国為替業者(FX業者)を経由して、外貨(例:米ドル)を購入したり、売却したりする場合、
- FX業者が呈示する、「買値」と、
- 「売値」との間には、
差分、すなわち、開き(=スプレッド)が存在します。
為替におけるスプレッドの実例
引用元:YAHOOファイナンス
↑こちらは、YAHOOファイナンスにて某日某時点にて掲示されていた、「米国ドル/日本円」のレートです。
- 買値については、1ドルあたり、108円47銭、とされている一方で、
- 売値については、1ドルあたり、108円46.7銭、と提示されており、
0.3銭の差分(スプレッド)が存在することが分かります。
スプレッド=仲介業者の利益
上記例は、「YJFX」というFX業者の提示していたレートですが、この場合、
- 投資家としては、YJFXを経由して、米ドルを購入する場合、1米ドルあたり、108円47銭を支払う必要がある一方で、
- YJFXを経由し、米ドルを売却したいと考えている投資家は、1米ドルあたり、108円46.7銭でしか、米ドルを買い取ってもらえません。
そして、その差額、すなわち、1米ドルあたり、0.3銭相当のスプレッドが、YJFX等、仲介業者の利益相当分となる仕組みです。
スプレッドは、通貨や業者によって、大きく異なる
引用元:YJFX「スプレッド」https://www.yjfx.jp/gaikaex/spread/
↑こちらは、上掲のFJFX社の、通貨ペア別のスプレッド一覧のうちの、一部です。
- 「米ドル/円」のスプレッドは、0.3銭であるのに対して、
- 「スイスフラン/円」のスプレッドは、1.8銭と定められている等、
スプレッドは、対象の通貨ペアによって、大きく異なることが分かります。
また、FX業者によっても、スプレッドは千差万別です。
同じ通貨ペアであったとしても、仲介業者によって、廉価なスプレッドを提示しているところもあれば、やや割高なスプレッドを提示している所もあります。
ソーシャルレンディングにおいては、字義通りのスプレッドは存在しない
質問者様のご質問に端的にお答え致しますと、ソーシャルレンディング投資の場合、ご例示のFX投資の場合のような、「スプレッド」という手数料体系は、その字義通りの物としては、存在致しません。
ご質問者様例示の、FX仲介業者の徴収するスプレッドは、換言すれば、ある特定の資産(日本円や、その他外国通貨)を、投資家が、任意に売買するときに、売買プラットフォームの提供者に対して生じる、売買手数料のような物とも、解釈することが出来ます。
日本の現在のソーシャルレンディング投資の場合、出資先の匿名組合における、各投資家の持ち分(=匿名組合の事業が利益を生んだ場合、その利益の分配を請求することの出来る、権利と、呼応致します)を、売買できるような、流通市場は、少なくとも正規・公の物としては、存在致しません。
尚、世界最古のソーシャルレンディング(P2Pレンディング)事業者と言われている、英国・ZOPAの場合であれば、投資家が、自身の所有している貸付債権を、他の投資家に対し、譲渡することの出来る仕組みが整備されています。
その際、ZOPA社は、所定の手数料を徴収します。
※参考:
ソーシャルレンディングとp2pレンディング(個人間融資)|ソーシャルレンディング・ラボ
日本のソーシャルレンディング業界においても、上掲のような仕組みが整備されれば、
- 貸付債権の、買い取り価額と、
- 貸付債権の、売却価額との間に、
スプレッド(=差分)が生じるようになる可能性があります。
しかしながら、(繰り返しとなりますが)少なくとも本日現在、国内のソーシャルレンディング市場においては、そのような、出資持分の売買プラットフォームが存在しない関係で、字義に忠実な意味合いでの「スプレッド」は、存在しない、というのが、妥当な見方となります。
ただし、投資家向け利回りと、融資先向け金利には、差分がある。
それでは、日本のソーシャルレンディング業界において、ソーシャルレンディング事業者は、何ら手数料を徴収しないのか、というと、決して、そのようなことはございません。
質問者様におかれましては、既に情報ご落手済のことと存じますが、
- ソーシャルレンディング事業者が、融資先企業に課す、「貸付金利」と、
- ソーシャルレンディング事業者が、投資家向けに提示する、「期待利回り」との間には、
明示的な差・ギャップが存在します。
例えば、国内ソーシャルレンディング業界大手、SBIソーシャルレンディングの場合であれば、
引用元:SBIソーシャルレンディング「元本償還の実績」https://www.sbi-sociallending.jp/fund_results
↑このように、
- (平均)貸付金利と、
- (名目)利回りとの間には、
- 管理手数料として、SBIソーシャルレンディング側のマージンが存在することが分かります。
引用元:SBIソーシャルレンディング
東証一部上場、SBIホールディングス株式会社の100パーセント子会社、「SBIソーシャルレンディング株式会社」が運営する、ソーシャルレンディングサービス。
2019年5月末時点で、投資家登録完了数は、3万5千人を突破。
累計融資実績は930億円を超えている、国内最大級のソーシャルレンディングサービスのひとつです。
いつでも1万円から投資できる、「常時募集型ファンド」等、他のソーシャルレンディング事業者には無い取り組みも提供されており、投資家から大きな支持を集めている事業者でもあります。
参考:
SBIソーシャルレンディング(公式サイト)
その他手数料にもご留意を
ソーシャルレンディング投資にあたって必要となる、その他手数料としては、下記のようなものがあります。
- 振込手数料:
投資家が、ソーシャルレンディング事業者のデポジット口座に対し、出資金を送金する際に、必要となります。
ソーシャルレンディング事業者ではなく、振込に使用した銀行が徴収するものです。
「銀行振込手数料」と同義とお考え頂ければ結構です。
ネットバンキング等を活用すれば、無料となるケースもあります。 - 出金手数料:
ソーシャルレンディング事業者のデポジット口座から、投資家が、資金を出金するときに、ソーシャルレンディング事業者が徴収するものです。
委細は各事業者によって異なりますが、数百円程度のケースが一般的です。
なかには、「1円から投資できるソーシャルレンディング事業者」として知られるFundsのように、投資家向けの還元策として、この出金手数料を無料としている事業者もあります。
実際のソーシャルレンディング投資の際には、ご留意ください。
投資家、資金需要者、双方から、高い注目を集めている、ソーシャルレンディング。
しかしながら、国内のソーシャルレンディング業界には、まだ未成熟の部分も多く、いくつかの「危険会社」の存在にも、留意を要する状況です。
実際のソーシャルレンディング投資検討にあたっては、こちらのコンテンツも、是非、ご参照下さい。
↓
ソーシャルレンディング【おすすめ会社&危険会社ランキング】最新版
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