ソーシャルレンディングで海外投資をするときに絶対気を付けたい4つのこと

海外案件(ファンド)を取り扱っているソーシャルレンディング事業者

まず最初に、海外向けソーシャルレンディングファンドの提供を行っている事業者を整理・把握しておきましょう。
本記事執筆本日現在、日本国内にて営業しているソーシャルレンディング事業者のうち、海外案件をファンドとして取り扱っているソーシャルレンディング事業者は、主に、下記の事業者です。

クラウドクレジット

海外案件(ファンド)を取り扱っているソーシャルレンディング事業者クラウドクレジット

引用元:クラウドクレジット(https://crowdcredit.jp/)

↑伊藤忠商事や第一生命といった大企業から出資を受けていることで知られる、クラウドクレジット。
同社の場合、原則、全てのファンドが、海外案件へと投融資するものとして組成されています。
海外の投資対象国としては、

  • メキシコ
    例:メキシコ省エネ事業支援ファンド10号(https://crowdcredit.jp/fund/detail/784)
  • モンゴル
    例:【モンゴルトゥグルグ建て】モンゴル中小企業支援プロジェクト8号(https://crowdcredit.jp/fund/detail/786)
  • シンガポール
    例:シンガポール広告代理店ベンチャー企業支援ファンド9号(https://crowdcredit.jp/fund/detail/787)
  • コスタリカ
    例:コスタリカ省エネ事業支援ファンド6号(https://crowdcredit.jp/fund/detail/790)
  • ブルガリア
    例:ブルガリア中小企業向けローンファンド5号(https://crowdcredit.jp/fund/detail/791)
  • インドネシア
    例:インドネシア中小企業支援ファンド4号(https://crowdcredit.jp/fund/detail/794)
  • リトアニア
    例:リトアニアオンライン金融事業者支援ファンド1号(https://crowdcredit.jp/fund/detail/795)

等々、多岐にわたっています。

maneo

海外案件(ファンド)を取り扱っているソーシャルレンディング事業者maneo

引用元:maneo(マネオ)https://www.maneo.jp/

↑元来国内向けファンドの組成が主だった、maneo(マネオ)ですが、インドネシアやフィリピン、マレーシア等で、オンライン型消費者金融事業「Akulaku」を運営する事業者へと融資するソーシャルレンディングファンドの組成を契機に、海外向け案件の取り扱いを強化しています。

Crowd Realty

海外案件(ファンド)を取り扱っているソーシャルレンディング事業者クラウドリアルティ

引用元:Crowd Realty「海外プロジェクト一覧」https://www.crowd-realty.com/project/overseas/list/

↑不動産投資型クラウドファンディングサービサーとして知られるCrowd Realtyの場合、提携先企業を通し、エストニアの不動産関連事業を行う事業者へと融資を行うファンドを、組成・公開しています。

スマートレンド

海外案件(ファンド)を取り扱っているソーシャルレンディング事業者スマートレンド

引用元:スマートレンド「海外(香港)事業支援型ローンファンド 第362号」https://www.smartlend.jp/fund/detail?fund_id=577

↑スマートレンドではかねてより、海外(香港)にて消費者向け金融事業を営む事業者へと融資を行うソーシャルレンディングファンドを組成・公開し、シリーズ化しています。

アメリカンファンディング

海外案件(ファンド)を取り扱っているソーシャルレンディング事業者アメリカンファンディング

引用元:アメリカンファンディング(https://www.americanfunding.jp/)

アメリカンファンディングの場合、サービス名称からも明らかなとおり、サービス開始以降、海外(アメリカ)の不動産投資案件に特化したソーシャルレンディングファンド組成を続けており、本記事執筆本日現在、成立ローン総額は26億4,611万円、登録ユーザー数は4,172人に達しています。

上掲情報引用元:アメリカンファンディング(https://www.americanfunding.jp/)

Next Shift Fund

海外案件(ファンド)を取り扱っているソーシャルレンディング事業者Next Shift Fund

引用元:Next Shift Fund「カンボジア×ジョージア農家さん応援ファンド1号」https://nextshiftfund.jp/investment/fund_detail/13/

↑鳥取発のソーシャルレンディング事業者として注目を受けているNext Shift Fundの場合、上掲の「カンボジア×ジョージア農家さん応援ファンド1号」のように、主として海外のマイクロファイナンス機関に対し融資を行うソーシャルレンディングファンドの組成を執り行っています。

SAMURAI

海外案件(ファンド)を取り扱っているソーシャルレンディング事業者SAMURAI

引用元:SAMURAI「スリランカ預金ファンド(2年満期一括型)5号」https://samurai-crowd.com/item/detail/UHBQ8rftn5b4nyv7b7GyQw==

↑基本的には国内向け案件の多いSAMURAIではありますが、上掲の「スリランカ預金ファンド(2年満期一括型)5号」は、期待預金金利の高いスリランカの現地銀行(パン・アジア銀行)の定期預金商品へと預金を行うことで利益を得ることを狙う、海外向けファンドとなっています。

クラウドバンク

海外案件(ファンド)を取り扱っているソーシャルレンディング事業者クラウドバンク

引用元:クラウドバンク「米ドル建カリフォルニア不動産ローンファンド第43号」https://crowdbank.jp/funds/crowd/A00001863#!home

↑第1種金融商品取引業者(証券会社)が運営するソーシャルレンディングサービスとして定評のあるクラウドバンクでは、かねてより、海外(北米)関連案件へと投融資するファンドの組成を行っており、シリーズ化しています。

上掲致しましたように、本記事執筆本日現在、国内の複数のソーシャルレンディング事業者が、海外向け案件(ファンド)の組成・公開を執り行っています。

※なお、上掲致しました以外に、ソーシャルレンディング事業者「ガイアファンディング」においても、海外向けのソーシャルレンディングファンドの組成・提供を行っておりましたが、本記事執筆本日現在、ガイアファンディングにおいては、多数のファンドにおける元利金返済延滞が発生しており、ファンドの新規組成・資金募集は、全面的に停止されています。このため、ガイアファンディング社のファンド等に関する情報は、上掲より割愛を致しました。

海外向けソーシャルレンディングファンドの魅力

国内向け案件にはない、海外向けソーシャルレンディングファンドならではの魅力としては、下記のようなものが挙げられるでしょう。

①元来独力での投融資が困難な案件へと投資できる。

基本的に、一(いち)個人投資家が、自らの独力にて、日本国外の投資商品へと投資を行うことは、決して簡単なことではありません。
不動産投資領域等においては、国内個人投資家向けに、米国不動産投資商品を斡旋する不動産事業者等が存在するようですが、その場合でも、一定の初期費用(物件購入費用等)を要する場合が少なくありません。
この点、海外向けソーシャルレンディングファンドならば、

  • 一般個人投資家が、ごく平易に、
  • かつ、少額から、

海外案件へと投資を行うことが可能となります。
まさに、ソーシャルレンディングならではのダイナミズムを活かした投資手法といえ、この点は、海外向けソーシャルレンディングファンドへと投資する際の魅力のひとつといえるでしょう。

海外向けソーシャルレンディングファンドの魅力01

参考:海外向けソーシャルレンディングファンドを専門的に取り扱う、クラウドクレジットのファンド例。様々な国と地域の関連案件に対し、日本から、ごく簡単な手続きで(かつ、少額から)投資できる点は、ソーシャルレンディングならではのダイナミズムといえます。
引用元:クラウドクレジット(https://crowdcredit.jp/)

②期待利回りが高いケースが多い。

一般的に、海外向けソーシャルレンディングファンドの場合、国内向けの案件と比べれば、高めの期待利回りが呈示されているケースが多くあります。
主たる理由としては、

  • 日本と比べ、海外の場合、そもそもの基準金利が高い。
    ※国によっては、一般の銀行の定期預金金利が、年利換算数パーセント以上の利率に達している、というケースも散見されます。
  • 利息制限法等の制約を受けない。
    ※日本のソーシャルレンディング事業者(貸金業者)は、当然、国内の利息制限法の制限下において、融資業務を執り行っています。しかし、海外諸国においては、日本国のような利息制限法が無い(あったとしても、日本の利息制限法よりも、制限が緩やか)というケースも少なくなく、その分、高めの貸付金利にて、金銭消費貸借契約を締結することが可能となる場合があります。

上記2点が挙げられるでしょう。

海外向けソーシャルレンディングファンドの魅力02

参考:スマートレンドの海外向けファンド例。10パーセント前後の、極めて高い期待利回りが呈示されています。
引用元:スマートレンド「ローンファンド一覧」https://www.smartlend.jp/fund/list

③為替差益を狙える場合がある。

海外向けソーシャルレンディングファンドのうち、為替ヘッジが付帯していない、外貨建てのファンドの場合、最終的に円建てで満期元本償還を収受する時点での、為替レートの状況によっては、為替差益を収受できる場合があります。

ソーシャルレンディングで海外投資を行う際の注意点

海外向けのソーシャルレンディングファンドへと出資是非の検討を行う場合、看過が出来ぬ注意点が複数あります。
下記、そのうち代表的なものを数点、取り上げさせて頂きます。

①無担保・無保証型のファンドが多い。

委細はソーシャルレンディング事業者、及び個別のファンドによって相違致しますが、一般論として、海外向けソーシャルレンディングファンドの場合、無担保・無保証型のファンドが少なくない点に、留意が必要です。

  • 不動産等、明示的かつ一定の流動性の見込める担保物に担保権が設定されることがなく、
  • かつ、債務者が海外法人である場合、

万が一、借り手企業からソーシャルレンディング事業者への元利金返済に遅延が生じた場合、ソーシャルレンディング事業者による債権回収作業に、ある程度の困難性が予想されるのみならず、債権回収サービサーへと債権譲渡を行う場合においても、一定のディスカウントを強いられるケースが想定されます。
このため、投資元本のうちのある程度(場合によっては、大部分)が元本棄損する危険性があります。

ソーシャルレンディングで海外投資を行う際の注意点01

参考:maneoの海外向けファンド「Akulakuセレクトファンド21号」の貸付条件。担保付ファンドも多数組成しているmaneoですが、本ファンドについては、「無担保・無保証」であることが明記されています。
引用元:maneo「Akulakuセレクトファンド21号」https://www.maneo.jp/apl/fund/detail?fund_id=6952

②地政学リスク

海外向けソーシャルレンディングファンドの場合、投資対象国と日本(及び、日本と同盟関係にある諸国)との間の関係性が悪化した場合等において、地政学上のトラブルの影響を受ける可能性があります。
その他、投資対象国ならではの金融システム・商慣習等によって、思わぬ不利益を被る可能性があります。
例えば、日本の預金保証制度(≒預金先の金融機関が破綻したとしても、1金融機関あたり、1預金者あたり、1,000万円までの預金元本が、保護される)のような、預金者保護システムが、存在しない(もしくは、存在したとしても、預金者保護の効能が薄い)国も、海外には、複数、存在します。
そうした国の銀行預金商品(例:定期預金商品)に対し投資をすることを目的とした海外向けファンドへと出資する場合、投資先の金融機関が破綻等した場合、十分な預金者保護を受けることが出来ず、ひいては、投資元本に棄損が生じる可能性があります。

③ソーシャルレンディング事業者(匿名組合の営業者)による監視の難度

貸金業者でもあるソーシャルレンディング事業者にとり、融資先企業の定期・恒常的な監視(モニタリング)は、大切な業務のひとつです。
ごく平易に考えて、国内向けのソーシャルレンディング案件と比べ、海外向けソーシャルレンディングファンドの場合、ソーシャルレンディング事業者として、融資先企業の最新の経営状況・資金管理態勢・マネジメント状況等について、密度が濃く、精度の高い監視・監督を行うことが、難しいケースが想定されます。
例えば、融資先企業が、金銭消費貸借契約において明示されていた資金使途とは異なる用途に、融資金を使用してしまっている場合、その違約は、のちの債権回収の成否に、大きな影響を及ぼす場合があります。
しかし、貸付先企業が海外法人である場合、ソーシャルレンディング事業者として、上掲のような事態に係り、即時の感知・対応が難しい可能性が想定されます。

④為替差損のリスク

海外向けソーシャルレンディングファンドのうち、為替ヘッジが付帯されていないファンドの場合、

  • 為替差益享受の可能性がある一方で、
  • 為替動向によっては、逆に、為替差損を被るリスクもあります。

為替差損の規模によっては、たとえ、現地通貨ベースでの案件運行が万全に順調であったとしても、最終的な円建て満期償還時の利回りがマイナスとなり、ひいては、元本棄損を起こしてしまうリスクがあります。

上掲した余にも、海外向けソーシャルレンディングファンドへと出資是非を検討するにあたっては、留意・注意・警戒を要する事柄が、少なくありません。
海外向けソーシャルレンディングファンドへの出資是非検討にあたっては、くれぐれも、慎重にご判断下さい。

ソーシャルレンディングで海外投資を行う際の注意点02

参考:海外向けファンドを専門的に組成していたソーシャルレンディング事業者「ガイアファンディング」が2018年11月に発表した、全ファンドの利息支払い遅延は、投資家に大きな衝撃を与えました。ソーシャルレンディング投資においては、国内向け案件と同様、海外向け案件の場合も、出資是非の判断には、極めて慎重な検討を要する旨、留意を忘れてはなりません。
引用元:ガイアファンディング「【延滞発生に関するご報告】 2018年11月19日運用終了予定案件および全ファンドの利息」https://www.gaiafunding.jp/apl/information/news?id=473

まとめ

本記事におきましては、海外向けソーシャルレンディングファンドの取り扱いを行っている事業者をいくつか例示したうえで、海外向けソーシャルレンディングファンドならではの魅力、そして、リスク・デメリット・注意点等について、概説をさせて頂きました。
少しでも、ご参考と為さって頂ける内容と出来たのであれば、幸甚です。

投資家からも、資金需要事業者からも、高い注目を集める、ソーシャルレンディングではありますが、業界の成熟は道半ばであり、いくつかの「危険会社」の存在も気にかかります。
ソーシャルレンディング投資のスタートにあたっては、あらかじめ、こちらの過去記事も、ご参照下さい。

【ソーシャルレンディング・ラボ独自企画】ソーシャルレンディング危険会社ランキング最新版はこちら

それでは、本記事はここまで。
また次回の記事にて、お会いいたしましょう。

※本記事は、読者様への情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品(ファンド等含む)への投資勧誘を目的としたものでは、ありません。
個別のソーシャルレンディング事業者における投資口座開設や、その他、実際の投資是非に係るご判断につきましては、必ず、読者様ご自身にて、為さって頂きますよう、お願い致します。

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