ソーシャルレンディングへの、コロナの影響は

寄稿者紹介

個人投資家Y.K氏。
2018年初旬からソーシャルレンディング投資を始め、約2年が経過。
合計20社以上のソーシャルレンディング事業者に投資口座を開設し、累計投資額は400万円以上。
30代男性会社員・首都圏在住。

全世界で猛威を振るっている、新型コロナウイルス。
そんなコロナウイルス・新型肺炎の蔓延は、ソーシャルレンディング業界、ならびに、ソーシャルレンディング投資家に、どのような影響をもたらすのでしょうか。

ソーシャルレンディングへのコロナ影響①延滞・貸し倒れが増える恐れがある

考え得る、そして、わたしたち個人投資家にとって、最も嫌な影響としては、
「コロナウィルスによる景気減退等の影響によって、ソーシャルレンディング案件の延滞や貸し倒れが増えてくる可能性がある」
というものです。

融資先(借り手)の業績悪化

まず、考えられるのが、ソーシャルレンディング事業者から資金融資を受けている企業(いわゆる、借り手企業)の業績が、コロナウィルスの影響で悪化してしまうことです。

ソーシャルレンディング事業者から、わたしたち個人投資家への、分配・償還の原資は、ソーシャルレンディング事業者が、融資先(借手)から回収した、元利金です。
このため、融資先の経営状況が悪化し、借り手からソーシャルレンディング事業者への元利金返済が遅延してしまえば、当然、ソーシャルレンディング事業者からわたしたち個人投資家への分配・償還にも、遅延が生じてしまうこととなります。

借り手が当初計画していた返済原資確保が、不調に終わる

借手からソーシャルレンディング事業者への返済原資としては、不動産売却代金や、借り換え資金が見込まれているケースが多い。
引用元:オーナーズブック(https://www.ownersbook.jp/project-detail/index/1183)

ソーシャルレンディング・ファンドの中には、借り手からソーシャルレンディング事業者への返済原資として、

  • 借り手が保有(もしくは、取得)する不動産の売却代金や、
  • 借り手が行っている事業の、事業譲渡代金などを、

見込んでいるケースが、多数あります。

たとえば、東証マザーズ上場、ロードスターキャピタル社の運営するソーシャルレンディング・サービス「オーナーズブック」において募集された、「目黒区マンション第4号第1回」の案件概要には、借り手からオーナーズブック側への返済原資として、不動産物件の売却や、他の金融機関等からの借入等が想定されている旨が、明記されています。

しかしながら、新型コロナウィルスの影響等により、不動産市況が冷え込んでしまえば、借り手が元来想定していた、不動産物件の売却が不調に終わる可能性があるほか、
国内金融機関(銀行等)が、不良債権を抱えることを恐れ、貸し渋りなどを行えば、そうした金融機関からの借換(リファイナンス)も、奏功しない可能性が想定されます。

新型コロナウイルスの影響によって、従前のビジネスモデルなどが(少なくとも短期的には)通用しなくなるケースもあり得るため、想定されていた事業譲渡等のM&Aが、うまく妥結されない、という事態も、十分に予想されます。

すると、借り手企業としては、ソーシャルレンディング事業者に対し返済を行うための原資が、予定通りに確保できないこととなるため、
結果的に、延滞や、貸し倒れ、といった事態を誘発してしまうこととなることが想定されます。

ソーシャルレンディング事業者による債権回収も難航する

ソーシャルレンディング事業者が募集してきたファンドの多くには、不動産担保が設定されており、万が一、借り手企業からソーシャルレンディング事業者への元利金返済が遅延すれば、ソーシャルレンディング事業者は、担保権を執行し、当該不動産を市場で売却等することによって、債権回収を図ることが出来ます。

しかしながら、新型肺炎の影響等による不動産マーケットの冷え込みが深刻な場合、担保物である不動産の売却(換価)が、不調となる可能性があります。
うまく買い手がついたとしても、担保権を設定した当時の価額と比べ、大きく値下がりした価格での売却を強いられることとなり、
結果として、貸付債権満額の回収が出来ない、などという事態も想定されます。

ソーシャルレンディングへのコロナ影響②案件(ファンド)が減少する可能性がある

上記で見て参りましたように、ソーシャルレンディング事業者から資金融資を受けた借り手企業の業績悪化による延滞・貸し倒れ発生可能性が高まっている関係上、ソーシャルレンディング事業者が、そもそものファンド組成そのものを、当座の間、見送る可能性があります。

ソーシャルレンディング事業者というのは、

  • 投資家から資金を集め、利益を投資家に対し分配する、金融商品取引業者、としての側面と、
  • 投資家から募った資金を、第三者に対して融資し、その後、利息と併せて、貸付債権を回収する、貸金業者としての側面を、

有していますが、新型コロナウイルスの影響による各種市況の冷え込みを見て、「貸金業者」としてのソーシャルレンディング事業者が、自ら融資事業にブレーキをかける可能性がある、ということです。
※貸金業者として、しっかりと回収できる案件に対して融資をする、というのは、当然の姿勢ですから、各融資先の行政悪化が予測されるなかで、貸し出しを細くする、という行為は、ごく合理的なものです。

新たな融資を行うケースが減れば、その分、ソーシャルレンディング投資家から資金を募る、ファンドの組成自体が、減少するわけですから、わたしたち個人投資家の目線から見れば、
「投資できるファンドの数が減る」
という事態となります。

現に、不動産担保付きソーシャルレンディングを展開している、上述のオーナーズブックの場合、今年3月下旬に募集された、「目黒区マンション第4号第1回」ファンドを最後に、ファンドの新規募集は為されていません(2020年4月現在)。

コロナ関連で全世界的な市況悪化が見込まれる今、新たな投資には慎重な態度を

このように、新型コロナウイルスにより、ソーシャルレンディング市場にも、ネガティブな影響が及ぶことが懸念される状況です。
市況の悪化がどこまで継続するか、見通せない時期でもありますから、
ソーシャルレンディング投資を含む、新たな投資のスタートには、この時期、特に慎重な態度で臨まれることを、おすすめ致します。

また、ソーシャルレンディング事業者各社が発信する最新情報についても、常にチェックするよう、心がけるようにしましょう。


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