ソーシャルレンディング投資の「コツ」を考える。
個人投資家Y.K氏。
2018年初旬からソーシャルレンディング投資を始め、約2年が経過。
合計20社以上のソーシャルレンディング事業者に投資口座を開設し、累計投資額は400万円以上。
30代男性会社員・首都圏在住。
ソーシャルレンディングのコツ①【利回りに固執しない】
ソーシャルレンディング投資のコツとしてまず第一に提唱したいのが、利回りに固執しないこと。
世の全ての投資商品と同じように、ソーシャルレンディング投資の場合も、利回りとリスクとは、ある程度、相関・比例関係のもとにあります。
すなわち、
- 利回りの高い案件ほど、担保設定等において、リスクが高く設定されており、
- 反面、一般的にリスクが(比較的)低いと考えられるファンドの場合、利回りは低く想定されていることが多い、
というのが実情です。
例えば、ソーシャルレンディング事業者「LENDEX」のこちらのファンドの場合、期待利回り(年利換算)は11パーセントと、(ソーシャルレンディング案件の中でも)極めて高く設定されていますが、その分、不動産担保の設定はありません。
反面、業界大手「SBIソーシャルレンディング」のこちらのファンドシリーズの場合、不動産担保付きの貸付債権に質権が設定されており、かつ、これまでに170本以上の組成・募集実績がありますが、そうした安心材料がある分、名目利回りについては、2.5パーセント~5.0パーセントと、比較的低く抑えられています。
利回りに極端に固執することなく、リスクとリターンとをうまく天秤にかけながら、出資に値するファンドを慎重に見極めていくことが、ソーシャルレンディング投資のひとつの「コツ」となります。
ソーシャルレンディングのコツ②【早期償還をいとわない】
元来予定されていたファンドの運用終了期日よりも早期に、ファンドが償還され、資金が投資家の手元に戻されることを、「早期償還」と言います。
そして、実際に早期償還が発生すると、投資家の立場から見れば、
「もっと長く運用してもらう予定だったのに、従来予定よりも短い期間で運用を終了してしまい、見込んでいた投資収益を得られなかった」
という事態が生じることとなります。
わたしたち個人投資家から見れば、上記の事態は、確かに、些か困惑せざるを得ない事態ではありますが、そこは気持ちを切り替えて、
「予定よりも早く資金が戻ってきて安心だ。何かいいファンドがあれば、そこに再投資しよう」
といった風に考え直すことが、ソーシャルレンディング投資を安全に運行していくための”コツ”となります。
実際問題として、ソーシャルレンディング投資における「早期償還」の発生は、事業者から資金貸与を受けた「借り手」が、ある程度健全な経営をしていることの証でもあります。
※一般的に言って、ソーシャルレンディング事業者からの借り入れ金利は、決して低くないわけですから、財務にゆとりのある企業であれば、さっさと(優先的に)返済してしまうに限ります。
私の個人的な考えとしては、
- 運用期間の長いファンドに、長期間、資金を拘束されるよりは、
- 運用期間の短いファンドに、(やや、手間ではありますが)再投資を繰り返したほうが、
心理的には楽です。
その分、手間暇はかかるのですが、投資家として「時間コスト」を負担する程度が軽減されるから、です。
ソーシャルレンディングのコツ③【ファンド・事業者・投資分野の分散】
「全ての卵をひとつの籠に盛るな」という投資の格言は、ソーシャルレンディング投資の場合にも当然通用するものです。
そして、ソーシャルレンディングの場合、1ファンドあたりの最低投資額は、1万円程度の少額に設定されているケースがほとんどです。
不動産投資などと単純比較すれば、遥かに分散投資がしやすいように設計されているのですが、その利点をしっかり活用していくことが必要です。
①「ファンド」の分散
まず、最低限、考えるべきなのは、投資する商品「ファンド」の分散です。
国内のソーシャルレンディング事業者の多くが、同時に複数のファンドを募集しています。
※たとえば、海外案件を専門的に取り扱っている「クラウドクレジット」の場合、同時に10件以上のファンドを募集していることも、決して珍しくありません。
1つのファンドへの投資額はあまり多くせずに、出来るだけ複数のファンドへと小口投資することが、ファンド分散のコツとなります。
②事業者の分散
日本国内には、20社以上のソーシャルレンディング事業者が存在しており、各社への投資家登録手続きは、オンラインで完結できるものばかり。
すなわち、わたしたち個人投資家としては、極めて簡単に、付き合うソーシャルレンディング事業者を分散することが可能です。
これもまた、ソーシャルレンディング投資のメリットのひとつなわけですから、しっかりと活用していくことが求められます。
③投資分野の分散
ソーシャルレンディング事業者の中には、ファンド・シリーズによって、様々な異業種案件を取り扱っているケースが多々あります。
例えば「クラウドバンク」の場合であれば、米国不動産案件に投資するファンドや、太陽光発電関連事業へと投資するファンド、水力発電ビジネスへと投資するファンドなど、様々なタイプの案件が提供されています。
市況の急激な変化に対応するため、様々な投資分野へと資金を分散投資しておくこともまた、ソーシャルレンディング投資のコツのひとつとなります。
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