【ソーシャルレンディングファンド検証】アメリカンファンディング「テキサス フォートワース ファンド 第5弾【3号】」の場合。
個人投資家Y.K氏。
2018年初旬からソーシャルレンディング投資を始め、約1年ほどが経過。
合計20社以上のソーシャルレンディング事業者に投資口座を開設し、累計投資額は400万円以上。
30代男性会社員・首都圏在住。
ソーシャルレンディング各社の過去ファンドを題材に、各社の特徴や、ファンドごとのリスク・リターンのバランス等を検証する本企画。
今回は、アメリカンファンディングが2018年に資金募集を行ったソーシャルレンディングファンド、「テキサス フォートワース ファンド 第5弾【3号】」を題材に、読み解きを進めて参りましょう。
投資申し込み完了のエビデンス
今回検証対象となるソーシャルレンディングファンドについては、私も個人的に出資を行っています。
アメリカンファンディングのマイページ、「投資履歴」からのスクリーンショット抜粋がこちら。
↓
本ファンドの概要
同社のホームページ(https://www.americanfunding.jp/fund/detail?fund_id=222)から確認した、本ファンドの詳細としては、下記の通りです。
なお、本ファンドからの資金貸付は、案件1、及び案件2、に分かれておりますが、資金の大半を融資する、案件1のほうに関してのみ、下記、詳説をさせて頂きます。
資金の借り手
アメリカンファンディングにとっての直接的な債務者は、事業者Fです。
ただし、事業者Fは、
【動画説明有】カリフォルニア サンバーナーディーノ ファンド 第1弾【9号】(https://www.americanfunding.jp/fund/detail?fund_id=258)
【動画追加】カリフォルニア サンバーナーディーノ ファンド 第1弾【8号】(https://www.americanfunding.jp/fund/detail?fund_id=257)
など、その他、複数のファンドにおいても、資金借り手となっている事業者ですし、
引用元:https://www.americanfunding.jp/concept/
↑こちらの「アメリカンファンディングの仕組み」も勘案に入れると、事業者Fについては、アメリカンファンディングの海外関連会社、と見るのが妥当でしょう。
このため、本ファンドの実質的な債務者は、ファンド詳細文中にある、「米国の不動産開発業者」である、と見なすのが素直でしょう。
同社については、特段、詳細情報(業歴等)の記載は、確認出来ませんでした。
貸付資金の総額
本ファンドからの貸付は、7,950,000円(795万円)とのことですが、合計3つのファンドを通じ、総額2386万円が、事業者Fを介し、件の「米国の不動産開発業者」へと融資される模様です。
借り手の資金使途
事業者Fは、アメリカンファンディングから借り入れた資金を、「米国の不動産開発業者」に対する融資金の原資とします。
「米国の不動産開発業者」は、事業者Fから借り入れた資金で、テキサス州タラント郡フォートワース市において、新規住宅の開発を行う、とのこと。
貸付・運用の期間
8ヶ月間の貸付・運用となります。
設定担保
「米国の不動産開発業者」が開発を行う新規住宅に、そのまま、第一順位の抵当権が設定される、とのこと。
当該新規住宅のイメージ写真がこちら。
↓
引用元:https://www.americanfunding.jp/fund/detail?fund_id=222
建物面積254平方メートル、4ベッドルーム+書斎、2.5バスルームの、新築二階建て一軒家、とのこと。
要は、書斎を含めて、5LDKの2階建て、という理解でよいのでしょう。
5LDKで250平方メートル以上、というと、大きいですね。
写真を見る限り、ビルトイン・ガレージを採用するようですので、その分、建築面積が大きくなっているのかもしれません。
なお、当該新築物件の、不動産評価額としては、物件販売履歴等から勘案し、約2983万円、とのこと。
日本の住宅関連相場からすると、土地付きの新築5LDK(建物面積254平方メートル)にしては、ずいぶんと評価額が安いように感じます。
そこで、これを契機に、アメリカの住宅市場について、少しだけ、調べてみたのですが、驚きました。
参考にさせて頂いたのは、株式会社サトウファシリティーズコンサルタンツ(http://www.sfc-net.co.jp/)の、こちらの資料。
↓
https://www.sfc-net.co.jp/wp/wp-content/themes/sfc/pdf/430/cost11.pdf
引用元:https://www.sfc-net.co.jp/wp/wp-content/themes/sfc/pdf/430/cost11.pdf
ロサンゼルスの住宅地の、平方メートルあたり土地単価が、驚きの120ドル。
坪単価にして400ドルほど。
建築単価も、ロサンゼルスの場合で、1平方メートルあたり、880ドル。すなわち、建築坪単価=2,900ドルほど。
為替にもよりますが、建築坪単価30万円というと、かなり安い印象があります。
日本の場合、木造のハウスメーカーでも、安いところだとしても、建築坪単価50万円程度はかかるイメージがあります。
米国の映画などを観ていると、中流家庭であるにも関わらず、「家はとても大きい」というシーン、よくあると思うのですが、その理由の一端を、垣間見たような気がします。
というわけで、本題に戻りますと、本件新築物件の評価額、約2983万円、というのは、決して、安すぎる数値ではない、ということが、よくわかりました。
逆に申せば、土地面積が分からないだけに、むしろ高いのではないか…という不安すら、覚え始めます。
返済原資
「米国の不動産開発業者」から事業者Fへの返済の原資は、当然、件の新築物件の売却代金です。
事業者Fからアメリカンファンディングへの返済の原資も、同様、と考えてよいでしょう。
わたしたち個人投資家の期待利回り
8パーセント、とのこと。
ファンドの最低投資額
2万円以上から投資可能。
本ソーシャルレンディングファンドの資金募集達成度は
100パーセントの資金募集を達成したファンドです。
運用・返済状況は
2018/10/15、当初の目論見通り、無事に満期償還を得ています。
本ソーシャルレンディングファンドのポイント
私が考える、本ソーシャルレンディングファンドのポイントは、下記の通りです。
なお、あくまでも、私の個人的な見解です。
担保不動産の評価・流通性は未知なれど…
本件不動産の評価額が、安すぎるわけではない、というのは、上述致しましたように、よくわかったわけですが、今度は、「高すぎるのでは?」という不安感も少々、残ります。
ただでさえ米国の場合、住宅のストック化が進んでおり、中古物件にも大きな需要があり、日本ほど「新築一辺倒」という流れがありません。
本当に、本件新築物件は、売れるのか(売れなければ、事業者Fは返済を受けることが出来ません)、売れなかった場合、担保権を実行する、とは言えども、それでは、いくらで売れる(不動産を換価し、債権を回収できる)のか、という不安は、どうしても、つきまといます。
最悪の場合は、評価額に対して20パーセントオフのディスカウントは出来る(貸付額/評価額=2386万円/2983万円=80パーセント。また、抵当権は、先順位無の第一順位。)わけですが…。
結果的に無事に満期償還を得ることが出来、良かった、というのが実感です。
利回りはバリュー。運用期間は短め。為替ヘッジあり
上記したような不安材料はあれども、利回りはそこそこ魅力的でした。
また、8か月、と短めの運用期間、そして為替ヘッジの標準セットも、好材料といえるものと判断し、
総合勘案の結果、「気になる点はあるが、少額の投資ならば、差支えはないだろう」と判断致しました。
本ソーシャルレンディングファンド検証のまとめ
ソーシャルレンディング各社の過去ファンドを検証し、各社の特徴や、ソーシャルレンディングファンドごとの特色、そして、ファンド概要の読み解きのヒントを探る本シリーズ。
今回は、アメリカンファンディングのソーシャルレンディングファンド「テキサス フォートワース ファンド 第5弾【3号】」を題材に、検証をさせて頂きました。
しつこいようで申し訳ありませんが、
本記事文中の表現は、いずれも、私のごく個人的な体験・意見に過ぎません。
その点は、くれぐれも、ご承知おきください。
しかし、あくまでも、その限りにおいて、
少しでも、「これからソーシャルレンディング投資を始めてみよう」とお考えの読者様にとり、
ファンド概要の読み込みの具体例として、ご参考になさって頂ける内容と出来たのであれば、嬉しい限りです。
大手ソーシャルレンディング会社を、ファンド平均利回りや、ソーシャルレンディング事業者としての規模、初心者へのおすすめ度、といった指標で比較した、こちらの過去記事も、是非、ご覧になってみてください。
↓
【ソーシャルレンディング比較検証】事業者規模、年利平均、投資家登録数、初心者へのおすすめ度…。主要ソーシャルレンディング各社を、複数の視座から横断比較。
それでは、本記事はここまで。
また次回の記事にて、お会い致しましょう。
本寄稿内容は、寄稿者の個人的な体験談・見解であり、その内容は、当ラボの公式見解と異なる場合があります。
また、本記事は、読者様への情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品(ファンド等含む)への投資勧誘を目的としたものではありません。
個別のソーシャルレンディング事業者における投資口座開設や、実際の投資是非に係るご判断につきましては、必ず、読者様ご自身にて、為さって頂きますよう、お願い致します。
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