CREAL(クリアル)の不動産クラウドファンディング投資は、稼げるのか
個人投資家Y.K氏。
2018年初旬からクラウドファンディング投資(主に融資型)を始め、約3年が経過。
合計20社以上のクラウドファンディング投資事業者に投資口座を開設し、累計投資額は400万円以上。
30代男性会社員・首都圏在住。
不動産クラウドファンディング・サービス「CREAL(クリアル)」とは
CREAL(クリアル)は、クリアル株式会社(東京都台東区東上野2-13-2)が2018年11月から運営にあたっている、不動産クラウドファンディング・サービス。
1口最低1万円という少額から、不動産事業者の運営する不動産投資プロジェクトに対し、小口投資を行うことが出来るサービスです。
日本マーケティングリサーチ機構の調査によれば、2020年6月期における、不動産特定共同事業許認可に拠るクラウドファンディング・サービスとしては、運用資産残高第1位。初号ファンド以来の累計調達額は、最新の満額調達を終えた時点で、103億円を突破しています。
サービス運営会社にあたるクリアル社は、運用資産残高約350億円(2021年5月末時点)の実績を有する、不動産アセットマネジメント会社。
2018年12月に募集開始した第1号ファンド以降、これまでに累計40本以上のファンドが組成・公開されてきましたが、いずれも、募集開始後、満額の募集達成を果たしているほか、運用を終了した29ファンドについては、いずれも、元本割れは生じておらず、想定利回り通りの分配を果たしているとのこと。
CREAL(クリアル)概要
サービス名 | CREAL(クリアル) |
運営会社 | クリアル株式会社 |
運営会社住所 | 東京都台東区東上野2-13-2 CREAL UENO |
運営会社資本金 | 658,000,000円(資本準備金含む) |
上場/非上場 | 非上場 |
運営会社グループ経営体制 | 代表取締役社長 横田 大造 取締役副社長 金子 好宏 取締役CTO 太田 智彬 取締役 山中 雄介 非常勤取締役会長 徳山 明成 社外取締役 村上 未来 社外取締役 定形 哲 社外取締役 永見 世央 常勤監査役 本多 一徳 非常勤監査役 佐藤 知紘 非常勤監査役 広野 清志 アドバイザー 小高 功嗣 アドバイザー 天野 義也 アドバイザー 上田 斉 |
グループ会社 | クリアルパートナーズ株式会社 |
許認可 |
不動産特定共同事業許可番号 東京都知事 第112号 第二種金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2898号 宅地建物取引業 東京都知事(1)第100911号 |
ファンドへの1口あたりの最低投資額 | 1万円 |
ファンドへの出資の中途解約 | 原則として不可 |
募集形態 | 先着方式募集 |
償還済ファンドの情報公開 | 償還を迎えたファンドの運用実績について、オンライン公開されている |
累計調達額 | 103億円 |
組成ファンド数 | 45件 |
運用終了ファンド数 | 29件 |
優先劣後スキーム | 採用 |
サービス沿革 |
|
情報引用日:2021年7月9日
CREAL(クリアル)の不動産クラウドファンディングの仕組み
他の一般的な不動産クラウドファンディング・サービスと同様、CREAL(クリアル)においては、下記のような仕組み・スキームが採用されています。
- 運営会社にあたるクリアル株式会社(旧、株式会社ブリッジ・シー・キャピタル)が、不動産特定共同事業第1号及び第2号、及び、電子取引業務の許可を取得。
- CREAL(クリアル)が、サービスサイト上に、投資対象となる不動産情報と合わせて、ファンド情報を掲載。投資募集を行う。
- 投資家は、CREAL(クリアル)の提示するファンド情報を閲覧し、投資したい場合は、サービスサイト上から、投資申込を行う。
- 投資申込が成立すると、CREAL(クリアル)と投資家との間で、匿名組合契約(CREAL側が、匿名組合の営業者となり、投資家は「匿名組合員」となる)が電磁的に締結される。
- CREAL(クリアル)は、ファンドに募った資金を用いて、投資対象不動産の取得等(リノベーション等を含む場合もある)が行う。
- CREAL(クリアル)は、ファンドの運用期間中に投資対象不動産にて生じた賃料収入(インカムゲイン)や、売却益(キャピタルゲイン)を元手にして、投資家に対する分配を実施する。
- 最終的には、投資対象不動産を売却し、その売却代金を元手にして、投資家への元本償還を実施する。
参考:
【2021年7月更新】不動産クラウドファンディングとは?|不動産クラウドファンディングのメリット・デメリット・リスクから徹底解説。上場企業運営サービスも
CREAL(クリアル)の不動産クラウドファンディング投資は、稼げるのか
昨今、投資家から広く関心を集めている、不動産クラウドファンディング投資。
CREAL(クリアル)は、日本の不動産クラウドファンディング業界においては、老舗ともいえる存在であり、投資家からも高い支持を得ています。
そんなCREAL(クリアル)の募集ファンドへと投資することで、投資家は、稼げる(分配金利益をあげる)ことが出来るのでしょうか。
CREAL(クリアル)の不動産クラウドファンディングへの投資メリット
投資家において、CREAL(クリアル)の募集ファンドへの投資には、概ね、下記のようなメリットがあります。
優先劣後スキームの採用
CREAL(クリアル)では、他の一般的な不動産クラウドファンディング・サービスと同様、運営会社の劣後・共同出資によって、投資家の優先出資元本を(一定程度まで)保護する、優先劣後スキームが採用されています。
例えば、総出資額1億円の案件があったとして、投資家から募集する優先出資額を7,000万円とし、残りの3,000万円を、サービス運営会社が、「劣後・共同出資」します。
これにより、万が一、ファンドに損失が生じたとしても、その損失が、運営会社の劣後出資幅まで(上記例であれば、3,000万円まで)に収まる場合は、投資家の優先出資元本が守られる(元本割れが生じない)こととなります。
※ただし、劣後出資の具体的な幅(割合)は、ファンドによって異なるため、案件によっては、運営会社の劣後出資が、投資家の優先出資よりも大幅に小さい、というケースがあり得ます。
また、運営会社の劣後出資幅を超過する損失が生じた場合、投資家の優先出資元本についても、毀損することとなります。
信託銀行を利用した分別管理
CREAL(クリアル)の場合、他の一般的な不動産クラウドファンディング・サービスとは異なり、投資家の未投資資金(ファンドへの実際の出資が為されておらず、投資用資金として、CREALに対して預託されている、デポジット資金)について、信託銀行を活用した分別管理を行っています。
なお、他の不動産クラウドファンディング事業者も、投資家の資金については、当然、分別管理(自身の資金とは分けて管理)を行っていますが、信託銀行を用いた分別管理スキームまでは、導入していないことが一般的です。
信託銀行を用いた分別管理がなされていることにより、投資家の未投資資金については、たとえ、CREAL(クリアル)運営会社が経営破綻したとしても、保護される(倒産隔離される)こととなります。
損失が限定されている
CREAL(クリアル)を始めとする、不動産クラウドファンディング・サービスでは、投資家と不動産特定共同事業者との間で締結されるのは「匿名組合契約」とされていることが一般的です。
そして、匿名組合スキームの特性として、投資家(匿名組合員)の責任については、あくまでも「有限責任」とされていることが挙げられます。
匿名組合員が、営業者(不動産クラウドファンディング事業者)の業務内容について負う責任は、「投資家が出資した、出資額」まで、に限定されており、投資家が、出資した資金を上回る損失を被ることは有りません。
これに対して、例えば、投資家が、個人事業主として、現物不動産投資(例:アパート経営)を行う場合、投資家は、自身が運営している不動産投資にまつわる「無限責任」を負うこととなります。
情報の透明性
CREAL(クリアル)では、各ファンド概要ページにおいて、
- 投資対象となる不動産の、物件名称(マンション・ホテル物件等の場合)、
- 物件種別(レジデンスやオフィス、ホテル等)、
- 物件の所在地
- 敷地面積や、建物の延床面積、築年数、
といった情報について、オンライン公開しています。
同じクラウドファンディング投資類型として知られる、融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)の場合、融資先の同意が得られない場合等において、ソーシャルレンディング事業者が、投資家に対し、融資先の情報を非開示(匿名化)、としているケースも散見されます。
そうした事情を考慮すれば、投資家が、自分が投資する対象物について、出資前にしっかりと確認を行える、という点は、CREAL(クリアル)等の不動産クラウドファンディング投資ならではのメリットと言えます。
不動産を自己所有する必要が無い
匿名組合スキームを利用した不動産クラウドファンディングの場合、投資対象となる不動産の「所有者」は、匿名組合の営業者(=不動産特定共同事業者)となります。
投資家自身では不動産を所有する必要が無いため、不動産取得税や固定資産税等の税負担はありませんし、所有に纏わる様々な責任(管理責任や、修繕義務等)からも、投資家は解放されていることとなります。
投資の手間暇が少ない
CREAL(クリアル)の場合も、他の不動産クラウドファンディング・サービスと同じように、
- 投資家登録(投資用口座の開設)や、
- 各ファンドの検討・吟味、
- 投資対象ファンドへの出資申込、
といった手続きが、全て、オンラインにて完結します。
また、実際の不動産投資に纏わる諸作業(不動産の取得や、リノベーション、入居者の獲得や、賃料管理、修繕等々)については、いずれも、匿名組合の営業者(不動産特定共同事業者)が行いますので、投資家個々人が、そうした作業に従事する必要はありません。
投資家から見れば、不動産クラウドファンディングの場合、現物不動産投資等と比較し、遥かに手軽に(=手間暇をかけずに)投資が行える、というメリットがあります。
売買契約締結済のブリッジ型案件も募集されている
不動産クラウドファンディングの場合、営業者側は、投資対象不動産を、ファンドの運用期間中に売却することに拠って、投資家向けの元本償還原資を確保します。
逆に言えば、不動産クラウドファンディング事業者としては、投資対象不動産を外部に売却し、その代金を収受しない限り、投資家向けの元本償還原資を確保できません。
すなわち、投資家が不動産クラウドファンディングに投資するにあたって、最大のリスクの一つが、「物件が、ファンドの運用期間中に、売れないリスク」です。
この点、CREAL(クリアル)においては、投資対象不動産に関して既に売買契約が締結済の、いわゆる「ブリッジ型案件」(=つなぎ資金のための案件)も公開・募集されています。
投資家としては、既に売却先の決まった不動産に対して投資を行えるため、上記の「不動産が売れないリスク」が軽減されたファンドへと投資できることとなります。
※ただし、「売買契約締結済」と言えども、売買契約が相手方の都合によって破棄されたり、決済が遅れる(代金の支払いが遅れる)ケースもありますので、注意が必要です。
1ファンドあたりの募集額が大きい
国内で展開されている不動産クラウドファンディング・サービスの中には、1ファンドあたりの募集額が1千万円に満たないような、いわゆる「少額・小型案件」を複数募集している事業者も存在します。
1ファンド当たりの募集額が小さい場合、投資家同士の出資競争(=いわゆる「クリック合戦」)が起きやすく、「せっかく投資家登録したのに、いつまでたっても、投資が出来ない」等という事態が生じるケースが多くあります。
これに対し、CREAL(クリアル)の場合、下記のように、1案件あたりの募集額が大きいファンドも、これまでに複数本、募集されていますので、クリック合戦も発生しづらく、比較的投資しやすい、という傾向があります。
ファンド名 | 募集金額 |
ホテル アマネク 浅草吾妻橋スカイ | 88,000万円 |
さくらさくみらい駒込 | 45,000万円 |
ちくらつなぐホテル | 23,760万円 |
リノ西落合 | 24,300万円 |
ラ・ペルラ池袋 | 29,600万円 |
SOLA沖縄学園 | 83,800万円 |
Q Stay and lounge上野 | 46,500万円 |
(仮称)Rakuten STAY Naha Ti-da | 73,500万円 |
CREAL(クリアル)の不動産クラウドファンディングへの投資リスク
上記したように、投資家にとって様々なメリットがあり、一見すると「稼ぎやすい」ように見える、CREAL(クリアル)ではありますが、投資である以上、様々なリスクも存在します。
出資の中途解約が出来ない
CREAL(クリアル)の場合、他の大多数の不動産クラウドファンディング・サービスと同様、投資家向けのFAQページ等において、各ファンドへの出資の中途解約は「原則として不可」であると明記しています。
無論、出資の中途解約を「可」としたほうが、投資は集まりやすいわけですが、その場合、昨今のコロナ・ショックのような、大きな社会変動・経済変動が生じた際、投資家からの出資中途解約・返金申請が殺到し、CREAL(クリアル)のキャッシュフローがショートしてしまうリスクがあるのです。
投資家としては、もしも、ファンドへの出資期間中に、急な現金ニーズが生じたり、より高い利回りを狙える投資手法に出会ったとしても、出資の中途解約が行えない以上、ファンドが最終的な償還を迎えるまで、じっと待つしかありません。
また、CREAL(クリアル)では、投資家同士で互いの出資持分を取引・売買するような、いわゆる「セカンダリ取引」機能が提供されていないため、自分の持分をファンドの運用期間中に換金することも出来ません。
「短期で大きく稼ぐ」のは難しい
CREAL(クリアル)への不動産クラウドファンディング投資の場合、FX投資などでは一般的な「レバレッジ取引」を行うことは出来ませんし、銀行融資を利用して投資用資金を拡充すること(実物不動産投資の場合、アパートローンなどを活用します)も、原則、不可能です。
このため、投資用資金を実体よりも大きくして、より多額のリターンを狙う手法は利用できないほか、そもそものスキーム・体系として、
「あくまでも、コツコツと、営業者から送金される分配金を蓄積する」
という投資スタイルである関係上、短い期間で一気に多額を稼ぐような手法として活用するのは、難しい、というのが実情です。
また、CREAL(クリアル)において、投資家側は「優先出資者」とされていますので、
- 劣後出資者と比較すれば、事前に約定された利回りは、ある程度高い確率で収受できるし、元本償還が滞る可能性も小さい(ファンドに損失が生じても、まずは劣後出資者がその損失を被るため)が、
- ファンドが余剰利益を大幅に計上した(例:取得した不動産が、想定以上の高額で売却できた場合、等)としても、その余剰利益を獲得することは出来ない(=余剰利益は、劣後出資者が収受する)、
という特性があります。
税金によって稼ぎが目減りする
投資家が、CREAL(クリアル)を始めるとする不動産クラウドファンディング事業者から送金を受ける、「分配金」は、現行の所得税法下では「雑所得」に該当し、総合課税の対象とされています。
申告分離課税制度の利用は認められていないほか、現物不動産投資等では当たり前の、「損益通算」や「繰越控除」といった税務上のメリットについても、不動産クラウドファンディングに関しては、適用されません。
このため、給与所得等の大きい人が、CREAL(クリアル)のファンドに投資する場合、たとえ、事前想定通りの分配金利回りを確保することができたとしても、給与所得等と合算したうえでの「総合課税」の結果、CREAL(クリアル)から収受した分配金に対しても、高い所得税率が課されてしまい、正味の稼ぎが目減りしてしまう、というデメリットがあります。
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