「ソーシャルレンディングを妻名義で行いたいのですが…」

頂戴したご質問

「ソーシャルレンディング投資を検討しているのですが、ソーシャルレンディング投資の利益については、総合課税の対象となると聞きました。
私は現在、所得税率が高いので、生前贈与を活用して妻に資金を提供し、妻名義にて、ソーシャルレンディングを行うことを計画しています(※妻は専業主婦です)。
特に差支えはありませんでしょうか?」
(30代・男性・ソーシャルレンディング投資歴なし)

ソーシャルレンディング投資の収益に対する課税関係について

ソーシャルレンディング投資を経て得た利益(所得)は、現在の所得税法下においては、「雑所得」にあたり、その課税方式としては、「総合課税」の対象とされています。
ソーシャルレンディング事業者から送金される分配金においては、既に源泉所得税が控除されていることが一般的ですが、

  • その他所得(例:給与所得等)が低い方が、ソーシャルレンディング投資収益について確定申告をすると、ソーシャルレンディング事業者が控除した源泉所得税の一部が、還付されることとなるケースがあります。
  • 逆に、給与所得等が高い人が、ソーシャルレンディング投資収益について確定申告すると、累進税率の関係で、ソーシャルレンディング投資収益についても、高い税率が課されることとなり、追加納税を行う必要が生じるケースがあります。

妻への生前贈与について

「ソーシャルレンディングを妻名義で行いたいのですが…」01

引用元:国税庁「No.4402 贈与税がかかる場合」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4402.htm ※赤線はソーシャルレンディング・ラボが加筆。

贈与税に関しては、国税庁ホームページにおいて、上掲の案内が掲載されています。
質問者様の御趣意としては、上掲の仕組みを活用して、

  • 妻に年間110万円以下の資金提供を行い、
  • その資金を原資に、妻に、ソーシャルレンディング投資を行ってもらう、

というご計画なのであろうと、思料致しております。

妻名義でのソーシャルレンディング投資にはリスクがある。

ソーシャルレンディング投資を妻名義で行う場合、当然、ソーシャルレンディング事業者との間で締結する、匿名組合契約においては、匿名組合員は、質問者様ではなく、その妻、という形となります。
また、ソーシャルレンディング投資は、元本割れのリスクも伴う、比較的高リスクの投資手法といえます。

このため、匿名組合契約における営業者(ソーシャルレンディング事業者)との間の、匿名組合契約締結を、妻が、真に、自身の自由意思において、執り行ったのか、という点は、重大なポイントとなります。

  • 妻は、ソーシャルレンディング投資口座のために、自身の名義を貸しているだけ。
  • ファンド選定等、ソーシャルレンディング投資に関する諸判断は、妻が行っておらず、質問者様が執り行っている。
  • 匿名組合契約締結手続き(≒オンラインでの、出資申込手続き)も、妻ではなく、質問者様が行っている。

上掲のような状況の場合、事後、トラブルにつながりかねない、等といったリスクがあります。

妻の所得状況によっては、税務上のメリットがある場合も。

上掲したような状況ではなく、

  • あくまでも、妻が自身の自由意思によって、匿名組合員となり、
  • 自身の判断によって、自己の資産運用として、ソーシャルレンディング投資を行う、という場合、

妻の所得状況等によっては、質問者様がソーシャルレンディング投資を行われる場合と比べて、ソーシャルレンディング投資収益に課せられる税率が低くなる、等の、税務上のメリットが発生する場合もあります。

ただし、この場合も、あくまでも、妻自身が、自己の資金(=質問者様から生前贈与を受けた資金)を原資に、万事、自己の判断・意思によって、ソーシャルレンディング投資を行った、という事実が肝要となります。
その事実が伴わない場合は、課税権者から、「妻の名義を悪用した、行き過ぎた節税策」との誹りを受ける恐れを、十全に排除することは、難しいものと思料致します。

妻名義ではなく、法人名義にてソーシャルレンディング投資を行う方が、スマートな場合も。

  • 質問者様の所得税率等が、法人の実効税率よりも高く、
  • かつ、質問者様のご検討為さっておられるソーシャルレンディング投資額が、ある程度大きい場合、

妻名義のソーシャルレンディング投資よりも、質問者様が管理する法人格を主体者としてソーシャルレンディング投資を行うほうが、スマートな結果を生む可能性もあります。
日本国内のソーシャルレンディング事業者の多くが、法人格名義での投資口座開設を受け付けていますので、税務専門家等へとご相談のうえ、ご検討為さることも、一手ではないでしょうか。

ソーシャルレンディングは妻名義よりも法人名義のほうがスマートな場合もある。

参考:不動産担保付ソーシャルレンディングとして人気のあるオーナーズブックも、法人口座の登録を受け付けています。
引用元:オーナーズブック(https://www.ownersbook.jp/spweb/faq/detail/107/)

※本記事は、質問者様への回答、及び、読者様への情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品(ソーシャルレンディングファンド等)への投資勧誘等を目的としたものでは、ありません。
個別のソーシャルレンディング事業者における投資口座開設等、実際の投資是非に係るご判断につきましては、必ず、読者様ご自身にて、為さって頂きますよう、お願い致します。
また、税法関連事項につきましては、本記事内容の正誤等について、あらかじめ、読者様ご自身にて、税務専門家へと御確認下さいますよう、お願い致します。

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