「ソーシャルレンディング投資で”エンジェル税制”適用を受けることはできますか」
「ソーシャルレンディングを検討していますが、総合課税による高税率などを心配しています。
いろいろと情報収集しているなかで、”エンジェル税制”というものを見聞きしました。
ソーシャルレンディング投資の収益への課税において、エンジェル税制の適用を受けることは可能でしょうか。」
(30代・男性・ソーシャルレンディング投資歴:なし)
エンジェル税制とは
引用元:中小企業庁
エンジェル税制とは、日本国内のベンチャー企業(創業間もない企業)に対する、一般個人投資家からの投資をより活発にするために、
ベンチャー企業に対して実際に投資を行った投資家に、(その見返りとして)税制上の優遇措置を提供するための制度です。
中小企業庁のホームページによれば、投資家がベンチャー企業に対して投資を行うと、
- 投資を行った時点と、
- 株式などの売却を行った時点の、2つのタイミングで、
税制上の優遇を受けることが可能となります。
エンジェル税制優遇措置①【投資を行った時点】
個人投資家がベンチャー企業に対して投資を行う時点において、投資家は、下記2つの優遇措置から、自身に合ったものを選択することが可能です。
- 優遇措置A:
ベンチャー企業への投資額から2,000円を差し引いた金額を、その年の総所得金額から控除
※ただし、控除対象となる投資額は、「総所得金額×0.4」、もしくは1,000万円の、いずれか低い方を上限とする。 - 優遇措置B:
ベンチャー企業へと投資した投資金額の全額を、その年の、他の株式譲渡益から控除できる
※控除対象となる投資額の上限はない。
エンジェル税制優遇措置②【株式の売却時点】
ベンチャー企業株式の売却によって生じた損失を、その年の他の株式譲渡益と損益通算できるのみならず、もしも当年に相殺しきれない損失が残った場合、その損失を、翌年以降3年間にわたって、株式譲渡益と損益通算(相殺)することができます。
エンジェル税制の適用対象企業の確認方法
エンジェル税制には、「事前確認制度」が設けられており、投資家としては、投資対象のベンチャー企業が、真にエンジェル税制の適用対象であるか、どうか、について、事前に中小企業庁HPで確認することが可能です。
令和2年2月19日現在、事前確認書交付企業一覧に掲載されているのは、下記の企業です。
- 株式会社オリーブ技研
- Energy Creation株式会社
- My Road株式会社
- PaylessGate株式会社
- FOCUS株式会社
- フィルミネーション株式会社
- 株式会社LMDB
- 株式会社アルゴネクト
- 株式会社CARROZZA
- 株式会社あんしんサポート
- FPサテライト株式会社
- 株式会社エンリッション
- 株式会社key of Lestate
- ウェブエックス株式会社
- Tranzax株式会社
- 株式会社ピックノート
- 株式会社LEARNie
- 株式会社H&Hホールディングス
- ナスクインターナショナル株式会社
- 株式会社ヴァナ
- 株式会社Kabuk Style
- 株式会社ピリカ
- クリプトリンク株式会社
- カルクル株式会社
- 株式会社パルソラ
- 株式会社信州スポーツプロモーション
ソーシャルレンディング投資≠エンジェル投資
エンジェル税制は、基本的に、投資家が、未上場のベンチャー企業の株式を取得する場合に、適用可能性が生じるものです。
これに対し、ソーシャルレンディング投資の場合、
- 個人投資家は、あくまでも、ソーシャルレンディング事業者が組成・募集するファンドに、匿名組合員として出資するだけであり、
- ソーシャルレンディング事業者としても、融資先企業に対して「融資」(=貸付)を行うだけであり、出資を行うわけではありません。
このため、ソーシャルレンディング投資を経て得た分配金に、エンジェル税制が適用されることは、ありません。
株式投資型クラウドファンディングの場合、エンジェル税制適用を提唱しているサービスも
引用元:FUNDINNO(ファンディーノ)
ソーシャルレンディングとは些か異なりますが、主に未上場企業の株式に対して小口から投資を行う「株式投資型クラウドファンディング」の場合、エンジェル税制の利活用を提唱しているサービスも存在します。
累計成約額29億円強、投資家数23,000人強(※いずれも公式サイトから引用)を誇る株式投資型クラウドファンディング・サービス「FUNDINNO」(ファンディーノ)の場合、エンジェル税制の利活用を積極的に執り行っており、
- FUNDINNOで成約したエンジェル税制適用プロジェクト数は、2020年2月現在で32件、
- FUNDINNOを通してエンジェル税制を申請した投資家数の延べ人数は、3,790名(2020年2月現在)
であるとの実績値を公開しています(※情報の引用は2020年2月26日)。
ご興味があれば、サイトを確認してみると良いでしょう。
税務・税制などに関する事柄については、当サイトの記述のみに拠らず、読者様ご自身にて、地域の税務署や、税理士・公認会計士などの税務・会計専門家へとご相談のうえ、慎重に検討・対処頂きますよう、お願い致します。
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