ソーシャルレンディングと損益通算

(復習)ソーシャルレンディング収益の確定申告

ソーシャルレンディング収益は、所得の種類でいうと、「雑所得」。

ソーシャルレンディング投資を通して得た分配金利益は、所得の種類でいうと、「雑所得」に分類されます。

「所得の種類って?」
という読者様も、おられるかもしれませんので、まずは、せっかくですので、
「所得の種類には、どのようなものがあるのか」
といったあたりから、確認・復習をしていきましょう。

現行の所得税法によって、所得(いわゆる、収入のことです)は、下記の10種類に区分されています。
※下記の情報の情報参照元としては、国税庁のホームページ(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1300.htm 及びそのリンク先)となります。

  1. 利子所得
    →預貯金の利子などの所得を指します。
  2. 配当所得
    →株主や出資者が、出資先の法人から受け取る配当や、投資信託などの収益の分配金などの所得を指します。
  3. 不動産所得
    →不動産の賃貸料(賃借人から受け取る賃料)などの所得を指します。
  4. 事業所得
    →文字通り、事業を営むことを通して得る所得を指します。
  5. 給与所得
    →勤務先から受け取る給料(ボーナスなどの賞与も含む)のことを指します。
  6. 退職所得
    →主に退職金のことです。
  7. 山林所得
    →なかなかなじみがないかも知れませんが、山林を伐採して譲渡したり、立木のままで山林を譲渡したことによって生じる所得のことを指します。
  8. 譲渡所得
    →土地、建物などの資産を譲渡することによって生じる所得などを指します。
  9. 一時所得
    →上記の1~8のいずれにも該当しない所得で、かつ、営利目的の継続的な行動の成果【ではなく】、また、労務やその他薬務の対価など【でもない】所得のことを指します。
    懸賞や福引の賞金品や、競馬・競輪の払戻金などが該当します。
  10. 雑所得
    →上記の1~9のいずれにも該当しない所得を指します。

留意したい事柄として、ソーシャルレンディング投資の分配金は、

  • 一見、利子所得や、配当所得に該当するようにも思えるわけですが、
  • 現在の所得税法のもとにおいては、あくまでも、上述の通り、雑所得に該当している、

ということです。

ソーシャルレンディングと損益通算の関係を理解するために、まずは所得の区分を理解。

国税庁タックスアンサー「No.1300 所得の区分のあらまし」では、所得の区分について分かりやすく掲示されています。
引用元:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1300.htm

課税制度としては、「総合課税制度」が該当。

現在、日本の課税制度には、主に下記の3つがあります。
あらためて、おさらいをしておきましょう。

  1. 総合課税制度
    →各種所得金額を合計し、所得税額を計算する、というタイプです。

    引用元:国税庁タックスアンサー「No.2220 総合課税制度」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2220.htm
  2. 源泉分離課税制度
    →他の所得とは完全に分離し、所得を支払ってくれる者が、その支払いの際に、一定の税率で所得税を源泉徴収して、それだけで、所得税の納税としては完結します、というタイプです。

    引用元:国税庁タックスアンサー「No.2230 源泉分離課税制度」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2230.htm
  3. 申告分離課税制度
    →他の所得とは完全に分離し、所得を得た人自らが、確定申告をすることによって、申告・納税を行うタイプの課税制度です。

    引用元:国税庁タックスアンサー「No.2240 申告分離課税制度」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2240.htm

上記3つの課税制度のうち、ソーシャルレンディング投資を通しての分配金所得に呼応する課税制度としては、「総合課税制度」が該当します。

ソーシャルレンディングと損益通算の関係を理解するために、続いては、課税制度について復習

総合課税の制度詳細等については、国税庁タックスアンサーサイトが参考になります。
引用元:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2220.htm

確定申告は必要?

所得は、勤め先の会社から受け取っている給料だけ、という方などを中心に、
「これまで、確定申告をしたことが無い」
「所得に関する報告は、会社がやってくれる年末調整だけしか経験したことはない」
という方も、多くいらっしゃるものと思います。

しかし、ソーシャルレンディング投資を始める以上、ソーシャルレンディング投資からの分配金収入を含む【雑所得】が、年間で20万円以上となる場合は、もれなく、確定申告が必要となります。
その場合、会社が毎年行ってくれる「年末調整」だけでは不十分、となります。

ソーシャルレンディングと損益通算の関係を理解するために、続いては、確定申告の要・不要を確認

各種の所得金額の合計額が20万円を超える場合、確定申告が必要となります。
引用元:国税庁「確定申告が必要な方」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki2017/b/01/1_06.htm

仮にソーシャルレンディング投資だけに絞って勘案するとして、そして、ソーシャルレンディング投資全体の利回り平均を8パーセント程度、と想定するならば、投資元本の合計が250万円を超えるようになると、分配金の総額が20万をオーバーしてくる可能性が発生してきます。

損益通算の概要

損益通算とは、各種所得金額の計算上生じた損失のうち一定のものについてだけ、所定の順序にしたがって、総所得金額、退職所得金額、または山林所得金額等を計算する際に、他の各種所得の金額から控除することができる、というものです。
損益通算の対象となる所得の範囲は下記のとおり。

  1. 不動産所得
  2. 事業所得
  3. 譲渡所得
  4. 山林所得

また、損益通算制度の理解にあたっては、ソーシャルレンディング収益が該当する「雑所得」については、下記の点にも留意が必要です。

  • 配当所得、給与所得、一時所得及び雑所得の金額の計算上、損失が生じることがありますが、その損失の金額は、他の各種所得の金額から控除することはできません。
  • 申告分離課税の先物取引に係る雑所得等の金額の計算上生じた損失がある場合は、先物取引に係る雑所得等以外の所得の金額との損益通算はできません。
     また逆に、先物取引に係る雑所得等以外の所得の損失も、先物取引に係る雑所得等の金額との損益通算はできません。

※上記情報の引用元は、下記のとおり。
国税庁タックスアンサー「No.2250 損益通算」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2250.htm

国税庁の、損益通算を説明するサイト

国税庁タックスアンサー「No.2250 損益通算」では、損益通算制度について分かりやすく解説されています。
引用元:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2250.htm

ソーシャルレンディングと損益通算の関係

ソーシャルレンディングと損益通算の関係において押さえておく必要があるポイントは、主に下記数点です。

  • ソーシャルレンディング投資によって被った損失を、他の分類の所得(例:給与所得)と損益通算することは、出来ません。
  • しかし、雑所得内であれば、損益通算が可能です。
  • ただし、同じ「雑所得」であっても、申告分離課税対象であるFX取引等との間では、損益通算が出来ません。

総合課税の対象となり、ソーシャルレンディング収益と損益通算が可能な雑所得、として有力なものとしては、仮想通貨取引です。
平成29年12月1日に、国税庁個人課税課から発表された情報資料によると、

  • 仮想通貨を売却または使用することによって生じる利益については、原則として、雑所得に分類される。
  • 申告分離課税の適用はなく、総合課税の対象となる。

上記の旨が明記されています。

ソーシャルレンディングと損益通算ができる所得としては、仮想通貨利益

国税庁の「仮想通貨に関する所得の計算方法について」では、仮想通貨収益が雑所得にあたり、また、総合課税の対象となる旨が明記されています。
引用元:国税庁「仮想通貨に関する所得の計算方法について」https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/171127/01.pdf

まとめ

本記事におきましては、ソーシャルレンディングと損益通算の関係性について、まとめました。
ご参考と為さって頂ける内容と出来たのであれば、幸甚です。

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※本記事の正確性については、当サイトとして、慎重に確認を致しておりますが、税法・税務上の妥当性・適法性について、保証等を致すものではございません。
実際の税務申告等におきましては、税務署や、税理士等税務専門家へとご相談のうえ、慎重なご対応を為さって頂きますよう、お願い致します。

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