「典型的社畜」だった私が、ソーシャルレンディング等を活用し、社畜生活を脱却するまでの記録
地元の教育関連事業者に勤務する「Tomson」氏。
私大卒業後、新卒で入社した観光事業者、及び、その後転職した学習塾事業者が、世にいう典型的な「ブラック企業」で、社畜生活に苦しむ。
体調を崩したことなどをきっかけに、自身の働き方を見つめ直し、副業への取り組みやブログ運営などを通して副収入を得ることで、精神的な社畜状態から脱却。
自信の経験を綴ったブログを運営する、サイトオーナーでもある。
30代男性・茨城県在住。
典型的な「社畜」だった、新卒以降の会社員生活
まずは、私の社畜時代のプロフィールから…
最初の就職先は、宿泊系のサービス業界
地方の私立大学を、なんとか4年で卒業したものの、その後の就職活動で大苦戦。
ハローワークの主催している合同面接会なども利用した挙句、ようやく1社だけ、内定を出してくれたのが、地元の観光地でホテル事業を展開している中小企業でした。
そして、ここが、(今振り返れば、)典型的なブラック企業だったのです。
同社は、県下で数軒の宿泊施設を運営している会社だったのですが、採用後即座に、私は現地の旅館店舗へと配属されました(今思えば、面接時は「販売戦略」担当のような肩書だったはずですが…)。
お客様の朝ごはんの支度をするため、毎朝6時から勤務開始。
お客の食事が終わり、その後片付け・洗い物などをして、各部屋のチェックアウト対応を済ませるのが、午前11時。
そのあと客室や風呂場の掃除に入り、ようやく一息つけるのが、午後1時頃。
朝ごはんなんだか昼食なんだかよく分からない食事をとり、仮眠をとって、午後4時からは、次の日の宿泊客のチェックイン受付が開始。
あっという間に夕食時間になり、その片付けが終わるのは、夜9時頃(宴会などが入ると、更に遅くなることも)。
1日12時間程度は優に働いているわけですが、そもそも、店舗には、タイムカードが設置されていませんでした(今思えば、驚愕ですが、当時は「そんなもんか」くらいにしか思いませんでした…)。
その後、労働基準監督署の指導などもあり、ようやくタイムカードは整備されたのですが、そもそも周りにいた既存の従業員たちが、労働法なども知らない、いわゆる「社畜体質」の人たちばかり。
現地で勤務している人たちは、誰もが概ね、似たような勤務時間数だったにも関わらず、社会保険に加入させてもらっている人すらいない。
先輩に、さりげなく相談してみても、「うちの会社はそういう会社じゃない。いやなら、ほかの会社を探せばいいじゃないか」と言われてしまう始末。
もはや、話し合っても駄目だ、と考え、やむなく、退社する運びと相成りました。
次に勤めたのは、地元の教育関連企業
ハローワークで再就職先を探し、なけなしの貯金が尽きる直前に、なんとか見つけた勤務先は、地元の教育関連企業。
地域の小学生・中学生・高校生向けに、学習塾事業を展開している、前職と同じような規模感の、中小企業でした。
そして、残念ながら、ここも、最初の宿泊関連事業者ほどではないにせよ、いわゆる「ブラック企業」と呼ばれるよう会社でした。
まず驚いたのは、生徒の父兄からは、そこそこの授業料を貰っておきながら、具体的な授業方法・指導方法などについては、新人講師に対して、勤務開始以来、ほとんどこれといった研修がなかったこと。
実際に教室に勤めている講師も、アルバイト契約の大学生講師・社会人講師ばかりで、皆、我流で(これといったマニュアルがないため、当然です)授業をしている状態でした。
また、この会社の場合、給料はあくまでも、「コマ単価制」。
勤務時間に応じて給与計算が為されるのではなく、「月間で、何コマ分の授業をこなしたか」で、給料額が計算される仕組みとされています(後々調べて分かったのですが、学習塾業界では、良くある仕組みのようです)。
授業時間の長短だけを単純に考えると、県下の最低賃金を、多少クリアしている程度、という時給構成になっていました。
問題なのが、授業開始前の準備と、授業終了後の報告業務。
授業をする前は、多少なりとも、授業準備が必要となるわけですが、どのくらいの準備を、どのように行うか、についても、あくまでも、各講師の自己判断・自己責任とされています。
そして、授業準備のためにかける時間は、「勤務時間外」という扱いになります(教室側の言い分としては、「コマ単価に含まれている」ということになるのでしょうが…)。
結局、プライベートの時間なども、翌日(ないしは、当日)の授業の準備作業に忙殺される、という結果に。
給料(正確には、授業の1コマ当たり単価)と、成果(生徒の成績向上など)との間には、特段相関関係がないため、講師側から見ると、授業準備などに時間は割かず、出来るだけ手抜きをしたほうが得、ということとなります。
当然、授業の質も落ちていくわけですが、それでも経営が成り立っていたのは、地域でのブランドがあったから、そして、周辺にさしたるライバル教室が存在しないから、という点に尽きるのだろうと思います(そう考えると、商売において、立地って、本当に大切ですね)。
そして、授業後の報告書作成も、なんだかんだ、1授業あたり30分程度はかかる作業です。
1日に4コマ程度授業を行えば、報告書作成だけで、2時間程度はかかります。
これもまた、「報告書作成業務は、コマ単価に含まれている」という扱いですので、実質、無給での仕事となります。
なぜ、私は新卒依頼、社畜であり続けたのか
以上、まさに絵に描いたような「社畜生活」を続けてきた私。
では、そんな私が、なぜ、社畜生活から積極的に脱却しようとせず、敢えて消極的に、社畜であり続けたのか…と自分で省みると、下記のように原因分析が出来そうです。
「やりがい」に心理的に依存していた
勤務先の会社そのものには、いろいろと問題がありましたが、例えば、前職の宿泊業界の時は、お客さんとのやり取りなどで、「やりがい」は感じていました。
個人的に、特に子供が好きだったので、お客さんが連れてくる子供とのやり取りは、楽しかった思い出として残っています。
遠方から旅行に来る人も多かったので、地元の観光情報等を教えてあげて、喜んでもらえるのも嬉しかったです。
チェックアウトの時に、お客さん家族と写真を撮り、あとでその写真が郵送されてくる、などすると、
「ああ、この仕事をやっていてよかったな」
と実感したものです。
学習塾勤務においても、事情は同様です。
教室の経営スタイルそのものには、強い疑問を感じていましたが、教室に通ってくれている子供たちが、少しでも、勉強を出来るようになり、それでテストの成績が上がり、喜んでいるのを見るのは、大きな充実感がありました。
生徒の迎えに来た親御さんに、「先生、いつも本当にありがとうございます」等と言われると、こちらも舞い上がるほどに嬉しいものです。
こうして、新卒当初以降、一貫して、
- 給与規定などの、金銭的・経済的な問題や、
- 労働法上の問題、福利厚生面での問題等を、無視して、
上記したような、目に見えづらい「やりがい」に、心理的に依存する精神状態になっていた、と感じます。
経済的な基盤が無く、結局、会社に依存していた
個人的に、実家も裕福ではなく、私大を卒業させてもらった以上、これ以上の金銭的な支援を実家に期待することは、不可能でした。
どれだけ嫌な会社であろうと、会社を辞めてしまえば、収入が途絶えるのは目に見えていましたし、働かないで暮らしていけるだけの貯金など、あるわけがありません。
さらに、最初に勤務先は、(地方の宿泊業者にありがちですが)従業員用の寮(居住用のスペース)も提供されていました。
給料は安いし、そもそも労働法に違反しているような勤務先でしたが、退職してしまえば、給料が途絶えるのみならず、住む場所まで失うことになる。
そういう恐怖心から、なかなか社畜状態を抜け出すことが出来ませんでした。
特に「やりたいこと」も無かった
会社をやめたところで、次の就職先を見つけるのが大変なのは自明だし、そもそも、何か自分として、「退職してまで、やりたいこと」が、何もありませんでした。
振り返れば、子供のころから(学生時代も含めて)、何かの趣味に没頭した、という経験がありません。
友達の間で流行っている時節物には、多少なりとも、興味を抱き、親に買ってもらったりもするわけですが、世間でのブームが去れば、自分の中でのブームも終わる、ということの繰り返し。
スポーツにせよ、勉強系の習い事にせよ、100パーセント打ち込んだ、という経験は無く、結果として、何か「これ」と言えるような特技もない、というのが(お恥ずかしながら)実情です。
これが、個人的な「自信の無さ」に繋がり、結果的に、社畜状態を助長させることとなったようにも感じています。
私はこうして社畜から脱却した
社畜をやめることを決意したきっかけ
最初の宿泊関連事業者に勤務している頃から、どうも体が弱っていることを感じていました。
その後、学習塾事業者に勤め始めてしばらくした頃、直近の夏期講習の準備で、数日間、不眠不休に近いような状態となり、折悪く丁度猛暑日が続いたこともあり、ついに本格的に、体調を崩し、寝込んでしまいました。
そんな様子をSNSにアップして愚痴っていたら、心配してくれた高校時代の友人から連絡が。
本業は普通の会社員ながら、インターネット等を経由して出来る副業と、さほど時間をかけずに出来る少額投資で、かなりの額の副収入を稼ぎ、
「会社は、楽しいから行く。逆に、楽しくなくなれば、いつでもやめる」
と言い切る友人を見て、自分がいかに思考停止していたかと痛感しました。
この友人にも相談しながら、少しずつ、自分に出来る副業・投資に取り組み始めたのが、私の社畜生活脱却の、第一歩となりました。
まずは、インターネットで出来る簡単な副業からスタート
最初に始めたのは、クラウドワークスやランサーズなどを使った、簡単なオンライン型の副業です。
これまでの仕事での経験を活かした、数百文字~千文字程度の体験談の執筆や、アンケート回答等、塾での仕事から帰ってからの数時間で取り組めるような物(幸いなことに、教室での仕事は午後からスタートですので、帰宅後には時間的なゆとりがあります)から、コツコツと、取り組み始めました。
さすがに、本業を上回る程の収入にはなりませんでしたが、
「無理をして働かなくても、最低限のお金は入手できる」
ということを知れただけでも、大きなメリットがありました。
合わせて、モッピーやハピタスなどのポイントサイトを活用した、いわゆる「ポイ活」もスタート。
こちらは、証券会社への口座開設や、クレジットカードの審査申込などで、ある程度まとまったお金(ポイント)を得ることができました。
ただし、1案件あたりの報酬が大きい、いわゆる「高額案件」は、どれも「初期限定・1回限り」となっているので、再現性は低いな、と痛感しました。
続いて、ソーシャルレンディングなどのクラウドファンディング系の投資にチャレンジ
多少の投資の元手が出来てきたところから、当時、少しずつインターネット上でも話題となりつつあった、ソーシャルレンディング投資に着手。
その後、後発してきた不動産クラウドファンディングにも投資資金を回すようになり、数年後には、(元手が小さい分、少額ですが)なにがしかの分配金収入を得ることが出来るようになりました。
社畜時代の経験を語るブログの運営をスタート
そうこうするうちに、インターネットに詳しい知人のサポートも受けながら、長きにわたす社畜生活の様子を綴った、オンラインのブログサイトの運営をスタート。
ツイッターなどのSNSも展開するなかで、時代と相まってか、同じような境遇に悩む人たちの間で、多少なりとも人気を博すようにまで成長しました。
そんなブログサイトからの副収入(アドセンス広告などの広告料)もまた、社畜状態を精神的に脱するための手助けになってくれました。
今なお、学習塾での勤務は継続中。でも、無理はしない
その後、親が体調を崩し、看病を兼ねて、それまでの一人暮らしをやめて、実家に暮らすように。
個人的には大きな転機でしたが、その思わぬ効用で、住居費がかからなくなり、毎月の損益も黒字化。
ちょっとした貯金体質になり、これまで続けていたソーシャルレンディング投資やクラウドファンディング投資にも、少しずつ、より大きな金額を投じることが出来るようになりました。
今でも、前述の学習塾には働きに行っていますが、もう、昔のような無理はしないことにしています。
受け持ち授業数も、1日の間に無理なくこなせる程度に留めさせてもらい、自分が学生時代に得意としていた科目以外の授業は、基本的に断らせてもらうようにしています。
また、大量の授業をこなすことになる長期休暇中の講習(朝から授業が開始されるため、フルで入っている講師の場合は、1日で8コマ程度をこなすことになります)も、体調や家庭の事情を理由に、受け持ちを辞退しています。
結局のところ、「親の介護が…」というと、さすがに教室側も、無理は言えない様子です。
社畜卒業の第一歩、ソーシャルレンディング投資とは
ここからは、私が社畜を脱する第一歩の助けとなってくれた、ソーシャルレンディング投資について、簡単にご紹介していきます。
ソーシャルレンディング投資の仕組み
ソーシャルレンディング投資の仕組みを簡単に表現すると、要は、貸金業者(ソーシャルレンディング事業者)の募集するファンドに対して小口出資し、その後、ソーシャルレンディング事業者からの分配金(そして、元本償還)を待つ、という、極めてパッシブな、受け身タイプの投資手法になります。
ソーシャルレンディング投資におけるステークホルダーとなる、
- ソーシャルレンディング事業者
- 借り手企業
- 投資家
の立ち回りとしては、主に下記のようになります。
ソーシャルレンディング事業者
元々、貸金業の登録を受けて、資金需要者に対する融資事業を展開していた企業が、別途、金融商品取引業(基本的に、第二種金融商品取引業)の登録を受けて、「ソーシャルレンディング事業者」となるルートが一般的です。
自身のホームページ上に、ファンドに関する情報を掲載・公開して、個人投資家からの出資を募り(=金融商品取引業)、集まった資金を、外部の借り手企業に対して融資します(=貸金業)。
その後、借り手企業から、利息、及び元金の回収を行い、
- このうち、利息部分を元手に、投資家への「利益分配」を行い、
- 最終的には、元本部分を原資に、投資家への「元本償還」を行います。
これまで日本国内で営業をしてきたソーシャルレンディング事業者の中には、maneo(マネオ)やSBIソーシャルレンディング(SBIホールディングス傘下)、クラウドバンク、ラッキーバンクなどがありますが、中には、行政処分を受けて、その後、開店休業状態となっているようなソーシャルレンディング事業者も存在するため、実際の投資家登録にあたっては、慎重に事業者選びをする必要があります。
借り手企業
ソーシャルレンディング事業者から資金融資を受け、その資金を事業に活用し、最終的に、ソーシャルレンディング事業者に対して利息・元金の返済を行うのが、「借り手企業」の役割となります。
借り手企業の具体的な業容としては、主に下記のような物があります。
事業内容 | 資金使途 | 返済原資 |
不動産事業者 | 不動産取得費用や、リノベーション費用等 | 取得した不動産の売却代金 |
金融事業者 | 自身の顧客(借り手)への貸付原資を、ソーシャルレンディング事業者から調達 | 自身の借り手から回収した利息・元金を原資に、ソーシャルレンディング事業者への返済を実施 |
債権買取業者 | クライアントの保有する債権を買い取るための資金を、ソーシャルレンディング事業者から調達 | 債権を現金化(回収)し、その資金で、ソーシャルレンディング事業者への返済を実施 |
投資家
特定のソーシャルレンディング事業者に対して、あらかじめ、投資家登録を行ったうえで、各ソーシャルレンディング事業者のHPを閲覧し、任意のファンドへと出資。
この際投資家は、ソーシャルレンディング事業者との間で、匿名組合契約(投資家は、匿名組合員。ソーシャルレンディング事業者が、組合の営業者)を電磁的に締結します。
なお、ソーシャルレンディングへと投資している投資家は、基本的には個人投資家ですが、主に分配金への節税を目的に、法人名義で、ソーシャルレンディング事業者への投資家登録を行っているケースもあります。
なお、ソーシャルレンディングでいう「投資家」とは、一般的に、貸金業の登録を受けていない、一般個人・法人を想定しています。
日本国では、本来、貸金業の登録を有していない個人・法人が、借り手に対して、継続・反復的に、融資行為を行うことが、貸金業法で禁止されています。
ソーシャルレンディングの場合、
- 投資家自身が、借り手企業に対して融資を行うのではなく、
- 借り手への融資は、貸金業の登録を受けた「ソーシャルレンディング事業者」が主体となって行い、
- 投資家は、あくまでも、ソーシャルレンディング事業者の募集するファンドに対して、匿名組合出資をする、
という形態を採ることに拠って、貸金業法へと抵触してしまうリスクを排除しています。
社畜生活脱却にソーシャルレンディングを利用するメリット
まとまった投資資金が無くても、少額から投資を開始できる
社畜生活を1日でも早く抜け出すためには、まずは、何はともあれ、「第一歩」を踏み出すことが大切です。
投資の場合は、いわゆる「最低投資額」が、第一歩を踏み出す際のハードルとなるわけですが、ソーシャルレンディングの場合、
- どのサイトも、概ね、1万円程度の少額から、各ファンドに出資できますし、
- 中には、「1円から投資できる」という点をウリにしているソーシャルレンディング事業者もあります。
このように「少額から投資が出来る」という点は、まとまった投資用資金を用意することが難しい人(=社畜だったころの私が典型例)にとっては、大きなメリットと言えます。
手続きはオンラインで完結、運用中の手間暇も不要
ソーシャルレンディングの場合、
- 各ソーシャルレンディング事業者への投資家登録(投資用口座の開設)や、
- 出資する具体的なファンド選び、
- 実際の出資手続きに至るまで、
投資家に関する、ほぼすべての手続きが、インターネット経由で完結します。
また、ファンドの実際の運用業務(=借り手企業への貸付や、そのモニタリング、回収作業等)は、全て、匿名組合の営業者にあたるソーシャルレンディング事業者が行いますから、我々投資家においては、ファンドの運用期間中、特にやらなければいけない作業はありません。
※むしろ、貸金業の登録を受けていない我々一般個人が、融資業務に関する諸作業に直接着手することは、貸金業法で禁止されています。
毎月分配型のソーシャルレンディング事業者もある
国内のソーシャルレンディング事業者の中には、その分配方針として、
- ファンドの運用終了の際に、元本と合わせて、利益分配を一括で行う、としている事業者と、
- 毎月(ないしは、四半期ごと、等)、定期的に、利益分配を行ったうえで、最終的に、元本部分は一括で償還する、という事業者が、
混在しています。
このうち、定期的に利益のみ分配を行うソーシャルレンディング事業者を活用しておけば、毎月、ないしは数ヶ月おきに、各事業者からの「分配金」という副収入を得ることが出来、収入源の多様化によって、「社畜脱出」が一歩、近づくこととなります。
下手すると社畜生活に逆戻り?ソーシャルレンディングのリスクとは
貸し倒れに伴い、大幅な元本割れを起こすリスクがある
前述の通り、ソーシャルレンディング事業者は、投資家から募った資金を借り手企業に対して融資します。
そして、その後、借り手企業から元利金の返済を受け、
- 回収に成功した「利息部分」を元手に、投資家への利益分配を行い、
- 最終的に回収できた「元金」部分を元手に、元本償還を行います。
このため、仮に、借り手企業からの元利金回収に、遅延が生じた場合、ソーシャルレンディング事業者から投資家への利益分配・元本償還にも、遅れが生じてしまうこととなります。
万が一、ソーシャルレンディング事業者が借り手企業に対して保有する貸付債権が、デフォルト(貸し倒れ)となってしまった場合、ソーシャルレンディング事業者は、投資家に対する元本償還原資を確保できませんから、結果的に、投資家の出資元本についても、大幅に毀損(元本割れ)してしまうこととなります。
最悪の場合は、出資した元本全額を失うリスクもありますから、実際の出資是非の判断においては、慎重な検討が必要です。
出資の中途解約が出来ず、出資持分の現金化もままならない
ソーシャルレンディングの場合、一旦、特定のファンドに対して出資すると、その後、ファンドが償還を迎えるまでの間、出資の中途解約は、原則として、出来ません。
また、ソーシャルレンディング・ファンドへの出資持分には、株式市場や証券市場のような、いわゆる「マーケット(=市場)」が存在しません。
このため、投資家が保有している出資持分を、別の投資家(第三者)に対して売却しようにも、ままなりません。
入金手数料・出金手数料などがかかり、投資元本によっては「手数料負け」の可能性も
ソーシャルレンディングへと投資する場合、
- 出資金を、ソーシャルレンディング事業者に対して送金する際の、「振込手数料」や、
- ソーシャルレンディング事業者のデポジット口座内に貯まった分配金(及び元金)を出金する時の「出金手数料」等、
様々な名目で、ソーシャルレンディング事業者への手数料が生じることとなります。
特に、各ファンドへの出資元本が少額である場合、年率で数パーセントの分配金利回りを得たとしても、最終的な損益が「手数料負け」してしまうリスクがあるため、注意が必要です。
本記事は、寄稿者の個人的な体験談・見解であり、その内容は、当ラボ・当サイトの公式見解と異なる場合があります。
また、本記事は、読者様への情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品(ファンド等含む)への投資勧誘を目的としたものではありません。
個別のソーシャルレンディング事業者・クラウドファンディング業者における投資口座開設や、実際の投資是非に係るご判断につきましては、必ず、読者様ご自身にて、為さって頂きますよう、お願い致します。
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