ソーシャルレンディングで、総予算200万円を【50万円ずつ】投資するなら、どうするか。
個人投資家Y.K氏。
2018年初旬からソーシャルレンディング投資を始め、約1年ほどが経過。
合計20社以上のソーシャルレンディング事業者に投資口座を開設し、累計投資額は500万円前後。
30代男性会社員・首都圏在住。
目次
大手企業の年末賞与+夏季賞与合計は、約200万円。
日本経団連の発表によると、大手企業(原則として東証1部上場、従業員500人以上)の賞与・一時金(ボーナス)の妥結結果は、
上掲のとおりであり、その結果を単純に合算すると、年間で、約200万円となります。
今回は、そんな200万円を、今の私が、全額、ソーシャルレンディング投資に回すとしたら、
- どのソーシャルレンディング事業者の、
- どのファンドに、
どのような内訳で、資金を分散するかな、というのを、考えてみたいと思います。
なお、申し上げるまでもございませんが、あくまでも、私の個人的な私見であり、投資の利益等について、保証等を致すものでは、決して、ございませんので、悪しからず、ご了知下さい。
「50万円ずつ分散投資するとしたら、どこにするか…」私なら、各ソーシャルレンディング事業者に、200万円をこう分ける。
200万円のうち、100万円は、SBIソーシャルレンディングに(50万円ずつ、2ファンドに分散)。
私なら、全200万円のうち、半分にあたる、100万円を、SBIソーシャルレンディングのファンドに出資します。
具体的なファンドの内訳としては、概ね、下記のようにすると思います。
①100万円のうち、50万円は、SBIソーシャルレンディングの常設型ファンド「不動産担保ローン事業者ファンド」に。
SBIソーシャルレンディングの常設型ファンド「SBISL不動産担保ローン事業者ファンド」は、2012年9月の第1号ファンド組成以来、既に150本以上のファンド組成実績のある、SBIソーシャルレンディングの中でも比較的人気の高い、シリーズ型ファンドです。
このうち、120本以上のファンドは、既に満期償還を終えており、満期償還済みファンド全件において、延滞中ゼロ・デフォルトゼロ、という状況です。
利回りについては、2.5パーセント~5.0パーセントの範囲内、ということで、ソーシャルレンディング事業者の組成するファンドの中では、いささか保守的な部類に入りますが、その分、不動産担保に抵当権が設定された貸付債権に、質権(担保権)を設定するなど、保全効能に重点が置かれています。
何といっても、常設型(=原則、いつでも恒常的に、出資が出来る)である点は、便利です。
個人的にも幾度か出資したことのあるファンドシリーズですので、まずは、全200万円のうち、50万円を、とりあえず、本ファンドシリーズへと出資すると思います。
②SBIソーシャルレンディングへの100万円のうち、残りの50万円は、「不動産担保ローン事業者ファンドPlus」シリーズへ。
SBIソーシャルレンディングの「SBISL不動産担保ローン事業者ファンドPlus」シリーズは、同社が時折、臨時で組成・公開してくるファンドで、
- 資金の借り手自体は、上掲の「SBISL不動産担保ローン事業者ファンド」と同様だが、
- 「SBISL不動産担保ローン事業者ファンド」の借り手事業者において、特に、資金需要が大きい時に、臨時組成されるファンドであり、
- その分、「SBISL不動産担保ローン事業者ファンド」と比べて、利回りが高い(=6.5パーセント前後のことが多いようです)。
という傾向があります。
これまでに最新25号まで組成実績があり、そのうち14号までは満期償還済み(延滞中ゼロ・デフォルトゼロ)、運用中の15号以降についても、本日現在、延滞中ゼロ・デフォルトゼロ、という状況です。
常設型の「SBISL不動産担保ローン事業者ファンド」と違い、あくまでも、臨時組成ファンドですので、組成・公開のタイミングを見ながら、10万円程度ずつ、複数回に分けて、出資を行うことを検討すると思います。
200万円のうち、50万円は、不動産担保付きソーシャルレンディング大手、OwnersBookのデポジット口座に。
前掲のSBIソーシャルレンディングに100万円を出資する関係で、全200万円のうち、残りはあと100万円ですね。
私であれば、そのうち50万円は、東証マザーズ上場企業「ロードスターキャピタル株式会社」の運営するソーシャルレンディングサービス「OwnersBook」の、デポジット口座(預託金口座)に、とりあえず、送金しておくことにすると思います。
OwnersBook(オーナーズブック)は、ファンド公開時のクリック合戦が激しい。
上場企業が運営する、国内不動産担保付きのソーシャルレンディングファンド、ということで、OwnersBook(オーナーズブック)の人気ぶりは、非常に高いものがあります。
OwnersBook(オーナーズブック)の場合、新規ファンドは、だいたい、数週間に1本、程度のペースで組成・公開されることが多いのですが、同サービスにてファンドが公開される際には、出資申込を行う投資家のアクセス・クリックが集中し、いわゆる「クリック合戦」が繰り広げられることとなります。
また、OwnersBook(オーナーズブック)の場合、その他の多くのソーシャルレンディング事業者と同様、本日現在、「預託金口座制度」(=デポジット口座制度)を採用しています。
すなわち、同社のファンドに対して出資を行いたい場合、出資申込の前に、予め、出資金相当額を、同社指定の預託金口座(デポジット口座)へと、送金・預入しておく必要があるのです。
数週間に一度(※あくまでも目安です)の、せっかくの出資機会に、「デポジット口座に預託金を入れ忘れていた」では、目も当てられません。
というわけで、私であれば、ソーシャルレンディング投資用資金総額200万円のうち、50万円は、あらかじめ、OwnersBook(オーナーズブック)のデポジット口座へと送金しておくようにすると思います。
実際のファンド選びでは、シニアローン案件優先。
OwnersBook(オーナーズブック)においては、
- 借り手事業者所有の不動産に、第一順位抵当権が設定される、シニアローン案件と、
- 第二順位抵当権が設定される、メザニンローン案件が、
組成・公開されています。
万が一、借り手事業者からOwnersBook(オーナーズブック)への元利金返済に、遅延が生じた場合、OwnersBook(オーナーズブック)が、れっきとした第一順位抵当権者として、担保物不動産に関連して、最優先で債権回収を実行することが出来るのは、当然、前者(シニアローン案件)となります。
メザニンローン案件のほうが、少しばかり、期待利回りが高いケースが少なくないのですが、私の場合、個人的には、上掲のような事情を考慮し、シニアローン案件に集中して、投資を検討したいと思います。
その他、「LTV(掛け目)は妥当だろうか」「評価額が妥当だろうか」等々、いくつか精査のポイントがあるのですが、そのあたりを慎重に考慮したうえで、OwnersBook(オーナーズブック)指定のデポジット口座に預け入れ済みの50万円から、適宜、3~5個程度のファンドに資金を分散したうえで、出資を行うだろうと思います。
最後の50万円は、国際分散投資型ソーシャルレンディング大手、クラウドクレジットに。
SBIソーシャルレンディングに100万円、OwnersBook(オーナーズブック)に50万円。
そして、残りの50万円は、私であれば、クラウクレジットのファンドへと出資します。
出資するファンドは、「東欧金融事業者支援ファンド」の「為替ヘッジ付」。
クラウクレジットの場合、日頃から、新規案件も含め、多数のファンドが、資金募集を行っています。
しかしながら、私が個人的に出資を行うとすれば、そのファンドは、
- 同社の「東欧金融事業者支援ファンド」シリーズのうち、
- 「為替ヘッジ付」のもの。
- 出資期間については、短めの物。
上記を選択するものと思います。
クラウクレジットの場合、各ファンドシリーズの満期償還成績は、オンライン公開されていますが、これを確認すると、
- 「東欧金融事業者支援ファンド」シリーズのうち、「為替ヘッジ付」のものに限って言えば、本日時点に至るまで、比較的順調な運行・償還が為されている。
- ただし、「東欧金融事業者支援ファンド」シリーズのうち、「為替ヘッジ無」のものについては、為替変動の状況によっては、(※現地通貨建ての運用は、順調であったとしても、)「円建て」に戻したときの最終損益が、マイナスとなってしまっているケースも散見される。
上掲の状況が分かります。
実際問題として、「為替ヘッジ無」タイプのファンドの場合、為替の動向によっては、むしろ「為替ヘッジ有り」タイプを大きく凌駕する満期償還(円建て)を果たしているケースもあるのですが、私たち個人投資家の立場から、為替の先行きを正確に予測することは、極めて困難です。
このため、私個人としては、為替差益の機会を逸失したとしても、為替差損のリスクをヘッジしたい、という考えのほうが、優先します。
利回りは高いが、純然たる無担保・無保証型ファンドであることに注意。
200万円のうち、100万円を出資する、SBIソーシャルレンディングのファンドや、残り100万円のうち、50万円を出資する、OwnersBook(オーナーズブック)のファンドと違い、クラウクレジットのファンドは(※少なくとも、上掲の、東欧金融事業者支援ファンドシリーズに関しては)、純然たる、無担保・無保証型ファンドです。
万が一、借り手事業者からの元利金返済が滞った場合、クラウクレジットとしては、懸命に、債権回収に励んでくれるのでしょうが、実際問題として、借り手事業者の動向によっては、大幅な元本棄損の可能性は、否めないものと、個人的に考えています。
全200万円を、ひとつの「ソーシャルレンディングポートフォリオ」と考えるのであれば、この、クラウクレジットに出資する50万円は、完全に、「高リスク・高リターン」領域となります。
その余の個人的な資産状況を鑑み、できるだけコンサーバティブな運用を心掛けたい、という心境の場合は、クラウクレジットへと振り分ける資金はもう少し減額し、その分、SBIソーシャルレンディング等への配分を増やすことを、検討するかもしれません。
上記のように、総予算200万円を50万円ずつ、ソーシャルレンディング各社のファンドに分散した場合、全体的な期待利回りは…
- SBIソーシャルレンディングの、「SBISL不動産担保ローン事業者ファンド」の期待利回り:
約4パーセント前後。 - SBIソーシャルレンディングの、「SBISL不動産担保ローン事業者ファンドPlus」の期待利回り:
約6.5パーセント前後。 - オーナーズブック(OwnersBook)の、シニアローン案件の期待利回り:
約5パーセント前後。 - クラウクレジットの、「東欧金融事業者支援ファンド 為替ヘッジ付」の期待利回り:
約6.5パーセント
200万円のうち、振り分ける資金額によって、多少の加重を行うとすれば、総じて、約5パーセント前後の期待利回り(年利換算)となりましょう。
「年利10パーセント!」等と高利を謳うソーシャルレンディング事業者・ファンドも少なくない中、いささか、面白みに欠けるにポートフォリオ構成と、映ってしまうかもしれません。
しかし、不用意に、保全効能や償還実績に乏しいファンドに手を出して、手痛いダメージを受けるよりは、このくらいのコンサーバティブな運用とした方が、大切な投資元本(200万円)を守りながら少しずつ殖やしていく、という観点からは、妥当といえるのではなかろうか、と、個人的には、考えております。
※上記計算においては、税金は考慮されておりません。
実際には、所得税等を支払う必要がありますから、税引き後の利回りは、上掲したものよりも低下することとなります。
「ソーシャルレンディングで総予算200万円を50万円ずつ分散投資するなら、どこにするか」検証のまとめ
大手企業の年間ボーナス額の平均が、約200万円、というデータに触れ、
「もしも私が、その200万円を、全額、ソーシャルレンディングに投資するとしたら…。そして、それを50万円ずつ、各社のファンドに分散するとしたら…」と仮定し、私の考えを綴らせて頂いた、本稿。
拙い内容で、大変恐縮ではございますが、ひとつの読み物として、楽しんでいただけたのであれば、何よりです。
※尚、冒頭でも述べました通り、本記事にて述べました内容は、あくまでも、私の個人的な私見であり、投資の利益等について、保証等を致すものでは、決して、ございません。
悪しからず、ご了知下さい。
それでは、本稿は、以上とさせて頂き、読者の皆様の、より良い投資ライフ実現を祈念しつつ、拙筆を置かせて頂きます。
失礼致します。
※本記事は、寄稿者の個人的な体験談であり、その内容は、当ラボの公式見解と異なる場合があります。
また、本記事は、読者様への情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品(ファンド等含む)への投資勧誘を目的としたものではありません。
個別のソーシャルレンディング事業者における投資口座開設や、実際の投資是非に係るご判断につきましては、必ず、読者様ご自身にて、為さって頂きますよう、お願い致します。
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