クラウドバンクへのソーシャルレンディング投資で失敗を避けるための注意点&把握しておきたいリスク・デメリット
個人投資家Y.K氏。
2018年初旬からソーシャルレンディング投資を始め、約3年が経過。
合計20社以上のソーシャルレンディング事業者に投資口座を開設し、累計投資額は400万円以上。
30代男性会社員・首都圏在住。
目次
ソーシャルレンディング・サービス「クラウドバンク」とは
クラウドバンクは、日本クラウド証券株式会社が投資募集(金融商品取引法分野)を、そして、グループ会社のクラウドバンク・フィナンシャルサービス株式会が、融資先への貸付(貸金業法分野)を担うことで運営されている、ソーシャルレンディング・サービス。
2021年7月8日現在公開されている累計応募金額は、1,425億円強(このうち、償還済資金は1,132億円強)。2021年3月末までの1年間に運用終了したファンドの実績平均利回りは、6.80パーセント。2021年6月時点のクラウドバンクファンドからの融資回収率は100パーセント(いずれの数値も、クラウドバンク公式HPより引用)。投資家へと支払われた分配金総額は、39億円強にのぼる。
一般的なソーシャルレンディング事業者が登録を受けている「第二種」金融商品取引業よりも、資本要件等の厳しい(※)、「第一種」金融商品取引業の登録事業者(証券会社)が運営にあたっている点が特徴。
2019年3月には、横浜市と「地域まちづくり活動を対象としたクラウドファンディング活用支援事業の試行実施」に関する協定を締結。
2019年6月からは、女優の成海璃子さんを起用したテレビCMを放送開始したほか、同9月からは、テレビ東京の人気経済番組「Newsモーニングサテライト」および「未来世紀ジパング」の番組スポンサーをつとめる。
2019年12月からは、ゆうちょ銀行やみずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行などの大手銀行を含む金融機関を対象とした、振込手数料無料の即時入金サービスが提供開始となった。
2020年4月、英Financial Times社のアジア太平洋地域成長企業ランキングで、掲載500社中62位にランクイン。
同6月からは、個性派俳優として知られる荒川良々さんを起用した新テレビCM『未来の自分』編を放送開始した。
(※)クラウドバンクHPによれば、「第一種」金融商品取引業の登録要件と、「第二種」金融商品取引業の登録要件との相違としては、下記の通り。
- 資本金の額または出資の総額:
第二種が「1,000万円以上」であるところ、第一種は「5,000万円以上」。 - 純資産の額:
第二種については規制が無いのに対し、第一種は「5,000万円以上」。 - 「他に行う事業に対する規制」「主要株主に対する規制」「自己資本比率による規制」:
第二種はいずれも無規制であるのに対して、第一種は規制あり。
クラウドバンク概要(運営会社等)
サービス名 | クラウドバンク |
運営会社 | 日本クラウド証券株式会社 |
運営会社住所 | 東京都港区六本木七丁目15番7号 新六本木ビル 6F |
運営会社資本金 | 100,000,000円(平成31年3月31日現在) |
上場/非上場 | 非上場 |
運営会社グループ経営体制 | クラウドバンク株式会社 代表取締役 金田 創 日本クラウド証券株式会社 代表取締役 橋村 純 クラウドバンク株式会社 執行役員兼支配人 枝 潤 クラウドバンク株式会社 社外取締役 川戸 淳一郎 日本クラウド証券株式会社 取締役 内部管理統括責任者 土井 充 日本クラウド証券株式会社 取締役 田中 寛 日本クラウド証券株式会社 リードプログラマー 白石 洋平 日本クラウド証券株式会社 カスタマーディビジョン ディレクター 安達 哲也 日本クラウド証券株式会社 経営管理ディビジョン ディレクター 藤井 崇史 日本クラウド証券株式会社 CFO 高橋 洋一 クラウドバンク・フィナンシャルサービス株式会社 マネージャー 稲沢 佳樹 日本クラウド証券株式会社 セールスディビジョン ディレクター 神 恭平 クラウドバンク株式会社 監査役 日本クラウド証券株式会社 監査役 塩野 治夫 日本クラウド証券株式会社 社外取締役 喜多埜 裕明 |
グループ会社 | クラウドバンク株式会社(持株会社) クラウドバンク・フィナンシャルサービス株式会社(貸金業) |
許認可 |
第一種・第二種金融商品取引業:関東財務局長(金商)第115号 ※なお、貸金業許可については、クラウドバンク・フィナンシャルサービス社名義にて、東京都知事(2)第31567号 |
ファンドへの1口あたりの最低投資額 | 1万円 |
ファンドへの出資の中途解約 | 原則として不可 |
募集形態 | 先着方式募集 |
借り手の匿名化解除 | 投資家登録済ユーザーに向けて、借り手情報を公開 |
償還済ファンドの情報公開 | 償還を迎えたファンドの運用実績について、オンライン公開されている |
累計応募総額 | 1,425億円強 |
累計償還額 | 1,132億円強 |
分配金総額 | 39億円強 |
状態別ファンド数 |
|
サービス沿革 |
|
情報引用日:2021年7月8日
クラウドバンクのソーシャルレンディング投資の仕組み
- 投資家は、クラウドバンクのホームページから、投資家登録を行う。
- 投資家はその後、クラウドバンクが指定する預託金口座(デポジット口座)に、投資用資金を預託する。
- 投資家は、クラウドバンクがホームページ上で投資募集(※)するファンド情報を閲覧し、気に入ったファンドがあれば、当該ファンドに対し、投資申込を行う(投資は、デポジットしている投資用資金内で行う)。
- 投資申込が成立すると、クラウドバンク・フィナンシャルサービス株式会社(日本クラウド証券のグループ会社)と、投資家との間で、匿名組合契約が締結される(クラウドバンク・フィナンシャルサービス社が、匿名組合の「営業者」となり、投資家は「匿名組合員」となる)。
- クラウドバンク・フィナンシャルサービス社は、投資家から募った資金を、資金需要者に対して融資する。この際、クラウドバンク・フィナンシャルサービス社と融資先との間で、金銭消費貸借契約が締結される(クラウドバンク・フィナンシャルサービス社が貸し手、融資先が借り手)。
- 借り手は、クラウドバンク・フィナンシャルサービス社に対して、利息、並びに、元金の返済を行う。
- クラウドバンクは、投資家に対し、融資利息金を原資にして、利益分配を行う。また、最終的に回収した貸付元金を原資に、投資家への元本償還を行う。
(※)クラウドバンク(ソーシャルレンディング・サービス名)では、第一種金融商品取引業の登録を持つ、日本クラウド証券株式会社が、投資勧誘などの「金融商品取引法」分野業務を行い、グループ企業にあたるクラウドバンク・フィナンシャルサービス株式会社(貸金業の登録業者)が、融資先への貸付を行う、という2社体制で、運営されています。
参考:
【2021年7月最新版】ソーシャルレンディングおすすめ10社&危ない3社比較ランキング【投資初心者必見】
クラウドバンクによるソーシャルレンディング投資のメリット
投資家が、クラウドバンクを利用してソーシャルレンディング投資を行う場合、他の投資手法(不動産投資や、株式投資、FX投資等)や、他のソーシャルレンディング・サービス活用の場合と比較し、下記のようなメリットがあります。
貸金業プロジェクトへと、匿名組合出資によって、相乗り投資が出来る
日本国では、貸金業法の規制により、貸金業の登録を持たない法人・個人が、資金需要者への融資を「事業」として行うことは、禁止されています。
投資家としては、クラウドバンクが募集する、融資事業を目的としたファンドに対し、匿名組合出資をすることに拠って、実質的に、貸金業者の行う融資事業に対して、小口から、相乗り投資を行うことが可能となります。
少額から投資を行うことが出来る
普通、現物不動産投資等を行う場合、少なくとも数百万円から、多額の場合、数億円程度に及ぶ、高額な投資用資金が必要となります。
また、FX投資等の場合、大き過ぎるレバレッジを活用してトレードをすると、損失が証拠金を上回り、投資元本以上の損失が生じてしまうケースもあります。
その点、クラウドバンクへのソーシャルレンディング投資であれば、1口最低1万円という、少額から投資を行うことが出来、かつ、ファンドの運営に損失が生じたとしても、出資金を超える損失が生じることは有りません(損失は、最大の場合でも、出資金全額の毀損)。
毎月分配型が採用されている
クラウドバンクを始めとするソーシャルレンディング事業者は、融資先から回収した利息を元手にし、投資家に対し、各投資家の出資持分に応じた分配を実施します。
そして、その分配のスケジュールとしては、
- 「毎月分配」を予定しているソーシャルレンディング事業者もあれば、
- 分配・償還を、ファンド運用終了時に同時に行う、「満期一括分配」とするソーシャルレンディング事業者も、
存在します。
このうち、クラウドバンクは、「毎月分配」というシステムを採用しているため、投資家においては、ファンドに出資していれば、そのファンドの運用期間中、原則として毎月(※)、分配金を受け取ることが出来ます。
(※)「毎月分配」といっても、ファンドに対して出資をした当月から、分配金がもらえるわけではありませんから、注意が必要です。
クラウドバンクの場合、ファンドの実際の運用が開始されてから、2ヶ月~3か月後あたりに、初回分配が実施されるケースが一般的です。
ソーシャルレンディング・サービスの実績が豊富
クラウドバンクの、2021年7月8日時点で好評されている累計応募総額は、既に1,425億円強に達しています。
これは、国内ソーシャルレンディング業界最大手と言われてきた「SBIソーシャルレンディング」、及び、国内ソーシャルレンディング業界黎明期からサービス展開をしてきた「maneo(マネオ)」に続き、国内業界第三位の実績規模となります。
さらに、累計応募金額の8割弱に相当する1,132億円強が、既に投資家に対して償還済であり、クラウドバンクから投資家に対して利益分配された、累計での分配金総額は、39億円強に達しています。
2021年6月現在、クラウドバンク・ファンドからの融資回収率は、100パーセントを継続しており、こうしたソーシャルレンディング・サービスの運営実績は、投資家にとっても、一種の安心材料のひとつとなり得ましょう。
証券会社が直接運営するソーシャルレンディング・サービスである点
国内のソーシャルレンディング事業者の大半が、投資家からの出資募集のために必要な「金融商品取引業」の登録を、「第二種金融商品取引業」にて取得しています。
これは、上述のSBIソーシャルレンディングやmaneo(マネオ)の場合でも同様ですし、国内クラウドファンディング業界最大手「CAMPFIRE」の運営会社グループが展開しているソーシャルレンディング・サービス「CAMPFIRE Owners」の場合等でも、「第二種」金融商品取引業の登録で、ソーシャルレンディング・サービスが展開されています。
これに対し、クラウドバンクの場合、投資募集業務を担当する日本クラウド証券株式会社は、(第二種金融商品取引業よりも登録要件の厳しい)第一種金融商品取引業登録事業者、すなわち、証券会社です。
2021年7月現在、国内ソーシャルレンディング業界において、証券会社が直接運営しているソーシャルレンディング・サービスは、
- 本記事にて紹介している、クラウドバンク(日本クラウド証券株式会社)と、
- SAMURAI証券株式会社が運営する、「SAMURAI FUND」のみ、
という状況です。
ファンドの投資対象プロジェクトの種類が豊富
クラウドバンクでは、融資先が関与するプロジェクトの種類が豊富であり、これまでに募集された全4401ファンド(※2021年7月8日時点)の内訳としては、下記のようになっています。
- 太陽光発電関係ファンド:2304件
- 風力発電関係ファンド:170件
- バイオマス発電関係ファンド:258件
- 水力発電関係ファンド:30件
- 建設・不動産事業関係ファンド:1245件
- 物流施設・サービス関係ファンド:4件
- 医療・ヘルスケア関係ファンド:3件
- 金融・マイクロファイナンス関係ファンド:178件
- その他:209件
国外向けの案件や、外貨建てで投資できるファンドもある
クラウドバンクの場合、様々な国・地域を最終的な投資対象とするファンドが組成されており、上記同様、全4401ファンドの内訳としては、
- 日本国内向けファンド:3483件
- 北米(カナダ・アメリカ合衆国)向けファンド:827件
- アジア・オセアニア地域向け(香港や、オーストラリアなど)ファンド:87件
- アフリカ・中南米・その他地域向けファンド:4件
となっています。
このように、国外向け案件・ファンドも安定的に募集されているほか、「日本円建て」「アメリカドル建て」など、様々な通貨建てで投資を行えるファンドが提供されている点も、投資家にとってはメリットと言えます。
クラウドバンクへのソーシャルレンディング投資で失敗を避けるために知っておきたい、投資のデメリット・リスク
上記のように、様々なメリットがある、クラウドバンクを通したソーシャルレンディング投資ですが、複数の利点の反面、様々なリスク・デメリットも存在します。
クラウドバンクへの投資にあたり、致命的な失敗を避けるために、下記のような、投資上のリスク・デメリットを、あらかじめしっかりと把握しておくことが肝要です。
元本割れのリスクを把握しておく
クラウドバンクとしては、融資先から回収した貸付元金を元手にして、投資家に対する元本償還を実施します。
このため、融資先からクラウドバンクへの元利金返済に遅延が生じた場合、クラウドバンクから投資家への分配・償還にも、遅れが生じることとなるほか、クラウドバンクが、貸付債権全額の回収を行うことが出来なかった場合(=融資債権がデフォルト・貸し倒れとなった場合)、投資家の出資元本についても、毀損が生じる(=元本割れが生じる)こととなります。
ファンドが早期償還となるケースがある
融資先が、クラウドバンクに対し、借入債務の繰り上げ返済を行った場合、当該融資先への貸付を行う既存ファンドについても、早期償還となるケースがあります。
ファンドが早期償還となる場合、当該ファンドの運用期間自体が短縮されることとなるため、投資家においては、事前に想定していた分配金総額が、受け取れなくなる(=分配金総額が小さくなる)可能性があります。
クラウドバンクは過去に行政処分を受けている
クラウドバンクの(金融商品取引法分野の)運営会社にあたる、日本クラウド証券株式会社は、過去、監督官庁である関東財務局から、2度に渡り、行政処分を受けています。
- 2015年7月:
業務停止命令(業務内容によって、2ヶ月~3か月)、及び、業務改善命令 - 2017年6月:
業務改善命令
行政処分を受けたと言えども、ソーシャルレンディング事業自体は、2021年に至るまで、順調に継続されているほか、2017年の2度目の行政処分以降は、新たな行政処分は受けていませんが、クラウドバンクの募集ファンドへの投資を検討するのであれば、一(いち)事実として、運営会社が行政処分を受けた過去については、了知しておくべきでしょう。
税務上のデメリット
クラウドバンクをはじめ、各ソーシャルレンディング事業者から、投資家のもとへ送金・振込される「分配金」は、現行の所得税法下では「雑所得」に該当し、総合課税制度の対象とされています。
上場企業株式投資等ではお馴染みの「申告分離課税制度」は利用できないほか、実物不動産投資等では一般的な「(他の所得分野との)損益通算」や「(相殺しきれなかった損失の)繰越控除」などといった仕組みは、ソーシャルレンディング投資に対しては、活用が認められていません。
銀行からの融資金等を活用した「レバレッジ投資」は出来ない
アパート経営やマンション投資等の現物不動産投資では、投資家の自己資金に、銀行等からの融資金(アパートローン等)を足し合わせて、投資資金を大きくする「レバレッジ」(てこの原理)を利用することが一般的です。
また、(いささか投機的な手法となりますが)FX投資の場合、証拠金の25倍まで、取り扱い通貨高を大きく出来る、「レバレッジ取引」の仕組みが整備されていますし、株式投資の場合でも、(証券会社所定の条件を満たせば)株の「信用取引き」という仕組みがあります。
これに対し、クラウドバンク等のソーシャルレンディング投資の場合は、上述のような「レバレッジ」を活用したトレードは、一切、認められていません(=ソーシャルレンディング事業者側が、レバレッジ機能を提供することもないし、銀行等が、ソーシャルレンディング投資のための資金融資を行うことも、原則、無い)。
このため、短期的に大きな利益を上げることを目的としている投資家にとっては、クラウドバンク(及び、その他のソーシャルレンディング事業者のファンド)への投資は、不向き、と言えます。
出資から、実際の運用開始までの間に、時差(タイムラグ)がある
例えば、銀行預金であれば、銀行に資金を預け入れたその日から、利息計算の対象となる場合があります。
しかし、クラウドバンクを始めとするソーシャルレンディング投資の場合、
- 投資家の手元を、投資用資金が離れる日(=投資家が出資申込を行う日)から、
- 実際に、その資金を元手としたファンドの運用が開始されるまでの間に、
ある程度の日数分の、「時差」(タイムラグ)があることが一般的です。
例えば、クラウドバンクにて募集されている、「米ドル建カリフォルニア不動産ローンファンド第549号」ファンドの場合、出資の募集期間は、「2021年7月8日から7月14日」とされていますが、ファンドの運用予定期間は、「2021年7月31日から、2022年9月30日まで」とされています。
例えば、投資家が、7月8日に、投資申込を行った場合、その資金が実際に運用開始されるまでには、3週間程度の待機期間がある、ということとなります。
クラウドバンクへのソーシャルレンディング投資で失敗を避けるためのポイント
上述してきたような、ソーシャルレンディング投資、及び、クラウドバンクへの投資に纏わる、様々なデメリット・リスクを把握したうえで、実際にクラウドバンクのファンドへと出資を行う場合、投資の最終的な失敗を避けるために、主に下記のような点に、十分な注意を払う必要があります。
ファンドの運用予定期間をチェックする
クラウドバンクを含む、ソーシャルレンディング投資の場合、一旦、特定のファンドへと出資すると、その後、当該ファンドが、最終的に満期償還を迎えるまでの間、出資の中途解約は、原則として、出来ません。
仮に、出資の中途解約を認めてしまえば、昨今のリーマンショックやコロナショックのように、大規模な経済・社会変動が生じた際、多量の投資家から、一斉に中途解約・返金申請が殺到し、ソーシャルレンディング事業者自身のキャッシュフローがショートしてしまうリスクがあるため、です。
クラウドバンクでこれまでに募集されたファンドの「予定運用期間」は、ファンド・案件によって、千差万別です。
ファンド名 | 予定運用期間 |
米ドル建カリフォルニア不動産ローンファンド第542号 | 6ヶ月 |
「円投資」カリフォルニア不動産ローンファンド第199号 | 22ヶ月 |
太陽光発電ファンド第2143号 | 5ヶ月 |
香港中小企業支援型ローンファンド第65号 | 20ヶ月 |
中小企業支援型ローンファンド第875号 | 14ヶ月 |
情報引用元:クラウドバンク
上記した5例だけでも、
- 運用予定期間が短いファンドの場合、5ヶ月、
- 逆に、運用予定期間が長いファンドの場合は、22ヶ月、と、
予定されている運用期間に、大きな開きがあることが分かります。
各投資家においては、「出資の中途解約は出来ない」という大原則に留意したうえで、自身の中長期的な資金計画に合わせ、実際に出資するファンドの運用期間を、念入りに検討する必要があります。
少額・分散投資を徹底する
クラウドバンクの各ファンドは、原則、1万円という少額から投資できるほか、基本的には、至極頻繁に、複数のファンドが、投資募集を行っています。
各ファンドへの出資手続きは、パソコン・スマートフォンなどを介し、オンラインで完結することが出来ますし、実際に出資手続き・操作も、さほど時間を取られるものではありません。
さらに、国内で事業展開しているソーシャルレンディング事業者の大半が、
- 投資家登録手続きを、インターネット経由で済ませることが出来るほか、
- 投資家登録・口座開設手数料や、口座管理手数料等について、「無料」としています。
投資家にとっては、少額からの分散投資を行いやすい環境が整っているわけなので、これは活用すべきです。
また、時折、インターネット上では、ソーシャルレンディング投資について、「ローリスク・ミドルリターン」等と表現しているケースが散見されますが、これには同意できません。
国内ソーシャルレンディング事業者の中には、ファンドの延滞・貸し倒れが頻発している事業者もありますし、ソーシャルレンディング事業者自身の、不正リスク・行政処分リスク等に対しても、留意が必要です。
こうした事情を考えれば、ソーシャルレンディング投資は、決して、「ローリスク」な投資手法ではありません。
ファンド・案件別の分散投資や、複数のソーシャルレンディング事業者を活用した投資資金の分散、等も、勿論、大切なことですが、自身の投資ポートフォリオ全体で、投資資金・投資分野を分散する、そして、ソーシャルレンディング投資については、あくまでも、ポートフォリオの中で「ミドルリスク~ハイリスクの投資資産・分野」として把握し、ポートフォリオ全体に占める割合を、ある程度小規模なものに留めておくことが、肝要です。
クラウドバンクの場合、投資用資金は、事前にデポジットが必要
クラウドバンクの募集ファンドへと投資を行う場合、投資申込に先立ち、クラウドバンクの指定する預託金口座(デポジット口座)に、投資用資金を預託しておく必要があります。
デポジット資金がない状態では、投資申込を行うことは出来ず、投資申込はあくまでも、デポジット資金の範囲内で行うこととなります。
ファンドへの投資にあたり、「デポジット資金の事前入金を忘れていた」等という失敗が無いよう、あらかじめ、注意をしておくことが必要です。
本記事は、読者様への情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品(ファンド等含む)への投資勧誘を目的としたものではありません。
個別のソーシャルレンディング事業者・クラウドファンディング業者における投資口座開設や、実際の投資是非に係るご判断につきましては、必ず、読者様ご自身にて、為さって頂きますよう、お願い致します。
また、税金・税務に関する事柄については、あらかじめ、読者様ご自身にて、管轄の税務署、及び、税理士・公認会計士等の、税務専門家へと、ご相談下さい。
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