「ソーシャルレンディングに法人名義で投資したいのですが…」

頂戴したご質問

「ソーシャルレンディングを検討しています。
私自身は、所得税率がやや高い状態であり、妻も同様です。
ソーシャルレンディングの場合、申告分離課税の対象外だと見聞きしましたので、不動産投資のために設立した、法人格の名義にて、投資を行うことを考えています。
個人名義でソーシャルレンディング投資を行う場合と比べ、何か留意点などはありますか。」
(40代・男性・ソーシャルレンディング投資歴:なし)

個人の所得税率によっては、法人名義でのソーシャルレンディング投資のほうが、有利となることも。

質問者様のご指摘の通り、ソーシャルレンディング投資収益については、雑所得として、総合課税の対象となることが原則です。
上場株式の譲渡益等の場合と異なり、申告分離課税が活用できない関係で、給与等の所得が既に多く、累進税率の影響で、高い所得税率を課されている方の場合、ソーシャルレンディング投資収益に対しても、高めの税率が課される事となる場合があります。

このため、個人格における所得税率・住民税額等と比し、法人税における実効税率のほうが、低い、という方の場合、

  • 個人格名義にて、ソーシャルレンディング投資を行うよりも、
  • 法人格名義で、ソーシャルレンディング投資を行ったほうが、

主に税務面において、有利となる場合があります。

法人口座を開設できるソーシャルレンディング事業者は多い

国内のソーシャルレンディング事業者の中には、法人名義での投資口座開設を「可」としているところが、多数、あります。
具体的には、下記のようなソーシャルレンディング事業者が、法人名義での投資口座開設を受け付けています。

SBIソーシャルレンディング



引用元:SBIソーシャルレンディング「法人名義で投資家登録することはできますか?」https://www.sbi-sociallending.jp/faq

SBIグループ傘下、SBIソーシャルレンディング株式会社が運営するソーシャルレンディング、SBIソーシャルレンディングの場合、法人名義での投資家登録を受け付けている旨が、FAQページにて明記されています。

SBIソーシャルレンディング(※公式サイト)

クラウドクレジット



引用元:クラウドクレジット「法人からの投資は受け付けていますか?また法人口座の開設には何が必要ですか。」https://faq.crowdcredit.jp/faq/detail?site=LO35YZCC&category=2&id=82

海外向け案件を多数取り扱っていることで知られるクラウドクレジットの場合も、法人口座での投資家登録を受け付けています。

クラウドクレジット(※公式サイト)

オーナーズブック



引用元:オーナーズブック「法人口座の登録手続き方法を教えてください。」https://www.ownersbook.jp/spweb/faq/detail/107/

東証マザーズ上場企業「ロードスターキャピタル株式会社」が運営するソーシャルレンディングサービスとして知られる「オーナーズブック」の場合も、法人格での投資口座開設を受け付けています。

OwnersBook(※公式サイト)

Funds



引用元:Funds「法人名義で口座開設をすることはできますか」https://funds.jp/faq/detail/openaccount-08

1円から出資できるソーシャルレンディングサービスとして話題を呼んでいる「Funds」の場合も、法人名義での投資家登録を受け付けています。

Funds(※公式サイト)

Pocket Funding



引用元:Pocket Funding「法人口座:口座開設の流れについて教えてください。」https://pocket-funding.jp/posts/faq

沖縄発のソーシャルレンディング事業者として知られるPocket Funding(ポケットファンディング)でも、法人口座の開設が可能です。

PocketFunding(※公式サイト)

CREAL



引用元:CREAL「法人でも口座の開設は可能でしょうか?」https://creal.jp/faqs

株式会社ブリッジ・シー・キャピタルが運営する不動産投資クラウドファンディング「CREAL」の場合も、法人名義での口座開設を可能としています。

CREAL(※公式サイト)

LENDEX



引用元:LENDEX「口座開設の基準について【法人の場合】」https://lendex.jp/main/faq/ ※赤い囲み線は当サイト加筆。

不動産担保付ファンドで定評のあるLENDEXの場合も、法人口座の開設申請を受け付けています。

LENDEX(※公式サイト)

法人名義でソーシャルレンディング口座を開設する際の必要書類

法人名義で投資家登録を行う場合の必要提出書類は、ソーシャルレンディング事業者によって様々ですが、概ね、下記のような書類の提出を求められることが一般的です。

  • 法人登記簿謄本
    ※発行後〇カ月以内、等の定めが為されている場合がありますので、注意が必要です。
  • 法人印鑑証明書
    ※同上
  • 法人代表者の本人確認書類
    ※免許証のコピー等
  • 法人内の、取引担当者の、本人確認書類
    ※法人に勤務する人の中で、代表者とは別に、取引担当者を設置する場合、その取引担当者の本人確認書類が必要となる場合があります。
  • 法人名義の銀行口座関係書類
    ※具体的には、法人名義で開設・使用されている、銀行口座の、通帳や、キャッシュカードのコピーが求められることが多くあります。
  • 法人番号の指定通知書
    ※各法人に割り当てられている「法人番号」の決定通知書のコピー
  • 法人の実質的支配者に関する申告書
    ※法人の株主に関する情報等を記載する書類

法人名義でソーシャルレンディング投資を行う3つのメリット

法人格名義にてソーシャルレンディング投資を行う場合、個人格名義でソーシャルレンディング投資を行う場合と比し、下記のようなメリットが期待できる場合があります。

①法人向けの実効税率が適用される

個人格でソーシャルレンディング投資を行う場合、ソーシャルレンディング投資収益は、「雑所得」に該当し、課税制度としては「総合課税」の対象となります。
このため、給与所得等が多く、所得税率等が高い個人の方の場合、ソーシャルレンディング投資収益に関しても、給与所得等と合算され、高税率が課される事となります。

これに対し、法人名義でソーシャルレンディング投資を行う場合、ソーシャルレンディング投資収益も、当然、法人の所得となるため、適用税率としては、法人向けの実効税率となります。
国税と地方税を合わせた、法人の実効税率は、概ね、30パーセント前後とされていますが、国の方針としては、これの引き下げに意欲的です。



引用元:財務省「法人課税」https://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei16_pdf/01.pdf

高い累進税率を課されている個人の方の場合、もしも、自身の実効税率と比し、法人向けの実効税率のほうが、低い場合、法人名義でソーシャルレンディング投資を行うことによって、低い税率という税務メリットを享受出来る場合があります。

②損失の繰り越し

個人名義でソーシャルレンディング投資を行い、損失が発生した場合、この損失を、翌年以降に繰り越すことは、原則として、出来ません。
これに対し、青色申告の承認を得た法人格名義にてソーシャルレンディング投資を行い、同じように、損失が発生した場合、その損失を、翌期以降に繰り越すことが出来る場合があります。

※ソーシャルレンディング投資における損失の繰り越しについては、こちらの別コンテンツもご参照下さい。

「ソーシャルレンディングの損失は、繰越できますか」|ソーシャルレンディング・ラボ

③損益の通算

個人でソーシャルレンディング投資を行う場合、ソーシャルレンディング投資によって発生した損益の、他損益との通算は、その対象が限定されます。
反面、法人でソーシャルレンディング投資を行う場合、比較的容易に、法人の他損益との通算を行うことが可能となります。

※ソーシャルレンディング投資の損益に係る損益通算については、こちらの別コンテンツもご参照下さい。

ソーシャルレンディングと損益通算|ソーシャルレンディング・ラボ

法人名義でソーシャルレンディング投資を行う場合の留意点

個人名義でのソーシャルレンディング投資と比べ、主に税務面にて、複数のメリットがある、法人名義を活用したソーシャルレンディング投資ではありますが、特にその費用面にて、複数の留意点があります。
法人名義でソーシャルレンディング投資を行う場合、個人名義で投資を行う場合と比し、下記のような追加費用が必要となることが想定されます。

  1. 法人の設立費用
    ※司法書士等に法人設立作業を委託する場合、合計で数十万円程度の初期費用が必要となる場合があります。
  2. 毎期の決算費用
    ※税理士・公認会計士等に決算関連業務を委託する場合、法人規模に応じて、数万円~の決算関連業務費用が必要となる場合があります。
  3. リアルオフィス・バーチャルオフィスの利用料
    ※賃貸物件にお住まいの場合、自宅を法人の本店として登記することが難しい場合があります。
    この場合、事務所物件を別途賃借するか、バーチャルオフィスを活用する、等といった手続き・追加費用が必要となります。

質問者様の場合は、既に、不動産投資用に設立されたプライベートカンパニーをお持ちとのことですが、もしも、これから新たに法人を設立する、という場合、

  • 享受が期待できる税務メリットと、
  • 法人設立・維持に必要な費用とを、

冷静に、天秤にかける必要があります。

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