ソーシャルレンディングの基礎知識

ソーシャルレンディングとは、

  • 「お金を借りたい」と考えている、企業等事業者と、
  • 「お金を投資したい」と考えている、投資家とを、

インターネットを介して、マッチングするサービスです。

投資家と、借り手企業(=資金需要者)との間には、「ソーシャルレンディング事業者」が、プラットフォームビジネスを展開しています。
現在、日本国内には、20社以上のソーシャルレンディング事業者が存在します。

※ソーシャルレンディングの概要詳細については、こちらをご参照下さい。

ソーシャルレンディングとは

※国内ソーシャルレンディング事業者の一覧紹介については、こちらをご参照下さい。

ソーシャルレンディング事業者一覧

国内ソーシャルレンディング事業者は、

  • デポジット制度(預託金制度、とも言います)を採用している事業者と、
  • デポジット制度を採用していない事業者に、

大別できます。

2019年5月8日現在、デポジット制度を採用しているソーシャルレンディング事業者としては、「クラウドクレジット」や「オーナーズブック」、「maneo」などが挙げられます。
これに対し、デポジット制度を採用していないソーシャルレンディング事業者としては、SBIソーシャルレンディングを挙げることが出来ます。

デポジット制度の採否によって、違いが現れる点としては、主に、下記の2つの時点となります。

  1. 出資申込時:
    デポジット制度を採用しているソーシャルレンディング事業者の場合、個別のファンドに出資申込を行う前に、当該ソーシャルレンディング事業者が指定するデポジット口座(=預託金口座)に、投資用の資金をデポジット(預入)しておく必要があります。
    出資申込は、あくまでも、デポジット口座の残高以内の金額のみ、執り行うことが出来ます。
    これに対し、デポジット制度を採用していないソーシャルレンディング事業者のファンドに、出資申込を行う場合、投資家は、まず第一に、当該ソーシャルレンディング事業者の個別ファンドに対し、出資申込を行います。
    その後、ソーシャルレンディング事業者が指定する期限までに、出資金相当額を、振込送金する、という手順となります。
  2. 分配金の受け取り時:
    デポジット制度採用事業者の場合、ソーシャルレンディング事業者からの分配金は、あくまでも、当該ソーシャルレンディング事業者の用意するデポジット口座に対し、送金される体裁となります。
    デポジット口座に送金された分配金を引き出すためには、「払い戻し」の手続きを行う必要があり、数百円程度の手数料が発生することが一般的です。
    これに対し、デポジット口座制度を採用していないソーシャルレンディング事業者の場合、分配金は、ソーシャルレンディング事業者から直接、投資家の銀行口座に対し、振込送金されてくる事となります。
    この際の振込手数料は、ソーシャルレンディング事業者が負担することが一般的です。

投資家が、ソーシャルレンディング事業者の組成しているファンドに、出資を行う場合、当該投資家は、ソーシャルレンディング事業者との間に、「匿名組合契約」を締結することとなります。
匿名組合契約の特性上、留意を要する点は複数ありますが、

  • 出資した資金は、出資後、匿名組合契約の営業者(ソーシャルレンディング事業者)の財産として取り扱われること。
  • ファンド(匿名組合)の事業に関し、その執行権は、営業者が単独で掌握すること。
  • 投資家は、利益の分配を求める権利と、ファンドの事業の状況に関する監視権を有するにとどまること。

上記数点には、特に注意が必要です。

また、当該匿名組合契約において、匿名組合の営業者たるソーシャルレンディング事業者は、匿名組合員たる投資家に対し、投資家の出資した元本の保証を行いません。
このため、投資家としては、ソーシャルレンディング投資において、出資した元本の元来割れリスクを許容する必要があります。

ソーシャルレンディングと匿名組合スキームの関係に係る詳細については、こちらの記事コンテンツもご参照下さい。

ソーシャルレンディングと匿名組合(ソーシャルレンディング・ラボ)

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投資家登録

正確には、各ソーシャルレンディング事業者へとご相談下さい。
しかしながら、各ソーシャルレンディング事業者の投資家登録要件として、「日本国内に居住している、20歳以上の成人」であることが求められるケースが一般的です。

このため、基本的には、海外在住の場合、日本国内のソーシャルレンディング事業者に投資家登録を行うことは、難しいものとお考え頂くことが妥当です。

投資家登録申請を行うにあたっての要件については、各ソーシャルレンディン事業者の定めをご確認頂く必要があります。
基本的には、

  • 20歳以上であること
  • 日本国内に居住していること

等が、最低限の要件として求められることが一般的です。

なお、ソーシャルレンディング事業者に対し、投資家登録申請を行った後、ソーシャルレンディング事業者側にて、登録審査が行われることが通常となります。
審査通過後、投資家登録が完了となります。

国内ソーシャルレンディング事業者の多くが、法人名義での投資家登録を受け付けています。
※法人名義での投資家登録にあたっては、個人名義での投資家登録とは異なる、本人確認資料(例:法人の登記簿謄本等)の提出を求められることが一般的です。

当ラボとして関知している限りにおいては、国内ソーシャルレンディング事業者の中で、投資家登録に際し、投資家から費用を徴求している事業者は、存在しません。
いずれのソーシャルレンディング事業者の場合も、投資家登録については、基本的に無料にて、受付を行っています。

投資家口座開設に必要な書類の委細については、各ソーシャルレンディン事業者のホームページ等をご参照頂くこととなりますが、一般的には、

  • 運転免許証などの本人確認資料
  • マイナンバーを確認できる資料

等が必要となるケースがあります。

なお、提出は、インターネット経由(≒本人確認資料等を、スマートフォンなどを用いて撮影し、画像データを、ソーシャルレンディング事業者指定のフォームからアップロード)で行うことが一般的です。

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ファンドへの出資

SBIソーシャルレンディングの組成ファンドの「ロールオーバー」については、こちらのコンテンツにて詳しく解説をさせて頂いております。
是非、ご覧になってみてください。

SBIソーシャルレンディングの「ロールオーバー」とは

匿名組合契約の、投資家側からの途中解約は、原則として、認められません。
このため、一旦、ファンドに出資してから、ファンドの運用期間中に、出資契約の途中解約を申し出たとしても、これがソーシャルレンディング事業者によって受理されることは、原則として、ありません。

ソーシャルレンディング事業者への投資家登録が完了しており、投資口座が開設されている状態であれば、その後は、個別ファンドへの出資申込において、新たな書類提出等を求められることは、一般的に、ありません。
オンラインでの出資申込手続きを完了することにより、匿名組合契約が締結されたものと見なされます。

1ファンドあたりの最低投資額は、ソーシャルレンディング事業者によって異なります。
また、同一のソーシャルレンディング事業者が組成しているファンドでも、ファンドによって、最低投資額が異なるケースもあります。

一般的には、「1ファンドあたりの最低投資額=1万円」と定めているソーシャルレンディング事業者が多い状況です。

不動産担保付のローンファンドへと出資する場合、いくつかの点を注視する必要があります。

  1. 担保掛け目:
    別名、LTV(Loan to Value)とも呼ばれます。
    貸付総額の、担保評価額に対する相対的な大きさを示します。
    例えば、評価額1億円の不動産に担保権が設定され、貸付総額が、7,000万円である場合、担保掛け目は、7割、となります。

    この「担保掛け目」が大きすぎるファンド(≒担保物となる不動産の評価額と比べて、貸付総額が、相対的に、大きい場合)は、注意が必要です。
    万が一、借り手企業からソーシャルレンディング事業者に対する元利金返済が遅延し、ソーシャルレンディング事業者が、担保権を行使し、物件売却を行う場合、従前の担保評価額と比較して、割安な価格での早期売却を強いられる可能性があるため、です。

  2. 担保権の順位:
    担保権が設定される不動産に、先順位の抵当権が既に設定されているのか、否か、についても、注意が必要です。
    万が一、借り手が期限の利益を喪失した場合(=期失)、ソーシャルレンディング事業者としては、債権回収に乗り出すこととなりますが、担保権が設定される不動産に係り、先順位の抵当権者が存在する場合、債権回収は、まず、第一順位抵当権者が、優先的に執り行うこととなります。
  3. 評価額の妥当性:
    担保権が設定される不動産の、「評価額」が、果たして、妥当かどうか、についても、注意が必要です。
    例えば、土地不動産に関して担保権が設定されるのであれば、当該土地周辺の路線価等を調査したうえで、評価額の妥当性について、出来得る限りの検証を行う必要があります。

国外の案件へと投資するソーシャルレンディングファンドにおいて、円建てファンドの場合、基本的には、為替ヘッジが付帯しており、投資家の負う為替リスクが軽減されるよう、構成されているケースが一般的です。
※委細については、必ず、各ファンドのリスク説明文書等をご参照下さい。

これに対し、外貨建てファンドの場合、貸付、運用、返済が、いずれも、外貨建て(例:米国ドル建て)にて行われる関係で、投資家が、為替リスクを許容する必要があります。
なお、為替動向によっては、外貨建てファンドのほうが、円建てファンドよりも、好成績を収める場合もあります。
(例:貸付実行日と比べ、返済実行日において、円安・外貨高となっていた場合等)

逆に、為替動向が、「円高・外貨安」方向へと推移した場合、外貨建てファンドにおいては、最終的な円建て投資損益が、マイナスとなる場合もあります。

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分配・償還

ファンドからの分配日・スケジュールについては、ソーシャルレンディング事業者、及び、各ファンドによって、まちまちです。
毎月分配型を敷いているソーシャルレンディング事業者もあれば、分配については、満期の一括、としているソーシャルレンディング事業者もあります。

ソーシャルレンディング事業者のデポジット口座から、投資家個人の銀行口座等に、資金を引き出す場合、「払い戻し手数料」が発生することが一般的です。
払い戻し手数料の具体的な金額は、ソーシャルレンディング事業者によってケースバイケースですが、基本的には、数百円程度の手数料負担を求められます。

ソーシャルレンディング事業者から資金融資を受けた、借り手企業が、元来の約定期限よりも早く、ソーシャルレンディング事業者に対し、元利金の返済を行う場合があります。
その場合、ソーシャルレンディング事業者は、速やかに、ファンドの事業を終了し、投資家に対し、予定期日よりも早く、資金の償還を行います。
これが、期限前償還です。

期限前償還が行われると、元来想定していた投資収益と比較し、実際の実現収益が小さくなる、というデメリットがありますが、反面、資金が早めに手元に返ってくることで、流動性上のアドバンテージや、資金保全上のメリットが発生することとなります。

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税金関係

一般的な確定申告(白色申告)を行う場合、ソーシャルレンディング投資で生じた損失を、翌年に繰り越すことは、出来ません。

ただし、

  • ソーシャルレンディング投資収益を、事業所得であるとして、青色申告している場合や、
  • ソーシャルレンディング投資を、個人格ではなく、法人格によって執り行っている場合、

損失の繰越が可能となる場合もあります。

※なお、ソーシャルレンディング投資収益を、事業所得であるとして、青色申告する場合、税務調査等によって、「”事業”と呼べるほどの規模ではない」として、青色申告内容を否認される場合があります。
また、法人格を使用してソーシャルレンディング投資を行う場合、法人設立費用や維持費用、決算業務委託費用といった、その他費用が生じることとなります。

ソーシャルレンディング投資の損失繰越については、こちらの別記事もご参照下さい。

「ソーシャルレンディングの損失は、繰越できますか」(ソーシャルレンディング・ラボ)

ソーシャルレンディング投資収益を、元来の雑所得ではなく、「事業所得」として青色申告することは、物理的には、可能です。
しかしながら、その後、税務調査等によって、青色申告内容を否認される恐れがあります。
その場合、追加納税等を行う必要性が生じる可能性があります。

※ソーシャルレンディング投資を「事業として」営んでいるものと、認められ得るほどの、規模であるか、といった点が、論点となります。

ソーシャルレンディング投資と青色申告の関連委細については、こちらの別記事もご参照下さい。

「ソーシャルレンディング収益は青色申告できますか」(ソーシャルレンディング・ラボ)

ソーシャルレンディング投資収益は、所得区分で言うと、「雑所得」に該当します。
現在、給与所得を得ているのみ、という方で、「これまで確定申告をしたことが無い」という方の場合でも、雑所得等の所得の合計額が、年間で20万円以上となる場合、確定申告が必要となります。

なお、ソーシャルレンディング投資収益(雑所得)に対する課税方式としては、「総合課税」の対象となります。
このため、給与等所得が多く、累進税率が高い方の場合、ソーシャルレンディング投資収益を確定申告することによって、追加納税が必要となる場合があります。
逆に、給与等所得が少なく、所得税率が低い方の場合、ソーシャルレンディング投資収益を確定申告することにより、所得税の還付等を受けることが可能となる場合があります。

※税法・申告等に関する委細に関しましては、税務署、及び、税理士等の税務専門家へと御確認下さい。

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ソーシャルレンディングのリスク

ソーシャルレンディング事業者は、投資家との間で締結する匿名組合契約において、投資家の出資する元本について、保証を行いません。
このため、ファンドの事業が不調に終わった場合、投資家の出資した元本については、棄損する恐れがあり、最悪の場合は、ゼロになる可能性があります。
これが、ソーシャルレンディング投資における、「元本割れ」リスクです。

ソーシャルレンディング事業者から各投資家への分配・償還の原資は、あくまでも、借り手企業がソーシャルレンディング事業者に対して返済した、元利金です。
このため、万が一、借り手企業からソーシャルレンディング事業者に対する元利金返済に、遅延が生じた場合、ソーシャルレンディング事業者から投資家への分配・償還にも、延滞が生じてしまうこととなります。
これが、ソーシャルレンディング投資における「延滞リスク」です。

ソーシャルレンディング事業者と投資家が締結することとなる、匿名組合契約の特性上、投資家(匿名組合契約における、匿名組合員)が出資した資金は、以後、ソーシャルレンディング事業者(匿名組合契約における、営業者)の財産として取り扱われることとなります。
※より正確には、ソーシャルレンディング事業者の貸借対照表(バランスシート)における、「預り金」負債項目勘定となります。

このため、万が一、ソーシャルレンディング事業者が経営破綻し、破産手続きへと移行した場合、投資家が預け入れている資金についても、棄損してしまう可能性があります。

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※ソーシャルレンディングの概要説明については、こちらをご参照下さい。

ソーシャルレンディングとは

※ソーシャルレンディングの始め方については、こちらから御確認下さい。

ソーシャルレンディングの始め方

※国内ソーシャルレンディング事業者一覧については、こちらから御確認下さい。

ソーシャルレンディング事業者一覧