【ソーシャルレンディングファンド分析】Ownersbook(オーナーズブック)「杉並区新築マンション第2号ファンド第1回」の場合。

寄稿者紹介

個人投資家Y.K氏。
2018年初旬からソーシャルレンディング投資を始め、約1年ほどが経過。
合計20社以上のソーシャルレンディング事業者に投資口座を開設し、累計投資額は400万円以上。
30代男性会社員・首都圏在住。

ソーシャルレンディング各社の過去ファンドを題材に、各社の特徴や、ファンドごとのリスク・リターンのバランス等を検証する本企画。
今回は、オーナーズブックが2018年に資金募集を行ったソーシャルレンディングファンド、「杉並区新築マンション第2号ファンド第1回」を題材に、読み解きを進めて参りましょう。

投資申し込み完了のエビデンス

今回検証対象となるソーシャルレンディングファンドについては、私も個人的に出資をしています。
Ownersbookのマイページより抜粋した投資履歴がこちらです。

Ownersbook(オーナーズブック)01

本ファンドの概要

ファンド詳細ページ(https://www.ownersbook.jp/project-detail/index/1086/)から確認した、本ファンドの概要は、下記の通りです。
※なお、310,100,000円(3億1010万円)の募集・貸付のうち、3億1,000万円を貸し付ける、案件1に関してのみ、詳説させて頂きます。

資金の借り手

「総合不動産会社Z」と表記があります。同社については、

  • 設立3年超の総合不動産会社であること。
  • 東京都中央区に所在している会社であること。
  • 不動産開発事業と、不動産仲介・コンサルティング事業を手掛けている事業者であること。
  • 過去3期にわたって経常利益を計上している事業者であること。

が明記されています。

貸付資金の総額

31,000万円(3億1,000万円)とのこと。

借り手の資金使途

総合不動産会社Zによるリファイナンス(借り換え)であることが明記されています。
※総合不動産会社Zが今回Ownersbookに対して担保として供する不動産物件を、そもそも総合不動産会社Zが開発(土地の取得・建物建設)した際に、総合不動産会社Zはその必要資金について、借入金から手当をしており、その負債を、今回Ownersbookから借り入れる資金によって、返済してしまう、という事です。

貸付・運用の期間

投資実行日が2018/03/08。
匿名組合の償還予定日は、ファンド組成時点においては、2019/04/20とされていました。
ただし、後述する通り、2018年9月で、早期償還、となっています。

担保について

総合不動産会社Z(本ファンドからの資金の借り手企業)は、Ownersbookに対し、総合不動産会社Zの所有に係る、地上5階建の建物1棟(賃貸マンション。2018年3月上旬に竣工予定)を、担保として供するとのこと。

担保物件のロケーション

東京都杉並区西荻南に位置しており、JR中央本線への好アクセスが望める場所、とのこと。

賃貸借の状況

2018年3月上旬に竣工予定、ということで、賃借人の募集はこれからです。
1階から5階までの全階層を住居として賃貸予定とのこと。

  • 19平方メートル程度のワンルームタイプ ×14戸
  • 22平方メートル程度のワンルームタイプ ×3戸
  • 33平方メートル程度の1LDタイプタイプ ×1戸

上記合計で18戸、とのこと。
また、外部不動産鑑定士による見立てで、新規の月額賃料(共益費込み)は、1坪あたり14,100円程度、とのこと。

物件の評価額

391,000,000円(3億9,100万円)とのことです。

抵当権設定の状況等

本物件への抵当権設定については、Ownersbookがシニアです。銀行などのシニアローンは付いていません。(というより、元来はそうしたシニアローンが付いていたものを、今回、借り換える、ということなのでしょう)
Ownersbook第一順位で、極度額 31,000万円(3億1,000万円)の根抵当権が設定されます。
評価額(上述の通り、3億9,100万円)に対して、79パーセントほどにあたります。

返済原資

これといって明記はありませんでした。
総合不動産会社Zとしては、本物件を早期に売却し、その売却代金をもってして、Ownersbookへの返済を行う計画かもしれませんし、
場合によっては、賃料からゆっくりと返済していく計画なのかもしれません。

わたしたち個人投資家の期待利回り

4.5%とのこと。

本ソーシャルレンディングファンドの資金募集達成度は

1,196人の投資家から出資を集め、満額募集を達成しています。

運用・返済状況は

繰上返済により、2018年9月、予定よりも早く償還となりました。

本ソーシャルレンディングファンドのポイント

出資往時、私が考えた、本ソーシャルレンディングファンドのポイントは、下記の通りです。
なお、あくまでも、私の個人的な見解です。

「現状稼働率ゼロパーセント」は、確かに、不安。

竣工前の物件ですから、当然、現状の賃借稼働率はゼロです。
杉並区ということで立地は素晴らしいですし、
プロの不動産事業者による計画ですから、ある程度の信頼度はあるのでしょうが、
ゼロは、ゼロです。
既にある程度の稼働率を出している物件が担保として供される場合と比べ、出資する立場からすると、やはり、多少の緊張感があります。

ただし、第一順位のシニアローンであり、かつ、評価額の8割程度、と、手堅い。

劣後するメザニンローンではなく、今回は第一順位のシニアローンです。この安心感はやはり大きい。
また、外部不動産鑑定士による評価額の8割弱(79パーセント)の貸付ですから、
【いざ】という時の担保権行使シーンを考えても、ある程度の安心感がある、と判断しました。

本ソーシャルレンディングファンド検証のまとめ

ソーシャルレンディング各社の過去ファンドを検証し、各社の特徴や、ソーシャルレンディングファンドごとの特色、そして、ファンド概要の読み解きのヒントを探る本シリーズ。
今回は、オーナーズブックのソーシャルレンディングファンド「杉並区新築マンション第2号ファンド第1回」を題材に、検証をさせて頂きました。

しつこいようで申し訳ありませんが、
本記事文中の表現は、いずれも、私のごく個人的な意見に過ぎません。
その点は、くれぐれも、ご承知おきください。

しかし、あくまでも、その限りにおいて、
少しでも、「これからソーシャルレンディング投資を始めてみよう」とお考えの読者様にとり、
ファンド概要の読み込みの具体例として、ご参考になさって頂ける内容と出来たのであれば、嬉しい限りです。

それでは、本記事はここまで。
また次回の記事にて、お会い致しましょう。

追伸:
ソーシャルレンディング各社をランキング形式で分析したこちらの過去記事もおすすめです。お時間ございましたら、是非、ご覧になってみてください。

大手ソーシャルレンディング会社を厳選ランキング。ファンドリターン&グローバル度&不動産担保設定状況、投資家登録数等々、複数の角度からソーシャルレンディング事業者を徹底検証。


本寄稿内容は、寄稿者の個人的な見解・体験・意見であり、その内容は、当ラボの公式見解と異なる場合があります。
また、本記事は、読者様への情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品(ファンド等含む)への投資勧誘を目的としたものではありません。
個別のソーシャルレンディング事業者における投資口座開設や、実際の投資是非に係るご判断につきましては、必ず、読者様ご自身にて、為さって頂きますよう、お願い致します。

Author Info

fill.media
fill.mediaの公式サイト。ソーシャルレンディング業界ニュースや、国内の各ソーシャルレンディング事業者に関する最新情報等、様々な投資関連情報を提供している。
公開済記事コンテンツは1,200件超、登録読者に向け無料にて発信しているニュース・メールの累計配信数は、8,000通を突破している。

メディア掲載歴(一部・順不同)
・朝日新聞デジタル&m
・財経新聞
・SankeiBiz
・RBBTODAY
・楽天Infoseekニュース
・excite.ニュース
・BIGLOBEニュース
・@nifty ビジネス
・Mapionニュース
・NewsPicks
・ビズハック
・MONEY ZONE
・Resemom
・SANSPO.COM
・Trend Times
・zakzak
・とれまがニュース
・徳島新聞