maneoにて、ソーシャルレンディングファンド「不動産担保付きローンファンド2031号」が公開されています。
個人投資家Y.K氏。
2018年初旬からソーシャルレンディング投資を始め、約1年ほどが経過。
合計20社以上のソーシャルレンディング事業者に投資口座を開設し、累計投資額は400万円以上。
30代男性会社員・首都圏在住。
本ソーシャルレンディングファンドの概要
同社のホームページから確認した、本ファンドの概要としては、下記の通りです。
なお、案件1、及び案件2のうち、資金の大半を融資する「案件1」のほうに関してのみ、下記、詳説をさせて頂きます。
本ソーシャルレンディングファンドの詳細情報ページのURL
こちらです。
↓
https://www.maneo.jp/apl/fund/detail?fund_id=6832
本ソーシャルレンディングファンドのスキーム図
引用元:https://www.maneo.jp/apl/fund/detail?fund_id=6832
資金の借り手
maneoにとっての直接的な債務者は、事業者Cです。
ただし、同社はmaneoの関連会社にあたりますので、本事業の実質的な債務者としては、事業者Cから資金を借り受ける、不動産事業者TTである、とみなすのが妥当でしょう。
貸付資金の総額
本ファンドからの貸付は、1千万円。
ただし、第1次から第15次までのシリーズファンドが組成され、合計では、1億8,000万円が融資される、とのこと。
借り手の資金使途
不動産事業者TTとしては、本件資金は、他の金融機関からの借り換え資金にあたる、とのこと。
貸付・運用の期間
貸付実行(予定)日は、2019年02月08日。
これに対して、返済完了(予定)日は、2020年02月28日。
約1年間の貸付・運用となります。
設定担保
不動産事業者TTが所有する、土地・建物2物件(互いに隣接)に、第1順位の根抵当権が設定される、とのこと。
返済原資
不動産事業者TTとしては、本件対象物件の売却により、事業者Cへの返済原資を確保する予定である、とのこと。
本ソーシャルレンディングファンドの期待利回り
5.5パーセント、とのこと。
本ソーシャルレンディングファンドの最低投資額
本ファンドは、3万円以上から、投資が可能です。
本ソーシャルレンディングファンドの検証ポイント
当ラボの考える、本ファンドのポイントは、下記の通りです。
なお、いずれも、当ラボの私的見解です。
実際の投資是非の判断においては、必ず、各投資家様それぞれ、皆様ご自身において、ご検討・ご判断を為さって頂きますよう、お願い致します。
LTVについて
貸付金(1億8,000万円)は、担保物評価額(2物件合計約2億2,000万円)に対し、81パーセント程度に相当します。
他のソーシャルレンディング事業者のファンド例等を勘案したとしても、
- 第一順位抵当権(※本ファンドの場合、正確には、根抵当権)案件で、
- LTV81パーセント、というのは、
至極オーソドックスな構成(=他例と比較しアグレッシブ、というほどでもなければ、コンサーバティブだ、と評価するほどでもない)だと言えるものと思料します。
利回りについて
LTV80パーセント前後の、第一順位(根)抵当権案件である限りにおいて、5.5パーセントという期待利回りについては、ある程度妥当(=他のソーシャルレンディング事業者のファンド例を俯瞰したとして、至極一般的な内容)であろうと、当ラボとして思料致します。
担保物評価額について
本件担保物(2物件。互いに隣接)は、東京都中央区に位置し、
- 土地面積は、2物件双方、約60平方メートル。
- 建物の延床面積は、物件1が約160平方メートル、物件2が約90平方メートル、とのこと
建物については、築年数や、構造に関する情報が、皆無であるため、価値の推定は不可能です。
※せめて、新築年月日と、構造(例:鉄筋コンクリート造)の情報があれば、税務上の耐用年数等を勘案し、最低限の試算が、できるのですが…。
価値の推定が不可能である以上、投資家立場から「安全第一」に試算をするためには、建物部分については、一旦、無価値、として試算をせざるを得ぬものと、当ラボとしては思料しております。
この場合、土地(2物件合計120平方メートル)だけで、約2億2,000万円という評価値について首肯できるか、という点を考慮する必要があります。
この場合、土地1平方メートルあたりの評価額は、2億2,000万円÷120平方メートル=183万円程度、となります。
国土交通省が提供する、「標準地・基準地検索システム」によると、調査年を最新調査年のみ、とした場合、東京都中央区の公示価格検索結果は、92件です。
↓
引用元:国土交通省「標準地・基準地検索システム」
このうち、1平方メートルあたりの公示価格が、180万円(1,800千円)以上の物は、58件です。
↓
引用元:国土交通省「標準地・基準地検索システム」
端的に言えば、調査年の全公示価格例のうち、60パーセント以上(58件÷92件≒0.63)が、1平方メートルあたり180万円以上である、と換言することも出来ます。
ただし、逆に申せば、1平方メートルあたりの公示価格が150万円に満たないケースも、29件、ございます。
↓
引用元:国土交通省「標準地・基準地検索システム」
これらの事情を勘案すると、担保物評価額に関しては、
- 東京都中央区という土地柄、たとえ、建物部分を全くの無価値だと勘案したとしても、公示価格データから類推すると、120平方メートルで2億2,000万円、との評価が、決して法外とは言えぬケースも、あり得る(=当然、土地の具体的な所在等による)。
- ただし、たとえ東京都中央区という一等地であったとしても、土地の具体的な所在地によっては、1平方メートルあたりの公示価格が150万円を切るケースも一定量見られるため、建物部分の評価上積みが類推不可である以上、その評価額の妥当性について、留意の要を否定することは出来ぬ。
といったところが、妥当な見方であろうと、思料します。
総論
LTVと利回りについては、至極オーソドックスな構成といえるものと、当ラボとして思料しております。
担保物評価額については、担保物に関する情報が限られているため、判然としません。
出資是非の判断においては、留意を怠らぬことが肝要と思料します。
本記事執筆現在の資金応募状況は
引用元:https://www.maneo.jp/apl/fund/detail?fund_id=6832
ファンドの公開から間もないこともあってか、本記事執筆現在、上掲のような状況です。
まとめ
記事中には、当ラボの私的見解が含まれておりますが、
あくまでも、その限りにおいて、
少しでも、「これからソーシャルレンディング投資を始めてみよう」とお考えの読者様にとり、ご参考になさって頂ける内容と出来たのであれば、幸甚です。
利回りや規模、初心者へのおすすめ度等、様々な視座からソーシャルレンディング各社をランキングした、こちらの過去記事も、是非ご参照下さい。
↓
大手ソーシャルレンディング会社を厳選ランキング。ファンドリターン&グローバル度&不動産担保設定状況、投資家登録数等々、複数の角度からソーシャルレンディング事業者を徹底検証。
それでは、本記事はここまで。
また次回の記事にて、お会い致しましょう。
本寄稿内容は、寄稿者の個人的な見解・体験・意見であり、その内容は、当ラボの公式見解と異なる場合があります。
また、本記事は、読者様への情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品(ファンド等含む)への投資勧誘を目的としたものではありません。
個別のソーシャルレンディング事業者における投資口座開設や、実際の投資是非に係るご判断につきましては、必ず、読者様ご自身にて、為さって頂きますよう、お願い致します。
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