ソーシャルレンディング案件の見方

ソーシャルレンディング投資とは

ソーシャルレンディング事業者の募集するファンドに対して出資し、その後、ソーシャルレンディング事業者からの分配金利益の獲得を目指す投資スタイルを、「ソーシャルレンディング」と言います。

ソーシャルレンディング投資の仕組み

  1. ソーシャルレンディング事業者に対して、投資家登録(※1)を行う。
  2. ソーシャルレンディング事業者の募集中ファンドの中から、気に入ったファンドを選び、出資申込(※2)を行う。
  3. 出資が成立すると、ソーシャルレンディング事業者と投資家との間では、匿名組合契約(※3)が締結される。
  4. ソーシャルレンディング事業者は、投資家から募った資金を、外部の借り手企業に融資する。
  5. ソーシャルレンディング事業者は、外部の借り手企業から回収した利息・元金を元手に、投資家への分配・償還を実施する。

(※1)ソーシャルレンディング事業者への投資家登録とは

ソーシャルレンディング事業者の募集ファンドへの出資にあたっては、事前に、各ソーシャルレンディング事業者に対して、投資家登録をする必要があります。
投資家登録にあたって、手数料がかかることは、一般的に、有りません。

投資家登録手続きとしては、

  • ソーシャルレンディング事業者のホームページから、必要情報を入力し、
  • その後、ソーシャルレンディング事業者が指定する、本人確認方法を履行することで、

完了、となることが一般的です。

入力が必要な情報は、氏名や年齢、住所、投資経験等で、証券会社に証券口座を開設したり、ロボアドバイザーにユーザー登録をするときとほぼ同様です。
本人確認方法としては、本人確認用のハガキを受け取り、マイページから、ハガキに記載された本人確認コードを入力する、という手法が一般的でしたが、最近では、eKYCを導入する例も散見されるようになりました。

(※2)ファンドへの出資申込

投資にあたっては、事前に投資家登録を済ませたうえで、そのソーシャルレンディング事業者のHPを閲覧し、気に入ったファンドがあれば、出資申込を行います。
事前に済ませた投資家登録と同様、個別のファンドへの出資申込も、オンラインで完結します。
なお、ファンドへの出資にあたっては、

  • ファンドの運用予定期間や、
  • 想定されている利回り、
  • 担保付きの場合は、その担保内容の確認、
  • シリーズ型ファンドの場合は、過去の同シリーズファンドの償還実績等、

必要な情報をくまなくチェックする必要があります。

(※3)ソーシャルレンディング事業者との、匿名組合の締結

ソーシャルレンディング事業者のファンドに投資する場合、投資家は、ソーシャルレンディング事業者との間で「匿名組合契約」を締結します。
当該組合契約において、

  • 投資家は「匿名組合員」となり、
  • 一方のソーシャルレンディング事業者は「(匿名組合の)営業者」となります。

匿名組合の特質として、投資家には、有限責任性が確保されています(=投資した資金全額を超過する賠償義務等を負うことは無い)。
ただし、ファンドの営業に直接参与することは出来ません(=ファンドの業務執行権は、営業者であるソーシャルレンディング事業者が占有します)。


参考:
【2021年9月最新版】ソーシャルレンディングおすすめ10社&危ない3社比較ランキング【投資初心者必見】

ソーシャルレンディング案件の「見方」について

ソーシャルレンディングファンド(案件)に関する情報の記載様式については、ソーシャルレンディング事業者によって、様々です。
今回は、国内ソーシャルレンディング業界においては大手といえる存在であったmaneo(マネオ)の、「不動産担保付きローンファンド2098号」(https://www.maneo.jp/apl/fund/detail?fund_id=7104)を例にとり、ソーシャルレンディング案件に関する各情報の「見方」について、検証致します。

【期待利回り】の見方

ソーシャルレンディングの利回りの見方

引用元:https://www.maneo.jp/apl/fund/detail?fund_id=7104

上掲要領にて掲載されているのが、当該ソーシャルレンディングファンドの、期待利回りとなります。
確認にあたっては、下記数点にご留意ください。

①表記はあくまでも「年利」換算。

期待利回りの見方として注意を要するのは、各ソーシャルレンディング事業者の期待利回り表記は、あくまでも「年利」換算である、という点です。
例えば、期待年利が10パーセントのファンドに、10万円を出資し、無事に満期償還を迎えた場合、

  • 当該ファンドの運用期間が1年間の場合は、10万円×10パーセント×12カ月/12カ月=1万円(※税金は考慮外)の利益を期待することとなりますが、
  • 当該ファンドの運用期間が半年間の場合、10万円×10パーセント×6カ月/12カ月=5,000円(※同上)の利益を期待することとなります。

②ソーシャルレンディング事業者の営業者報酬は控除後。ただし、税引き前。

掲載されている期待利回りの時点で、既に、ソーシャルレンディング事業者の営業者報酬は控除済みの利率が記載されていることが一般的です。
すなわち、掲載されている期待利回りから、ソーシャルレンディング事業者の営業者報酬が新たに控除(差し引き)されることは、無い、というのが、一般的です。

ただし、源泉所得税等各種租税については、呈示されている期待利回りの時点では、考慮外とされていることが一般的です。
ほとんどのソーシャルレンディング事業者は、投資家への分配金送金の際、源泉所得税相当額を控除しますから、ソーシャルレンディング事業者から実際に送金される分配金は、期待利回りから単純計算した金額よりも、小さくなることが一般的です。

なお、ソーシャルレンディング事業者からの分配金は、所得の分類上「雑所得」に該当し、総合課税の対象となります。
このため、給与所得等が大きい投資家の場合、累進課税の影響で、ソーシャルレンディング事業者からの分配金に対しても、確定申告を経て、高い税率が課せられてしまう場合があります。

③期待利回り通りに着地する保証はない。

ソーシャルレンディング事業者が掲示している利回りは、あくまでも、文字通り、「期待利回り」です。
ソーシャルレンディングファンドによっては、実際のファンド(匿名組合)の事業が、事前想定よりも好調に推移した場合、投資家への還元として、出資申込時点で掲示されていた期待利回り以上の利率による分配を行うケースもあります。

また逆に、ファンドの運用が不調となった場合、実際に分配される利益の利回りが、従前掲示されていた期待利回りを下回る、というケースも、あります。
ソーシャルレンディング投資において、ソーシャルレンディング投資家とソーシャルレンディング事業者とは、匿名組合契約(ソーシャルレンディング事業者が営業者、投資家が匿名組合員)を締結することとなりますが、この際、営業者は、匿名組合員に対して、投資元本の保証を行いません。
このため、実際の利回りは、期待利回りを下回るどころか、マイナス、すなわち、元本割れとなるリスクがあります。

【貸付総額】の見方

ソーシャルレンディングファンドの貸付総額の見方

引用元:https://www.maneo.jp/apl/fund/detail?fund_id=7104

上掲のように掲示されているのが、各ソーシャルレンディングファンドの、貸付先ごとの、貸付総額です。
ただし、留意を要するのが、シリーズ物のファンドの場合です。

ソーシャルレンディングファンドの貸付総額の見方02

引用元:https://www.maneo.jp/apl/fund/detail?fund_id=7104

今回例示している、maneo(マネオ)の、「不動産担保付きローンファンド2098号」の場合も、

  • 不動産担保付きローンファンド【2098号】単体による、貸付先1への貸付総額は、400万円ですが、
  • その他、複数号の、同一シリーズファンドが組成されるため、合計募集額は8,400万円となります。

【最低投資額】の見方

ソーシャルレンディングファンドの最低投資額の見方

引用元:https://www.maneo.jp/apl/fund/detail?fund_id=7104

上掲のように掲示されているのが、各ソーシャルレンディングファンドの、「最低投資額」となります。
例えば、本ファンドの場合、

  • 3万円や、4万円、5万円など、「3万円以上(=3万円を含む)」の金額であれば、出資を行うことが出来るが、
  • 1万円や、2万円など、「3万円未満」の金額では、出資を行うことが出来ない、

ということとなります。

この「最低投資額」は、ソーシャルレンディング事業者によって異なり、また、ソーシャルレンディング事業者の中には、各ファンドごとに、最低投資額を個別に定めていることもあります。

【運用期間】の見方

ソーシャルレンディングファンドの運用期間の見方

引用元:https://www.maneo.jp/apl/fund/detail?fund_id=7104

上掲要領にて掲示されています。
各ファンドの運用期間の見方としては、下記数点にご注意ください。

①ファンドの途中解約は出来ない。

一度、特定のソーシャルレンディング・ファンドへと出資すると、そのファンドが最終的な償還を迎えるまでの間、出資を途中解約することは、原則として、出来ません。
また、ソーシャルレンディング・ファンドへの出資持分に関しては、これを投資家間でトレードするための、いわゆる「セカンダリ・マーケット」が存在しないため、投資家としては、持分を誰かに売却して、現金化する、ということも出来ません。

このため、各ソーシャルレンディングファンドへの出資是非の検討にあたっては、当該ファンドの運用(予定)期間について、念入りな確認が必要となります。

②事前予定通りの運用期間とはならないケースがある。

各ソーシャルレンディングファンドの案件ページに掲載されている「運用期間」は、あくまでも、予定の物であり、諸般の事情によって、実際の運用期間が変化する場合があります。

  • 期間が短くなる場合:
    ソーシャルレンディング事業者と借り手企業との間の金銭消費貸借契約において、借り手企業からの申し出による早期繰上返済が認められている場合、借り手企業の事業運営の状況によっては、借り手企業からソーシャルレンディング事業者に対して、繰上返済が為される場合があります。
    この場合、ソーシャルレンディング事業者から投資家に対しても、早期償還が行われることが一般的であり、結果的に、ファンドの運用期間は、従前予定よりも、短くなります。
  • 期間が長くなる場合:
    ソーシャルレンディング事業者が投資家に対して行う分配(利息分配、及び、満期の元本償還)の原資は、あくまでも、借り手企業からソーシャルレンディング事業者に対して返済される、元利金であることが一般的です。
    このため、借り手企業からソーシャルレンディング事業者に対しての元利金返済に、遅延が生じた場合、ソーシャルレンディング事業者から投資家への分配にも、当然、遅れが発生します。

特に問題となるのが、借り手の返済遅延に応じて、ソーシャルレンディングのファンド運用期間が、ずるずると「延長」となる場合です。
現に、maneo(マネオ)においては、2021年9月現在、依然として多数のファンドが「延滞中」の状態にとどめ置かれています。

ファンドが「延滞中」のままで、貸し倒れ処理(デフォルト処理)も為されない場合、投資家においては、当該ファンドへの出資を、確定申告において「損失」として処理することも、ままなりません(損失として処理できるのは、あくまでも、ソーシャルレンディング事業者がデフォルト処理を済ませてから)。

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