パチンコメーカー向け?クラウドリースのソーシャルレンディング【事業者M社向け 第207弾】考。
個人投資家Y.K氏。
2018年初旬からソーシャルレンディング投資を始め、約1年ほどが経過。
合計20社以上のソーシャルレンディング事業者に投資口座を開設し、累計投資額は500万円前後。
30代男性会社員・首都圏在住。
【実質債務者はパチンコメーカーか】本ソーシャルレンディングファンドの概要
同社のホームページから確認した、本ファンドの概要としては、下記の通りです。
なお、案件1、及び案件2のうち、資金の大半を融資する「案件1」のほうに関してのみ、下記、詳説をさせて頂きます。
本ソーシャルレンディングファンドの詳細情報ページのURL
こちらです。
↓
https://www.crowdlease.jp/fund/detail?fund_id=3224
本ソーシャルレンディングファンドのスキーム図
引用元:https://www.crowdlease.jp/fund/detail?fund_id=3224
資金の借り手
クラウドリースにとっての直接的な債務者は、事業者Mです。
ただし、同社はクラウドリースの関連会社ですから、
本事業の実質的な債務者は、事業者Mから融資を受ける、事業者CAである、と見るのが妥当です。
事業者CAについては、
- アミューズメント機器(=パチンコ機器?)メーカーであり、アミューズメント機器の開発、製造を行っている。
- 大手企業向けのPB機(プライベートブランド機)商品企画も行っている。
との情報が記載されています。
貸付資金の総額
本ファンドからの貸し付けは、500万円とのこと。
ただし、複数号ファンドを経由し、総額では2,500万円を貸し付ける、とのこと。
借り手の資金使途
事業者Mとしては、クラウドリースからの融資金を原資に、事業者CAへの融資を行います。
事業者CAは、事業者Mから融資された資金を、「開発資金」に充てる、とのこと。
貸付・運用の期間
6カ月間の貸付・運用となります。
設定担保
事業者CAが有する売掛金債権3,800万円に、譲渡担保設定が為される、とのこと。
返済原資
事業者CAとしては、顧客から新規受注した開発案件をこなし、3,800万円の入金を得て、これを、事業者Mへの返済原資に充てる予定、とのこと。
本ソーシャルレンディングファンドの期待利回り
10パーセント、とのこと。
本ソーシャルレンディングファンドの検証ポイント
私が考える、本ファンドのポイントは、下記の通りです。
なお、いずれも、私の個人的な見解です。
実際の投資是非の判断においては、必ず、各投資家様それぞれ、皆様ご自身において、ご検討・ご判断を為さって頂きますよう、お願い致します。
実質債務者である事業者CAは、パチンコ機器メーカー?
本ソーシャルレンディングファンドの実質的な借り手企業となる事業者CAについては、「アミューズメント機器メーカー」との表記があります。
文脈から察するに、おそらくこれは、「パチンコ機器メーカー」という意味なのでは無いか、と、私は個人的に判断しています。
譲渡担保権について、対抗要件具備のための手続きは完遂されているか。
本件の場合、事業者CA(※私は、パチンコ機器メーカーではないかと推察)が第三者債務者(事業者CAにとっての、顧客)に対して有する(とされている)売掛債権に、譲渡担保が設定されます。
ソーシャルレンディングファンドにおいてよく見られる、「借り手事業者が所有する不動産に関して抵当権を設定」というのとは、肌合いが異なります。
不動産に関し担保権(不動産の場合は、抵当権)を設定する場合は、その情報をきちんと登記することにより、しっかりとした対抗要件が具備されることとなります。
これに対し、売掛金債権、という、目に見えぬ債権に関し担保権(この場合は、譲渡担保権)を設定する場合、対抗要件具備のためには、
- 事業者CAから、第三者債務者(=事業者CAにとっての顧客)に対し、本件譲渡担保設定について、きちんと通知をする。
- 本件譲渡担保設定について、第三者債務者(=事業者CAにとっての顧客)から、きちんとした承諾通知を得る。
等と言った、「ひと手間」をかけることが必要です。
本件ファンド概要ページにおいて、上記の「ひと手間」がしっかり完遂されているか、否か、について、
いまひとつ、力強く断言・記載されているように感じない、という点が、少々、個人的には、不安です。
例:「債権譲渡承諾書を徴求済み」等といった文言が、ファンド概要において確認できない。
「売掛債権譲渡担保を取っている」と書かれているので、当然きちんと、処理を行ってくれているものと、思うのですが…。
事業者CA(=パチンコ機器メーカー?)の所有する債権は、どの程度確からしい物なのか。
本件ファンド概要を読み込む限り、今回譲渡担保設定が為される「債権」は、
事業者CAが取引先から受注した、新規開発案件の、代金、のように見受けられます。
商店が顧客に既製品を販売し、その売掛金債権、というケースなどと違い、
事業者CAとして、しっかりと新規開発業務をこなし、その対価として、顧客から受け取ることが予定(より端的に言えば、期待)されている代金、と見受けられます。
その受け取りの確度が、どの程度の内容なのか、が、本ファンド概要を読み込む限りにおいては、見えづらいように感じます。
- 事業者CAによる開発業務がうまく遂行されなかった場合、契約済代金は回収できるのか。
- 開発期間が予定よりも長期にわたった場合、半年間の借入期間中に、返済原資は確保できるのか。
等と言った点が、いささか気になります。
ましてや、クラウドリースから事業者Mへの融資は、ノンリコースローンです。
事業者Mは、クラウドリース関連会社として、複数の貸付金債権(=資産)を有しているものと思いますが、
万が一、事業者CAから事業者Mへの返済が滞り、その結果必然的に、事業者Mからクラウドリースへの返済が滞ってしまった場合、
クラウドリースとしては、事業者Mのその他資産からの本件債権回収を図ることは出来ません。
当然その場合、クラウドリースから私たち個人投資家への元利金分配にも、滞りが生じるはずです。
本記事執筆現在の資金応募状況は
引用元:https://www.crowdlease.jp/fund/detail?fund_id=3224
↑
本記事公開本日現在、既に100%の資金募集が完了しています。
無事に満期償還を迎えてくれれば、良いのですが…。
まとめ
記事中には、私の個人的な見解が、多々、含まれておりますが、
あくまでも、その限りにおいて、
少しでも、「これからソーシャルレンディング投資を始めてみよう」とお考えの読者様にとり、ご参考になさって頂ける内容と出来たのであれば、嬉しい限りです。
それでは、以上にて、拙筆を置かせて頂きます。
失礼致します。
※本記事の内容は、寄稿者の個人的な見解であり、その内容は、当ラボの公式見解と異なる場合があります。
また、本記事は、読者様への情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品(ファンド等含む)への投資勧誘を目的としたものではありません。
個別のソーシャルレンディング事業者における投資口座開設や、実際の投資是非に係るご判断につきましては、必ず、読者様ご自身にて、為さって頂きますよう、お願い致します。
案件ごとの利回りや、ソーシャルレンディング事業者としての規模、ソーシャルレンディング初心者へのおすすめ度など、複数の角度から、国内ソーシャルレンディング事業者各社をランキングした、こちらの過去記事も、おすすめです。是非、ご覧になってみてください。
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