「投資家から提訴されたソーシャルレンディング事業者の例を教えてください」
「ソーシャルレンディングに興味があり、いろいろ情報収集している者です。
投資にあたり、業者選びは特に慎重に行いたいと考えていますが、各ニュースサイト等を見ると、ソーシャルレンディング業者の中には、投資家から提訴されたところもあるようです。
お手数ですが、これまでに投資家から提訴されたソーシャルレンディング業者の一覧・具体例をまとめて記事化いただけませんか。」
(40代・男性・ソーシャルレンディング投資歴:なし)
目次
ソーシャルレンディング事業者の中には、過去、投資家から提訴された業者が存在する
日本国内には、現在、20社を超えるソーシャルレンディング事業者が存在しますが、その中には、過去、投資家から、損害賠償請求などを提訴された事業者があります。
本記事においては、実際に投資家から提訴されたことのあるソーシャルレンディング事業者について、その提訴内容等をまとめて参ります。
提訴されたソーシャルレンディング事業者①【maneoマーケット】
引用元:maneo
朝日新聞や日本経済新聞の記事によれば、ソーシャルレンディング・サービス「maneo」の運営会社にあたる、maneoマーケット株式会社(東京都千代田区内幸町1丁目1番7号 日比谷U-1ビル)は、2019年3月、50名以上の個人投資家などから、提訴されています。
提訴先は、東京地方裁判所。投資家のもとめる損害賠償額は約11億円。
その後、現在に至るまで、maneoでは、新たなファンドの募集・公開は行われていません。
提訴されたソーシャルレンディング事業者②【ラッキーバンク】
引用元:ラッキーバンク
朝日新聞報道によれば、ソーシャルレンディング・サービス「ラッキーバンク」を運営するラッキーバンク・インベストメント株式会社(東京都中央区八重洲一丁目1番3号 壽ビル9階)もまた、投資家から提訴されたソーシャルレンディング事業者のひとつ。
上記報道によれば、原告は個人投資家45人。賠償の請求額は2億7千万円。
前述のmaneoと同様、その後、ラッキーバンクでは、新たなファンドの募集等は為されていません。
※後述の行政処分により、ラッキーバンク・インベストメント株式会社は、金融商品取引業者としての登録を取り消されています。
提訴されたソーシャルレンディング事業者③【エーアイトラスト】
引用元:トラストレンディング
弁護士ドットコムニュースによれば、ソーシャルレンディング・サービス「トラストレンディング」を運営していたエーアイトラスト株式会社(現:AI株式会社)に関し、2019年8月、全国の個人投資家143名等が、3億円強の損害賠償を求め、東京地方裁判所へと提訴しています。
前述のmaneoやラッキーバンクのケースと同様、トラストレンディングでは、現在、新たなファンドの募集は行われていません。
※前掲のラッキーバンクと同じく、エーアイトラスト社も、後述の行政処分によって、第二種金融商品取引業の登録を取り消されています。
「行政処分→延滞発生→提訴」の流れが多い
上記した3社に共通しているのは、いずれのソーシャルレンディング事業者も、まず、監督官庁からの行政処分を受けている、ということ。
maneoマーケットの場合は、平成30年7月に、ラッキーバンク・インベストメントの場合は、平成30年3月と平成31年3月に、そして、エーアイトラスト社の場合は、平成30年12月と平成31年3月に、それぞれ、監督官庁からの行政処分を受けています。
※上記のうち、ラッキーバンク・インベストメントとエーアイトラストの場合は、2度目の行政処分によって、投資家勧誘やファンド募集に必要な、第二種金融商品取引業の登録を、取り消されています。
そして、監督官庁から行政処分を受けて以降、いずれのソーシャルレンディング事業者の場合も、ファンドの延滞が多く発生するようになります。
maneoの場合であれば、現在も多量の延滞中ファンドを抱えていることが明らかにされていますし、ラッキーバンクの「運用実績一覧」ページでは、多量のファンドが、運用放棄となったことが分かります。エーアイトラスト社が運営していたトラストレンディングの場合も、ファンド延滞が発生しており、各案件の状況は、ホームページを通して投資家へと公開されている状況です。
- 行政処分によって、杜撰な管理体制などが明らかになったり、必要な許認可・登録の取り消しを受ける等して、
- 新たなファンド(リファイナンス用のファンドなど)の組成等が出来なくなることにより、延滞ファンドが多発し、
- それによって損害を被った投資家が、集団提訴に踏み切る、
という構成が多い事が分かります。
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