「ソーシャルレンディングに関する論文を執筆したいのですが…」
「某大学の経済学部に在籍している者です。
融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)について論文を執筆したい考えなのですが、関連する統計数値情報の収集が難航しています。
御手数ですがご助言頂けると助かります。」
(20代・男性・ソーシャルレンディング投資歴:なし)
目次
論文執筆時に参考となる、ソーシャルレンディングに関する統計情報発行元
論文執筆にあたっては、各種統計値の収集が不可欠となりましょうが、国内ソーシャルレンディング業界に関する統計情報を扱っている機関・企業としては、下記のようなものがあります。
第二種金融商品取引業協会
引用元:第二種金融商品取引業協会
国内ソーシャルレンディング事業者は、一般的に、投資家から資金を募集するにあたり、「第二種金融商品取引業」の登録を受けています(※)。
そして、第二種金融商品取引業登録事業者の多くが加盟する自主規制機関が、「第二種金融商品取引業協会」にあたります。
第二種金融商品取引業協会は、HPにおいて統計情報を公開・掲載しており、例えば、2019年12月20日に掲載された、「正会員における貸付型ファンドの取扱状況について」(報告対象期間:平成31年4月1日~令和元年9月30日)という資料では、左記対象期間中の、ソーシャルレンディング・ファンド(=貸付型ファンド)の数量や延べ出資者数、出資総額、といった数値情報(ただし、第二種金融商品取引業協会が、自身の正会員企業から報告を受けた物)が公開されています。
(※)ソーシャルレンディング・サービス「クラウドバンク」を運営する日本クラウド証券株式会社のように、運営会社が、第一種金融商品取引業の登録を受けているケースもあります。
矢野経済研究所
引用元:矢野経済研究所
株式会社矢野経済研究所は、1958年設立。官公庁からの受託実績も多いマーケティング・リサーチ企業です。
そんな矢野経済研究所も、国内クラウドファンディング市場規模などに関するレポートなど、ソーシャルレンディング業界趨勢に関わるリサーチ・コンテンツを発行しています。
ソーシャルレンディングに関する、既存の論文も確認を
国内外のソーシャルレンディング市場については、既に数多くの論文が発行されています。
質問者様におかれまして既にチェック為さっておられるものと思いますが、実際の論文検索においては、下記のようなサービスが参考になります。
CiNii(NII学術情報ナビゲータ[サイニィ])
引用元:CiNii
CiNiiは、論文、図書・雑誌や博士論文などの学術情報で検索できるデータベース・サービス。ソーシャルレンディングに関する論文も、簡単に検索することが可能です。
J-STAGE
引用元:J-STAGE
J-STAGEは、国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST) が構築した、日本の科学技術情報の電子ジャーナル出版の推進プラットフォーム。2020年2月18日現在、400万件以上の論文などがデータベース化されています。
対象は科学技術関連のみに留まらず、ソーシャルレンディングに関しても、様々なジャーナル・レポートが検索・確認可能となっています。
ソーシャルレンディング事業者自身が発信している数値情報も、論文執筆の参考に
国内ソーシャルレンディング業界においては、自身の募集実績やファンドの運用状況等について、積極的に情報公開を行っている事業者が存在します。
そうしたソーシャルレンディング事業者が公開・掲載している情報の中には、実際の論文執筆においてヒントとなるような情報もあるでしょう。
SBIソーシャルレンディング
引用元:SBIソーシャルレンディング
SBIソーシャルレンディングは、2020年1月末時点での投資家登録完了数が45,000名を超えるなど、国内ソーシャルレンディング業界を代表する事業者のひとつです。
そんなSBIソーシャルレンディングの場合、自身のサービスサイト上において、これまで組成・募集した各ファンドの、元本償還などに関する情報、および、SBIソーシャルレンディング全体の融資残高や累計融資実績値など、ファンド運用全体に関する情報を公開・掲載しています。
特に前者においては、これまでに募集された常時募集型ファンド、およびオーダーメード型(随時募集型)ファンド、それぞれの細かい出資額や償還済元本額、名目利回り情報などが掲載されていますから、確認してみると良いでしょう。
クラウドクレジット
引用元:クラウドクレジット
国外向け案件を専門的に取り扱うソーシャルレンディング・サービス「クラウドクレジット」もまた、情報公開に積極的な事業者のひとつです。クラウドクレジットが公開している「満期時運用レポート」においては、ファンドシリーズ別に、これまでの各号(ファンド)の満期時の運用成績が公開掲載されています。論文執筆の元データとしても、示唆に富んだものとなり得るでしょう。
実際の論文執筆にあたっては、各ソーシャルレンディング事業者等へと事前許諾を
実際に学術論文執筆にあたり、各情報の引用を行いたい場合、それぞれの情報掲載元へと、論文への数値情報等引用について、事前許諾をお取りになることをおすすめします。
特に、ソーシャルレンディング事業者のHPから情報引用を行う場合、各ソーシャルレンディング事業者の情報更新頻度・スケジュールによっては、公開されている情報と最新実態とに時差があるケースも想定されますから、許諾の相談と併せて、最新数値情報の個別提供可否についても、相談為さってみると良いでしょう。
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