maneoから、ソーシャルレンディングファンド「事業性資金支援ローンファンド1474号」が公開されています。

寄稿者紹介

個人投資家Y.K氏。
2018年初旬からソーシャルレンディング投資を始め、約1年ほどが経過。
合計20社以上のソーシャルレンディング事業者に投資口座を開設し、累計投資額は400万円以上。
30代男性会社員・首都圏在住。

本ソーシャルレンディングファンドの概要

同社のホームページから確認した、本ファンドの概要としては、下記の通りです。
なお、案件1、及び案件2のうち、資金の大半を融資する「案件1」のほうに関してのみ、下記、詳説をさせて頂きます。

本ソーシャルレンディングファンドの詳細情報ページのURL

こちらです。

https://www.maneo.jp/apl/fund/detail?fund_id=6804

本ソーシャルレンディングファンドのスキーム図


引用元:https://www.maneo.jp/apl/fund/detail?fund_id=6804

資金の借り手

maneoにとっての直接的な債務者は、事業者FGです。
同社については、

  • maneoの海外事業展開を推進していく上での事業パートナーであり、
  • 日本、中国、香港、東南アジア等の地域において金融事業を行っている事業者。
  • maneoの海外ハブ機能として、投資家へと海外案件を紹介していく。

との説明が表記されています。

maneoとの間の資本関係等について記載はありませんが、概ね、maneoの関連会社と目してよいものと、個人的には思料しています。

となると、本事業の実質的な債務者は、上掲の事業者FGから資金を借りる、「事業者FI」となります。
事業者FIについては、「オンライン型消費者金融事業「Akulaku」を行う事業者」との表記があります。

貸付資金の総額

本ファンドからの貸付は、3,000万円です。
第1次~第20次までのファンド組成が予定されており、合計では、6億円を融資する計画、とのこと。

借り手の資金使途

事業者FI社にとっては、「事業資金」である旨が明記されています。
具体的には、

  • 手元流動性資金や、
  • インドネシアの消費者向けの貸付資金・諸費用として

との記載が見受けられます。

貸付・運用の期間

貸付実行日が、2019年01月28日。
これに対して、返済完了(予定)日は、2020年03月30日。
期限前返済が無い限り、14カ月の貸付・運用となります。

設定担保

無担保・無保証とのこと。
ただし、事業者FIの小口貸付債権および割賦販売債権の優先回収に資する契約を締結する、との記載が見受けられます。

返済原資

事業者FGからmaneoへの返済については、事業者FIの事業者FGに対する返済を原資として行われる、との記載があります。
対して、事業者FIから事業者FGへの返済については、「事業利益、手元流動資金、金融機関借り換えなどにより行う予定」との記載があります。

本ソーシャルレンディングファンドの期待利回り

8パーセント、とのこと。

本ソーシャルレンディングファンドの検証ポイント

私が考える、本ファンドのポイントは、下記の通りです。
なお、いずれも、私の個人的な見解です。
実際の投資是非の判断においては、必ず、各投資家様それぞれ、皆様ご自身において、ご検討・ご判断を為さって頂きますよう、お願い致します。

貸付期間はいささか長い。

本事業の貸し付け期間は14カ月。
他のソーシャルレンディングファンドと比較し、いささか長めです。

貸付期間が長くなればなるだけ、投資の期待総利益は膨らむわけですが、同時に、わたしたち個人投資家としては、その分の時間リスクを負う必要が出てきます。
この点は、留意を要するものと思われます。

譲渡担保等の設定が為されるわけではない。

本事業については、まず第一義的には、「無担保・無保証」である旨が明記されていますが、併せて、


引用元:https://www.maneo.jp/apl/fund/detail?fund_id=6804

上掲のコメントも付記されており、投資家としては、いささか判断・解釈に迷うところでしょう。

しかし、本ファンド概要を読み込む限りにおいて、

  • 具体的な譲渡担保設定に関する情報が明記されているわけではなく、
  • 事業者FI所有下の「いくら(価額)分の」債権に、譲渡担保が設定されるのか、という情報も、一切、記載されていませんので、

ここはごく冷徹に、純然たる無担保・無保証ファンドである、と解釈すべきだと、個人的には思料しています。

為替リスクがヘッジされる点は好感できる。


引用元:https://www.maneo.jp/apl/fund/detail?fund_id=6804

上掲の通りの付記がありますので、ひとまず、為替リスクについては、放念することが出来ます。
ヘッジ手数料控除後の利回りで、年利換算8パーセントの期待利回り、という点についても、あわせて、一定程度、好感してよろしいものと考えます。

為替ヘッジ付の国外貸金事業者向けの融資、と考えると…

至極端的に要約してしまえば、本事業は、「為替ヘッジ付の、国外金融事業者支援ファンド。14カ月物。」と見なすことが出来ます。

比較対象としては、国際分散投資型ソーシャルレンディング大手「クラウドクレジット」の、東欧金融事業者支援ファンドシリーズなどが適切でしょう。
為替ヘッジ有無の構成や、ファンドの運用期間長短、利回り、といった情報については、ほぼ同等、と考えると、ファンドシリーズとしての歴年の実績(償還実績を含む)、という観点からは、クラウドクレジットの東欧金融事業者支援ファンドシリーズのほうに、軍配が上がるものと、個人的には思料しています。
※クラウドクレジットの東欧金融事業者支援ファンドシリーズの場合、為替ヘッジ無しタイプ等も含めると、既に90本以上のファンド組成実績があります。

本記事執筆現在の資金応募状況は


引用元:https://www.maneo.jp/apl/fund/detail?fund_id=6804

上掲のような状況です。

まとめ

記事中には、私の個人的な見解が、多々、含まれておりますが、
あくまでも、その限りにおいて、
少しでも、「これからソーシャルレンディング投資を始めてみよう」とお考えの読者様にとり、ご参考になさって頂ける内容と出来たのであれば、嬉しい限りです。

ソーシャルレンディング各社をランキング形式で分析したこちらの過去記事もおすすめです。是非、ご覧になってみてください。

ソーシャルレンディング事業者ランキング保存版。ファンド平均利回り・投資対象国分散具合・不動産担保設定状況・出資時利便性(=投資のしやすさ)。複数の視座から、国内人気ソーシャルレンディング事業者を、徹底ランキング。

それでは、本記事はここまで。
また次回の記事にて、お会い致しましょう。


本寄稿内容は、寄稿者の個人的な見解・体験・意見であり、その内容は、当ラボの公式見解と異なる場合があります。
また、本記事は、読者様への情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品(ファンド等含む)への投資勧誘を目的としたものではありません。
個別のソーシャルレンディング事業者における投資口座開設や、実際の投資是非に係るご判断につきましては、必ず、読者様ご自身にて、為さって頂きますよう、お願い致します。

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