ソーシャルレンディング：鉄壁ファンドの見抜き方

ソーシャルレンディング：鉄壁ファンドの見抜き方

ソーシャルレンディング（融資型クラウドファンディング）への投資を検討されているのですね。高い利回りが魅力的な一方で、リスクも伴う投資ですので、慎重な判断が求められます。特に、担保・保証付きファンドは、一見すると安全性が高いように思えますが、本当に「鉄壁」と言えるのか、しっかりと見極める必要があります。今回は、担保・保証付きファンドを見抜くためのポイントを解説いたします。

１．担保の種類と評価額の確認

担保付きファンドにおいて最も重要なのは、担保の種類と評価額です。

* 不動産担保：最も一般的な担保です。不動産の種類（土地、建物、マンションなど）や所在地、築年数などを確認しましょう。不動産評価額は、不動産鑑定士による評価額なのか、簡易的な査定額なのかを確認することも重要です。また、担保順位（第一順位なのか、第二順位以降なのか）も確認しましょう。第一順位であれば、万が一の際に優先的に弁済を受けられます。
* 有価証券担保：株式や債券などが担保となる場合があります。担保とする有価証券の種類や発行体の信用力、担保掛目（担保価値を評価する際に、時価に対して掛けられる割合）を確認しましょう。
* 売掛債権担保：企業の売掛債権を担保とする場合があります。売掛先の信用力や売掛債権の回収可能性を確認する必要があります。
* 動産担保：機械設備や在庫などを担保とする場合があります。担保とする動産の種類や状態、換金性を確認する必要があります。

評価額については、LTV（Loan to Value：融資額を担保評価額で割った値）を確認しましょう。LTVが低いほど、担保価値に余裕があり、安全性が高いと言えます。一般的に、LTVが70%以下であれば比較的安全性が高いと考えられます。

２．保証の内容と保証会社の信用力

保証付きファンドの場合、保証会社の信用力が重要です。

* 保証会社の信用格付け：信用格付け機関（例：格付投資情報センター（R&I）、日本格付研究所（JCR））による格付けを確認しましょう。格付けが高いほど、保証会社の信用力は高いと言えます。
* 保証会社の財務状況：保証会社の財務諸表（貸借対照表、損益計算書）を確認し、自己資本比率や収益性などを分析しましょう。財務状況が健全であれば、保証履行能力が高いと考えられます。
* 保証の範囲：保証の範囲を確認しましょう。元本のみを保証するのか、利息も保証するのかによって、リスクが異なります。

３．貸付先の事業内容と財務状況

担保・保証があっても、貸付先の事業がうまくいかなければ、返済が滞る可能性があります。

* 事業内容：貸付先の事業内容を理解し、成長性や競争優位性などを分析しましょう。
* 財務状況：貸付先の財務諸表を確認し、売上高、利益、キャッシュフローなどを分析しましょう。債務超過や赤字が続いている場合は、注意が必要です。

４．ファンド組成事業者の情報開示

ファンド組成事業者の情報開示姿勢も重要です。

* 詳細な情報開示：担保の種類や評価額、保証の内容、貸付先の事業内容や財務状況など、詳細な情報が開示されているか確認しましょう。
* リスク情報の開示：ファンドのリスクについて、詳細かつ具体的に説明されているか確認しましょう。
* 問い合わせへの対応：ファンド組成事業者への問い合わせに対し、迅速かつ丁寧に対応してくれるか確認しましょう。

５．分散投資の重要性

一つのファンドに集中投資するのではなく、複数のファンドに分散投資することで、リスクを軽減することができます。担保・保証付きファンドであっても、過信せず、分散投資を心がけましょう。

以上の点を踏まえて、ソーシャルレンディングのファンドを慎重に検討することで、リスクを抑えながら、安定的な収益を目指すことができるでしょう。投資は自己責任です。十分な情報収集と分析を行い、ご自身の判断で投資を行いましょう。